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    • 2023.01.12 Thursday
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    アイリッシュマン

    5

    JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

     

    アイリッシュマン

    出典:IMdb

     

    「アイリッシュマン」

    原題:The Irishman

    監督:マーティン・スコセッシ

    原作:チャールズ・ブラント 

    「I Heard You Paint House」

    キャスト:ロバート・デ・ニーロ

         アル・パチーノ

         ジョー・ペシ

         ハーヴェイ・カイテル

     

    全米トラック運転手組合のリーダー、

    ジミー・ホッファの用心棒となったフランクは、

    マフィアのボス、ラッセルにも仕え、着実に仕事を

    こなしていく。しかし国内情勢は変化し、ホッファの

    目に余る行動にラッセルはある仕事をフランクに

    命じるのだった。


    <お勧め星>☆☆☆半 3人の名優の競演だけでも

    見ごたえがあります。


    人は年を取らないと時間の速さに気づかない


    何がすごいって登場人物の若返り技術です。

    特殊メイクはテニスボールを顔にくっつけるような

    ものだと監督は言い切り、あくまでもCG技術を駆使し、

    さらに俳優自身の動き、仕草、姿勢で年齢を表現した

    ものがまさにパーフェクトなのです。

     

    アイリッシュマン
    出典:IMDb

     

    ジ・アイリッシュマンことフランク・シーラン役を演じるのは、

    ロバート・デ・ニーロ。そのフランクが老人ホームで自らの

    生涯を振り返る形式でストーリーが進むんでいきます。

     

    アイリッシュマン
    出典:IMDb

     

    フランクが一介のトラック運転手だった時にひょんなことから

    知り合ったマフィア「ブファリーノ家」のボス、ラッセル。
    ラッセル役は大変小柄ながら、声と鋭い視線で威圧感を発揮

    するジョー・ペシ。
    ラッセルと知り合ったフランクは彼の信頼を得て

    全米トラック運転手組合のリーダー、ジミー・ホッファの

    用心棒になるのです。このジミー役がアル・パチーノ。

     

    アイリッシュマン

    出典:IMDb

     

    「チームスターズ」と呼ばれる組合は、大統領選を左右する

    ほどの力を持っており、同時にマフィアとも強くつながって

    います。序盤にその組合に歯向かったということから、

    タクシー協会を標的にして妨害工作を繰り広げるシーンは
    映画の中でも派手ないくつかのシーンに含まれるほどです。

     

    アイリッシュマン

    出典:IMDb

     

    というか、暗殺や爆発シーンはあるものの手際よく進むので、

    ドンパチの連続とは全く思えないません。あくまでも男臭い

    マフィアやそのファミリーの人間模様が中心です。
    フランクがラッセルの命令でこなしていく任務が

    「ペンキを塗る仕事」=「暗殺」で、呼び出し→ワンテンポ

    (トイレに行く素振りなど)→銃声→武器をいつもの川にポイ、

    これまたテンポよく行われていきます。
    登場人物が姿を現した途端、その上に名前とその死にざまが

    クレジットで表されるのはちょっと面白い。アイルランド系の

    ホッファとイタリア系のトニー・プロの諍いと並行して、

    大統領選やケネディ大統領暗殺、それによる支持者への司法の

    扱いの変化なども映り、ケネディってやっぱりこういうつながりが

    濃かったんだとなぜか納得してしまうのです。
    トニー・プロ役はスティーヴン・グレアム。「イタ公」という

    言葉は英語で何と言っていたのでしょう。

    (これは知らなくてもいい言葉)
    フランクとラッセルの食事シーンが全く同じ構図で序盤と終盤に

    映ります。その姿の差にも必ず笑いが出てしまうはずです。

    光陰矢の如しかなあ。
    そしてフランク自身の家族の問題に、彼が気付くために、これほど

    までの時間を要するのかとも半ば呆れてしまいます。それが通用

    する時代は少なくとも現代ではないのでしょうね。
    冒頭の老人ホームのシーンの長回しカットや、幾度となく同じ交

    差点を上から映すシーンなどを見ると、監督のこだわりが素人の

    わたしにも感じられました。
    「あれはやりすぎた」とラッセルにいまさら言われましても...ねえ。

     

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    香港製造 メイド・イン・ホンコン 4Kレストア・デジタルリマスター版

    4

    JUGEMテーマ:香港映画

     

    香港製造

    出典:IMDb

     

