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    • 2023.01.12 Thursday
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    ベイビー・ブローカー

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      JUGEMテーマ:韓国映画全般

       

      ベイビーブローカー

      出典:IMDb

       

      「ベイビー・ブローカー」

      原題:Broker

      監督:是枝裕和

      2022年 韓国映画 129分

      キャスト:ソン・ガンホ

           カン・ドンウォン

           ペ・ドゥナ

                     IU

           イ・ジュヨン

       

      古びたクリーニング店を営むサンヒョンと児童養護施設出身で

      教会で働くドンスは裏で「赤ちゃんポスト」に入っていた

      赤ん坊を売っている。そして一人の若い女性が「赤ちゃんポスト」

      の前に赤ん坊を置いていく。彼らを張り込んでいた刑事の手で

      その子は「赤ちゃんポスト」に入れられ、2人は早速買い手を

      探し始める。しかし翌日赤ん坊を引き取りにソヨンが現れた

      ことで事態は変わっていくのだった。

       

      <お勧め星>☆☆☆☆ 世の中の底辺に暮らす人々への優しさが

      感じられる映画です。

       

      生まれてきてくれてありがとう

      (これを棒読みするのがいい)

       

       

       


      <ネタバレしています>

       

       

       

      土砂降りの雨の日に足のきれいな若い女性が何かもごもご動く

      ものを抱えて傘もささずにある場所へ向かいます。そこは教会で

      「赤ちゃんポスト」が設けてあるのです。しかし彼女はそこに

      赤ちゃんを入れず、その前に置いていくのです。遠くで張り

      込んでいたペ・ドゥナ演じるスジンチーム長は、人身売買実態を

      追っているらしく、その赤ん坊をポストに入れます。彼女の

      部下イ役は「野球少女」「梨泰院クラス」のイ・ジュヨン。
      一方教会の中では赤ちゃんポストの映像を見てソン・ガンホ

      演じるサンヒョンとカン・ドンウォン演じるドンスが、その

      赤ん坊を連れてきます。監視カメラ映像は消し、いつも通りその

      赤ん坊を売買しようと準備し始めるのです。この流れが大そう

      スムーズであることからわかるように彼らは何度も同じことを

      しており、それに気づいた警察が実態解明をしようとしています。

      ところがスジン達の上司の言うような大規模な人身売買シンジケート

      が存在するわけでもなく、借金返済と小遣い稼ぎのような目的で

      2人が個人的に行っているわけです。だから買い手探しも自分

      たちの手で行います。
      ところが翌日、母親のソヨンが赤ん坊を取り返しに来ます。

      もちろん本当の赤ちゃんポストに入っていません。ここであたふた

      するサンヒョンは、根っからの悪い人間ではないことがわかります。
      ソヨンに「養子縁組」を勧め、それで得た金を分けようと提案する

      のです。

      そもそもソヨンはなぜ赤ん坊ウソンを捨てなければならなかったのか?

       

      <サンヒョン>
      クリーニング店を営んでいるが全く儲かっておらず、一人娘を

      もうけた妻とは離婚し、ギャンブルでの借金がある。赤ん坊の扱いに

      慣れているのは恐らく自分の娘の世話もしたからで、いつかは妻と

      よりを戻し家族3人で暮らしたいと願っている。


      <ドンス>
      児童養護施設出身で、親の顔は知らず、道端に捨てられていたと

      いう。「いつか迎えに来るからね」というメモが残してあったが

      もちろん迎えは来ないまま成長した。


      <ソヨン>
      親に捨てられたのか家出したのか路上にいるところを売春組織の

      女に拾われ、そこで売春させられていたが、客の男の子供を

      身籠っってしまう。さらにはその子供を生んだことで組織の女には
      見捨てられ、父親である男に責められて彼を殺害してしまう。

      それが雨の日の行動に出たらしい。


      <スジン>
      青少年福祉課の刑事で人身売買斡旋を追っている。部下のイと

      共に赤ちゃんポスト前で張り込んでいたが、

      「望まれずに生まれる方が不幸」と言い切り、

      「捨てるなら生むな」とも吐き捨てるように言う。部下のイが

      捨てる側の心情を訴えても一切受け付けない。主夫をしていて

      張り込み中差し入れをする優しい夫がいるが、子供ができない

      状況にあるらしい。


      <へジン>
      児童養護施設に暮らす8歳の少年で、養子に行ける年齢は

      とっくに過ぎているサッカー好き少年。ドンスが大好きである。

       

      サンヒョン、ドンス、ソヨンで里親希望者に面会するも、赤ん坊を

      値切り、挙句の果ては分割払いを提案する相手にソヨンは悪態の

      限りをつきます。「お客様ファーストで」となだめるサンヒョン
      の言葉に聞く耳を持ちません。もしかしたらこのウソンへの

      愛情があるのではないでしょうか。この後、養護施設のへジンが

      加わり、サンヒョンのボロボロ車で里親探しの旅に出るわけです。
      ボロボロ車を自動洗車機に通した時、ヘジンが窓を開けたため

      全員がびしょ濡れになりますが、この時なぜか車内に和やかな

      雰囲気が沸き起こります。

      ボロ車=「リトルミスサンシャイン」(2006)
      を彷彿とさせる瞬間です。あれは本当の家族でしたが。
      一方刑事と接触したソヨンは

      「産んで殺すより産む前に殺す方が罪が軽いのか?」

      と尋ねるのです。一つ一つの言葉が胸に突き刺さります。
      また観覧車の中でドンスはソヨンに

      「自分を捨てた母を許す代わりにソヨンを許す」

      と語ります。

      「すべて一から始まればいいのに」

      涙を流すソヨンの目を大きな手のひらが覆うのです。犯した
      罪をなかったことにはできないことをソヨン自身が深く理解して

      いるのです。
      5人で過ごす最終日、ヘジンの頼みでソヨンはみんなに

      「生んでくれてありがとう」

      と語り掛けます。この言葉はよく使われるし、一見綺麗な内容に

      思えますが、薄っぺらく、個人的には居心地の悪さしか

      感じません。その居心地に悪さは、生きづらさを感じている

      多くの人たちの存在があるからかもしれません。
      結局サンヒョンは、妻子とは二度と会えないことを知り、ソヨンを

      守るためにウソンを狙うテホを殺害、逃走したのでしょう。それは

      ドンスがこれ以上罪を重ねないためでもあったと考えられます。

      ドンスは里親希望夫妻とともに検挙され、ソヨンはウソンをスジンに

      託し、自首という選択を取ります。

      そして彼女の刑期が終わった日の姿が映ります。
      かつて5人で撮ったプリクラをルームミラーにぶら下げた車は

      サンヒョンが運転しているのでしょう。しかし恐らくは二度と

      ソヨンたちの前に現れないはずです。
      「万引き家族」(2018)同様に疑似家族の繋がり方を描いて

      いましたが、それぞれの胸の内が映像だけで静かに伝わり、

      何が正しいのか?と選択させるのではなく、そうせざるを

      得なかった人々の気持ちを見る側がどう理解するのか試して

      いるように感じました

       

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      LAMBS/ラム

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        JUGEMテーマ:洋画

         

        ラム

        出典:IMDb

         

        「LAMB/ラム」

        原題:DYRID/Lamb

        2021年 アイスランド=スウェーデン=ポーランド映画 

        106分 R15+

        監督:ヴァルディミール・ヨハンソン

        キャスト:ノオミ・ラパス

             ヒナミル・スナイル・グヴズナソン

             ビョルン・フリーヌル・ハラルドソン

         

