妻よ薔薇のように 家族はつらいよ 3

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家族はつらいよ3

 

「妻よ薔薇のように 家族はつらいよ 3」

監督:山田洋二

2018年 日本映画 123分

キャスト:橋爪功

     吉行和子

     西村まさ彦

     夏川結衣

     中嶋朋子

     妻夫木聡

     蒼井 優

 

平田家の長男の嫁史枝がうたた寝をしている間に、

家に空き巣が侵入する。そして盗まれたものの中に

冷蔵庫に隠した彼女のへそくりがあったことから、

夫幸之助に叱られ、彼女は遂に家出をしてしまう。
日頃家事を一切史枝任せだった平田家は大騒ぎに

なってしまうのだった。

 

笑いの中に隠されたもの


「家族はつらいよ」シリーズ第3弾を一般公開に

先駆けて行われた試写会で鑑賞してきました。当日は

山田洋二監督ご本人のトークショーもあるということで、

最前列中央かぶりつき席にて、首を45度に傾けること

2時間超。
実は1,2をどちらも見ていて、登場人物をしっかり

把握しており、かつ自分の好みの映画ではないと散々

文句を書いてきたシリーズです。
1では、結婚50周年を迎える平田夫妻(周造、富子)

に巻き起こる熟年離婚騒動、2では、その周造が免許返納を

巡り、家族を巻き込んでの大騒動を取り上げ、いずれも

一家全員が集まり知恵を絞って問題を解決して大団円と

なります。もちろんすったもんだの連続でドタバタコメディ

要素もたっぷり。それがなんとも歯がゆいというか、現実

離れしているというか、こんな家族は昭和でも珍しいもの

だったと感じたものでした。
さて、3も同じように事件が起きるのです。そして今回の

主役は、長男幸之助と史枝夫婦。幸之助は周造と同じく、

仕事人間で家庭のことは一切顧みないにもかかわらず、

家計は自分が握っています。給料から毎月の生活費を史枝に

渡すというまあ、今ではめったに見ない光景を見せられます。

大体現金で渡すというのはいつの時代のことなんだろう。

さらに彼女は完ぺきな専業主婦で、習い事の一つもせず、
友人とランチを楽しむわけでもなく、日々食事を作り、弁当を

作り、家族を送り出すと、さあ家中の掃除開始となるわけです。
あ〜あ、あり得ないことだらけ。それでも周囲の観客の多く

からは「うん、うん」「そうよね〜」などという頷く声が

聞こえ、時折大爆笑も沸き起こるのです。多分、自分たちの

世代では、どれもこれも経験してきたシーンばかりなのでしょう。
終盤のお決まりのしんみりシーンでは、鼻水をすする音も

聞こえます。ここは泣きどころか、と思い、瞬きをしない

ままいると、なぜか涙がポロリ。これは本物の涙じゃないのか!
そんなこんなで予定調和の世界を見せられ終了。ところが監督が

登場してトークが始めると、今までの考えが一変します。
「みなさん、こんな家族は幸せだよ、と思うし、今どきこんな

家族はいないと思うでしょう?」
と観客に語り掛けたのです。そうなんです。平田家に起きて

きたこと、そしてこれから起こるであろう、いや、必ず起きる

はずの出来事は、厳しいものばかりなのです。それを敢えて

笑いに変えて描いていることに気がつくのです。考えてみれば、

辛いシーンもとことん辛くは感じられないのは、亭主関白の

周造も幸之助も、心の底には優しさを持ち合わせていることを

最初から知っているからなのです。
物事をそのまま描くだけが映画じゃない。明るく楽しく笑って

過ごせる時間を持つのも映画の醍醐味だと思います。そこから

少しでも活力を得られたなら、この映画を観た価値があるという

ものですよね。
お土産は、なぜか、丸美屋ののりたまと釜飯の素、麻婆豆腐中辛

でした。どこかにこれらが使われていたかな?
とにかくこの世界観を楽しんでほしいと思います。お勧めです。

 

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君の膵臓をたべたい

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君の膵臓を食べたい

 

「君の膵臓をたべたい」

監督:月川 翔

原作:住野よる

2017年 日本映画 115分

キャスト:浜辺美波

     北村匠海

     大友花恋

     矢本悠馬

     北川景子

     小栗 旬

 

