ヒドゥン・チャイルド 埋もれた事実

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JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

 

ヒドゥン・チャイルド

出典:IMDb

 

「ヒドゥン・チャイルド 埋もれた事実」

原題:Tyskungen/The Hidden Child

監督:ペール・ハネフィヨルド

2013年 スウェーデン=ドイツ映画 106分

キャスト:クラウディア・ガリ

     リカルト・ウルフセーテル

     イーヴァ・フリショクソン

 

警官である夫パトリックとの間に子供が生まれた

ばかりの作家エリカは、交通事故で両親を亡くして

しまう。そして実家を相続し、そこに引っ越してきた

その日、「お前の兄だ」と名乗る男が突然訪ねてくる。
さらにその男が殺され、エリカと血のつながりがある

と証明されたことで、彼女は母の過去を探り始めるの

だった。


<お勧め星>☆☆☆ ミステリー要素はバッチリで、

意外な結末には驚きとともに悲しみを覚えました。


孫を抱けなかった理由


第二次世界大戦中スウェーデンは中立国を宣言していた

ものの、同じ中立国を宣言したデンマーク、ノルウェーが

ドイツ軍に侵攻されたため、ソ連が侵攻したフィンランド

も含めると、複雑な状況に置かれていたのです。それでも

他国との貿易、交通が維持できたのは、スウェーデン独自

の外交政策の賜物であり、戦後連合国からも一定の評価が

得られたというようなことを歴史で学んだのははるか昔のこと。

 

地図

出典:wikipedia
 

ドイツと直接的な戦闘は行われなかったとはいえ、隣国

ノルウェーで働く同胞のために、レジスタンスとして活動

した者も多くいたわけで、ここが映画のキーポイント

でもあります。
娘エリカが、子供を出産しても、なぜか複雑な表情の

母エルシーは、その病院からの帰路、夫トレのわき見運転

による事故で、共に命を落とすのです。このシーンは

「運転中に携帯を渡したらいかん」
「運転者がなぜに落とした携帯を拾うんだ」

などと、『今から事故が起きます』の典型的なパターンです。
そして両親のフィエールバッカの家を相続したエリカは、

一家でそこに住むことになるのです。しかし引っ越して

きたその日、ヨーランという男が突然訪ねてきます。

引っ越しの様子をうかがう車やその運転手の腕に入っている

海兵隊のタトゥー、さらにはノックもなしに侵入したり、

全く分かりづらい説明話は極めて怪しい。怪しすぎる。

妹しかいないエリカに「お前の兄だ」と名乗るなんて

どうかしてるわ。
エリカは有名な小説家なので、「熱烈なファン」が押し掛けた

ということで片付けると、その男がホテルで殺害され、

さらにDNA鑑定でエリカの実兄であると証明されるのです。
娘を出産した喜びに浸る間もなく両親を亡くし、実兄を

追い返してしまい、もう2度と会うことができないエリカは

悲嘆にくれます。でも世間よりも早くヨーランとの血縁関係が

証明されることやこの後起きる事件に警察が早く動くのも、

全て夫パトリックが警官であること功を奏しているんですね。

ここはちょっと苦しい点です。

 

ヒドゥン・チャイルド
出典:IMDb

 

母の過去を知ろうと、実家の屋根裏部屋を探ると、そこには

母の日記と写真、そして鉤十字の勲章が見つかります。

鉤十字=ナチスドイツ。
ここから映画は、その写真の人物に会いに行くエリカの姿と、

1943年の母エルシーを含めた仲良し5人組、ブリッタ、

アクセル、フランス、エリックの姿が交互に映り始めます。

エリカが訪ねていく母の友人は次々に命を落としていくし、

何やら怪しい人物も登場します。北欧特有の曇天や雨降りが続き、

「特捜部Qシリーズ」や「ミレニアムシリーズ」「湿地」を

思い出さずにいられません。いつも思うのですが、欧米の人々は
「傘」というものをほとんどさしませんね。どんなに土砂降り

でもパーカーやジャケットで頭を覆うだけで走っていきます。

この映画のエリカなんて赤ちゃんを抱いて土砂降りの中を走ります。
「置き傘」とか「天気予報活用」という文化がないのでしょうか。

・フランス「大した雨じゃない。雨に慣れている」
・スコットランド「雨はヘッチャラ」
・スウェーデン「私たちの肌は雨に強いんだよ!」
というインタビュー結果もあるらしい。ふーん。
映画の中盤に「ん?」と感じた点はラスト付近で全く異なる形で

映像として現れます。そういえば序盤の回想シーンで、その

シーンが1カット入っていたことをすっかり忘れていたな。

悔しい。
結局戦争がなければ、苦しくても胸の奥に秘めておくしか

なかった出来事は起こらなかったわけだし、それを考えると、

戦争というものがいかに人間の心を悪魔のように変えてしまう

のかと、改めて気づかされるのです。

 

 

 

<文句のネタバレ>

あのじいさんには無理な行動ばかり。それともったいつけて

いる人は、ラッキーにも心臓発作。そうでなかったらもっと

早く真相がわかったのになあ。

 

 

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コレクターー暴かれたナチスの真実ー

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JUGEMテーマ:洋画

 

コレクター

出典:IMDb

 

「コレクターー暴かれたナチスの真実ー」

原題:De Zaak Menten

監督:ティム・オリウーク

2016年 オランダ映画 130分

キャスト:ガイ・クレメンス

     アゥス・グライダヌス

 