    「香港製造 メイド・イン・ホンコン」

    4Kレストア・デジタルリマスター版

    監督:フルーツ・チャン

    1997年 香港映画 108分 PG12

    キャスト:サム・リー

         ネイキー・イム

         ウェンダース・リー

         エイミー・タム

     

    チャウは中学を落第し、そのままウィンという男の

    もとで借金の取り立てをしている。ある時取り立てに

    行った先の娘ペンと出会い、一目で気に入ってしまうが

    彼女は重い腎臓病を患っていた。

    一方チャウが可愛がっている知的障がいのあるロンは、

    投身自殺の現場に居合わせてしまい、そこから遺書を2通

    持ち帰るのだった。


    <お勧め星>☆☆☆☆ ほとばしるようなエネルギーは

    若さの象徴であるもののその先に希望が見えない閉塞感も

    覚えます。


    不安定な時代に生きる若者

     

    <ネタバレしています>


    フルーツ・チャン監督「香港返還三部作」の一作目で、

    「花火降る」「リトル・チュン」と続いています。
    1997年製作のこの映画を20周年記念として、

    4Kレストア・デジタルリマスター版として公開されました。
    主人公のチョンチャウは「中秋」と書き、暦の上で中秋に

    たまたま生まれたからその名前になっただけと本人が吐き

    捨てるように言います。父親は若い愛人のもとに去り、母親は

    コンビニでわずかなお金を稼いでいるのみ。
    その上チャウは、中学を落第し、そのまま学校に戻らず、

    ウィンという男の手下として借金の取り立てを行っているの

    です。チャウ自身は「ウィンは他のチンピラとは違う」と

    信じているけれど、少し考えれば、ウィンのコマの1つに

    すぎないと気づくはずなんですよね。そこまで考えられない

    幼稚さと、目先の金が必要な貧困が重なっているわけです。

    チャウの体にはぜい肉はほとんどなく、幼さの残る顔の額から

    噴き出す汗には、彼の体にたまっているエネルギーがどこかで

    発散できるのを待っているかのように映ります。映画内で何度も

    白いブリーフを洗うシーンがあるのもそれを象徴する一つでも

    あります。
    チャウは、知的障がいがありいじめられているロンをとても

    可愛がり、彼が窮地に陥るとすかさず助けに行くという勇敢さも

    持ち合わせています。口から出る言葉は下品で叱るようなもの

    ばかりでも彼の本心は優しく、愛に飢えていることが実感できる

    のです。誰かを愛することで誰かに愛されたいという思い。

     

    香港製造
    出典:IMDb

     

    そんな時借金の取り立てに行った家の娘ペンと出会います。

    この子が写真では全然可愛いく思えないのに、映画で見ると

    とてもチャーミングなんです。ロンは鼻血を出すし、チャウは

    一目ぼれしてしまいます。
    チャウの家にしてもペンの家にしても貧しい人々が暮らす狭い

    アパートで、時折窓から見える高層ビル群とは無縁であることが

    わかります。頑張ったらあのビル群で働いたり、大きな屋敷に

    暮らせるという夢が叶うことは限りなくゼロに近いのです。

     

    香港製造
    出典:IMDb

     

    そしてロンは、サンという女子高生の投身自殺現場に居合わせて

    しまいます。そこから2通の遺書を持ち帰ってから、チャウの

    様子が変わり始めるのです。と本人が語っているけれど、どこが

    どう変わったのかあまりわからなくて、サンが夢に出てくると

    いうことばかり映り、ペンも好きだけれど、あの若さで「死」を

    選んだサンの気持ちを知りたくてたまらなくなったということ

    でしょうか。
    サンは両親から愛されていたのに「死」を選んだ。ペンは母親に

    愛されているのに「死」が目前に迫っている。一方、ロンは家族から

    絶縁されていて、大けがをしても誰も病院に来ないし、チャウは
    喧嘩しつつも慕ってた母親にも捨てられてしまう。愛されていない

    のに「死」とは無縁の位置に立っています。しかしロンもチャウも

    貧しく未来への「希望」などが持てないという立場は同じです。

     

    香港製造
    出典:IMDb

     

    入院していたペンが病院を抜け出し、ロン、チャウでサンのお墓を

    探しに行くシーンは、音楽も素晴らしく、また高台にある墓から

    見下ろす香港の街が、いつもは見上げているのと真逆で、まさに爽快
    な思いにさせてくれます。
    「大人は無責任」とチャウに言い放った少年は実父の腕を切り落として