        アイスランドの山間の一軒家で牧羊を営むイングヴァルと

        マリア夫妻は、ある日飼っている羊が奇妙なものを出産

        するのを目にしてしまう。二人はそれに「アダ」と名付け

        わが子同様に可愛がるのだが、母羊の鳴き声に苛立ちその

        羊をマリアは射殺してしまう。その後久しぶりに舞い戻った

        イングヴァルの弟ペートゥルも加わり、一見幸せに見える

        一家だったが...。


        <お勧め星>☆☆☆半 個人的には好きな映画です。

        アイスランドの大自然がとても雄大で美しいです。


        ラストのマリアの表情

         

         

         

         

        <完ぺきネタバレ>


        冒頭は12月24日、猛吹雪の晩に羊舎に何かが入ってくる

        らしいシーンが映ります。それは何かわかりません。ただ扉が

        開くと、何かの息遣いが聞こえ、羊たちが白い息を吐いて逃げ

        惑うのが印象的です。その後1頭の羊が倒れます。

        この日付が結構重要なのです。(と思います)
        イングヴァルとマリア夫妻は二人で羊の出産を手伝い、

        (かなりリアルでこれは本物のシーンではないかと思う)

        何頭か取り上げた後に「今年はなかなかのできね」と言って

        笑い合います。その後食卓に羊肉料理らしきものが上がり、

        それを美味しそうに口にするマリアを見ると、なんとも複雑な

        気持ちになります。しかしそれが彼らの仕事なのですから当然

        のことなのです。
        さて、また違う日に羊の出産を手伝っていると、そこから羊では

        ない「何か」が生まれるのです。それはすぐには全てが写り

        ません。頭が出てきた時、羊だったのに、それ以降を写さず、

        イングヴァルとマリアがそれを大事に抱えて行く姿だけ後ろ

        から写すのです。
        「アダ」と名付けられた「それ」の姿がすべて写るのは、

        「それ」を出産した雌羊が乳房を腫らした姿で、窓越しに鳴き

        続け、さらにはソファに寝かしてあったアダを連れ去ったのを

        見つけた時で、アダは、頭は羊、体の人間、しかし片手は羊の

        足をしている半獣半人だったのです。ここはだいたい想像が

        できたけれど、なぜか羊頭の子供がかわいく見えて仕方

        ありません。
        しかしマリアはなぜか夢の中で目をぎらつかせている羊の

        群れを見ます。それは母親から子羊(半分人間だけれど)を

        奪ったことへの罪悪感でしょうか。

        またアダへの執着心が強まるあまり、雌羊を射殺してしまう

        のです。実は二人には「アダ」という娘がいたのですが、

        どうやら凍った池にはまって亡くなったらしい。したがって

        この「アダ」は天からの贈り物だと二人は信じてしまった

        わけです。
        そこへ、しばらく音信不通だった夫の弟ペートゥルが戻って

        きます。というか3人組に捨てて行かれるわけですが、この

        ペートゥルのかなり癖が強いです。「アダ」を羊扱いし、

        こっそり連れ出して射殺しようとまでします。それを止めて

        戻り、「アダ」を抱えて幸せそうに眠っている姿を見ると、

        人間の身勝手さを実感します。つまり自分とは違うものを

        排除しようとするものの、それが可愛いとおもちゃのように

        大事にし始めるという感じです。それは愛情とは言えないん

        じゃないでしょうか。
        また、アダは夫妻とペートゥルが熱中して見ている

        ハンドボールが全く理解できないのです。さらには頭が他の人と

        違うこと、壁に張ってある羊の群れのポスターと同じである

        ことに気づきます。この時点で、アダと一家には未来が

        見えないと思えてきます。
        そこへ何かが登場するのです。

        背後に聞こえる牧羊犬の悲鳴は、3人には聞こえていません。
        ハンドボールに夢中でアダが外に出て行ったことに気づかなかった

        3人。さらに、過去に関係があったらしいぺートゥルに誘われる

        マリアは彼を拒否し、ここを去るように仕向けます。
        一方故障して止めたままのトラクターを修理に向かった

        イングヴァルとアダに悲劇が襲うのです。
        映画の冒頭付近でイングヴァルが「時間旅行ができるらしい」と

        語るとマリアは「過去に戻れるの?」と尋ねていました。

        イングヴァルは「未来は知りたくない。今が幸せだから」と言った

        のと対照的です。過去に執着していたマリアはアダを奪うために

        その母羊を殺しました。しかしアダは実の子ではなく、その父は

        映画のラストに姿を見せたアダと同じ姿の怪物だったのです。

        それはギリシャ神話の「サテュロス」と呼ばれる山羊の角を持つ

        半獣半人の精霊という説もあります。その精霊は「自然豊穣の化身」

        であり、踊りと歌を愛する怪物であることから、アダが音楽や

        踊りが好きだったことにも繋がるからです。

        しかしながら、その怪物が羊舎を訪れたのがキリストが誕生した

        12月24日となると「アダ」はキリストを象徴し、実の娘の

        復活を意味しているとも思われるのです。となると例の怪物は

        「悪魔」としか思えません。

        角の生えたその風貌は「悪魔」そのものでしたから。
        ラストは夫の死を受け入れ、下を見てから、天を仰ぎ、最後に

        前を見据えるマリアが映ります。それはイングヴァルの子供を

        宿していると悟ったことから生まれた希望ではないかと思っています。
        過去にとらわれ続けたマリアが未来を見始めた瞬間だとも感じます。

         

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        サムバディ(Netflix 韓国ドラマ)

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          JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

           

          サムバディ

          出典:IMDb

           

          「サムバディ」

          2022年 韓国ドラマ 

          製作:Netflix

          キャスト:カン・ヘリム

               キム・ヨングァン

               キム・ヨンジ

               キム・スヨン

               チェ・ユハ

           

          アスペルガー症候群を患うソムはコンピューターの

          プログラミングに関しては誰よりも秀でていた。

          スペクトラム社のサマンサは彼女の才能に目をつけ、

          新たな出会い系アプリ「サムワン」を開発する。
          ソムはその後会社のCTOとなっていたが、そのアプリを

          利用した殺人事件が連続して起きるのだった。

           

           

          <お勧め星>☆☆☆☆

          見終わってかなり考えるのが楽しい。

           

           

          <完ぺきネタバレ>独自の解釈

           

           

           