1976年、アムステルダムの記者クノープの

もとに、美術収集家で大富豪のメンテンが、

第二次世界大戦中にナチスドイツとともに住民を

大量虐殺し、その美術品を強奪していたという情報が
寄せられる。クノープは事実を確認するため、

メンテンに面会を申し入れるのだったが...。


<お勧め星>☆☆☆半 戦争犯罪に時効はないという

思いを強く抱きます。


三つ編みにされた髪の毛


第二次世界大戦中、ポーランドにおいて、ナチスドイツと

組んで、ユダヤ人やソビエト共産党員などを虐殺し、

美術品等を略奪したオランダ人富豪ピーター・メンテンが、

1976年にオランダで起訴された事件をオランダにて

映画化したものです。

起きた場所はポーランド(裁判当時はソ連領)、犠牲者は

ユダヤ人にとどまらない、そして一度は戦争裁判で服役を

した人物への30年を経ての裁判であり、その人物は

オランダの実力者、一方の原告は一人のユダヤ人新聞記者と

いう極めて特異な構図になっています。

 

コレクター

出典:IMDb

 

メンテンは金の力で、最初の裁判の判決を下した判事等に

逆提訴を行っており、彼の言い分としては「ユダヤ人の

資産を買い取って、逃亡の手助けをした」。

そして没収された美術品を再び自分にもとに取り戻して

いたのです。
アクセス誌という雑誌の編集長クノープは、自らがユダヤ人で

あるということもあって、ナチスの犯罪には目をつぶれなかった

と思う。しかし親会社の新聞社のグループ会社からの抗議や
「新聞は両側に立って記事を書かないといけない」
というちょっと聞いただけなら正論のように思えるまやかしを

言われ、他の記者にメンテン擁護の記事を書かれてしまいます。

それでもクノープが調査すればするほど、メンテンの疑惑は

確信へと変わっていくばかりなのです。

 

コレクター
出典:IMDb

 

序盤から入り込む1930年代のポーランドののどかな村での

楽し気な人々の姿が、ある時急に、恐ろしい状況に変わった

とき、なぜメンテンがこのような行動をとったのか?という

大きな疑問を覚えます。メンテンはかなり裕福な生まれで、

たまたまポーランドのその村にいた時、ソビエト共産党軍の

襲撃を受け、辛うじて命拾いをしますが、その時から彼は、

権力を大変うまく活用し、自分の立場を固めたうえで、美術品

を獲得していったのです。それはナチスドイツの将校の機嫌取り

のために、ユダヤ系絵画商から高価な絵をタダ同然で買い上げる

という姿を映し、彼がいかにずる賢い人物であったかを

知らしめます。戦時中だったからこのような行動になった、

としてもそれがどうして、つい先日まで仲良く暮らしていた

隣人たちを虐殺したのか、という理由にはなっていません。

ここがどうしても引っかかるんですよね。これは彼が罪を

認めないまま亡くなってしまったので、二度とわからないでしょう。
起訴されてからの裁判風景も、一審は有罪判決を受けたものの

控訴審では、なんと無罪になってしまいます。それから上告して

どうなるのか。結果はわかっているけれど、金の力で人が操れる

という人間がいかにクズであるかと、お金がない自分は思って

しまう。そしてオランダというナチスドイツの侵略を受けた国で、

その国民の戦争犯罪を自国で映画化したことは大変価値がある

ことだと思うのです。でもメンテンがユダヤ人であるなしに

関わらず1000名以上殺害して禁錮10年、それもかなり早めの

仮釈放を受けたという話を聞くと、その軽さに驚くばかりです。

自ら掘らされた穴に横たわる血にまみれた人々の姿を見ると、

戦争が生み出したであろう人間の残忍性に言葉を失います。

 

 

 

 

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フィッシュマンの涙

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JUGEMテーマ:韓国映画全般

 

フィッシュマンの涙

出典:IMDb

 

「フィッシュマンの涙」

原題:Collective Invention

監督:クォン・オグアン

2015年 韓国映画 92分

キャスト:イ・グァンス

     イ・チョニ

     パク・ボヨン

 

記者を目指しているサンウォンは、「魚人間事件」の

真相を追うことが採用のチャンスと告げられる。彼

は恋人が「魚人間」とネットで主張するジンの家を

訪問するのだったが..。


<お勧め星>☆☆☆☆ 「魚人間」をめぐる笑いと涙の

ストーリーなどと片付けられない深い映画です。

音楽も気に入っています。


広い海


社会派映画とアピールされ、その通りの内容だろうと身構えて

いた場合、先の展開がおおよそ読めてしまうことがあります。

この映画はコメディ映画のジャンルに入れたのですが、

実は社会派映画でもあると思うのです。
設定はあまりに荒唐無稽なもので、いやそれでもあり得るかも

しれないから怖い。製薬会社の臨床試験の報酬、300万ウォン

につられ、それに参加したものの、なぜか魚人間に変わって

きた男が、そこから逃走したことをきっかけに始まるのです。

この魚人間になったパク・グという男があまりに平凡な若者で、

秀でた能力もなければ、自分の夢もないのが、まさしくその

あたりにいる若者という感じ。
一方彼を匿っている女ジンは、ドラマのエキストラとして彼と

知り合い、一夜の関係を持ったものの、同じエキストラに恋人が

いて、さらに同じエキストラの違う男とも関係があり、それを

知ったその違う男の恋人でこれまたエキストラの女性に、

監督に告げ口された...ああ、この辺りは、簡単に説明すると、

二股のあげくにもう一人とデキて、最初は監督が女性ばかりを

責めると訴えるジンが同じ女性からも責められると、女の敵は

女と言い始めます。いやいやどれもよくあるけれど、すべてが

一人に起きることはそんなに多くないかも。

 

フィッシュマンの涙
出典:IMDb

 

