毛皮のヴィーナス

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毛皮のヴィーナス

 

「毛皮のヴィーナス」

原題:La Venus a la Fourrure

監督:ロマン・ポランスキー

2013年 フランス=ポーランド映画 96分

キャスト:エマニュエル・セニエ

     マチュー・アマルリック

 

舞台演出家で自信家のトマは「毛皮のヴィーナス」

のヒロインが見つからずイラついていた。そこへ

1人の女性がオーディションを受けに現れる。トマは

渋々彼女の演技を見ることにするが、役名と同じワンダ

と名乗る女は完ぺきな演技をするのだった。

 

<お勧め星>☆☆ この映画に全く引き込まれず、

しんどい内容でした。

 

登場するのはマチュー・アマルリックとエマニュエル・セニエ

の2人のみです。設定は「毛皮のヴィーナス」という舞台劇を

演出するトマが、ヒロインのオーディションをするものの、

イメージぴったりの女優が現れず、ブツブツ電話をしている時、

1人のやや年のいった下品な女性がやって来て、泣き落とし、

ゴリ押しでオーディションをさせるいう話です。

 

毛皮のヴィーナス

 

この舞台劇の主役と同じ名前のワンダがいったい何者なのか。

序盤はワンダをトマが明らかに見下しているのがわかります。

しかし、セリフを言い始めるとトマは彼女に魅了されてしまう。

なぜならそれは彼が望んだワンダそのものだったからで、その

頃から逆にトマは、この女性ワンダに支配されていくのです。

脚本の3ページまでのはずが「もっと続けてくれ」と言う状況に。

始まりとこの時とラストに雷が鳴り響きます。それが何を意味

するのか。

 

毛皮のヴィーナス

 

ネタバレ

 

 

このワンダの素性については、プロダクションノートにある通り、

ギリシャの女神「アフロディーテ」の降臨であり、小さな世界で

絶対的な権力者であるトマのもとに現れてしまったということ

らしいです。中盤からセリフの応酬に疲れ、トマがワンダを演じる

シーンなどで、少し彼の心の闇を見た気がしましたが、ラストまで

感情移入できませんでした。トマが奪われたのは財布と携帯、

つまり地位と恋人だということは他の方のレビューを読んで

気づくほど。

ラストに雷鳴が響き、トマを置き去りにして、ワンダは去って

いきます。3枚の扉をするする開けていくあたりは神の降臨を

意味していた...らしい。

真黒なハイヒールが輝き、ワンダのドレスのフォックや黒い

ロングブーツのファスナーが大きく映る辺りは、淫靡な雰囲気

が漂います。

 

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美しき棘

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美しき棘

「美しき棘」
原題:Belle epine
監督:レベッカ・ズロトブスキ
2010年 フランス映画 80分
キャスト:レア・セドゥー
アナイス・ドゥムースティエ
アガト・シュレンガー

母を突然亡くした高校生のプリュダンスは、
海外勤務中の父と家に戻らない姉しか家族
がおらず、孤独感を募らせていく。そして
万引きで捕まった時、そこにいたマリリンが
はまっているバイク・レースに関心を寄せる
のだった。

<お勧め星>☆☆ ヒロインの心の動きがいまいち
つかめないまま終わってしまいました。


見終わった後で、ネットでのこの映画の解説を読むと
そうか、この映画は結構デリケートな内容なんだと
実感します。気づかない私は鈍感なのかも...。


美しき棘

ヒロイン、プリュダンス役は「グランド・ブダペスト・ホテル」
(2014)のクロティルダを演じたレア・セドゥー。
可愛らしいパリジェンヌという雰囲気は一切なく、この映画
では終始仏頂面をしています。
冒頭に、万引きで捕まった時も表情一つ変えません。警察
で同時に捕まったマリリンという少女は、バイク野郎が迎えに
来ているのに、彼女は誰も迎えに来る人がいないのです。