    いました。無責任であるけれど、求めるものを手に入れる術を考える

    力を持っているのが大人であり、若者は限られた方法でしか力が

    発揮できません。その未熟さゆえに大人に利用され切り捨てられて

    いくのです。

     

    香港製造
    出典:IMDb

     

    大人は大陸人のよう、若者は香港人のように感じるのは、今の

    香港の情勢を重ね合わせてしまうからかもしれません。
    この映画は5人のスタッフで撮影されたそうで、中国では

    「体制に反対するようだ」と上映禁止になったそうです。
    映画のラストに映るサンが両親にあてた遺書には、ペンが文を

    書き足し、さらにチャウが拙い文を書き足しています。その内容を

    読むと、映画の最後に流れる

    「世界は君たちのもの、そして私たちのもの。しかし最終的には

    君たちのものだ。君たち若者は気力旺盛で、活気にあふれている。

    まるで朝8時の太陽のようだ。私たちの希望を君たちに託したい」

    という毛沢東の言葉と現実との距離の大きさに思わずため息が

    漏れてしまいました。

     

     

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    狐狼の血

    4

    JUGEMテーマ:邦画

     

    狐狼の血

    出典:IMDb

     

    「狐狼の血」

    監督:白石和彌

    原作:柚月裕子

    2018年 日本映画 126分 R15+

    キャスト:役所広司

         松坂桃李

         真木よう子

         滝藤賢一

         竹野内豊

         ピエール瀧

         石橋蓮司

         江口洋介

         中村倫也

     

    広島、呉原市内で、尾谷組と五十子会系加古村組の

    抗争が始まろうとしている時、所轄の署に新米刑事

    日岡が赴任する。彼はベテラン刑事大上と金融会社員

    失踪事件を捜査し始めるが...。


    <お勧め星>☆☆☆☆ イケメンばかりが罵声、怒号を

    飛ばし、懐かしい東映仁侠映画の再来を感じます。


    「正義」は誰のため


    監督は「凶悪」(2013)

    「日本で一番悪い奴ら」(2016)

    「彼女がその名前を知らない鳥たち」(2017)の

    白石和彌。「凶悪」では、背筋がゾクゾクするほどの

    恐怖を感じさせる人間の姿を徹底的に描き続けていました。

    山田孝之より、ピエール瀧より、リリー・フランキーが、

    どうしようもなく「悪」なんです。あの細くて優しそうな

    眼は「万引き家族」(2018)では万引きする時の
    ズル賢そうな眼にも変わるし、同居する子供を見つめる時の

    愛情のこもったものにも変わるし、スケベそうなものにも

    変わります。なんて変幻自在なんだろう。
    「彼女がその名前を知らない鳥たち」では、とにかく

    蒼井優さんの演技のふり幅の大きさに驚かされました。いや、

    いつも驚いてます。ラスト付近は原作を読んでいなかったので、

    まさに「あっ」。
    さて、この「狐狼の血」は波が岩にあたって白く砕ける映像

    から「東映」のロゴが浮き上がります。懐かしい東映仁侠映画

    の再来を思わせますね。とはいえ、ホラーもスプラッターも

    サスペンスもだいたい平気なのに、「ムカデ人間」だって、

    まあ普通に見られるのに、邦画の任侠物はどうも触手が伸びず

    「アウトレイジ」シリーズでようやくその壁を克服した

    ヘタレです。なのに、冒頭から豚小屋のシーン。

    そもそも豚コレラ発生のニュースを耳にしながら、豚の肛門だの

    うんちだの大アップで見せられるなんていやいや。
    時代は、昭和63年。中盤、右翼団体の事務所のテレビ映像に、

    昭和天皇のご病状がテロップで流れ続けています。まさに昭和が

    終わろうとしていた時代なのです。

    場所は広島県呉原市。尾谷組のシマに新興の五十子会系加古村組が

    入り込んできたことから抗争の火種がぽつぽつわき始めている。

    そんな時、所轄の警察の第二課にひよっこ刑事日岡が配属される

    わけです。

     

    狐狼の血

    出典:you tube

     

    日岡がコンビを組むのは、ベテランで破天荒な刑事大上。

    役所広司がギラギラした演技を見せるのは「渇き」(2014)

    以来でしょうか。汗がギトギト光っています。そしてスケベです。
    暴力団はもちろんワルぞろいだけれど、それを取り締まる二課の

    メンバーも、同じくらい悪いんです。今でも組事務所への

    家宅捜索に入るニュースを見ると、

    「はて?どちらが組の方ですか?」

    といつも思ってしまいます。

     