そしてネット上で炎上している「魚人間」の真偽を確かめるため、

記者志望のサンウォンが彼女のもとを訪れるわけです。コネなし、

地方大学出のサンウォンが報道機関に就職することは、韓国では

限りなく不可能に近いらしい。日本よりもさらに学歴、縁故社会

と言われる韓国で、それらがなかったら、そして他人より優れた

能力もなかったら、将来への希望が持てるのでしょうか。
司法浪人する男の映画「犯罪の女王」(2016)を見た時も

強く強く思いました。
「魚人間」をめぐる世間の風潮も、序盤は同情的であり、

人権派弁護士キムのアピールもあって裁判も有利に進みます。
「危機に陥った若者の象徴」
として共感を呼ぶわけです。逆に言うと、それだけ社会に不満

を持っている若者が多いということなんだな。それはどこの国

でも同じかもしれない。
そして白黒はっきりしないうちは、グのことを「全く知らない」

と語っていた同級生が、世間の見方が変わり、グが「悪」であると

いう流れになると、急に饒舌になるのです。ワイドショーで事件の
容疑者の知り合いへのインタビューが流れる時、ぺちゃぺちゃ

話すのは全く信用できないし、そもそも

「そんな人には見えなかったです」

などというまさにどうでもいい内容を垂れ流すのはやめたらいいのに。
「わたしは○○のようなことをしそうな人間です」

と見るからにわかるような人はそれほどいないと思う。
そう、この実験そのものが、世界の飢餓や癌治療、長寿に役立つ

ものであるという宣伝が始まると、俄然グの立場が悪くなって

きます。裁判に時間をかけている間に、他国に遅れを取ってしまう。
そしてこの分野で世界をリードするチャンスだと言われたら、

グ個人の犠牲より、大義の方が勝ってしまうのでしょうね。

その上、グへの根拠のない中傷も始まるわけです。

 

フィッシュマンの涙

出典:IMDb

 

ああ、こんな展開も何度も見たことがあるような気がします。
そして、グの存在を抜きにして、「支持派」と「反対派」が

激しく争い始めると、遂には「北の手先」という言葉も飛び出します。

朝鮮戦争はまだ休戦状態であって、決して終結していないことを
今更ながらに思い出すのです。
ここまで書くとかなり暗い内容のように思えますが、実際は、

この「魚人間」がとても間抜けな顔だし、すべてを悲観して

首つり自殺を図っても、えらにロープがひっかかっただけという

有様で、あくまでも軽いタッチでストーリーは進みます。

しかしグへの生体実験は、わずかな時間しか映らないけれど、あれは

つらい映像です。
「突然変異で気持ち悪い」と、グに殴り掛かる中学生の存在は、

異質なものを排除する考えへの警鐘のようにも思えました。

気持ちが悪いから殴るなどという、ものすごーく浅い考えは絶対に

してほしくない。いつ自分がそうなるのかわからないし、何が

異質なのか、決めるのは少なくとも殴ろうとしているキミでは

ないんだよ。
結局裏をたどっていくと、そこに渦巻くのは「欲望」のみで、

人間の欲の深さに本当にあきれてしまいます。
でもね、ラスト付近はとても素晴らしい内容なんですよ。まさかの

展開なんですよ。ここはぜひ見てほしいです。
「平凡な人間になる夢」=これがグの夢だったとしたら、ラストは

ものすごくハッピーだったんだろうと思います。
そして映画のセリフで心に残ったものは

「真実を知りたがるのは真の記者」
事実は1つだけれど真実は複数あると言われています。その真実を

知るために、深く深く調べつくすのが記者本来の姿なのでしょうね。

 

 

 

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ゴッド・セイブ・アス マドリード連続老女強姦殺人事件

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JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

 

ゴッド・セイブ・アス

出典:IMDb

 

「ゴッド・セイブ・アス マドリード連続老女

強姦殺人事件」

原題:Que Dios nos perdone

監督:ロドリゴ・ソロゴジェン

2016年 スペイン映画 127分

キャスト:アントニオ・デ・ラ・トレ

     ロベルト・アラモ

     ルイス・サエラ

     モニカ・ロペス

 

マドリードのアパートで老女が殺害される。単純な

強盗殺人に見えたその事件が、実は強姦事件でもあった

ことに気づくベラルデは、相棒のアルファロと捜査を

開始するが、ローマ法王来訪を控え、上層部から

捜査終了を告げられるのだった。


<お勧め星>☆☆☆半 全く個性が異なる2人の刑事が

見せる殺人事件の捜査が大変興味深いです。


同じ花を飾る


スパニッシュ・ホラーは何作品か見たことがあり、

「REC/レック」(2007)

「スペイン一家殺人事件」(2010)

などつらつらと名前を思い浮かべていると、ものすごい

映画がありました!
「スパニッシュ・ホラー・プロジェクト 悪魔の管理人」

(2006)です。これはわずか62分の映画ですが、

とにかく「すごい」に尽きます。
そして今作は、スパニッシュ・ミステリーの傑作と言われ、

スペインのアカデミー賞、ゴヤ賞など数多くの賞を獲得して

いるそうです。ワクワクしますね。
まず主人公の刑事2人が紹介される映像が流されます。

 

ゴッド・セイブ・アス

出典:IMDb

 

「マーシュランド」(2014)で被害者姉妹の父親役

だったアントニオ・デ・ラ・トレ演じるベラルデと

「私が、生きる肌」(2011)
で使用人の息子役だったロベルト・アラモ演じるアルファロは

相棒として任務にあたっています。すぐに頭に血が上って

壮絶な暴力行為を繰り出すアルファロは、家庭では反抗期の

娘を心配しつつ、留守がちで妻に迷惑をかけていることを

かなり気にしているらしい。一方のベラルデは、クラッシック

が好きで、きれい好きかつ捜査能力にたけているけれど、

吃音のため人前で話すのが苦手だし、アパートの掃除人女性に

心を惹かれつつ、ドアのカギ穴からのぞき見するような、

かなりいびつな心を持っている感じ。ちなみに家族なし。
そんな時起きた老女殺人事件です。ベラルデは「アンフェア」の

篠原涼子のように遺体の横たわった状況通りに自分も

寝転がります。そこでビビビとくるのかしらね。

しかし、そこで、なんと、この老女が
「強姦」

されていたのではないか、と推理するわけです。70歳を

超えた女性を強姦。しかし鑑定結果もそれを示し、犯人は

「巨大なペニス」の持ち主だというのです。これはこの犯人の

殺害動機と何か関係があるのか、確かプロファイリングを

するルビオが説明していたけれど、あまりよくわかりません

でした。何かの屈辱の裏返しとかなんとか。

 