          まず韓国ドラマは映画もそうですが、グロさは超一級、

          エロさは雰囲気とキスとBGMで醸し出していると思って

          いました。しかしこのドラマは最初からそれを覆します。

          ただ動物のシーンは例えフェイクとわかっていても目を

          背けてしまいます。あれにリアルさは不要だな。
          ヒロインのソムはアスペルガー症候群を患い、人間関係が

          構築できない人間です。それは回想シーンでわかるように、

          彼女の唯一の理解者だった母親が、彼女に「人間の感情」を

          教える時、「恐怖」の絵を顔色が紫になったカードを

          見せた後で、彼女が母親の首に紐をかけて締め上げるところ

          から十分伝わるのです。つまりソムは、人間の感情が理解

          できない。それをその目で見ないと納得できないということ

          です。
          そんな彼女はコンピューターのプログラミングにはたけており、

          おじさんが行っているオンラインカジノの違法な改造を手伝い

          ます。その時

          「罪を犯した者は罰せられなければならない」

          と母親から教えられた言葉を言うと、おじさんは

          「罰せられても許されないこともある」

          と答えるのです。このシーンは終盤に出てくるのでしっかり

          頭に残しておきましょう。
          そして高校生の時に開発した「サムワン」というプログラムは、

          人が入力した後、削除した内容まで記憶する能力を持っており、

          それがスペクトラム社のサマンサの目に留まります。つまり

          相手が隠している好みや願望、欲望を察知した上で、最適な

          相手を探すというマッチングアプリ的なものを開発するわけ

          です。
          オープニングはこれがきっかけで結婚する幸せそうな二人の姿が

          見られますが、当然のごとく、それを悪用する輩もいるわけで、

          「サムワン」を通じて知り合ったことがきっかけの殺人事件が

          連続して起きるのです。
          ソムは家に初代サムワンを持っており、それが彼女のすべてを

          聞いてくれる唯一の相手でもあります。

          つまりそれがソムの分身でもあるのです。(ここ大事)
          一方ソムには警官のギウンという友人、ギウンの友人で

          巫堂(ムーダン)のモグウォンという人物がいます。ギウンが

          大事故で下半身不随の車椅子生活になるまでは、しばしばソムの

          家を訪れ、彼女に男性への対処法を教えていました。この

          大事故については説明なし。
          そしてサムワンを使っての殺人事件が頻発します。見ている側は

          既に1話から犯人が分かっているんですよ。でもドラマの中では、

          犯人はやりたい放題です。バスタブの中で女性を殺害するシーンは
          これまた超絶リアルだし、ソン役のキム・ヨングァンのお尻が

          丸見えなんです。きれいだから許す。
          終盤にわかってくるのは、ソンが殺人に手を染めたのはほんの

          1年前で、そこで自分の隠れた欲望を知ってしまったらしい。

          また、ソムもサムワンで出会ったソン

          (サムワン内のニックネームは違う)
          と大きく繋がっているのを確信します。つまり何かの命を絶つ

          ことに高揚心を覚えるのです。これは二人がSEXをした時に、

          どちらも初めてエクスタシーを感じたことで理解できます。また

          同じ病を患うと称する人物とサムワンを通じて知り合い、待ち

          合わせるとそこにはソムを襲おうとする多くの人物がおり、彼女は

          正当防衛ともいえる行為ではあるけれど、カミソリの刃でその

          一人を殺害してしまいます。その時ソムはエクスタシーを感じた

          とソンに後で語ります。人の命を奪うことに悦びを覚えるという

          共通項が存在するのです。

          ソンはその前に同じくサムワンを通じて知り合ったギウンと

          (もちろん別アカ)二人で会っていますが、その時のSEXでは

          全く機能しなかったらしい。それは理解できる。でもその後、

          足の不自由なギウンを山奥に放置してきます。

          ここはちょっと疑問。

          なぜ他の人同様になぜ殺さなかったのか?
          7,8話では、次第に追い詰められていくソンの姿が描かれます。

          ソムは彼を守るために、その所在を隠そうとするし、そもそも

          彼と付き合っていることも隠します。しかし相手が殺人鬼だと

          知らなかった時にサムワンを通じて彼と知り合った時、彼に

          渡された

          「カミソリの刃」

          は巫堂であるモグウォンに見透かされ、ソムの持っている刃物を

          全て手渡したことで、自分なりにその危険性を知っていたの

          でしょうか。
          つまり「罪」と「罰」について母親から教わったことをそのまま

          信じていたのでしょうか。

          またソムは自らをソンに重ね、彼を葬ることで、自分の罪も

          一緒に葬ったと理解したのかもしれません。
          サムワンが、削除した内容まで記憶している知ったソンがその

          機械を壊したことは、ソムの心を殺したことと同じわけで、

          それは「大きな罪」なのです。だからいくらソンがシンパシーを

          感じたところで許されるはずもないのです。
          というわけで最終話は、当然のごとくグロい。血しぶきたっぷり。

          そしてなぜ??という疑問ばかり残ります。

          ラストにオンラインゲームに興じながら次第に心底うれしそうな表情

          に変わっていくソムは、すっかり自分の犯した罪を忘れているように

          見えます。きっと彼女の中では、母親に見せられたカードのように

          幾つもの感情を抱き、それを初めて表に出すことができるように

          なったのだと考えています。
          おおむねわかるけれど具体的な説明のなかった、ソンの生育環境は

          どうだったのか?とかギウンはどんな事故に遭ったのかとか、

          サマンサはどこまで知っていたのか、などは見ている側が推理する
          しかないのです。
          それでもこのドラマから目が離せなかったのは、
          アスペルガー症候群

          を患う女性、おそらく性的マイノリティであるモグウォン、下半身が

          不自由な警官ギウンが、何の差別もなく生活し、行動する姿を目の

          当たりにしたからかもしれません。またかなりリアルなラブシーンも

          見逃せません。
          BGMはクラッシック中心に流され、3人の美女とめっちゃ肉体を

          鍛えているキム・ヨングァンに魅了されるドラマでした。

           

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          檻の中

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            JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

             

            檻の中

            出典:IMDb

             

            「檻の中」

            原題:Jaula/The Chalk Line

            監督:イグナシオ・タタイ

            2022年 スペイン映画 107

            分キャスト:エレナ・アナヤ

                  パブロ・モリネーロ

                  エバ・テネアル

                  カルロス・サントス

             

            パウラ、シモン夫妻は車で移動中、バイクに向かっていく

            少女を見つけ、彼女を救う。クララという名前らしいその

            少女は言葉を発せず、身元を示すものは持っておらず、

            さらに彼女を捜す両親も現れない。病院での治療が難しい

            ことを知ったパウラはクララに愛情を感じ、しばらく家に

            引き取って生活し始めるが、クララは白線の外へ出られない

            習性を持っていることを知るのだった。そして家の中では

            奇妙なことが起き始める...。

             