美しき棘

バイク野郎のバイクにまたがって楽しそうに帰っていくマリリン
の姿を物陰からこっそり見ているプリュダンス。あれ、パンツ
の中からブレスレットを出したぞ。
彼女になぜ迎えが来ないのか、それは国際電話をかけてくる父
の話からもよくわからない。また知人の家にいる実の姉がなぜ
自宅に戻らないのかもわからない。ただどうやらプリュダンス
は、母を亡くしたばかりで、高校へは行かなくなっており、その
ことを誰も責められない、つまり腫物を触るように扱っている
らしいと気づくのは映画の中盤。姉は母を思い出すから自宅に
戻れないと言う。しかしプリュダンスはそれを聞いても表情を
変えないし、知り合いの少女ソニアに「母親の死をもっと悼む
べきだ」と言われても、相変わらず仏頂面なのです。


美しき棘

彼女はテレビで見たバイク野郎が集まるランジスという場所に
深夜出かけ、その姿を見て少しだけ楽しそうな顔をします。
そしてマリリンを含め彼らを家に招き、パーティーを開く
のですが、その後バイク野郎の後ろにまたがって海に向かって
も結局取り残された気分。
実はバイクなんてあんまり興味がないんじゃないのかな。
彼女は本当は、ものすごく悲しくて、寂しくて、母が恋しい
のに、それを受け止めてくれる相手が見つからない、そして
身の置き所がわからなかっただけなのかもしれません。とても
甘ったれて見えるけれど、まだ17歳の少女なのです。

バイク野郎、フランクの職場まで行き、彼の自宅で関係を
持っても「痛い」だけで、心は癒されません。逆にフランクの
母が作った朝食を見ると、また例の仏頂面に戻るのです。
また彼らの仲間と一緒にいても、どうしても浮いてしまう。
そしてフランクから突き放され、雨の中置いてきぼりになる
のです。ずぶ濡れのプリュダンスもやはり仏頂面。
ただラスト付近に自宅に戻ったプリュダンスは、亡き母の
幻影を見るわけですよ。そして母の遺品である補聴器をつけ
ながら、頬を伝う涙をぬぐう。そんな彼女の姿を見ると、
誰かがいたわってあげるべきなんだろうな、と思ってしまう
のです。








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ヴェルサイユの宮廷庭師

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ヴェルサイユの宮廷庭師

「ヴェルサイユの宮廷庭師」
原題:A Little Chaos
監督:アラン・リックマン
2015年 イギリス映画 117分 PG12
キャスト:ケイト・ウィンスレット
     マティアス・スーナールツ
     アラン・リックマン
     スタンリー・トゥッチ
     ヘレン・マックロリー

1682年パリ。田舎で造園業を営むサビーヌは、1通の
招待状を受け取り、宮廷の造園家ル・ノートルに新宮殿の
庭の設計図を見せる機会に恵まれる。彼女の斬新な感覚に
興味をひかれた彼は、サビーヌに庭園製作の一部を任せるが。

<お勧め星>☆☆半 バラや宮殿の庭、衣装などの美しさに
目を奪われますが映画自体は凡庸です。


特に盛り上がりもなく、淡々と話が進み、ヒロイン、サビーヌ
役のケイト・ウィンスレットのドレスがはち切れそうだなと
感じるだけで、彼女が少々の苦境に立ってもすぐにリカバリー
されてしまうという、うまい話で心は揺さぶられません。


ヴェルサイユの宮廷庭師

1682年、パリ。新宮殿の庭の設計士の面接に招待された
サビーヌ・ド・バラは、宮廷造園家ル・メートルに3分で
あしらわれてしまいます。


ヴェルサイユの宮廷庭師

ル・メートル役は「君と歩く世界」(2012)の
マティアス・スーナールツ。すごく言いづらい名前ですが結構
甘いマスク。ちょっとだけお尻が見えるシーンがあるからドキリ。
「秩序」を重んじるル・メートルとは異なり、原題通り、少しの
「混沌」を加えることが美的追求につながると主張するサビーヌ
の考えが合うはずもないのです。しかしなぜか彼女の設計図に
心を惹かれ、やがて宮廷の庭の一部の設計に携わることになり、
ついでにひょんなことで、な、なんとルイ14世とも歓談できる。
これまたうまい話じゃありませんか。ここでネックになるのが
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ヴェルサイユの宮廷庭師