ゴッド・セイブ・アス
出典:IMDb

 

さあ、捜査開始だと思ったら、上層部から「捜査終了」を

告げられるんですよ。その理由はローマ法王の訪問を控え、

老女強姦殺人事件などという事件などあってはならない、

というのです。あってはならないとか言われてもあったわけ

だし、調べたら同じような事件が前にも起きています。そこで

2人は秘密裏に捜査を続行するわけです。韓国映画ではよく

警察や検察の腐敗ぶりを描いていますが、それってスペイン

でもあるんですね。もしかしたらどこの国でもあるのかも

しれないなあ。権力によって捜査を妨害されることがきっと

あるんだろうなあ。
ニュースにもならないし、新聞にも報道されない事件を捜査

していく2人は、なかなか核心に迫れません。折しも

マドリード市内はワールド・ユース・デーで公費支出への

反対デモでごった返しているため、犯人らしき人物を見失って

しまいます。

惜しい、まことに惜しい。

さらにフェイントめいたシーンも挟み込まれて、消えたり

ついたりする電球の明かりの下でドキドキしてしまいます。
アルファロは公私ともに恵まれないし、それに...。
ようやく犯人の目星がついてきたときに、映し出されるのは、

スペインにおける「聖職者の傲慢さ」です。それを皮肉って

いることもこの映画がスペイン国内で大ヒットした一因なんで

しょう。
そうそう、犯人の特徴である「巨大なペニス」が、その人が

下着姿で歩くシーンでまさしくその通りだったのはちょっと

笑いました。

 

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ブルゴーニュで会いましょう

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ブルゴーニュで会いましょう

出典:IMDb

 

「ブルゴーニュで会いましょう」

原題:Premiers crus

監督:ジェローム・ル・メール

2015年 フランス映画 97分

キャスト:ジェラール・ランバン

     ジャリル・レスペール

     アリス・タグリオーニ

     ローラ・スメット

     ラニック・ゴートリー

 

パリでワインガイドを出版しているシャルリは、

ブルゴーニュのワイン農家である父と15年前に

仲違いし、そのまま疎遠になっている。しかし父が

在庫を抱え、農園売却の危機に瀕していると知り、

彼は実家へ戻ってくるのだった。


<お勧め星>☆☆半 とても平坦でありきたりなストーリー。

ワインづくりやテイスティングの方法を見るのは楽しいです。


リコリスの味


10年ほど前、カリフォルニア、ナパのワイナリーツアーに

参加したことがあります。サンフランシスコの中心部を出発

したミニバンは、あっという間に一面ブドウ畑が広がる地域

に到着し、明るい日差しのもと、既に実を摘み取った後の丈

の短い木々はそれほどきれいでもなかったなあ。その畑の

間を走る道の右左にちょこちょことワイナリーが見えて

きます。最初に行ったのがかの有名なオーパスワン。

お城のような真っ白な建物に入ると、とても気取った雰囲気の

人たちによって、『試飲』するためのワインがグラスに

注がれます。『試飲』とはいえ1杯40ドル。飲まない人が

多い中、もちろん飲みました。
後になってすごく悔しかったけれど「40ドル=400円」の

ような気持ちになっていたんです。(決して為替レートを

知らなかったわけではありません)一口飲むと、ビビビと

来た記憶があります。(それは嘘)
グラスを揺らしながら「今月のナンバーワン嬢」的な雰囲気を

醸し出しつつ、屋上へ上がり、真っ青な空と白い壁を背景に

写真を撮ったはずなのにそれはどこへ行ったのやら。
ちなみに当時一番安いワインが180ドルだったと思う。

だったら2杯も試飲しないでボトルを買えばよかったんだわ。

その後次々に立ち寄るごとにワイナリーは庶民的になり、

試飲もただになった場所で3本で40ドルのワインを買うと

いう、本当にバカなことをしでかしました。もうしません。
そんなトンマなことを思い出す映像が冒頭から流れます。

どこまでも広がるブドウ畑はその木の高さが低いために

地平線まで見渡せそうな気がするのです。
フランス、ブルゴーニュ地方でワイン農家を営む頑固おやじ、

フランソワと仲違いした息子シャレリは、15年前に家を

飛び出し、今は有名なワインガイド本を出すほどの舌の

持ち主らしい。
このワインのテイスティングの仕方は興味をひきます。

まずグラス越しにワインの色を眺め、匂いをかぎ、ゆらゆらと

揺らした後に一口口に入れ、くちゅくちゅと口の中でいわせた

後で、何かの入れ物にペッ。決して飲むわけではないのです。

当たり前です。かなりの数をテイスティングするのですから、

全部飲んでいたら酔っぱらって味などわからなくなりますよね。

シャレリの繊細な舌は天性の才能なんでしょうね。
一方、頑固おやじ、フランソワは、妻とも離婚し、娘婿と二人で

ブドウ栽培をしているものの、ワインが3年分売れ残っていて、

銀行から最終通告を受けているのです。なんで妻と離婚したのか

わからないし、なんで在庫を抱えてしまったのかもわかりません。

まあこの後はありきたりの展開なのでカッツアイ。
隣家で同じワイン農家の娘ブランシェとシャレリとの過去の恋愛話

だの、実は父フランソワもその娘の母、つまり隣家の

女主人エディットと交際していただの、かなり余計なことを

どんどん詰め込んで来ますが、見ている側は別に全然興味ないし..と

思ってしまいます。
嵐が来るからブドウ畑にビニールシートをかけるなんて大笑いの

アイデアを見ると、なぜか

「マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー」(2018)