            <お勧め星>☆☆☆半 BGMが印象的。ホラーかと思って

            いたらまさかの展開でした。


            誰が正気でないのか


            冒頭に運転中の車の中で、不妊治療について言い争う夫妻の

            姿が映し出されます。これがシモン、パウラ夫妻で、どうも

            パウラが子供を持つことを拒否しているらしい。

            そんな二人が乗る車の前にセンターライン上に一人の少女が

            浮かび上がり、その子が対向車線のバイクに向かって歩いて

            行くのが見えます。事故を起こしつつ彼女を救った夫妻は、

            その少女の体調が悪く、さらに言葉を一切発せず、また突

            然暴れだす状況を病院で見ます。

            両親も現れない少女は「クララ」という名前らしく、夫妻は

            しばらく自宅で保護することを決めるのです。この辺りは

            少女が何か不気味で、どこから来て何か目的があるのでは

            ないかと勘繰ってしまう感じ。
            どうやらクララは白線の中でしか動けないという習性がある

            らしく、パウラは連れ帰った家のベッドの周りにチョークで

            白線をひくのです。なぜに白線の中でしか過ごせないのか、

            また発する言葉がスペイン語ではなく、ドイツ語でもない。

            Googleで「....では?」という推測が出てくる言葉に訳すと

            「恐怖」「挑発」「悪魔」などという意味になります。

            ここで、もしかしてこの少女はアレ系?と思ってしまうのですよ。

            だってよくあるパターンじゃん。
            さらに家の中ではおかしな出来事が頻発します。家に招いた

            友人に提供したパンに塗ったジャムの中にガラス片が入っている。

            このシーンは結構長く映り、違和感を覚えた友人が口から血を

            流し、そしてガラス片を取り出すまで一部始終が流れます。

            ものすごく不気味なんです。

            また大きな音を立てて水があふれ出した洗濯機を止めると、

            なぜか鍵束が混入しています。その上、白線から外に出られない

            はずのクララが、白線の外にいたシモンといたりするのです。

            そのくせ白線を消すことに大きく抵抗し、パウラを蹴っ飛ばします。

            不気味な出来事をどんどん繰り出されるので、パウラの頭が

            おかしか、クララが異常かとしか思えなくなってきます。

            クララの描く絵は、緑の中に檻があり、それが意味することも

            わかりません。
            その間にパウラは親しかった友人たちとも距離を置き始め、

            ひたすらクララの世話に明け暮れるのですが、遂に彼女の飲み物

            にも異物が混入しているのです。このシーンも友人の時同様に、

            違和感→口から流れ出す血→指で取れず、ガラスを差し込んで

            それを取り出すとそれがガラス片、というところまで不協和音の

            ようなBGMとともに流れていきます。

            この子ヤバいんじゃないの?
            そうそうパウラは最初からシモンにこっそり注射を打って

            いるんです。多分腎臓が悪いと思うのですが、なぜかシモンには

            内緒。
            そしてクララが突然姿を消します。この時の対応で夫妻の

            クララに対する気持ちの深さの違いが露呈するんです。さらに

            なくしてしまったパウラの携帯からクララの声が聞こえてきます。

            え?
            ここから始まるパウラのクララ捜しは、すごい執念ですよ。

            クララ関係の書類をパクり、それを読んでクララとそっくりの

            折り紙を折る少女がかつて失踪していることを知ります。また、

            例のクララが描いた不気味な絵の意味がわかってしまうと、なんと

            すごい展開になってくるんです。
            そうか、そうか、と後から納得するシーンばかりだけれど、

            ラスト10分の畳みかけるような展開はちょっとついて行けず、

            見終わってから他の人のレビューを読んで理解しました。
            ちなみにアレ系ではなく、ちゃんとしたストーリーなので

            見ごたえがあります。

            (アレ系って「エクソシスト」系ということ)

             

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            ベルファスト

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              JUGEMテーマ:洋画

               

              ベルファスト

              出典:IMDb

               

              「ベルファスト」

              原題:Belfast

              監督:ケネス・プラナー

              2021年 イギリス映画 98分

              キャスト:カトリーナ・パルフ

                   ジュディ・デンチ

                   ジェイミー・ドーナン

                   キアラン・ハインズ

                   ジュード・ヒル

               

              ベルファストに両親、兄と暮らすバディは父方の祖父母や

              近所の人たちと仲睦まじく平穏な日々を送っていた。

              しかし1969年、8月、プロテスタントの武装集団が

              カトリック系住民への攻撃を始める。その日を境にバディ

              たちは暴力におびえ、父は移住を提案するのだった...。


              <お勧め星>☆☆☆☆ モノクロ映像が当時のベルファストの

              日常をリアルに物語っています。


              答えが一つなら紛争は起きない


              かつてIRA(アイルランド共和国軍)によるテロ行為の映像を

              ニュースでいくつも見たものです。なぜこんなテロ行為を

              起こすのか、民間人を犠牲にしてまで列車や橋を爆破する必要

              があるのか、など考えつつ深く知ろうとは思いませんでした。
              今回この映画を見終わって、当時のベルファストの状況を

              ざっと調べてみました。1920年にイギリスのアイルランド

              統治法によって北アイルランドがアイルランドから分離されて

              以来、多数派のプロテスタント信者と少数派のカトリック信者

              との間で起きていた対立が、1960年代に入って暴力的な

              ものに発展していったようです。


              ●プロテスタント(英国教会信者)=イギリスへの統合を願う

              ユニオニスト、英国崇拝主義者であるロイヤリスト
              ●カトリック(ローマ教会信者)=民族第一主義を掲げる

              ナショナリスト、英国との武力闘争を辞さない共和派(過激派)


              が対立し、カトリック側には北アイルランドのアイルランド共和国

              への併合を目指すIRA(北アイルランド共和国軍)が生まれた

              わけです。一方プロテスタント側にもロイヤリストとい過激派が

              存在し、さらにそこに英国軍が暴力的に関与したことで、

              北アイルランドは血の歴史を刻み始めるのです。(世界史の窓より)

              特に1979年に誕生した保守党のサッチャー政権はテロに

              対して厳しく対処したため緊張が最も高まった時期だったようです。

              この問題は1998年のベルファスト合意で一応の終結となって

              います。
              さて映画はベルファストの小さな町の日常を淡々と描きながら

              始まります。町のあちこちに集う老若男女はみな顔見知りで、

              ビールを飲むもの、ダンスを踊るもの、ご近所同士で世間話を

              するものなどが映り、その中でバディという9歳の少年が町の

              みんなに声を掛けられながら帰宅していきます。サッカー大好き

              少年の夢はプロサッカー選手になること。
              そのごく普通の日常が突然若者のデモ隊によって破壊されるの

              です。彼らが何を訴えているのか最初はわかりません。ただ

              彼らは火炎瓶を投げ、投石をし、無防備な住民を襲ってくるの

              です。そして最終的に車に火をつけ爆発させます。

              先ほどまで笑いがあふれていた人々が一気に恐怖におびえ自宅

              に入り、テーブルの下に隠れると、そこにまで石が投げつけられる

              のです。

              デモ隊のシュプレヒコールから、プロテスタント住民が多数の

              地区に暮らす少数のカトリック教徒を追い出そうとしていること

              がわかります。このデモは警察だけでなく軍隊も導入され、静か

              だった人々の生活は一変するのです。住民は過激派かどうか

              いちいちチェックされ、さらには町内の移動さえ、ご近所の人が

              「誰に会うのか。それはどこにあるのか」

              などと検問します。お互いに顔を知っているし、行く先だって

              誰もが知っている家なのにです。小さなコミュニティを暴力と

              恐怖が破壊していくのが目前で繰り広げられていきます。
              バディの父も仕事はこの場所にはなく、どこかに大工として

              出稼ぎに行っており、帰宅するのは2週間に1度です。生活は

              困窮しているものの、ここで生まれ育ったフランキーと妻は、

              フランキーの両親の存在もあってできる限りこの地のとどまり

              たかったのです。しかし事態はどんどん悪化していきます。
              一方でバディは、学校に好きな子がキャサリンがいて、その子

              と席が隣同士になるために、祖父に成績アップ方法を尋ねる

              んです。この答えは大笑い。

              祖父役のキアラン・ハインズがいい味を出しています。
              「裏切りのサーカス」(2011)と全く違う穏やかな雰囲気

              です。でもキャサリンはカトリック教徒なんですよね。
              さらに過激派の行動に合わせてティーンも不良行為を始めます。

              またフランキーは友人から過激派に加わるか否かの答えを

              求められるんです。白か黒か、味方か敵か、は戦争以外の何物

              でもありません。
              既に仕事も見つかり移住を考えるフランキーに対し、妻は

              あくまでもこの地にとどまることを主張しますが、それを覆す

              事件が起こります。それもまたバディが誘われた万引き作戦です。

              ここはとても緊迫するシーンですが、バディの盗んだものが

              「バイオ洗剤」で「自然に優しいから」が盗んだ理由という

              ところが子供の純粋さを物語ります。
              結局その事件により過激派の報復を恐れた一家は移住を決断します。
              病気だった祖父が亡くなった日に、にぎやかに仲間たちと