同級生、桜良が膵臓の病に侵されているという

秘密を知った「僕」は、彼女に急接近される。

「僕」はそんな彼女の願いを一つずつ叶えて行くが...。


<お勧め星>☆☆☆ この手の話は好みではないけれど、

やはりそれを実感しました。


誰かとつながること


原作は未読なので、題名の意味は全く分からず、とは

いえそのままの意味ではないと感じながら鑑賞。映画は、

現在高校教師をしている「僕」が、かつて図書委員だった

ことから、老朽化した図書館の建て替えのため、在書整理

の担当になるところから始まります。現在の「僕」役は

小栗旬。かなりくたびれた感じで最初誰だかわからなかった

です。

 

君の膵臓を食べたい

 

この12年後の姿は原作には登場しないらしく、映画では

高校時代の「僕」とヒロイン桜良との姿を、現在の「僕」が

図書整理をしながら回想していくという展開になっています。

しかしながら高校時代の「僕」役が北村匠海でめっちゃ

イケメン。小栗旬もイケメンだけれど、あの濃い顔が成長

するとこんなシュッとした感じになるとは到底思えません。

一方桜良の親友恭子の12年後が北村景子が演じていますが、

こちらはもう綺麗になりすぎている。

 

君の膵臓を食べたい

 

君の膵臓を食べたい

 

このままだと「お鼻整形した?」とまず聞きたくなる。この

辺りは見た目なので話とはあまり関係ありません。
高校時代の「僕」は誰とも関りを持たず、「ネクラ」なわけで、

たまたまクラスの人気者桜良の秘密を知り、それ以降

「仲良し君」と呼ばれて、ほぼ一方的に付きまとわれるのです。

浜辺美波さん、普通。(あくまでも個人の好みです)
難病物にありがちな、涙がちょちょぎれるシーンが連続して

あるわけではないので、個人的には好感触だったのですが、

なぜか心が入り込めないのです。そうだ、この映画の高校時代

には「大人」がほとんど出てこないのだ。「僕」の家も桜良の

家も学校でも「大人」は出てきません。それは敢えてなの

でしょうか。もしかしたら終盤の「泣き」ポイント、その1で

登場する桜良の母親の存在を強めたかったのかしら。

 

君の膵臓を食べたい
 

それからセリフに深い意味を込めた言葉が多すぎて、小説なら

頭に入るけれど、映画の内容をセリフで補ったら、何のための

映像かと思ってしまうのです。
「人に臓器を食べてもらうと魂がその人の中で生き続ける」

的なセリフがばんばん登場し、ふむふむとなるけれど、それが

繰り返されると心に残らなくなってくるのです。
そして「泣き」ポイント、その2に至るまでがまどろっこしいので、

せっかく北川さんが嗚咽を漏らしても、こっちは全然泣けません。

北川さん、泣いてもきれいねえ。(そんなこと思っている場合じゃない)
誰かとつながることが「生きる」こと。その言葉はとても大事

だし、限られた命ですら、思いがけないことで失われることも

あるから、普通の日々を大事にしようという、ごく当たり前の

ことを再確認する感じで、どうもわたしの好みの映画じゃないなあ

と思ってしまいました。

 

 

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ケンとカズ

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ケンとカズ

 

「ケンとカズ」

監督:小路紘史

2016年 日本映画 98分 PG12

キャスト:カトウシンスケ

     毎熊克哉

     飯島珠奈

     藤原季節

     高野春樹

 