を思い出しました。嵐が来るっていうのに、パーティーの準備

なんかしちゃって、天気予報を聞いていないのかーい。
みんながあっという間に仲良くなって、ラストは万々歳という

内容なので、何も気にしなくても見られます。
そうそう豆知識ゲット。

「熟したブドウは種まで噛むとリコリスの味がする」

そうです。リコリスって、お土産でもらったグミにその味が

あったけれど、すごく微妙な味でした。
機会があれば食べてみるといいと思います。

 

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レッド・スパロー

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レッドスパロー

出典:IMDb

 

「レッド・スパロー」

原題:Red Sparrow

監督:フランシス・ローレンス

2018年 アメリカ映画 141分 R15+

キャスト:ジェニファー・ローレンス

     ジョエル・エドガートン

     マティアス・スーナールツ

     シャーロット・ランプリング

 

舞台中の事故でバレリーナの道を断たれたドミニカは、

叔父の指示でロシア情報庁のスパイ「スパロー」の

訓練を受ける。そして彼女はCIA捜査官ネイトに接近し、

ロシア内の内通者探しの任務を与えられるのだが...。


<お勧め星>☆☆☆半 ひねりにひねったスパイ映画で

ラストはやっぱりあっと驚く為五郎


そんなところにピーラー使ったらあかん!


見終わったときは、ほうほうと感心したものの、あと

からよく考えると、ちょっと納得のいかないシーンも

いくつかあったことに気づきます。それでも

ジェニファー・ローレンス演じるドミニカが果たして、

アメリカとロシアのどちら側についているのか見極めるのと、

彼女の大胆なエロティックシーン、そしてものすごく

痛そうな拷問具に惑わされ、本筋を見失ってしまいました。

トホホ。
まず、冒頭にボリショイバレエ団員のプリマ役でドミニカが

出てきます。しかし「ブラック・スワン」(2010)の

ナタリー・ポートマンと全く異なり、やけにぽっちゃりして

いるんですね。あの体を高々と持ち上げられる

男性バレエダンサーがいるのかしら。

念のため確認するとボリショイバレエ学校の規定には、

158cmなら体重は37.7〜39.7kg、

160cmなら38.5〜40.5kg、

164cmなら42.1〜44.1kgということで、
ローザンヌ出場ダンサー平均の163.8cm・47.8kgと

比べても明らかに細いです。

ここは最初から違和感ありまくりですね。でもあり得ない方向に

足が曲がってしまうという事故で、彼女はバレエの道を

閉ざされるのです。事故のシーンが「痛い、その1」と

したら、治療具がつけられたシーンは「痛い、その2」。

痛いです。
難病の母親を抱え、住居さえ追い出されそうになっている

ドミニカのもとに、叔父ワーニャがやって来ます。この役は

「フランス組曲」(2014)で魅力的なドイツ軍将校を演じた

マティアス・スーナールツ。

 

レッドスパロー
出典:IMDb

 

彼はロシア保安局の幹部であることから、ドミニカを第4学校に

入れるんです。スパイ養成学校であるとはいえ第4学校は

「娼婦養成所」という別名があるほどで、訓練がこれまた

ある意味凄まじいものばかりです。今時こんなハニートラップで

国家機密を聞き出すことがあるんだろうか、と思うと、

2018年に実際にアメリカでロシア人女性が拘束されている

らしい。

 

レッドスパロー

出典:IMDb

 

この訓練所の監督役のシャーロット・ランプリングがこれまた

怖すぎます。皴の1つ1つに厳しさが刷り込まれているよう。

そしてやけに才能を発揮するドミニカには、ロシア高官と

つながりのあるCIA捜査官ネイトに接近し、その高官が誰で

あるか聞き出す任務が与えられるんです。

ネイト役は「ザ・ギフト」(2014)でキモい男を演じた

ジョエル・エドガートン。

 

レッドスパロー

出典:IMDb

 

映画内で何度も「あんなイケメンだから」という会話がされる

けれど、決してイケメンに思えないし、

「CIAはスパイや情報提供者を見捨てない」なんて、にわかに

信じがたいセリフもあって、アメリカで作った映画だから、

ロシア人も英語で話すし、ヤレヤレだぜと少しだけ思ってしまい

ます。英語で統一しているのは、これは仕方ない。
題名は忘れたけれど、ナチスドイツを扱った映画で、フランスから

オランダ、ベルギーまでまたがる話なのに、みんなが英語を話し、

なぜかナイツドイツだけがドイツ語を話していたのは、もっと
おかしく感じたもんな。「チャイルド44」(2015)は

すべて英語だったから、ここはやっぱりストーリーに集中しよう。
しかしドミニカがロシア側なのかCIAに寝返ったのか、幾度も

混乱する内容は本当に見ものです。

ただアクションに関しては「アトミック・ブロンド」(2017)

のシャーリーズ・セロンの方が格段に上だし、冷酷なスパイの

雰囲気が漂うのもセロン姉さんの方に決まっています。そして

やたら出てくるジェニファー・ローレンスのお尻も飽き飽きして

きた頃に、ちょっとだけロシアの拷問にかけられるドミニカは

やはり全裸にさせられるけれど、それほど痛くない。

それより「痛い、その3」はやけど治療器具で皮をむかれる

ネイトの姿ですよ。「これは何か知っているか?」とネイトに

尋ねるマトーリンの顔こそがニヤけているのが怖い。
でもCIAなら知っているはず。だってもっとすごい拷問やって

いるっていうじゃない。有名な「水責め」「睡眠のはく奪」

「小さな箱への監禁」と名前を見ただけでもおぞましい。

「拷問」で「真実」を語るという説はどこから生まれたんだろう。

そんなことを考えながら迎えたラスト付近の空港のシーンは、

あっと驚いたし、あれはいつから始まっていたんだろうと

考えこんでしまいました。プールで本名を書いた時からかなあ。

 

 

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マーシャル 法廷を変えた男

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JUGEMテーマ:洋画

 

マーシャル

出典:IMDb

 