              見送る人々の中でフランキーの歌とそれに合わせて踊りだす妻

              の姿はもう胸キュンものです。いつかは戻ってくるかもしれない

              けれど、戻ることはないかもしれないベルファストの町での

              最後の晩がどれほど素晴らしいか、この映像を何回も見直したい。
              バスに乗る一家4人を見送る祖母が(ジュディ・デンチ)

              「振り返らずに」と言ったのは、あらゆる面で振り返ることなく

              未来を切り開いて行ってほしいということだったのでしょう。
              ラストだけカラーになり、残ったもの、去って行ったもの、

              命を落としたものに捧ぐ、というクレジットも印象的でした。
              なお映画をモノクロにした理由は、監督自身が暮らした

              ベルファストの街の色合いが雨が多く、灰色だった記憶からだ

              と聞くと、とても上手に再現していたと感じます。

               

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              コーダ あいのうた

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                JUGEMテーマ:洋画

                 

                コーダ

                出典:IMDb

                 

                「コーダ あいのうた」

                原題:CODA

                監督:シアン・ヘダー

                2021年 アメリカ=フランス=カナダ映画 

                112分

                キャスト:エミリア・ジョーンズ

                     トロイ・コッツァー

                     マーリー・マトリン

                     ダニエル・デュラント

                 

                聴覚障がいを持つ両親、兄の中で唯一耳が聞こえる

                ルビーは、幼い頃から家族の通訳として動いていた。

                家族は仲良くという父の教えの元、ルビーは毎日漁師の

                仕事を手伝ってから高校へ通学していたが、合唱クラブ

                のヴェルナルド先生に彼女の歌の才能を見出される。

                音楽大学への入学を勧める先生の言葉に心を動かされた

                ものの、一家にはルビーの存在は欠かせないもので、

                彼女は夢を諦めようとするが..。


                <お勧め星>☆☆☆☆半 オリジナルと同じくらい感動

                します。


                歌で何か伝えられるか


                本当に不勉強で、2014年映画「エール!」も見ている

                のに、手話が国によってだけでなく、日本でも地域によって

                異なることを思い出しました。それほど手話は身近な存在

                でないことに気づきます。
                「エール!」では酪農を営む一家が舞台でしたが、こちらは

                漁業を営む一家に変わっています。またオリジナルでは弟の

                存在が、今作では兄となっています。それ以外はストーリー

                はほぼ同じで、とても仲のいい両親が皮膚の病気にかかり、

                その通院にルビーが通訳として付き添うシーンは全く同じ

                展開でした。それでも大笑いします。
                またこの映画の素晴らしい点は一家で唯一耳が聞こえる

                ルビー役のエミリア・ジョーンズ以外はすべて聴覚障がいを

                持っている俳優であることです。それは映画のクライマックス

                でもあるルビーが所属する合唱団のコンサートの時の表情に

                すべて現れています。

                その時に晩御飯のおかずを手話で話す両親は、周りの聴衆が

                歌に聞き入っていることに全く気付きません。そしてルビーが

                マイルズという少年とデュエットする時は音がすべて消えるの

                です。

                これが聴覚障がいを持つ人たちの世界なのだと観客に強く

                印象付けます。舞台の上の二人がどういう歌を歌っているのか、

                彼らの表情や動きでは全く分かりません。このシーンの挿入の

                仕方は息をのみました。
                そしてオリジナルでもあったように、コンサートの後、自宅の

                庭で(オリジナルは玄関だったかな)父はルビーに今日の歌を

                歌わせます。もちろん声は聞こえません。必死で歌うルビーの

                喉に手を当ててその振動を感じ取るのです。

                ここはやっぱり涙が出ます。ルビーの喉の振動で彼女の歌を

                知ろうとし、コンサートで聴衆が涙を流すほど感動していたのを

                共有するのです。
                家業の話と並行して進むルビーの音楽大学進学の話、そして

                合唱クラブのマイルズとの恋も同じくらいの深さで描かれ、

                ストーリーのテンポも良く、見終わってとても気分が良く

                なりました。父、母、兄のルビーへの思いも強く伝わりました。
                母ジャッキー役のマーリー・マトリンの雰囲気が「エール!」

                での母ジジ役カリン・ビアールとそっくりでとても美しく

                お茶目です。

                 

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                グレイマン

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                  JUGEMテーマ:アクション映画全般

                   

                  グレイマン

                  出典:imdb

                   

                  「グレイマン」

                  原題:The Gray Man

                  監督:アンソニー・ルッソ

                     ジョー・ルッソ

                  原作:マーク・グリーニー

                  2022年 アメリカ映画 122分

                  キャスト:ライアン・ゴズリング

                       クリス・エヴァンス

                       アナ・デ・アルマス

                       ジェシカ・ベンウィック

                   

                  CIAの陰のエージェント組織であるシエラに所属する

                  コートは、バンコクでの任務で最重要機密の入った

                  USBメモリを手に入れてしまう。それによって彼は

                  CIAから命を追われることになり、彼を追う任務を

                  請け負ったロイドの容赦ない襲撃を受け続ける羽目になる。


                  お勧め星<☆☆☆半>ド派手な銃撃、爆発、カーチェイス、

                  格闘シーンなど見どころ満載です。


                  ふつうの木曜日


                  まず、何と言っても驚くのは、シエラ・シックスこと

                  コート・ジェントリーを演じるライアン・ゴズリングの

                  肉体です。「ラ・ラ・ランド」(2016)の時には

                  あんなにマッチョだったっけ?
                  「完全犯罪クラブ」(2002)はまだ少年っぽかったし、

                  「ラースと、その彼女」(2007)ではオタクそのもの

                  だったし、彼の出演映画で最も好きな「ドライヴ」(2011)

                  でも表情の少ないどこか陰のある男性という感じで、

                  アクションには程遠かったのに、今回はすごいよ!