ケンとカズは自動車修理工として働く陰で、

覚せい剤の売人をしている。しかしケンは恋人に

子供ができたことから、その仕事から足を洗おう

とするが...。


<お勧め星>☆☆☆ 底辺ヤクザの暗く地味な世界を

とことん暗く描いています。


無機質な中の愛情


低予算であるのは一目瞭然。ヤクザと言って現れる

のがたった二人ずつだけだったり、シーンもどこかの

脇道と自動車修理工場とケンとカズの自宅、そして

堤防の上です。出演者も誰一人として知った顔はいません。

だからこそ演技に新鮮味があり、またカメラの多種多様な

映し方によって、極めてリアルな映像になっています。
カズ役の毎熊克哉が、もうね、ピッタリなんですよ。こう

いう不良というかチンピラをどこかで見かけたら、絶対に

お手を触れて...違う、絶対に目を合わせてはいけません。

前から歩いてきたら進路を開けましょう。
一方カズ役のカトウシンスケは、結構普通のお兄ちゃんで、

彼が先に覚せい剤の売人の仕事をしていて、カズを誘った

とは到底思えないんです。この辺りも細かい説明がない

ので推測するしかないのですが、多分少年鑑別所かなにかで

知り合って、出所後自動車修理工場に一緒に働き始めたものの、

ケンの先輩で末端ヤクザのボス、藤堂から売人の仕事を持ち

掛けられたのでしょう。(違うかも)ヤクザといえども

ピラミッドの底辺にはうじゃうじゃこんな人たちが蠢いている

わけで、ケンとカズの下にはテルという後輩もいるし、彼らが

同じようにテルを顎で使う。どうも見ていて気分のいいもの

ではありません。まあ、こういう所に街でたむろっている

10代のアホチンが入り込んでいくのでしょうね。

声を大にして言いたい。もっと語彙を増やそうぜ。
で、この2人に共通するのは「金が必要」なことなんです。

ケンは恋人が身ごもったことで、まとまった金を持ってこの

世界から足を洗いたいし、カズは認知症の母を施設に入れる

ためにの費用がいるわけです。だったら普通に汗水たらして

働こうという考えは起こることなく、手っ取り早く「売人」と

いう仕事で金を稼いでいる。カズの成育環境は劣悪で、まあ彼が

このような暴力的な性格になってしまったのも理解できるの

です。しかし前にも書いたように、ケンについては、割と

いい人だし、恋人もいる。かつてワルだったのかしらねと

思うけれど、決定的な説明シーンは見当たりまでんでした。
映画全体から漂う、無機質な空気感は、殺伐とした風景と

相まって登場人物の心中を描いているように見えました。
でもね、やっぱり勉強しようよ。そして働こうよ。

そうしないとこうなっちゃうよ。

ラストの車の座席のシーンは結構良かったです。

 

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ミュージアム

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ミュージアム

 

「ミュージアム」

監督:大友啓史

原作:巴 亮介

2016年 日本映画 132分

キャスト:小栗 旬

     尾野真千子

     野村周平

     丸山智巳

     田畑智子

 

猟奇的な殺人事件がいずれも雨の日に起き、

現場には謎のメモが残され、雨合羽を着た人物の

目撃情報があった。警視庁捜査一課の西村は、

連続殺人としてそのつながりを調べて行くが...。


<お勧め星>☆☆☆ 132分にしなくても90分程度

でまとめてもよかった感じ


恐怖を弱める家族愛


「声」ってすごく耳に残るから、雨合羽の男が誰か

1発でわかってしまう。それはいいとしても、冒頭から

思い切りもったいぶった殺害現場の映し方。ここは

TVドラマ「キリング」のようにちゃちゃっと見せた方が

ドキリとするのになあ。原作は巴亮介という方の同名漫画

だそうですが、もちろん未読。なにやら家庭問題を抱える

警視庁捜査一課の沢村久志が、この事件の担当になるものの

組織の一員でありながら、当然のごとく指示に全然従わない。

これはよくあるパターンですね。

 

ミュージアム

 

そして次々に猟奇的な殺人事件が起こるわけです。そして

現場には「ドッグフードの刑」「母の痛みを知りましょうの刑」

「均等の愛の刑」「ずっと美しくの刑」「針千本飲ますの刑」と

その殺害方法についてのメモがご丁寧に置かれているわけです。

 

ミュージアム

 

ミュージアム

 