「マーシャル 法廷を変えた男」

原題:Marshall

監督:レジナルド・ハドリン

2017年 アメリカ映画 118分

キャスト:チャドウィック・ボーズマン

     ジョシュ・ギャッド

     ケイト・ハドソン

     ダン・スティーブンス

 

1941年アメリカで唯一黒人弁護士だったマーシャルは、

全米黒人地位向上委員会のメンバーであり、無実の黒人の

弁護活動を行っていた。そして彼はコネティカット州で

起きた黒人運転手による雇い主の白人女性レイプ事件の

裁判の弁護に向かい、その地のユダヤ人弁護士フリードマン

とともに法廷に立つのだが...。


<お勧め星>☆☆☆半 法廷ドラマが主体で動きが少なく

かなり地味な内容ですが、俳優の演技力が光ります。


法律が武器


アメリカにおける黒人差別を扱った映画は数多く作られており、

私がここ数年見たものだけでも
「ヘルプ〜心がつなぐストーリー〜」(2011)

「フルートベール駅で」(2013)

「大統領の執事の涙」(2013)

「それでも夜は明ける」(2013)

「グローリー/明日への行進」(2014)
「デトロイト」(2017)

などすらすらと題名が口から出てきます。この中でも

「フルートベール駅で」と「デトロイト」は白人の大柄な

黒人に対する恐怖が「暴力」という形に変わって現れるという
ことを描いており、それは相手を知らない、知ろうとしない

想像力の欠如も恐怖の原因の1つであるのかなと思います。
この映画の主役サーグッド・マーシャルは1941年、黒人

として唯一の弁護士であり、人種のせいで疑われた無実の

黒人の弁護を続けていたのです。NAACP(全米黒人地位向上協会)

に属し、「法律」を武器に弁護を続けます。彼自身も希望の

大学へは「隔離政策」により入学できなかった過去を持って

いるし、曾祖父は奴隷だったのです。映画のあちこちに黒人

への差別状況が描かれますが、ほかの映画に見られるように直

接的な恐怖のシーンは1か所のみであとは、法廷での様子に

徹しています。

その事件というのが黒人運転手が雇い主の妻である白人女性

をレイプしたというもの。強要された自白だけで極刑を言い

渡されて時代に、黒人が白人をレイプし、橋から川に落とした

となると大事件です。早速足を運んだマーシャルは地元の

弁護士でユダヤ人のフリードマンを助手にするのですが、

まず判事が他州の弁護士は認めないと言う。つまりマーシャルは

発言権が与えられません。

 

マーシャル

出典:IMDb

 

さらに陪審員選びでも、明らかに差別主義者であるのに判事は

認めていく。弁護側の異議は却下、検事側の申し立ては採用、

と露骨な行為を平気で行います。もう、検事ローリン役の
ダン・スティーブンスや判事役のサム・ロックウェルがものすごく

嫌な奴に描かれています。そしてそれを見事に演じています。

 

マーシャル

出典:IMDb

マーシャル

出典:IMDb

 

このように表立って差別を口にしていた時代も酷いけれど、

表面的には「差別主義者じゃないのよ」と言いつつ、心の底では

根強い差別を持つ人々が今なお多く存在していることは確か

ですよね。「ゲット・アウト」(2017)はそれをホラー仕立て

で描いていました。あれは怖かったなあ。
人種や民族、宗教で人々を差別することは絶対にあっては

ならないと常々思っていますが、それは一人一人の心の問題で

あり、誰かが説得したから変わるものではないかもしれません。

逆にヒステリックな騒ぎを大きくするだけなのかもしれない
けれど、やはりいけないことはいけないんだよと言い続けたい。

小さな声でも言い続けたい。
そして裁判は進んでいくのですが、最初の陪審員選定の時に

マーシャルが主張したことがばっちり当たるのがラスト付近。

引っ越して1か月足らずの女性はその地域では「よそ者」で

あったことをマーシャルはすぐに見抜いていて、すごい!と

思ってしまいました。

 

マーシャル
出典:IMDb 

 

被害者女性のの証言、司法取引の持ちかけ、医師の診断書など

すべて夫が主導権を握っていることから推測されるように、

次第にあるストーリーが浮かび上がり、それは裏付けられて

いきます。誰も想像しなかった内容であるけれど、それでも

誰もが納得できてしまう。
このマーシャルが1967年、黒人初の最高裁判事になったことや

フリードマンがこの後、公民権運動に精力的に活動したことを知ると、

今ある権利を獲得するために注がれた莫大なエネルギーを感じる

のです。そして今逆方向に向こうとしている時計の針をもう一度

前に向かせるために、この映画をぜひ見てほしいと思います。

 

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殺人者の記憶法

4

JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

 

殺人者の記憶法

出典:IMDb

 

「殺人者の記憶法」

原題:Memoir of a Murderer

監督:ウォン・シニョン

2017年 韓国映画 118分

キャスト:ソル・ギョング

     キム・ナムギル

     キム・ソリョン

     オ・ダルス

 

アルツハイマーにより記憶を失いつつあるビョンスは、

かつて連続殺人犯だったが今は娘ウンヒと静かに暮らし

ている。しかし隣町で連続殺人事件が起き、ビョンスは

たまたま追突事故を起こした相手がその犯人ではないか

と疑い始めるのだった..。


<お勧め星>☆☆☆半 どこまでが真実でどこまでが妄想

なのかだんだん混乱してきて何回でも見直したい映画です。


記憶を信じるな


主役のキム・ビョンスを演じるソル・ギョングは、この役の

ために体重を10kg減量させ老人に扮したそうです。

「あいつの声」(2007)

「監視者たち」(2013)

「ソウォン/願い」(2013)
などで何度も見ていますが、確かに別人のように思えます。

 

殺人者の記憶法

出典:IMDb

 