この映画で唯一意地悪で狡猾な行為を行うのは彼女くらいかな。
なぜ夫婦が冷え切っているのかは極めて曖昧な描き方です。
そして
◆.汽咫璽未良廚般爾了爐猟樟榲な原因
これは幾度となく現れるサビーヌの娘の幻影から、何かがあったと
想像しますが、これとてあっという間に乗り越えます。
それ以外には大した苦労もなく、自らの才能がどんどん認められ、
宮廷内の夫人集団にも意地悪もされずに受け入れられていく。あらま
こんなトントン拍子でいいのかしら。

まあサビーヌ自体の存在がフィクションなのでこういう描き方に
なったのかもしれません。できあがった庭に皆が集い、それをどんどん
遠くから映していくとそれこそ壮大なヴェルサイユ宮殿の庭園の全貌が
見えてきます。これは美しい。でも映画的には面白くなかった。


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嗤う分身

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嗤う分身

「嗤う分身」
原題:The Double
監督:リチャード・アイオアディ
2013年 イギリス映画 93分
キャスト:ジェシー・アイゼンバーグ
     ミア・ワシコウスカ
     ウォーレス・ショーン
     ノア・テイラー

真面目で内気なサイモンは、会社ではの存在感は
薄い。そんな彼はコピー係のハナに恋心を抱いて
いるが、せいぜい自室から向かいの彼女の部屋を
のぞき見することしかできない。しかしある時、
彼と瓜二つのジェームズが会社に現れ...。

<お勧め星>☆☆ 最初から全然頭がついていかない。
最後まで理解不能でした。


原作はドストエフスキーの初期作「分身」だそうですが、
もちろん未読。
設定は近未来とのこと。しかし、やけに大きなコピー機
やプッシュホン電話機、業務用のようなエレベーターなど
小道具は、いつの時代のものかと思います。いつの時代から
見た近未来なんだろう。
冒頭、ガラガラの電車の中で、「そこは俺の席だ」と言われ
不条理に思いつつ、席を立つサイモン・ジェームズ。そう
彼はお人好しであり、存在感のない男なのです。だから
毎日行くダイナーで、ぞんざいな扱いを受けても納得するし、
社員でありながら、毎朝来客者名簿に名前を書かされても
我慢するのです。もう歯がゆいったらありゃあしない。

さらにコピー係のハナに恋をしているのに、告白なんて
もってのほか。とりあえず毎日コピーをとりに行くのが
楽しみであり、帰宅後自室の窓から、向かいのハナの部屋を
望遠鏡で覗くだけで満足しています。「裏窓」かい!


嗤う分身

ハナ役のミア・ワシコウスカは相変わらず可愛いです。
一方のサイモン役のジェシー・アイゼンバーグは、「オタク」の
イメージがついているので、こういう役はぴったり。


嗤う分身

逆に途中から、サイモンと容姿はそっくりなのに、性格が真逆の
ジェームズ役はちょっと違和感あり。でもそこは彼の演技力で
乗り切っています。
ジェームズは要領がいいので、サイモンの仕事のおいしいところ
ばかり奪っていくし、女性に対してもガンガン攻めていきます。
終盤にはこの感じの悪い年増のウエイトレスさえものにしちゃう。
元々存在感のないサイモンなので、職場の同僚は、仕事のできる
ジェームズにしか目がいかないのです。そうか、似ている容姿でも
存在感のある方しか知らないってこと多いもんね。
ただ映画の内容は全く好きではありません。だってわからないん
だもん。
ただ挿入歌で、坂本九の「上を向いて歩こう」やジャッキー吉川と
ブルーコメッツの歌が流れたのは、とてもよかった。なんでも
監督が「エド・サリヴァンショー」に出演していた彼らを再放送で
見て、絶対にこれらの歌を映画に入れようと12年前から思っていた
そうです。1960年代の歌っていいわねえ。



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ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋

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ウォリスとエドワード

「ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋」
原題:W.E.
監督:マドンナ
2011年 イギリス映画 119分
キャスト:アビー・コーニッシュ
     アンドレア・ライズボロー
     ジェームズ・ダーシー
     オスカー・アイザック
     リチャード・コイル

1998年のニューヨーク。ウォリーは一流分析医
の妻として人もうらやむ生活を送っていたが、実は
夫の浮気を疑っている。そしてかつて勤務していた
サザビーズでウィンザー侯爵夫妻の遺品のオークション
が開かれることを知り、その内覧会へと向かうのだった。