                  ナイフ、銃、手りゅう弾、格闘とあらゆるアクションに加え、

                  カーチェイスも繰り広げます。

                  共演しているキャプテンアメリカことクリス・エヴァンスが

                  演じるロイド、CIAのエージェントで

                  「ブレードランナー 2049」(2017)でも共演した

                  アナ・デ・アルマス演じるミランダも含めてとにかく、撃つ、

                  蹴る、殴る、刺す、爆発させる...。細かなこと

                  (ヨーロッパの街並みが壊れるとか民間人が犠牲になるとか

                  後片付けはどうするとかは)は気にせずに、大画面で見ると

                  BGMと映像が全く合っていないシーンが多く、それがこの映画を

                  魅力的にしています。

                  だってスリルのある時ににジョン・カーペンターのホラー

                  映画的なメロディが流れたら、何かあるってわかってしまう

                  じゃない。
                  序盤はなぜコートがCIAから追われる羽目になったのか説明

                  するシーンが映されます。CIAの陰の組織で、犯罪者を

                  スカウトし、悪党を殺すことだけの任務を請け負っている

                  シエラって本当に存在しそうで怖い。チラっとモサドという

                  セリフが聞こえたけれど、CIAよりもモサドの方が怖いんだろうな。
                  で、コートは任務遂行中に、CIAの極秘情報を入手してしまう

                  のです。これをとっとと渡さないのは、シエラが使い捨てで

                  あることを知ってしまったことと、今のCIAの本部長

                  カーマイケルがかなりの曲者であるという情報を得てしまった

                  から。さあどうするか。
                  彼をスカウトしたフィッツロイは既に引退し香港で姪と豪華な

                  暮らしをしています。一方でカーマイケルはロイドというほぼ

                  サイコパス的な殺人鬼にコートの殺害と情報の回収を依頼する

                  わけです。
                  ここからがコートを追うCIAとの激しい攻防がヨーロッパの

                  各地で繰り広げられます。

                  まずモナコから飛び立った飛行機の中での格闘、空中に放り

                  出された後で、先にパラシュートで下りた敵になってしまった

                  男(元々はコートを救い出すはずだった)との攻防、不時着

                  した場所はトルコという状況です。

                  そしてフィッツロイにはクレアという唯一の肉親である姪が

                  いて、それとコートとの関係も描かれます。これが2年前の

                  香港で、あんな高台に豪邸を構えているってフィッツロイは

                  CIAでどれだけ稼いだんだろうと思ってしまいます。とりあえず、

                  そのシーンからフィッツロイとクレアとコートは「家族」で

                  あるとわかってくるのです。ということはクレアが最も危険。

                  さらに彼女は心臓にペースメーカーを入れています。
                  次はウィーンで、コートは高飛びするための偽パスポート作り

                  とペースメーカーのシステムに侵入するための彼女の機種を

                  調べてもらう男と接触しますが、おっとどっこい、ここにも

                  ロイドの追手が登場です。このシーンと同時に映るのが、例の

                  バンコクでの作戦を一緒に遂行したミランダへのカーマイケルの

                  取り調べで、彼女は隙を見てウィーンへ向かいます。どうやら

                  彼女の上昇志向はカーマイケルと負けず劣らずという感じ。

                  まあ、変な恋愛模様が描かれるよりとことんアクションで

                  楽しませてくれる方がずっといいですね。
                  ウィーンで落とし戸に落ちたコートがすごい知恵を絞って

                  そこから脱出し、さらには大爆発を引き起こすまで銃、ナイフ、

                  手りゅう弾が次々と使われていくのです。
                  クロアチアではフィッツロイがロイドに拷問を受けており、

                  やはりクレアを使ってコートの情報を聞き出しています。

                  この爪はがし拷問を、思ったほど痛がらないのは、

                  フィッツロイもコート並みに痛みに耐える訓練を受けていたの

                  でしょうか。コートはその生い立ちが悲惨で、そのせいで

                  刑務所に収監されたことはわかってくるのですが。

                  でも幾ら訓練しても痛いものは痛いじゃん!
                  さてクライマックスは(何回もクライマックスシーンがある感じ)

                  プラハで、コートの手助けをしていたマーガレットの家への

                  ロイドの手下たちの襲撃です。大銃撃、手りゅう弾、大爆発、

                  プラハ警察とCIAチームの攻防、またトラム内での刃物や銃を

                  使ってのコートとCIAチームとの戦い、ミランダ運転する

                  アウディRS7スポーツバックVSベンツGクラスのカーチェイス

                  (ちなみにコートはアウディRS e-tron GTに乗っています)、

                  そしてめちゃくちゃに壊されたプラハの街をさらに壊すトラムの

                  衝突事故寸戦にミランダのアウディに飛び移る華麗なコートの

                  アクションなどなど、目が離せません。
                  ラストのクロアチアの古城のような場所でのクレア救出作戦は、

                  当然のことながら同じように次々と現れる敵をバッタバッタと

                  倒していくコートが見られます。

                  しかーし、ラストの一捻りあるんですね。
                  そうそうロケットランチャーまで街中でぶっ放されたら当事国は

                  怒るんだろうな。

                  それ、アメリカでやってくださいって言うだろうな。

                  歴史的建造物や民間人などお構いなく破壊し、殺していくとは
                  ロイドが怖いというより、CIAが怖い。そこまでして回収したい

                  情報がどれだけの物なのか知りたいもんだ。
                  とか言って、久しぶりに深く考えず繰り出されるシーンを瞬き

                  せずに(したけど)見られる映画でした。
                  それと「結局はタイマンかい!」と突っ込みたくなるシーンが

                  あって、そこも憎めません。

                   

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                  ラスト・ナイト・イン・ソーホー

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                    JUGEMテーマ:Horror

                     

                    ラストナイトインソーホー

                    出典:IMDB

                     

                    「ラスト・ナイト・イン・ソーホー」

                    原題:Last Night In Soho

                    監督:エドガー・ライト

                    2021年 イギリス映画 116分 R15+

                    キャスト:アニャ・テイラー=ジョイ

                         トーマシン・マッケンジー

                         マット・スミス

                         ダイアナ・リグ

                         シノーヴ・カールセン

                     

                    ファッションデザイナーを目指すエロイーズは、

                    ロンドンの服飾専門学校に合格する。期待に胸を

                    膨らませてロンドンに到着したエロイーズだったが、

                    寮の生活やルームメイトたちとなじめず、一人古い

                    アパートに間借りをすることになる。しかしそこで

                    眠ると夢の中で1960年代に歌手を夢見るサンディが

                    登場し、夢の中でエロイーズ自身と重なり、夢から

                    覚めてもその世界観が抜けなくなるのだった。


                    <お勧め星>☆☆☆☆ 久しぶりに一気できる映画に

                    出会いました。


                    オシャレでワクワクするけれどホラー


                    ヒロインエロイーズを演じるのは「オールド」(2021)

                    で成長した娘役だったトーマシン・マッケンジー。そして

                    夢の中のキュートなブロンド女性サンディ役は

                    「スプリット」(2017)のアニャ・テイラー=ジョイ

                    です。序盤のエロイーズがダサダサで、夢の中のサンディ

                    とは月とスッポンなんですが、次第にサンディに近づいて

                    いく様がテンポよく描かれています。
                    監督は「ベイビー・ドライバー」(2017)の

                    エドガー・ライト。あの映画ではベイビーの運転する車が

                    とにかく回る、回る。華麗なドライブテクニックと

                    イヤフォンで常に聞いている音楽が強く印象に残っています。

                    この映画では1960年代の音楽を敢えてレコードで聞く

                    シーンが幾度となく映り、自分がまるでタイムスリップした

                    ように感じられるのです。それに加えてサンディたち
                    1960年代を生きた人々の服装、髪型、車、建物などが

                    華やかでにぎやかだった時代を思い出させます。

                    (実際は知らないけれど)
                    コーンウォールに祖母と暮らすエロイーズは亡き母の夢でも

                    あり、自分も目指していたファッションデザイナーになる

                    ための第一歩としてロンドンの服飾専門学校へ進むのです。

                    この学校の寮生活は田舎娘にとっては刺激が強すぎるし、

                    同じ寮の女子たちは田舎者として彼女を馬鹿にするので、

                    自分で街はずれの古い家の屋根裏部屋を借りることになります。
                    コリンズさんというオーナーの高齢女性が案内してくれた

                    部屋は、隣接する建物の赤と青のネオンが部屋に入り込む

                    独特の雰囲気があり、調度品も1960年代そのもののよう。

                    そこで眠りについた途端彼女は1960年代のロンドンに

                    タイムスリップしてしまうのです。

                    部屋着姿のエロイーズがブロンドで可愛い髪型と膝丈の

                    ワンピースに身を包んだサンディという別人に変わっています。

                    鏡の中や車のウィンドガラス、サイドミラーなどには

                    エロイーズが映りますが、そこにいて行動しているのはサンディ

                    なのです。サンディはジャックという男に頼みこんで「歌手」

                    の道を進み始めます。
                    目覚まし時計が鳴ると夢は終わり、そこから現実に戻るの

                    ですが、エロイーズの頭の中はもう1960年代になっている

                    ので、手掛けるデザイン画も作る服もレトロなものばかりだし、

                    自分の衣服も同じようなものに変わっていくのです。極めつけは

                    髪の毛をブロンドに染めたこと。これだけで田舎娘の印象が

                    全く変わるから、アジア人の好みはブロンドなんだと思って

                    しまう。(わたしだけかしら)
                    さて毎晩眠りにつくと登場するサンディが次第に危うい状況に

                    追い込まれていくのがわかると、エロイーズは自分の精神状態も

                    不安定になります。

                    「居場所がない」
                    またロンドンに到着してから謎の高齢男性がエロイーズの行く

                    場所に姿を見せます。

                    この人誰?