一方ミン・テジュ巡査を演じるキム・ナムギルは14kg増量

したといいます。「無頼漢 渇いた罪」(2015)の時

同様に、顔はイケメンだからこの映画の役を演じるとすごく怖い。

終盤のスマホの明かりに浮かび上がる彼の姿はホラー映画並み

だし、そこで繰り広げられるアクションは凄まじいものです。
冒頭、トンネル内で立ちすくむ男性ビョンスが映ります。

それはラストと同じ光景で、霧のかかる中彼の視線の先を映す

のはラストのみ。

そしてそれを見ると何回目かの「ハッ」を感じるのです。
アルツハイマーを発症したビョンスは、その原因が17年前に

起こした交通事故であり、それは彼が行っていた連続殺人の

最後の事件の直後だったのです。その事件の相手をなぜ殺した

のか思い出せないのはなぜだろう。
しかし彼が連続殺人事件を起こすきっかけとなった家庭内の

出来事はあまりに悲惨であり、だからといって許されるもので

はなく、その後彼が「正当な殺人」と思って行ったことも、

決して「正当」ではないのです。そもそも誰が「正当な殺人」

と決めるのか。それは終盤、テジュの語る言葉のも裏付け

されており、他人にとっては、いや肉親であっても、全く異なる

思いを抱いているかもしれないのです。
犯罪加害者を保護するという行為に対し、加害者のみならず

その家族も罪人のように扱うべきだという暴論もありますが、

逆に加害者の更生を支えたいと思う人も存在します。100人

いれば100通りの答えがあり、どれが正しいかは誰も判断が

できない。ただこのビョンスのように「存在価値のないクズ」を

殺してきたことが「正しい行為」だと思うような人間には

なりたくないと思うのです。
さて可愛い娘ウンヒと暮らすビョンスは、日ごとに

アルツハイマーの症状が悪化し、獣医の仕事もできなくなります。

それでも娘は「できる限り支えるよ」と肉まんまで差し入れて

くれるんです。

 

殺人者の記憶法
出典:IMDb

 

もう、この子が本当に可愛いし、なんならアイドルにして歌わせ

たいぐらい。ところがそのウンヒが、ビョンスが「こいつ怪しい」

と思った男と交際を始めるわけですよ。パパとしたら許すわけに

はいかないし、その男もどうもビョンスの秘密を知っているみたい。

あらあらどっちもどっちなの?

ところがビョンスは、顔が痙攣すると記憶が消えるため、突然

違う場所や違う時間にかわったりするのです。
だから今目の前の出来事が「事実」なのか「妄想」なのか、途中で

すっかりわからなくなります。ソル・ギョングの演技に負けました。

いや、もっとしっかり見直さないといけないのだろうな。

 

殺人者の記憶法
出典:IMDb

 

ビョンスの顔なじみの警官ビョンマン役のオ・ダルスが今回も

アイドル並みに素敵でした。(それは違う)
でもよく考えてみると、

 

 


ここからはネタバレ

 

 


遺体は1つ運ばれただけだったし、「なぜミン巡査を殺したんだ?」

とビョンスは警察官に聞かれていたから、もしかしたらあの人も...。

ああもう一回見直して確認しないと、モヤモヤする。

 

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ラッキー

4

JUGEMテーマ:洋画

 

ラッキー

出典:IMDb

 

「ラッキー」

原題:Lucky

監督:ジョン・キャロル・リンチ

2017年 アメリカ映画 88分 PG12

キャスト:ハリー・ディーン・スタントン

     デビッド・リンチ

     ロン・リビングストン

 

90歳で一人暮らしのラッキーは毎日同じ時間に起き、

全く同じことを繰り返す日々を送っている。しかし

ある日彼は家で突然倒れ、医者に「加齢」が原因と

言われたことで、急に自分の「死」について考え始める

のだった。


<お勧め星>☆☆☆半 哲学的な会話も個性あふれる俳優の

演技ですんなり頭に入ってきます。


タートルではなくトータス


2017年9月に亡くなったハリー・ディーン・スタントン

の最後の主演作です。映画内の設定は90歳。亡くなった

年齢が91歳ということで、ほぼ同年齢の男性を演じた

ことになります。
ラッキーは毎日同じ時間に起き、たばこに火をつけ、朝の

身支度をし、ヨガらしきものを行い、牛乳をコップに1杯

飲むのです。次に飲む牛乳をコップに注ぎ冷蔵庫にしまって

おくことも忘れません。
彼のしわだらけの顔やたるんだからだの皮が、その老いを

十分すぎるほど感じさせます。

 

ラッキー

出典:IMDB

 

そしてカウボーイハットをかぶってダイナーへ行き、店主の

ジョーに禁煙を勧められるのを無視し、パズルをしてから

帰宅する途中で牛乳を買っていくのです。夜は行きつけの

「エレインの店」でブラッディ・マリーを必ず注文。

ブラッディ・マリーはウォッカベースのトマトジュースの

カクテルだけれど、トマトジュースは嫌いだから、ウォッカ

好きだけれどこれは飲めないな。それにラッキーのグラスに

マドラー代わりに差してあるのは明らかにセロリよね。

これもアウト。

 

ラッキー

出典:IMDb

 