<お勧め星>☆☆ マドンナの歌と美しいBGM、衣装は
素晴らしいです。それだけ。


見終わってから知ったのですが、この映画は欧米では酷評
されており、ネットの評価を参考にしてレンタルしたのが
間違いだったと気づいたものの時すでに遅し。
英国王エドワード8世がその王位を捨て、アメリカ人の人妻
ウォリス・シンプソン夫人との結婚を選んだ事実は、衝撃的
であり、今も語り継がれています。その出来事をシンプソン
夫人の視点から描くのかと思いきや、なぜか時は1998年
となり、場所もニューヨーク、マンハッタン。

ウィリアム・ウィンスロップという高名な分析医と結婚した
ウォリーという女性の姿が映ります。いわゆる玉の輿結婚を
した彼女なのに、なぜか夫との仲がうまくいっていない様子。
子供を欲しがるウォリーとそれにかなり消極的な夫の姿が
ちぐはぐな描かれ方をし、じゃあ夫が浮気をしているのかと
疑うものの、そこは曖昧のままです。
そもそもその話となぜウィンザー侯爵夫妻の話が結びつくか
という点もかなり説得力が薄いのです。ウォリーの母と祖母が
シンプソン夫人に夢中で、その名前から彼女の名前をとった
らしい。

そしてウォリーがかつて勤務していたサザビーズで、侯爵夫妻
の遺品のオークションが開催されることになり、内覧会へ行った
彼女が遺品を見つめながら、その時代のシンプソン夫人の姿に
思いをはせるわけです。まるでシンプソン夫人が乗り移ったかの
ように当時の様子が克明に描かれます。


ウォリスとエドワード

ウォリス・シンプソン夫人役は「バードマン あるいは」
(2014)のアンドレア・ライズボロー。色が真っ白いです。
それと小悪魔的な表情はとても魅力的。エドワード8世は
「英国王のスピーチ」(2010)で吃音に悩んだジョージ6世
の兄であり、この役は「ヒッチコック」(2012)の
ジェームズ・ダーシーが演じています。2人の恋がどう進んだのか
それは時の世情も絡めて細かく描かれていきますが、一方で
現在のウォリーの姿も映るので、ポイントが絞り切れていません。
ウォリーはサザビーズの警備員コルパコフに気に入られ、不仲の
夫に暴力を振るわれても彼が助けに来てくれるというとても
幸せな面も持っているのです。


ウォリスとエドワード

コルパコフ役のオスカー・アイザックは、グアテマラ出身の俳優
兼歌手なので、映画内で弾くピアノの音色がとても趣があります。
どちらに重きを置いて描いているのか、そもそも2組のカップル
を同時に描く必要があったのか、全く理解できず、ただシンプソン
夫人の衣装やメイク、持ち物の美しさとマドンナの歌、ピアノの
響きだけが心に残りました。



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がんばれ、リアム

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がんばれ、リアム

「がんばれ、リアム」
原題:Liam
監督:スティーヴン・フリアーズ
2000年 イギリス映画 91分
キャスト:イアン・ハート
     クレア・ハケット
     ミーガン・バーンズ
     アンソニー・ボロウズ
     アン・リード

1930年代初頭のリバプール。吃音症気味の
リアムは、それでも家族仲良く楽しく暮らしている。
しかし、不況の中で父の働いていた造船所が閉鎖され
一家は生活苦に陥る。一方聖体拝領を控えるリアムは
ある悩みに苦しむのだった。

<お勧め星>☆☆半 時代背景と宗教についてしっかり
予習しておかないとわかりづらい映画です。


イギリスのリバプールに住むサリヴァン一家は、
イングランド人でありながら、カトリック教徒。調べて
みると、イギリスでは、英国国教会とカトリック教会が
存在し、イングランド人は英国国教会信者が大半だそう
です。
冒頭に新年のお祝いをするパブで、アイルランド系の女性
がアイリッシュの歌を歌うと、「この国が気に入らなきゃ
帰れ」と他の女性に言われ、IRAの歌を歌い始める。すると
相手の女性はプロテスタントの歌を歌い、大喧嘩になります。
このシーンを見ていたリアムがプロテスタントの歌を口
ずさむと、父に叱られてしまう。本当にややこしい。