    狐狼の血
    出典:you tube

     

    竹野内豊、江口洋介に加え、今回目に留まったのは中村倫也の

    イケメンぶり♡

    キレイなお顔の人がキレると怖いですよ。

    もちろんピエール瀧は、相変わらずの存在感を見せています。

    キレイなお顔を言えば日岡役の松坂桃李だって負けていません。

    中盤辺りまでは、大上刑事に反発し、自分の理想を追求しようと

    します。その顔は序盤にボコボコになってるけど。
    そしてまさに血で血を洗う争いに中で「正義」への疑惑がわくん

    ですね。ルール通りに職務を果たすことで「安全」を守れるのか。

    その「正義」は誰にとってのものなのか。
    「アウトレイジ」では遠目にしか映らなかった、首がほぼ切れる

    シーンは、今回は日本刀で、ゆっくり、じっくり見せていきます。

    この男子トイレの個室内のカットは、前後左右から映せるように、
    その都度壁を外していったという。それだからこそものすごく

    インパクトの大きな映像になっています。
    よくできている映画だし、真木よう子のクラブのママ役も似合って

    いたし、伏線もうまく回収されていたけれど、やはり二回は見たく

    ない映画ですね。

     

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    悪いやつら

    5
    JUGEMテーマ:韓国映画全般

    悪いやつら

    「悪いやつら」
    原題:Nameless Gangster
    監督:ユン・ジョンビン
    2012年 韓国映画 133分
    キャスト:チェ・ミンシク
         ハ・ジョンウ
         チョ・ジヌン
         マ・ドンソク
         クァク・ドウォン

    1982年、釜山港の税関で働くイクヒョンは、
    たまたま見つけた大量の覚せい剤を横流しする
    ため、釜山最大の暴力団のボス、ヒョンベと接触
    するのだった。

    <お勧め星>☆☆☆☆ バイオレンス映画としては
    とてもよくできていて、ラストまで気が抜けません。


    「オールド・ボーイ」(2003)のチェ・ミンシク
    があらま、中年のおっさん体型そのものになっています。
    しかしこの全然かっこよくない姿が、映画内のイクヒョン
    の役によく合っており、欧米のマフィアと違う、泥臭い
    ヤクザという雰囲気なんだなあ。


    悪いやつら

    一方、釜山最大の暴力団のボス、ヒョンベ役のハ・ジョンウ
    は、「チェイサー」(2008)の時と変わらず、鋭い瞳を
    ギラつかせるイケメンです。上半身には見事な刺青を彫って
    おり、それだけでも怖い。ちなみに彼の向かって左を歩く
    チャンウ役のキム・ソンギュンがこれまた怖いです。そして
    まるで本物のヤクザのように(本物を見たことないけど)、
    冷酷で強い。

    冒頭に韓国における暴力団対策がクレジットで流れ、1990年
    3月に盧泰愚大統領が、暴力追放へ宣戦布告する演説をする
    シーンまで当時の映像が映ります。軍人出身の政治家であり
    ながら、全斗煥大統領の独裁政権を批判し、ソウル五輪に向けて
    民主化運動を進めたことで有名です。
    そしてイクヒョンが、拘置所に入れられ、チョ・ボムソクという
    検事が「俺だって公務員で...」というイクヒョンに容赦ない暴行
    を加えるシーンに変わります。


    悪いやつら

    このボムソクも悪いやつなら、イクヒョンも税関職員
    時代から、コソコソ悪いことを重ねてきたことが、これ
    から映る過去の映像でわかってくるのです。
    1982年、釜山の税関で働いていたイクヒョンは、
    たまたま隠されていた大量の覚せい剤を発見し、それを
    横流しして儲けようとたくらむのです。そもそも不正な
    荷物が来たとしても、税関職員にわいろを渡せば、無事に
    輸入できるという、すべて金がものをいう慣習のもとで
    公務員が働いているらしい。イクヒョンは、釜山一の

    暴力団のボス、ヒョンベに買い取ってもらおうと話を
    つけるわけです。しかしつい飲みすぎて調子に乗った
    イクヒョンは、ヒョンベの手下チャンウにボコボコにされて
    しまう。でも、韓国社会のもう一つの特色の「血縁」を
    極めて大事にすることで、イクヒョンは、同じチェ一族の
    遠い親戚にあたることを持ち出して、ヒョンベの父に話を
    つけ、父に逆らえない彼は、イクヒョンを「大叔父」と
    呼ぶことになるわけです。この血縁っていったい何世代
    まで遡るんだろうね。十代前の従弟なんて、ほぼ他人だと
    思うけれど、韓国社会の構造がこの「血縁」を軸に動いて
    いるのは確かなようです。今もそうなんだろうか。