この「エレインの店」で友人ハワードが飼っていたリクガメが

逃げ出したと語るのです。名前は「ルーズベルト」。

ハワード役はなんとデビッド・リンチで、それなりに味わいの

ある姿を見せています。そういえば映画の冒頭とラストに

リクガメがのろのろ砂漠地帯を歩いていたことを思い出し、

あれがルーズベルトかと気づくのです。鶴は千年、亀は万年と

いうことわざがあるので、亀は1万年生きると思っていたら、

実は鶴は最長でも80年、亀も180年ほどらしい。しかし

180年も生きるとしたら、夜店の露店で軽々しく亀など

買えなくなりますよね。でも180年生きたことを誰が

覚えていられるでしょうか。「この亀、今50歳よ」と言い

伝えていくのかしら。それでもハワードはルーズベルトを

100歳だったと語るわけです。
ラッキーは結婚したことはなく、家族はいないけれど、町の

人々はみな顔なじみだし、悪態をついたり、笑わせたり、

パズルの答えを聞くために夜、電話を掛けたりと、とても

居心地のいい空間に存在しています。神を信じていない

ラッキーにとって、「生」を意識した行動ではなく、ただ

彼なりのこだわりの生活を送ってきたにすぎないのですが、

ある日、彼が家で倒れ、医者から「加齢」が原因と言われた
ことで、急に心が揺らぎ始めるのです。ちなみにその診察の

時の医師との会話や手渡されたポップキャンディーをめぐる

やり取りは必見。大笑いしました。
今まで気にも留めなかった自分の「老い」と「死」。

その日から急に何か変わるかと思うと、やはりそれはなく、

いつも通りの生活を送ります。ただラッキーの心の中に

沸き起こった「死への恐怖」は夢となり現れ、また町の人々

との会話に少しだけ変化を見せます。彼を心配して自宅を

訪ねて来たダイナーのウェイトレスに打ち明ける秘密

「闇が怖い」

という言葉こそ彼のその時の心情を表していたのでしょうね。

他にもダイナーでの元海兵隊員との会話に出てくる少女の

笑顔など、「死」を意識したものが彼の心の大部分を占めて

いた時、牛乳をいつも買っているメキシコ人の店主の息子の

誕生日パーティーに呼ばれるのです。そこで急に立ち上がって

歌いだすラッキーと、それを見てほほ笑むメキシコ人たちを見ると、

ラッキーの存在が何かを超越したかのように思えます。

 

ラッキー
出典:IMDb

 

真実は物、全てはなくなり、ウンガッツ=ナッシング=無、

となるけれど、それへの執着を手放したとき、ラッキーの

ような笑顔が見られるのでしょうか。
同じように日常を描いた「パターソン」(2016)よりも

個人的には好きな映画です。

 

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目撃者 瞳の中の闇

4

JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

 

目撃者

出典:IMDb

 

「目撃者 瞳の中闇」

原題:目撃者 Who Killed Cock Robin

監督:チェン・ウェイハオ2017年 

台湾映画 117分 PG12

キャスト:カイザー・チュアン

     ティファニー・シュー

     アリス・クー

     クリストファー・リー

     メイソン・リー

 

新聞社の敏腕記者シャオチーは、自分が買った

ばかりの中古車が事故車だったことを知り、その

事故について調べる始める。するとその車は彼が

9年前に目撃した衝突事故の被害者の車だったことが
わかる。その事故の被害者で重傷を負った女性の

所在を調べると次々に不審な出来事が起き始め..。


<お勧め星>☆☆☆半 すべてはラストシーンに集約

されています。入り組んだストーリーを読み解いて

いく醍醐味があります。


最後のページが一番怖い


冒頭、雨の中、車の中で眠る男の前を一台の車が通り過ぎ、

すぐに大きな音がします。男は車から降り、そちらへ

向かいますが、何が起きたのかは全ては映りません。

このシーンは幾度となく繰り返され、様々な人物の

視点から見ることができるのです。それは全てが真実で

あるとは限りません。
そして時は移り、衝突事故発生の警察無線を聞いた

新聞記者シャオチーは、路側帯を走り、現場へ駆けつけ、

勝手に写真を撮っています。多くの人が思い出すのは

「ナイトクローラー」(2014)

でジェイク・グレンホールが演じた狂気に満ちた

フリーのカメラマンです。しかしそれとはまったく異なり、

彼はちゃんと新聞社に勤務する記者なのです。しかしこの

記事がスクープではなく、事実誤認があったことで、彼は

新聞社を解雇されてしまうのです。

くっそ〜!おまけに愛車のBMWで衝突事故を起こしてしまう。

これ先月中古で買ったばかりなんだよなあ。

 

目撃者
出典:IMDb

 

ところが車を修理に出した修理工場のジーは、

「これは事故車」

と言うのです。その事故がかなり大きなものだったらしいと

聞かされ、シャオチーは、得意の警察のコネを使ってその

事故について調べます。おいおい個人情報を金で渡して

いいのかい。いやいかにもありそうだ。
調べるとその事故は9年前、なんとシャオチーが目撃した

衝突事故だとわかり、彼はさらに一層深く調べようと

知るのです。この辺りの繋がり方は、やや強引すぎる気が

しますが、そこから話が始まるのでとりあえず先を見ていくと、

胡散臭い人物が次々に登場するし、そもそもシャオチー自体が

誰かに尾行されているみたい。Why?

 

目撃者
出典:IMDb

 

新聞社のボスだったマギーと二人で事故の被害者アイティンに

会いに行ったものの、彼女の話が偽りばかりだし、そもそも

身を隠している意味がわかりません。いや、とりあえず

シャオチーがこの事故にこだわり過ぎることが気になりますね。

なぜでしょうね〜。
またシャオチーの後ろ盾になっている、元新聞社員で今や

国会議員となったチウとマギーは、どうやらいけない関係。

え?でもシャオチーとも...。この辺りは次々にカードを

出される感じで、それをどのように組み合わせていくかを

試されているような気がします。
さらにさらに新人警官ウェイがめっちゃ不審人物なのです。

よくぞ、警官になれましたね!

他にも怪しげな人物がどんどん現れるので、最初に自分が

想像していたストーリーとは全く違っていくことにそろそろ

気づいてきますよ。(いや、気づかなかったんだよね)
例の交通事故の日に、少女の誘拐殺人事件が起きたことは

関係があるのか、ないのか。

幾度となく繰り返される当時の状況の映像で少しずつ分かって

くると、なるほど!と思うものの、これ、絶対にわからない

じゃんとも思ってしまう。
マスコミ、警察、当て逃げ犯、自動車修理工、そして被害者。

この中で誰が真実を言っているのでしょうか。または真実は

誰も語っていないのでしょうか。
ラストのシャオチーの言葉は、2日ほど考えて自分なりに

納得しました。最後付近はものすごい展開になり、とても

怖いので要注意です。

 

 

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