がんばれ、リアム

1930年代初頭のリバプールは不況の波が押し寄せ、誇り高い
イングランド人である父も職を失うのです。イアン・ハートは
「リプリー 暴かれた贋作」(2005)に出演していたのね。
どこかで見た顔だと思ったわ。
そしてその父は日雇いの仕事を得ようとしても手配師は、低賃金
で働くアイルランド人を優先的に雇うのです。彼が働いていた
造船所のオーナーはユダヤ人、リアムの母がしょっちゅう通う
質屋もユダヤ人経営と、イングランド人として誇りを持っていた
父は、その身の不条理さをファシズム運動に参加することで発散
していくのです。

一方リアムは初聖体拝領を控え、毎日学校で宗教を学ぶし、日曜
礼拝も欠かしません。やや吃音気味なので、なかなか自分の心
を表現できないけれど、驚いたり、悲しんだり、悔しがる姿を
この少年が好演しています。
生活のためにメイドの仕事に出た姉テレサは、その屋敷の奥様の
不倫に加担したことを懺悔し、リアムは偶然見た母の全裸が、
宗教画のそれと少し違っていたことにとても悩むのです。一生懸命
本を見るリアムやこっそりテレサのからだを見ようと考える姿は
とても健気な感じ。しかし教会の神父は結構厳しい教えを行い、

それはリアムにとって、礼拝堂内のキリストの磔像と共に、彼を
恐怖に陥れるのです。そうなんですよね。教会ってきれいに見える
けれどよく見るとキリストの手には杭が打ってあるし、結構怖い。
いや仏教のお墓も怖いか。

聖体拝領の前にパンを食べてしまうリアムは、きっとお腹が空いて
いたんだよね。そこでまた叱られます。
貧しさにあえぎながら、それでも力強く生きる家族の中で、父が
行った行為が、これから始まるヨーロッパの暗い時代を暗示している
かのようでした。
「がんばれ、リアム」って邦題、おかしくないかしら?リアムが
がんばる映画じゃなかったけど。


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父、帰る

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父、帰る

「父、帰る」
原題:Bozvrashcheniye/The Return
監督:アンドレイ・ズビャギンツエフ
2003年 ロシア映画 105分
キャスト:イワン・ドブロヌラヴォフ
     ウラジミール・ガーリン
     コンスタンチン・ラヴネンコ
     ナタリヤ・ヴドヴィナ

祖母、母と暮らすアンドレイ、イワン兄弟のもとに
12年間音信不通だった父が突然帰って来る。そして
父子3人で旅行に出かけるのだが、威圧的な父に対し
イワンは反抗的な態度をとり続けるのだった。

<お勧め星>☆☆ かなり高評価のレビューが多く、
ソ連崩壊を父の帰郷になぞられたという説もありますが
私にはよく理解できませんでした。


ストーリーは別として、海、湖の水面青い空、、白い雲
緑鮮やかな草原など非常に美しく映されています。なので
おそらく芸術性の高い映画なのでしょう。ちなみにこの
映画で兄弟の兄アンドレイ役を演じた少年は、間もなく
湖で事故死したとのことです。
日曜日、高い塔から海に飛び込む少年の中で、1人だけ
飛び込めないのはイワン。彼ははやし立てる兄たちをよそに
回れ右をしてしまうのです。
「飛び込まないでその梯子を降りたら、クズだ」
彼は日が暮れて迎えに来た母親にそのことを話し、梯子で
降りたことは内緒にするように頼むのです。この子は気が
小さいのにかなりの頑固者。一方の兄アンドレイは、仲間
と遊ぶために、弟の秘密をバラしてしまうような要領のいい
少年です。


父、帰る

そして12年間音信不通だった父が家に帰って来ます。祖母、
母の何とも言えない表情と共に、威圧的な父の態度は兄弟の
思い描いていた父親像とはかけ離れているのです。おまけに
いやに鍛えられた体は、どう見ても母が言っていた「パイロット」
を仕事にしていたとは思えない。彼は何をしていたのだろうと
映画の終盤までサスペンスタッチに描かれるのです。
そしてなぜか父子3人で釣り旅行に行くことになるのですが、
途中、父は電話をしたり、仕事だからこれで帰れ、と言って
みたり、やはり一緒に行こうなどと言う。イワンはそんな父
への反抗心から食事をしなかったり、文句を言ったりと事ある
ごとに問題を起こすのです。ちゃっかり者の兄は父とうまく
やっているのに、イワンは遂には「本当に父さんかな」とまで
言い始める始末。