    財閥があって、それがすべて世襲制だというところを見ると
    きっと今も変わっていないんだろうな。ナッツリターンや
    ロッテのお家騒動然り。
    税関の職を追われたイクヒョンは、ヒョンベのもとで名目
    は社長として働くんだけれど、つまりは大きな利権に群がり
    暴力団の規模を拡大していく仲間の1人になったわけです。
    イクヒョンの義弟役でマ・ドンソクが出演していますが、
    彼も武道家として紹介され、会社の不正を暴くと思いきや、
    自分にも分け前をよこせと迫る。ああ、どいつもこいつも
    悪いやつばかりだわ。

    裏切りに次ぐ裏切りはラスト付近まで続き、腹黒い男の生き様
    をいやというほど見せてくれます。中盤、ヒョンベが暴漢に
    襲われ、裏切りを疑われたイクヒョンはパンツ一丁で土に
    埋められそうになるシーンがありますが、そのぽってり出た
    お腹を見ると、なぜか悲しく感じてしまうのです。極悪人に
    なれない小者を見た気がしてしまうからかな。



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    ブラック・スキャンダル

    4


    ブラックスキャンダル

    「ブラック・スキャンダル」
    原題:Black Macs
    監督:スコット・クーパー
    2015年 アメリカ映画 123分 R15+
    キャスト:ジョニー・デップ
         ジョエル・エドガートン
         ベネディクト・カンバーバッチ
         ロリー・コクレイン
         ケヴィン・ベーコン

    1970年代の南ボストン。アイルランド系マフィア
    のジミーは、同じ地区出身のFBI捜査官コノリーから
    イタリア系マフィアを排除するため、協定を結ぶ話を
    持ちかけられる...。

    <お勧め星>☆☆☆☆ すごく面白かった。ただ同じ
    名前の人や顔が似た人がいて、人物を覚えるのに苦労
    しました。


    ジョニー・デップの役作りは本当に圧倒されます。映画
    内の薄毛は、特殊メイクだそうですが、右の前歯が変色
    しているところまで、本人に似せています。できれば
    人物相関図を片手に見たいところですが、それは映画が
    終わってから、幾度となくチェックしてカバーしました。
    始まりはFBI捜査官と取引するために、ジミーこと
    ジェームズ・”ホワイティ”・バルジャーの手下が証言を
    するところからです。その男はケヴィン。

    そして時はさかのぼり、1975年のケヴィンに変わり
    ます。彼はジミーの店の用心棒として立っており、店の
    前でもめ事を起こすのです。最初から暴力の応酬で、
    使う言葉には必ずfuckがついている。まさにマフィアの
    世界です。
    さて南ボストンは、サウシーと呼ばれ、アイルランド系
    マフィアの縄張りであったものの、イタリアン・マフィア
    としのぎを削っていたらしい。ジミーは「仲間同士の
    忠誠心」を何よりも大事にし、裏切りは絶対に許さない
    男だったのです。そのあたりは序盤にバンバン裏切り者を
    射殺するシーンからも伺えます。


    ブラックスキャンダル

    彼と親しいのは、同じサウシー出身でFBI捜査官ジョン・コノリー
    で、この役を演じるのは「エクソダス:神と王」(2014)
    などのジョエル・エドガートン。彼はFBI内で手柄をあげるため
    ジミーを利用しようと考えるわけです。


    ブラックスキャンダル

    このコネリーの上司役でちょっと老けちゃったケヴィン・ベーコン
    が出演しているのはうれしい限り。不良や悪役から一皮むけた
    感じがします。彼の向かって右手にいるのがジョン・モリスと
    いい、「誘拐の掟」(2014)のデヴィッド・ハーバーが
    演じていますが、実はコノリーもファーストネームがジョンなので
    まず戸惑います。一応字幕では使い分けてあったけれど、ラスト
    付近にはどっちのジョンだろうと思ってしまうこともありました。