                    そもそもなぜエロイーズに付きまとうの?

                    (エロイーズはコーンウォールにいる時から、亡き母の幽霊が

                    見えるという霊感が強いらしい)
                    エロイーズは次第に顔のない男性たちの亡霊が見えるようになり、

                    そしてある仮説が思い浮かぶような夢を見てしまうのです。

                    ここは70年代のスラッシャー映画を思い出させるものです。

                    そして実生活と夢の区別がつかなくなったエロイーズは、同級生

                    のジョカスタにハサミを向ける事態に。この辺りからホラーと

                    サスペンスが混じり合い、謎の高齢男性の素性がわかり、

                    さらには多くの事件の真相わかってきます。

                    床やベッドから幽霊の手がどんどん出てくるシーンは

                    「死霊のはらわた」(1983)や

                    「ドーン・オブ・ザ・デッド」(1978)

                    を彷彿とさせます。でも音楽が効果的に使われて
                    いるので、ホラーという雰囲気ではないんですよね。
                    華やかだった時代のロンドンに隠された闇の部分を上手く描いた

                    映画でした。そしてラストもハッピーでよかったな。

                     

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                    素晴らしき眺め

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                      JUGEMテーマ:洋画

                       

                      素晴らしき眺め

                      出典:IMDb​

                       

                      「素晴らしき眺め」

                      原題:Nice View

                      監督:ウェン・ムーイエ

                      2022年 中国映画 106分

                      キャスト:ジャクソン・イー

                           ティエン・ユイ

                           チェン・ハーリン

                           チー・シー

                           コン・レイ

                       

                      2013年、中国、深圳。重い心臓病を患う妹タンタン

                      と二人暮らしの兄ハオは、スマホの修理の仕事で生計を

                      立てているが、家賃すら滞納する状況である。しかし

                      6歳のタンタンは8歳までに手術が必要でその費用を

                      工面するため、彼は友人ジーヨンから旧式スマホの不良品

                      を大量に仕入れ、再生する仕事で儲けようと考える。

                      折しも再生スマホが違法として摘発され始め、彼は窮地に
                      立たされるのだった...。


                      <お勧め星>☆☆☆☆ 頑張れば報われるという姿を描き

                      つつ、その頑張りは並大抵ではないことを示し、貧しさ

                      に苦しむ人々の姿を目に焼き付けていきます。


                      必死で頑張ればできないことなどない


                      監督は「薬の神じゃない!」(2019)の

                      ウェン・ムーイエで、あの映画でも貧しさゆえに

                      違法ビジネスに手を染め、それが次第に貧しい人々を救う

                      道へと導くという、ポジティブな内容を笑いを混ぜて

                      描いていました。今の中国の状況でとてもソフトに国の

                      状況を外部に伝えていると思います。
                      さて、今作も同じように映画の最初に毛沢東の肖像画が

                      映されるというシーンを経て映画が進んでいきます。
                      2013年、深圳。とっても可愛いタンタン(本当に可愛い)

                      という妹と二人暮らしのハオは20歳で、「好景スマホ修理」

                      というスマホの修理をする仕事で生計を立てているのですが、

                      とりあえず貧乏なのです。

                      父に捨てられ、母を病で亡くし、遺伝性の重い心臓病を患う

                      タンタンのために、ハオは必死で働きますが、タンタンの

                      手術費用50万元など到底用意できません。そもそも家賃

                      すら滞納している状況です。そんな時友人ジーヨンが

                      上手い話を持って来るのですよ。旧式スマホの不良品を再生

                      すれば大儲けできると言います。

                      「そいつに貸した金返してもらってないでしょう?」
                      いやいや、ハオはとにかく早く大金が必要なのです。

                      そのためその話に乗り、半月は大儲けします。しかし

                      再生スマホが違法であるということで次々に摘発されていき、

                      ハオの商売は立ち行かなくなります。

                      ハオは、果敢にも深寧電子に乗り込み、1週間で完ぺきな

                      再生スマホを作ることで、新しいビジネスモデルを採用して

                      もらえるようにアピールするのです。この時応対するの

                      がリー経理で、なんでもアメリカでMBAを取っているエリート

                      らしい。この会社のCEOジャオは再生ではなく「新作発表」に

                      目が向いています。ハオは約束通り検査に合格する完ぺきな

                      再生スマホを作ったのに、軽くあしらわれ、CEOの後を追って、

                      バイクで転倒し、車にもはねられ、まさに満身創痍で、

                      直談判に出るのです。つまりそんじょそこらの根性では貧しさ

                      から抜け出せないことを物語っています。
                      さらにCEOから手付金はもらえず

                      「完ぺきな再生スマホをすべて完成させてから連絡する」

                      とだけ言われるのです。あの大量の不良品を完ぺきなものに

                      作り直すためには一人では無理で、彼は自分の店とバイクを

                      売り、高いビルの窓ふきというWワークをして工場を立ち

                      上げる金を準備します。で、誰を従業員にするのか?
                      まず彼の身の上を知っているヨンチョン、そして労働環境の

                      悪さで聴覚障害を起こし係争中の女性チュンメイ、暴力沙汰

                      で刑務所に入っていたロンハオ、ネカフェの神、ホンジー、

                      その連れのチャオ、ヨンチョンが勤務している老人ホームの

                      入居者、ジョンなどが加わります。しかしまさに玉石混交

                      (玉はあるのか?)ですが、ここがミソで これが終盤とても

                      役に立つのです。
                      「好景パーツ」という名前で設立された工場は皆が脛に傷が

                      あり、それゆえに団結力が生まれます。告訴の関係で

                      チュンメイに絡む男たちにはハオがキックをすると大騒動に

                      なり、双方入り乱れての格闘が起こりますが、好景パーツ側

                      には元ボクサーのロンハオがいます。

                      一網打尽...いやこれは警察沙汰になります。
                      またネカフェの神で「オタク」そのものと思っていたホンジー

                      が何と結婚すると話します。仲間に加えてタンタンの笑顔と

                      共に迎えた結婚式の後には、やはり絶望が待っているのです。

                      この緩急のつけ具合が、お涙頂戴やドタバタコメディで

                      なくなっている大きな原因だと言えます。

                      本当に上手く作ってあります。
                      家賃滞納で家に入れなくなったハオとタンタンは工場で

                      寝泊まりするようになると、こんどは工場で完成した製品を

                      夜中に盗み出そうする悪い奴ら(この人再生スマホを買い

                      取っていた人じゃなかったかしら)がいて、急発進した

                      トラックにしがみついたハオは、なんとかその製品を回収

                      できます。しかしそのせいで指を2本骨折してしまうのです。

                      これはWワークにしていた高層ビルの窓ふき作業ができない

                      ことを意味し、つまりは工場の賃貸料、人件費等すら払え

                      なくなるのです。そもそも高層ビルの窓ふきは、給料は高いが

                      危険と隣り合わせという仕事なので、手っ取り早く金が欲しい

                      人たちが携わっているし、そこで命を落としても仕方がないと

                      いう作業です。

                      土砂降りの中あれこれ奔走し、すべて失敗するハオを例える

                      かのように、雨に溺れる蟻が大映しになります。
                      ここにいる貧しい人々は1匹の蟻並みの存在で、少しの

                      雨でも流されてしまうし、大雨が降ったらひとたまりもない

                      ということです。その一方で近代的な高層ビルの中で快適に

                      仕事をしている人々もいるのに。

                      この格差社会の描き方も婉曲的で本当に上手い。
                      ラスト付近は見ていて気分が良くなるシーンの連続で

                      「薬の神じゃない!」はその後に期待を持たせるものでしたが、

                      この映画はその後まで描いていてスカッとすること間違い

                      なしです。
                      「必死で頑張ればできないことなどない」

                      と言うものの、その必死さはどの程度なのか、またそもそもの

                      出発点が違う者たちとの格差は埋まるのか、日本人としても

                      考えさせられる内容です。

                       