その上、父は何の目的か無人島に向けて船を出すのです。途中で
エンジンが壊れると息子たちにオールで漕げと言う。きわめて
横暴なのですよ。今になって考えると、父は息子たちへの接し方
がわからなかったのかもしれません。でもなぜ12年間も音信
不通だったのでしょう。


父、帰る

そして到着した無人島でなにやら森の奥の建物の中を掘り、何かを
取り出します、あれは何なのでしょう。
いつかこの謎はわかるんだよな、と思っていたのに、あれあれ〜。
あっけない事故で謎は謎のままになってしまいます。
1991年に父が失踪したということは、その年がソ連崩壊の年
だったことから、父をそれになぞらえて、権力の崩壊を象徴している
とは考え過ぎのような気がします。父は息子たちに「強さ」を教え
たかった。しかし12年の歳月は、親子のきずなを取り戻すのには、
もっと時間がかかったのだと思います。
ラストにアンドレイがイワンに対し、父と同じ口調で命令するのが
印象的でした。




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愛より強く

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愛より強く

「愛より強く」
原題:Gegen die Wand
監督:ファティ・アキン
2004年 ドイツ=トルコ映画 121分 PG12
キャスト:ビロル・ユーネル
     シベル・ケキリ
     カトリン・シュトリー・ベック
     グヴェン・キラック
     メルテム・クンブル

妻を亡くしたジャイトは、飲酒運転で壁に激突し、
病院へ運ばれる。そして同じく自殺未遂で入院して
いたシベルという女性に偽装結婚を求められる。
彼女は厳格なイスラム教徒の両親から逃れるために
結婚という手段を選ぼうとしたのだった。

<お勧め星>☆☆ 全然おもしろくなかった。レビュー
は高評価が多いのでわたしのセンスが悪いのでしょう。


原題の意味は「壁に対して?」だそうです。いろいろな
意味での「壁」ですかね。
オープニングや映画のシーンの合間に、モスクが見える
海峡の前で、女性歌手と6人の演奏家がトルコ音楽を奏で
異国情緒あふれる、その歌声や音色は、なんとも言えない
魅力を感じさせますが、その一方で、パンクロックに
踊り狂う主人公たちの姿も映り、いかにもヨーロッパ人
が好みそうな、凡人にはわかりづらい映画だと気付くのは
映画が始まってすぐのことです。
簡単にストーリーを言うと、ジャイトは最愛の妻を亡くし、
酒とドラッグに溺れる40過ぎのオヤジ。そしてシベルは、
厳格なイスラム教徒である家庭から抜け出して自由を手に
入れたい若い女性なのです。
お互いにトルコ系ドイツ人である2人は、自殺未遂をきっかけ
に病院で知り合い、シベルの半ば脅迫じみた申し出により
偽装結婚をするのです。


愛より強く

トルコ式の結婚式はかなりお金がかかるらしく、華やかな宴
が繰り広げられます。しかし2人に愛など存在しないので
ジャイトは相変わらず、酒とドラッグに溺れ、時々、友人
マレンとベッドを共にする日々を繰り返します。一方のシベル
は、ここぞとばかりに一夜限りの男と遊びまくるのです。自由
ってこういうことがしたかったわけ?彼女の行動が奔放過ぎて
日本人には極めて不可解かつ不快に感じられます。その上、
ジャイト自体もかなりイカれているので、その暴力的な行動も
含めて、気分が悪くなるばかり。
ところがなぜか次第に情が移っていくジャイトは、シベルへの
嫉妬心から遂に殺人を犯してしまうのです。この事件で身内から
縁を切られたシベルは、ジャイトのいる拘置所へ面会に行き、
「あなたを待つわ」
なんてしおらしく言った舌の根の乾かぬ内に、友人の紹介して
くれた仕事に飽きて、再び酒とドラッグ、男に走ってしまいます。