    で、コノリーは、イタリアンマフィア、アンジュロファミリーを
    潰すために、ジミーに情報屋をするように持ち掛けるわけです。
    もちろん見返りは、ジミー一味「ウィンター・ヒル・ギャング」
    の悪事には目をつぶるというもので、これによってジミーたちは
    どんどん勢力を拡大していきます。この話に乗る前に、実は
    ジミーは同士のミッキーをアンジュロファミリーに射殺されて
    おり、その報復も兼ねて話に乗るのです。時代を感じさせる
    バカでかい車の窓を手でくるくる開けて、そこから発砲すると、
    相手の頭を確実に撃ち抜き、血しぶきがウィンドーガラスに
    飛び散るシーンは何度見ても怖い。


    ブラックスキャンダル

    一方でジミーの弟ウィリアムことビリーは、上院議員をしており、
    母親の家での食事風景を見ると、本当に微笑ましく感じられるのです。
    ベネディクト・カンバーバッチはちょっと太ったかな。仲間、特に
    血縁の絆は強く、中盤でのアイルランドの祭り「セント・
    パトリックス・デイ」での兄弟の目配せは、それを痛切に感じさせ
    るのです。
    しかし、ジミーの息子が突然の病で亡くなり、妻も彼のもとを去り、
    さらには最愛の母が亡くなると、ジミーの人間不信は強まり、その
    残虐性も強まっていくのです。どんどん規模を広げていったジミー

    のその後の姿は、コノリーの焦燥感と交互に映り、栄枯盛衰を感じ
    させます。しかしラストのクレジットで流れた登場人物の現在を
    見ると、「忠誠心」を持ち続けたのは誰かがよくわかります。
    色恋を一切排除した、まさに男の映画でした。




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    甘い生活

    4
    JUGEMテーマ:韓国映画全般

    甘い生活

    「甘い生活」
    原題:A Bittersweet Life
    監督:キム・ジウン
    2005年 韓国映画 123分
    キャスト:イ・ビョンホン
         シン・ミナ
         キム・ヨンチョル
         キム・レハ
         ファン・ジョンミン

    カン社長お気に入りのホテルマン、ソヌは、社長の
    愛人の浮気調査を依頼される。ソヌは冷静にヒスを
    監視するが、彼女の密会現場に遭遇し、「なかった
    ことにした」ことから、社長の怒りを買うのだった。

    <お勧め星>☆☆☆☆ 見終わってからラストについて
    の論議を知ると、深ーい映画だと実感します。


    冒頭にイ・ビョンホン演じるキム・ソヌがコーヒーを
    飲むシーンがあり、ラストに彼がシャドーボクシングを
    した後、にっこり微笑んでエスプレッソを飲むシーンが
    流れます。
    韓国の原題は「甘ったるい生活」という意味だそうで、
    邦題とはややニュアンスが異なる気がします。
    序盤からイ・ビョンホンのキレキレのアクション全開です。
    閉店時間を過ぎても居座るチンピラはボッコボコ。だから
    カン社長のお気に入りなのも頷けるのです。多分彼は貧しい
    生まれで、社長の世話でここまでの生活ができているらしい。
    兄弟のような同僚ムン・ソクは、やや無能なので、ソヌも
    かなり見下しているのです。
    で、そのカン社長が上海に出張する3日間に、秘密の愛人
    ヒスの監視をするように、ソヌは依頼されるのです。


    甘い生活

    このヒスが派手派手女かと思いきや、清純そうで、チェロを
    演奏するので、「恋」なんて知らなかったソヌはイチコロ。
    思わず
    「なぜカン社長と?」
    なんて無礼なこと尋ねたりします。彼女にもいろいろ理由がある
    んだろうね。まあそこはどうでもいいことなので、割愛され、
    なんとヒスが男を連れ込んでいる現場にソヌは踏み込むシーンへ
    と変わります。とりあえずボコっておいて
    「なかったことにしろ。忘れるんだ。」
    とその場を収めるソヌ。あれ?大丈夫?社長からは、男がいたら
    カタをつけろ、と言われていたはず。安心してください。大丈夫
    ではないです。
    ソヌは、大嫌いな商売敵のペク社長で拘束され、太縄で吊るされ、
    拷問を受けたあげく、土中に埋められます。しかし見事生還。
    その前に、これらの指示が全てカン社長によるものであり、ペク
    もムン・ソクもソヌを襲うのに一枚かんでいたとわかるのです。
    ここからのソヌの復讐劇は、まるで劇画のようにするする進んで
    行き、ロシア系の武器商人から銃を仕入れ、まずペクを殺害します。