そこそこグロいシーンが映りますが、ホラー映画で慣れて

いれば別に平気。逆に血が苦手な方は見ない方がいいかも

しれません。そして被害者の共通項を探っていくと3年前に

行われた裁判員裁判に行きつくわけですよ。ここまでは

まあテンポもよく進み、そうか、あの雨合羽の男はその事件の

関係者か、と思うとあっさり裏切られます。この犯人捜しの

過程が最も面白く、犯人が誰か沢村が知った時点(これは

完ぺきに違法捜査)からは、急にスローダウンします。家庭を

顧みないから家族に見捨てられただの、妻の流産を知らなかった

だの、こちらはどうでもいい。また沢村自身の生い立ちも

どうでもいい。鼻水まで垂らして小栗旬が熱演するとこちらは

どんどんあくびが出ちゃうって。妻遥役の尾野真千子もこの役に

あまり合っていないし、もちろん演技は上手だけれど、最後まで

良妻のイメージに違和感を覚え続けます。
カエル男の熱演も確かに素晴らしく、気色わるい。でも同じ

シーンが続くと確実に飽きます。
それでも終盤の庭に出てきた途端に「ああ、これだ!」という

ところはすっかり忘れていました。(でも普通武装してたら

射殺するでしょう)そしてラストのラストにビデオカメラで

ズームアップされる沢村の息子の手の動きは、まさに不気味

そのものでしたね。
まあ期待していたほどでもなかったです。

 

 

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何者

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何者

 

「何者」

監督:三浦大輔

原作:朝井リョウ

2016年 日本映画 97分

キャスト:佐藤 健

     有村架純

     二階堂ふみ

     菅田将暉

     岡田将生

     山田孝之

 

拓人とルームメイトの光太郎は就活中。同じ

アパートの2階に同級生瑞月の友人が住んでいた

ことから、そこを就活会議場と決め、それぞれ

活動し始めるが...。

 

<お勧め星>☆☆☆半 映画の方がずっと面白かった。

 

本音を見せることはかっこ悪いのか。

 

原作は「桐島、部活やめるってよ!」の朝井リョウの

同名小説で、この作品が映画化されると聞き、本を

読んだものの、何となく後味が悪く、結局WOWOWにて

鑑賞。原作本の方は、文字の数が極端に少なく、Twitterの

文面がずらずら並んでおり、その行間を読み取らないと、

中身がうまく伝わらないという感じがしました。

facebookのメアドからTwitterのアカウントを検索?

そうなんだー。

したがって映像化された時に、個々の表情が目の前で

見られたのでずっと理解しやすかったです。

 

何者
 

何者

 

御山大学で、演劇にのめり込んだ拓人、バンド活動で人気を

博した光太郎はどちらも留年。さらに同級生、瑞月は

海外留学のためやはり留年し、5年生に就活をするわけです。
皆同じリクルートスーツを着込み、同じ髪型、黒いバッグ、

黒い靴..。いつからこうなったんだろう。その異様な姿に

すっかり慣れたもののその中から個性を見出せるのだろうか。

 

何者

 

何者
 

そして瑞月のホームステイ先で知り合った理香と

その同棲相手隆良も登場します。本ではそれぞれの説明が

もう少し詳しくされていたような気がしますが、映画は

終始拓人目線で進みます。エントリーから試験の合否に

至るまでメールで届くという世界に身を置くと、私生活でも

それを常に活用している若者たちは、いつ「本音」を

語るのでしょうか。光太郎のように裏表のない人間もいる

かもしれないけれど、人間関係を潤滑にするために?

周りから浮かないために?「本音」を隠しているうちに、

自分が「何者」であったことすら忘れてしまうのかもしれません。
終盤に判明する拓人と理香の裏の姿を批判し合うシーンは、

まさに背筋がゾッとします。
但し、演劇の置き換えて拓人の心の中、つまり「裏垢」で

語っていたことを描いていく手法は素晴らしく、ラストも

なんとなくすがすがしいものでした。

 

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淵に立つ

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淵に立つ

 

「淵に立つ」

監督:深田晃司

2016年 日本=フランス映画 119分

キャスト:浅野忠信

     筒井真理子

     古館寛治

     大賀

     篠川桃音 

 

鈴岡金属を経営する利雄の元に古い知り合いの八坂が

訪ねてくる。勝手に仕事や部屋を提供した夫に不満を持つ

妻章江や戸惑う娘蛍だったが、次第に八坂を受け入れて

いく...。

 

<お勧め星>☆☆☆ よくできた映画だと思いますが、

鑑賞後、心が暗くなること間違いなしです。

 

淵に立つとはどういう意味だ?