愛より強く

なんじゃこりゃ。ついでに通りすがりの男たちに絡み刺されて
しまう。こういう破滅的な人間の姿は見たくないです。
そしてようやく出所したジャイトがシベルを捜すと、なんと
彼女は恋人がいて娘までもうけているのです。あれ?あの約束
はどうしたんだい。
要するに自由を求めてさまよったあげく安定を求めてしまう
シベルの姿を描きたかったのかな。ジャイトもこれで心が平穏
になったのかな。わけわからないけど好きな映画じゃないです。





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トーク・トゥ・ハー

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トーク・トゥ・ハー

「トーク・トゥ・ハー」
原題:Hable con Ella
         Talk to Her
監督:ペドロ・アルモドバル
2002年 スペイン映画 113分
キャスト:ハビエル・カマラ
     ダリオ・グランディネッティ
     レオノール・ワトリング
     ロサリオ・フローレンス
     ジェラルディン・チャップリン

ジャーナリストのマルコの恋人リディアは、闘牛の
競技中の事故で昏睡状態に陥る。その病院には4年間
昏睡状態で入院するアリシアの世話をする看護師
ベニグノがおり、2人は次第に心を通わせるが...。

<お勧め星>☆☆ 映画内のダンスがどうも好きに
なれません。個人的には好みではない映画です。


ネタバレしてます。
一言でいうと「孤独」を描いた作品でしょうか。
15年間実母の看護をしてきたマルコは、全て通信教育
で知識を身に着け、母亡き後、看護師として働いている
のです。彼はもちろん女性との経験は0。でも自分が
「孤独」だとは少しも気づいていなかったのです。彼は
自宅の窓から見えるバレエスタジオ内の生徒アリシアに
心を寄せ、ストーカーのように後をつけ(ストーカーだな)
遂に言葉を交わします。ついでに彼女の父が精神科医と
知って、わざわざ受診するのです。その時初めて自分の
悩みが「孤独」であることに気づくのです。それは医師の
前で「何を相談にきたか」を話すときについ口をついた
言葉でわかってしまいます。いや、普通知っているはず
だけどね。それに気づかないベニグノは、少し精神状態が
普通ではないと思ってしまう。でもベニグノは、アリシア
を見ているだけで幸せだったのに、ある雨の日、彼女は

交通事故に遭い、昏睡状態に陥ってしまうのです。マルコは
看護師として彼女の世話をし、まるで恋人に話しかけるように
日々の出来事を知らせます。これが全くの一方通行なのに
彼はアリシアを独占できたことだけでもう満足なのです。
そんな彼はある舞台を見に行った時、隣の席の男が涙を流し
ていることに気づきます。


トーク・トゥ・ハー

映画内で数回、向かって右側のマルコを「ハンサム」だと
言う人が数回出てきますが、う〜ん、ヨーロッパ人の美意識は
日本人とは違うな。
一方そのマルコは、恋人と別れ、1人で世界を旅行しながら
記事を書いているという「孤独」な男性。そんな彼が恋人に
フラれた女闘牛士リディアと知り合います。2人はあっという
間に恋人同士になるのですが、彼女は競技中の事故で昏睡状態
に陥ってしまうのです。「昏睡」によって彼女を手に入れた
ベニグノと反対に、今までそばにいた女性を「昏睡」によって
失ってしまったマルコとは心は大きく隔たっているのですが、
ベニグノの姿になぜか感動するマルコ。でも「昏睡」状態の

リディアに同じことをしようとはしません。いやできないのです。
それは、実際に交際し、心を通わせた相手が急に「植物状態」に
なったら当然のことで、一方的に思っていただけの相手だから
こそベニグノは喜びに浸れるのでしょう。そこに彼の哀しい
「孤独」が存在するのかもしれません。


トーク・トゥ・ハー

さらにリディアの元カレ、エル・ニーニョに「実は競技の前
彼女とはヨリを戻していたんだ」と言われたマルコは、そう
いえば、競技の前に何か言おうとしていたリディアの姿を思い
出すのです。そして彼は取材旅行に出ます。
その間にアリシアの妊娠が発覚。ベニグノがおそらくはその行為
をする前に見たであろうモノクロ映画がなんとも意味深でした。
アリシアを愛するあまり遂にしてはならないことをしてしまった
ベニグノは解雇され、逮捕されます。