    甘い生活

    ペクは韓国やくざならではの、ナイフでだまし討ちをするけれど、
    やはり銃には勝てませんね。スケートリンクがみるみる赤く
    染まっていきます。そしてムン・ソクも射殺し、本丸のクラブ
    でド派手な銃撃戦を繰り広げるのです。


    甘い生活

    カン社長を見事仕留めたものの、ソヌは護衛にバンバン撃たれ
    それでも自動小銃をぶっ放しますが、来ると思っていたよ。
    銃を仕入れるために殺したロシア系の武器商人の兄弟が、バン!
    そこにいたるまでのカウンター越しの銃撃は、マフィア映画
    さながらのド派手な映像です。韓国映画ならではの、ナタや
    バットは登場しませんよ。
    でも土中からの生還とか、武器の入手とか、撃たれても倒れない
    体とか、なんか腑に落ちないと思っていたら、最初と最後と
    ヒスのチェロ演奏シーンだけ真実で、あとは、彼の描いた夢オチ
    というレビューを読むと、なぜか納得します。それならとても
    よくできた映画でした。








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    新しき世界

    5
    JUGEMテーマ:韓国映画全般

    新しき世界

    「新しき世界」
    原題:新世界 New World
    監督:パク・フンジョン
    2013年 韓国映画 134分 PG12
    キャスト:イ・ジョンジェ
         チェ・ミンシク
         ファン・ジョンミン
         パク・ソンウン

    韓国の犯罪組織の会長が事故死し、その後継者と
    してジュングとチャンという2人の名前があがる。
    チャンと同じ華僑出身の幹部ジャソンはチャンの
    弟分であったが、実はもう1つの顔を持っていた。

    <お勧め星>☆☆☆☆ もう「ザ・ヤクザ」という
    映画です。練りこまれたストーリーはとても面白い。


    <ネタバレしています>
    監督は「悪魔を見た」(2010)で脚本を務めた
    パク・フンジョン。冒頭から、警察のスパイとして
    疑われ、拷問を受ける男のシーンが映ります。この男
    は暴行を受けたあげく、漏斗でコンクリートをのどに
    流し込まれ、ドラム缶に入れられて海にドボン。まさに
    手加減のない残酷シーンです。
    そしてこの犯罪組織ゴールド・ムーンのソク会長は交通
    事故で亡くなり(これも事故じゃないんだけど)後継者
    選びとなるのです。
    韓国にも、日本の警察同様に暴力団対策チーム的なもの
    が存在し「オールド・ボーイ」(2003)の時よりかなり
    膨らんだチェ・ミンシク演じるカンがリーダーらしい。
    実は出世して本庁の課長なんだけど、こいつがまた悪い
    んだなあ。


    新しき世界

    比べてはいけないけれど、最近よくニュースで見られる
    暴力団の事務所へ警察が突入するシーンなどは、どちらが
    警察なんだか全然わからないですよね。
    そして会長の葬儀のために、上海から戻って来たチョン・チョン
    役は「国際市場で逢いましょう」(2014)のファン・ジョンミン。
    この人の好さげな優しい雰囲気の男が、実はすごく血の気が
    多く、金属バットで側近をなぐり殺すシーンは、彼の心に
    潜む残虐性を物語っています。ROLEXに偽物ROLYは笑えたな。


    新しき世界

    そして彼に「ブラザー」と呼ばれ、絶対的な信頼を置かれて
    いるのが、「ハウスメイド」(2010)のイ・ジョンジェ演じる
    ジャソンです。この美しいお顔は決して汚れません。
    チョンの対抗馬であるイ・ジュングは見るからに蛇のような
    ルックスで、こいつは悪い香りがプンプン漂っていて対照的
    です。


    新しき世界

    こういう犯罪組織には必ず警察の潜入スパイがいるんだけれど、
    それがなんとジャソンなんです。彼は冒頭の拷問現場にも
    いつつ、一方でカンに情報を流し続けるのです。それは10年
    にも及び、「これが最後」と言うカンの言葉を信じるうちに
    どちらが自分の住む世界かわからなくなってきています。
    カンからの連絡係はジャソンの囲碁の先生で、かなりお綺麗
    かつナイスバディのお方。でも中盤過ぎ辺りに、チョンが
    手配したハッカーによって身元がバレ、無残な死を遂げます。
    その時、実は絶対にチョンはジャソンの素性も知っていたはず。
    しかし彼はジャソンではない、もう一人の潜入捜査員を殴り
    殺すのです。このシーンは、ジャソンの汗とヘラへラ笑う
    チョンの顔、そしてドラム缶の中の囲碁の先生が映り、スリル
    抜群。