 

「淵」というのは「流れの水がよどんで深くなった所」を意味し、

深み、淀みという表現を使うことがあります。

監督は「崖の淵に立ち、人間の心の奥底の暗闇をじっと凝視

するような作品になってほしい」という思いで、この題名を

つけたそうです。と言われても抽象的すぎるので、まず映画を

鑑賞。

ごく普通の親子3人が暮らす家に突然現れた八坂草太郎を

演じるのは浅野忠信。彼は利雄の妻、章江が敬虔なプロテスタント

信者だと知ると、信仰には

1、サル型 子供(信仰する人間)が自分から親(神様)に

しがみつく

2、ネコ型 親(神様)に子供(信仰する人間)が首根っこを

くわえられる

という2つの信者がいると語ります。この辺りで、映画の根底に

ヨーロッパ映画特有の宗教色が盛り込まれているのを感じます。

さらに八坂自身が4つの罪を犯したと語るのです。

1、約束を命よりも大切に守る

2、その価値観は他人も同じ

3、自分は正しいと思い続ける

4、その価値観で人を殺した

そして遺族のために自分は生き続けるのだと言うのです。この時点で

章江は八坂を気に入っており、なぜかウキウキし始めるのが手に

取るようにわかります。オープニングに夫に対し無表情だった彼女が

水を得た魚のように輝き始めるわけです。

 

淵に立つ

 

それは娘蛍も同じであり、オルガンを教えてくれる八坂が大好きに

なっていく。利雄はなぜに無関心なのだろう。そこには彼と

八坂とのつながりが関係しているわけで、丁寧な言葉遣いの八坂が

声を荒げて利雄を罵った時、全てがわかります。また、白いシャツを

脱ぎ、中の真っ赤なTシャツ姿になった八坂は、それが彼の本心で

あることを象徴するような行動をとるわけです。川辺に咲く赤い花。

それが赤いシャツに変わり、赤い血に変わる。それらには全て

つながりがあるわけで、人間の心に潜む「闇」を見させてくれる

きっかけとして使われているような気がしてなりません。

 

淵に立つ

 

そして後半登場する孝司の存在も、その存在自体が罪であり、

彼が介護していた母親に何かしたのではないか?と連想させる

言葉を吐く。「ゆとりですがなにか」で超むかつく新入社員を

演じた大賀の演技も秀逸。

 

淵に立つ

 

川原で4人で寝そべって撮影した写真の並び方が、ラストには

左右の2人の位置と人が変わっている。考えれば考えるほど深みに

はまっていきます。罪を犯していなかったのは誰だったのか。

それは川の中を動かないはずの手足を使って泳いでいく蛍だけ

だったのかもしれません。逆に言うと「生きたい」と思っていた

のは彼女だけだったとも思うのです。

 

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オーバーフェンス

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オーバーフェンス

 

「オーバーフェンス」

監督:山下敦弘

原作:佐藤泰志

2011年 日本映画 112分

キャスト:オダギリジョー

     蒼井 優

     松田翔太

     北村有起哉

     満島真之介

 

職業訓練校に通う白岩は、同じクラスの代島に

誘われキャバクラへ行き、聡という変わったキャバ嬢

と出会う。彼女のことを気に留めながらも、彼は別れた

妻子への悔恨の思いを捨てることができず...。

 

<お勧め星>☆☆☆半 フェンスの意味を色々と考える

ことができる内容になっています。

 

山下敦弘監督映画は「マイ・バック・ページ」(2011)

これはお勧め!

「もらとりあむタマ子」(2013)

あっちゃんがこの役にぴったり!