旅行から帰ったマルコは、ベニグノの事件を知り、彼と会い、彼
の自宅に住み始めると、なんとその窓から体が不自由ながら、
笑っているアリシアが目に入ってきます。そうなですよ。まさか
の奇跡。しかし子供は死産しており、アリシアの覚醒を知らせる
ことは、ベニグノにとって何を意味するかは誰でもわかる。
アリシアは子供を死産し、相変わらず昏睡状態のまま、と知らされた
ベニグノのとった行動は、まあ当然と言えば当然だし、そこに
何の美しさも感じません。ただただ彼が普通でなかったということ
だけを思い知らされます。
レビューの評価は高いのですが、ラストも含めて私の好きな映画
ではなかったです。




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はじまりは5つ星ホテルから

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JUGEMテーマ:洋画

はじまりは5つ星ホテルから

「はじまりは5つ星ホテルから」
原題:Viaggio sola
監督:マニア・ソーレ・トニャッツィ
2013年 イタリア映画 82分
キャスト:マルゲリータ・ブイ
     ステファノ・アコルシ
     レスリー・マンビル
     ファブリッツィア・サッキ

高級ホテルの覆面調査員をしているイレーネは、
自由で人よりいい人生を送っていると自負している。
気まぐれに姪と遊んだり、元恋人で親友のアンドレア
と話したりと楽しく過ごしていたが、ドイツのホテル
で意気投合した女性が急死し、彼女にほとんど身寄りが
なかったことから、イレーネは急に孤独を感じ始める。

<お勧め星>☆☆半 期待外れ。特に不快にはなりま
せんが、なんのメッセージも伝わりません。


冒頭から、白い手袋をはめ、姑のようにベッドやら、
テーブルのほこりやらをチェックするイレーネが映り
ます。


はじまりは5つ星ホテルから

そう、彼女は、有名ホテルへの覆面調査員であり、あらゆる
サービスをチェックして、チェックアウトの後に支配人を
呼んで、その結果を知らせるという仕事をしているのです。
他人を格付けする身の上では、どうしたって高ビーになるし、
自分がすべて正しく、自分のペースで行動していくのも仕方
ありません。イレーネは結婚もせず、仕事一筋に生きてきた
のですから、プライドの塊でもあります。一方彼女の妹は
姉に振り回されつつ、夫や娘と平凡な生活を送っているのです。
このシルヴィアがとてもドジで、いつも車はレッカー移動
されるし、家の鍵もなくしてばかり。このエピソードに意味は
あるのかしら。完ぺきな姉との対比かな。

イレーネには元恋人で今は親友のアンドレアがいて、彼とは
時々食事をしたりするのです。ところが彼が3回ほど会った
女性ファビアナを妊娠させてしまいます。
「わたしなら生まなかったわ」
イレーネはきっぱりと言い、再び仕事先へ向かうのです。
アンドレアもファビアナと結婚する気はないし、父親になる
気持ちも全然ない。しかあい、エコー映像を見ると、急に
子供が待ち遠しくなってしまうのです。これったありきたり
じゃない。

イレーネもファビアナを覗きに行ったり、急に姪とお出かけ
したりする。なんだかよくわからない話になってきました。
おそらくは40歳過ぎのイレーネが今さら何に気付くのでしょう。
さらに滞在中のドイツのホテルで意気投合した人類学者のケイト
が突然死を遂げます。彼女の連絡先が15年前に別れた夫しか
いないと知ると、イレーネはますます動揺するのです。


はじまりは5つ星ホテルから

ケイト役は「家族の庭」(2010)のレスリー・マンビル。
ものすごく個性的な役が上手です。
そんなこんなで今まで築き上げてきた自分の価値観はすっかり
変わり、急に孤独を感じ始めるって、どうも納得がいきません。
大喧嘩した姉妹の仲直りや、アンドレアと衝動的にベッドイン

したり、それを知ったファビアナと急にハグしたり。日本人には
理解できないことだらけ。
とりあえずあちこちの高級ホテルと景色が素晴らしかったかな。


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