                       

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                      オールド

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                        JUGEMテーマ:Horror

                         

                        オールド

                        出典:IMDb​

                         

                        「オールド」

                        原題:Old

                        監督:M・ナイト・シャラマン

                        2021年 アメリカ映画 108分

                        キャスト:ガエル・ガルシア・ベルナル

                             ヴィッキー・クリープス

                             アレックス・ウルフ

                             トーマシン・マッケンジー

                             ルーファス・シーウェル

                         

                        家族旅行に来たキャパ一家はホテルの支配人の勧めで

                        人里離れたビーチで過ごすことになる。美しいビーチで

                        水遊びを楽しむ3家族の前に一人の女性の遺体が流れ

                        着いたことから事態は一変する。そしてキャパ家の子供、

                        マドックスとトレント、さらにはそこで知り合ったカーラ

                        という少女が一気に成長していることに気づいた大人たちは、

                        ここを脱出しようと試みるのだったが...。


                        <お勧め星>☆☆☆ ラストは読めるけれど普通に楽しめます。


                        人生いろいろ。そして忘れたこともいろいろ。


                        「シックス・センス」(1999)で衝撃的な内容に多くの

                        人が魅了され、まさかや!と思ったはず。そして次の作品

                        への期待は高まり、ハードルが上がり、「今度こそは!」と

                        思い続けて早20年強となりました。もちろん個人的には

                        「ヴィレッジ」(2004)「デビル」(2010)は

                        楽しめたと思っています。しかし「シックス・センス」以上の

                        作品がないどころか「サイン」(2002)では、あれだけ

                        ビビらせておいて「アレ」かよ。と怒り、

                        「ハプニング」(2008)では、極めて幸運が続く家族の

                        話だね、と諦め、

                        「スプリット」(2016)?うーん、普通、

                        なんて感想を言っていたので、今作も全く期待せずに見ました。

                        かなりハードル下げています。他の方のレビューも低いです。
                        しかし全く知らない監督が作った映画だと想定して見たら結構

                        面白いんですよ。
                        アナミカ・リゾートを訪れたキャパ一家は保険数理士をして

                        いるガイと博物館学芸員のプリスカ、娘マドックス、

                        息子トレントの4人でここで家族として最後の思い出を作ろう

                        と考えているのです。というのは夫婦は離婚予定であり、

                        プリスカは完治しない腫瘍が腹にある上に、恋人が他にいる

                        らしい。
                        ホテルの従業員の息子イドリブは、年頃が同じのトレントと

                        すぐに仲良くなります。彼が送ってくる暗号文がキーポント!

                        (多分忘れちゃう)
                        さてキャパ一家はホテルの支配人から「プライベートビーチ」

                        を勧められるのです。(行ったらあかん!)

                        もちろん二つ返事で参加し、それには医者チャールズ一家、

                        ジャリンとパトリシア夫妻が加わります。パトリシアはホテルの

                        レストランで既にてんかんの発作を起こしており、そのシーン

                        から嫌な予感が漂います。この映画では病気の発作や体を少し

                        傷つけるシーンは出てきますが、遺体そのものや目を背ける

                        ようなシーンは一切ありません。なので怖いシーンが苦手な

                        方も安心して見られます。
                        そして運転手(シャラマン自身)に下ろされたビーチの入り口

                        から3家族は岩の間をくぐって秘境ともいえるビーチに到着

                        するのです。なぜか運転手はたくさんの食糧を渡してくれます。

                        当然そこでは携帯は使えません。また遠くの山の上で何かが

                        光っています。(まさか「サイン」か?)

                        さらには通ってきた岩の間を再び戻ろうとすると頭に圧力を受け、

                        意識が飛んで元のビーチに戻るという現象に襲われるのです。

                        一方では、最初からビーチにいたラッパーの

                        ミッドサイズ・セダンの知り合いらしき女性の遺体が全裸で

                        浮いてくる。ひえ〜!見えないから大丈夫。そしてセダンは

                        鼻血を出します。(なんで?)
                        さらに、古いホテルの備品や人形が砂浜に残っているのです。

                        このビーチ、怪しくなくない?
                        そして突然ものすごい出来事が起きます。それは背後から

                        しか映らないのですが、それを見たプリスカの表情と子供たち

                        の足の長さ、太さですべてを悟るのです。「急に成長した」
                        またチャールズの母は突然亡くなり、一気に白骨化します

                        (らしい)。それを見て学芸員のプリスカが数十年単位だと

                        口にします。
                        ところがセダンを疑ったチャールズが彼を切りつけてもその傷は

                        すぐに治ります。あとでブスブス刺した時には死んでしまうので、

                        治る傷は一気に回復するということでしょう。そしてプリスカの
                        腫瘍が急に大きくなるのですが、それをチャールズたちが総出で

                        摘出します。傷がすぐにふさがるんで、みんなでそこを押さえて

                        いるわけです。ちょっとここは変。

                        いや突っ込むところはたくさんあります。でも何も考えず映像を

                        追います。
                        チャールズの娘カーラも成長し、トレントと物陰にいたと

                        思ったら次にはお腹が大きくなっているし、次には出産するし、

                        次にはその子供がスピードに耐えていけないのか亡くなって

                        しまうのです。
                        多くの出来事が不気味なBGMと共に映し出され、時折山の上から

                        光が見えます。やはり「サイン」なのか。
                        岩をくぐるのは無理とわかったので沖へ泳いでいこうとすると

                        失敗。

                        また崖を上って超えようとすると失敗。

                        そうこうするうちに皆が年老いてくるのです。子供が成熟する

                        のだから大人が老いるのは当たり前ですよね。老化現象があの人

                        この人に出てきます。白内障、耳が遠くなる、腰が曲がる...。

                        あーいやだ。
                        結局最後に残るのはキャパ一家なんですが、それも高齢には

                        勝てず気を引き取ります。その時に二人は

                        「かつて喧嘩していたっけ?」

                        「理由も忘れた」

                        などと会話します。多分ここに来なかったら別の人生を歩んでいた、

                        いやプリスカは命を落としていたかもしれないけれど、この短い

                        時間に凝縮された人生はそれなりに充実していたのでしょうか。
                        ラスト付近は予想できる展開です。またイドリブの暗号の意味が

                        ここで生きてきます。
                        チャールズの妻クリスタルが岩陰に行った時になぜにあんな風な

                        体になったのかちょっと理解不能だけれど、そういうことは

                        他にも多々あるので気にしないことにするとそれなりに楽しめます。
                        ビーチの景色がとても美しいのでそれもまた楽しめると思います。

                        多くを期待しないと大丈夫。

                         

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