「味園ユニバース」(2015)

後からユニバースの意味がわかり、モヤモヤ解消。

の3作品を見ていて結構相性がいいのです。

 

○見どころ

昼間はやる気のない遊園地のバイト、聡役の蒼井優がまさに

変幻自在の演技を見せてくれます。

 

オーバーフェンス

 

鳥の鳴き声を真似したり、鳥の求愛ダンスを所かまわず始めたり、

急に叫んだり、暴れたりと、明らかに普通ではない女性なのですが、

実は映画の登場人物が誰もみんな、どこか普通ではない面を

持っていて、それがチラチラと映ります。実際人間なんて、何が

普通なのかわかるはずもないし、そもそもその普通を決める人なんて

いないのだから、自分では「普通」に思っていることが実は、他の人

にとっては「おかしい」ことかもしれないのです。

そして白岩が抱える怒り、聡が抱える怒り、訓練校でイジメられて

いる森が抱える怒り、誰もがその怒りを抑えることに必死な姿が

淡々と描かれます。

 

オーバーフェンス

 

元営業マンの代島はやはり営業マン。

そして題名にある「フェンス」が何を意味するのかはラストシーン

だけでなく様々なところで、見る側に伝わる内容になっています。

 

●惜しいところ

この監督の映画は私が見た作品すべてにおいて、「色気」を

感じない内容だと思います。それは女性に限らず、男性を描く時も

汗から感じる色気とか、裸の背中の色気とか、そういうものが一切

ない。ラブシーンが一応あるけれど、ドキリとするものではない

のよね。原作は未読だけれどそういう内容なのかな。

それと主役である白岩と聡の過去がほとんどわからないことも

どうもモヤモヤしました。過去を超えて未来へ向かえ、ということ

でしょうか。

 

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リップヴァンウィンクルの花嫁

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リップヴァンウィンクルの花嫁

 

「リップヴァンウィンクルの花嫁」

監督:岩井俊二

2016年 日本映画 180分

キャスト:黒木 華

     綾野 剛

     Cocco

     原日出子

     りりィ

 

中学の非常勤講師をしている七海はお見合いサイトで

知り合った鉄矢と結婚する。しかし彼の浮気を告げる

男が現れたことで彼女は激しく動揺するのだった。

 

<お勧め星>☆☆☆ 脚本は好きですが、個人の好みと

して理解しづらい部分が多かったです。

 

音楽がクラシックの名曲ばかりを使用しており美しい。

それと映画内で黒木華演じる七海がカラオケで歌うのが、

森田童子の「ぼくたちの失敗」。なぜに今この選曲?と

思うほどぴったりで笑えてしまうのです。また彼女が

SNS上で使うハンドルネームや綾野剛演じる何でも屋の

名前が安室(アムロ)、さらにリップヴァンウィンクル

にもそれぞれ意味があると後で知ると、がぜん興味が沸きます。

 

〇見どころ

内気で声が小さく、人付き合いが下手で、自分の意見を

はっきり言えない七海役を黒木華が演じているのですが、

「はあ」「...あ」「え...」などという明確に返事をしない

姿のヒロインにぴったりです。

 

リップヴァンウィンクルの花嫁

 

ネットで知り合った男性と無事に結婚したかと思いきや、

その前後に様々な小さいけれど、彼女のその先の状況を大きく

変えるゴタゴタがあり、思いもかけない展開になっていきます。

これは全然想像がつきませんでした。

 

リップヴァンウィンクルの花嫁

 

映像は日光や雨、自然の緑、風などをうまく取り入れて

優しく目に入り込んでいきます。

映画の前半に七海が「くそう」と言いながらなく姿は、

数少ない感情がストレートに現れたもので、これは映画の

最後まで続きます。そしてAV女優、真白と出会い、親交を

深めるとき、それはクラシック音楽に乗って絵画のように

美しく描かれていきます。

 

リップヴァンウィンクルの花嫁

 

何でも屋、安室はどこまで真実を言っているのか、そもそも

「真実」なんて存在するのだろうか。それは人々が自分で勝手に

作り上げた幻想なんじゃないだろうか。

 

リップヴァンウィンクルの花嫁

 

彼の胡散臭い姿を見るたびにそれを痛感するのです。

 

●惜しいところ

ネットのあるサイトで108分って書いてあったから、気楽に

見始めたら、おいおい180分の間違いですよ。どおりで話が

まとまらないと思ったわ。

 

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家族はつらいよ

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家族はつらいよ

 

「家族はつらいよ」

監督:山田洋次

2016年 日本映画 108分

キャスト:橋爪 功

     吉行和子

     西村雅彦

     夏川結衣

     妻夫木聡

     蒼井 優

     中嶋朋子

 

結婚50周年を迎える平田夫妻の妻、富子の

誕生日プレゼントに欲しいものは「離婚届」への

夫の捺印だった。そこから一家の大騒動が始まる。

 

<お勧め星>☆☆☆ どこか昭和のにおいがする

内容で、安定すら感じてしまう。

 

家族はつらいよ

 

〇見どころ

すべての配役は一流な方々ばかり。そこに見つけたのは、

鰻屋の店員で、彼こそ演歌界の若手ホープ、徳永ゆうきです。

あのルックスは一度見たら忘れません。2回目のシーンでは

歌まで披露しています。

 

家族はつらいよ

 

次男、庄太の恋人、憲子役の蒼井優ちゃんは、本当にどんな

役でもこなせるし、まず可愛い。

 

家族はつらいよ

 

また駅前の飲み屋のママ役の風吹ジュンの艶っぽさも魅力的です。

 

●惜しいところ

離婚届を唐突に出す妻には、最初から驚かされるけれど、

その後のドタバタ劇はありきたりのコントを見ているようです。

 

家族はつらいよ

 

「妻の話にしっかり言葉で答えるべき」という今や誰でも

知っていて、それが原因で熟年離婚になっている現状を

考えると、特に目新しい内容は感じません。コメディに徹したため、

ストーリーに重みがなくなってしまったのかもしれません。

 

「ちびまる子ちゃん」は好きだけれど、「サザエさん」はいまいち

と思っている私個人としては、見古した映画のように思えました。

 

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アイアムアヒーロー

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アイアムアヒーロー

 

「アイアムアヒーロー」

監督:佐籐信介

原作:花沢健吾

2016年 日本映画 127分 R15+

キャスト:大泉 洋

     有村架純

     長澤まさみ

     吉沢 悠

     岡田義徳

 

売れない漫画家、英雄は、恋人が謎の感染症に冒され、

街に逃げ出すとそこも感染者で溢れかえっていることに

気づく。彼は途中で助けを求めた高校生比呂美と共に、

ネットで感染しないと噂される富士山を目指すが...。

 

<お勧め星>☆☆☆ ジャケットに騙されるとゴアシーンの

連続なので要注意です。

 

原作は花沢健吾さんという方のコミックで、まだ連載中の

話だそうです。もちろん未読。

そもそも大泉洋さんが、あの「まれ」によって、私の中で

嫌われキャラになり下がってしまったので、「アフタースクール」

「ステキな金縛り」「しあわせのパン」などで積み上げてきた

「好感度」というブロックが粉々に崩れ去り、「真田丸」で

いかに熱演しようと、まだ復活できていないお方。なので

この映画はずっと見ないでいたのですが、WOWOW放送で遂に

鑑賞しました。

 

〇見どころ

ヘタレをやらせたら天下一品の大泉洋が今回もダメっぷりを

いかんなく発揮。序盤に、恋人徹子がすごい姿でベッドから落ち、

ドアに突進し、ドアに嚙みついて歯がボロボロ折れるシーンは、

あの美しい片瀬那奈さんからは想像だにできません。

さらにZQNとの攻防を迎えるモールのシーンは、かのロメロ監督の

「ドーン・オブ・ザ・デッド」(1978)を彷彿とさせます。

 

アイアムアヒーロー

 

アイアムアヒーロー

 

血しぶきがぴゅーぴゅー飛ぶし、内臓を食べるし、首がちょん切れ、

手足がぶっ飛ぶの連続で「ミッドナイト・ミート・トレイン」

(2008)状態です。巨大なZQNに押しつぶされそうになる

英雄にはハラハラさせられます。

 

●惜しいところ

モールで生存者と出会いZQNと戦うわけですが、この生存者が

どこから来たのか、とかなぜ井浦がリーダーなのか、とか

長澤まさみ演じる自称「藪」の立ち位置が不明。

 

アイアムアヒーロー

 

アイアムアヒーロー

 

満を持して英雄が発砲するとなんと百発百中の腕前なのも

不思議です。また有村架純演じる女子高生比呂美がなぜに

感染しきれないのかも不明。不明が多すぎる。

 

ただ、筋肉バカは脳味噌まで筋肉なのか、頭が半分欠けても、

何度でも起き上がれるのには笑ってしまいました。

 

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