    カンは「新世界プロジェクト」と名付けたゴールド・ムーン

    捜査計画を立て、対立する会長候補の陣営を疑心暗鬼させる
    行動を重ねて行くわけです。
    終盤付近のチョンを襲うジュング陣営との攻防は凄まじい。
    銃ではなく、牛刀やバットを使って、もう昭和のヤクザ映画
    さながらの争いです。エレベーター内でチョンが不死身の
    ように戦うシーンは音と真っ赤な血糊で、臨場感あふれる
    映像になっています。「豊田商事会長殺人事件」を思い出し
    ちゃった。あれはアパートの窓を破って日本刀を持った男が
    入っていったんだよね。マスコミが詰めかける中でよくも
    あんなことができたもんだ。いや誰かに指示されたんだろう。

    話はそれましたが、ジャソンは妻さえ襲われかけ、とはいえ
    その妻もカンとの連絡をとっているんだけれど、お腹の子供
    を流産してしまうのです。そしてチョンは瀕死の重傷を負って
    もう助からないという。
    カンはあくまでもジャソンを利用し続け、自分の計画を遂行
    しようとするのですが、全てを失ったジャソンのとった行動は
    あまりに大胆で、かつ残酷なものでした。
    チョンが死ぬ間際に
    「新しい世界を生きろ、ブラザー」

    とジャソンに言います。その「新しい世界」はどちらのこと
    なのか。手際のよい殺戮シーンの連続で全てが解けていきます。
    ラストのワンシーンは、韓国映画特有の回想シーンで、6年前
    チョンとジャソンが楽し気に襲撃をするところでした。あの
    頃ジャソンは潜入捜査員だったはずだけれど、チョンとすごく
    息があっています。結局彼は自分の生きる道を自分で決めたと
    いうことですね。



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    ブレイキング・ゴッド

    4

    ブレイキングゴッド

    「ブレイキング・ゴッド」
    原題:The Mule
    監督:トニー・マオニー
    2014年 オーストラリア映画 103分
    キャスト:ヒューゴ・ウィーヴィング
         アンガス・サンプソン
         リー・ワネル
         ユエン・レスリー
         ジェフ・モレル

    1983年、メルボルン。フットボールチームのMVPに
    輝いたレイは、ご褒美のタイ旅行で、悪友ギャヴィン
    から、コカインの運び屋を依頼される。しかし入国審査
    で怪しまれたレイは、7日間拘束されることになる...。

    <お勧め星>☆☆☆☆ ひたすら便意を我慢する内容
    なので、途中おえ〜となるシーンもありますが、ストーリー
    はうまくできています。


    1983年、ヨット世界大会開催に沸く、オーストラリア、
    メルボルン。レイ・ジェギンスは、所属するフットボール
    チームのMVPに選ばれ、コーチである父や母と共に大喜び
    なのです。レイ役のアンガス・サンプソンのルックスが
    「最も我慢強い男」にぴったり。というか、我慢ぐらいしか
    取り柄のない愚鈍な男に見えます。
    彼は普段は、町に1軒しかないTV修理の店でコキ使われて
    いるのに、仕事の腕はピカイチなんです。ここが結構ポイント!
    ところがかつての幼なじみで、少年院にも入っていたギャヴィン
    に誘われ、チームのタイ旅行の際、麻薬の運び屋をさせられて
    しまうのです。彼も父の借金や家の修理のために役に立ち
    たかったのですよ。


    ブレイキングゴッド

    ギャヴィン役は「ソウ」「インシディアス」のリー・ワネル。
    この映画は彼が製作総指揮、脚本も手がけているので、血の
    飛び散り具合は、結構グロく、数あるオエーとなるシーンも
    まことにリアルです。終盤には、ギャヴィン自身が車のフロント
    ガラスに顔から落下します。きゃー!
    この運び屋の仕事の本ボスは、レイの父の借金をしている相手
    でもあり、この旅行のスポンサーでもある実業家のパット。
    とてもわかりやすい悪人顔です。

    「僕はなんでも失敗する」
    とレイが最初に言った通り、無事に帰国し、入国審査も終えた
    と思ったところで、レイは係員の呼び止められるのです。
    そしてパリスとクロフトという連邦捜査官の元で、7日間拘束
    されることになります。つまり腹の中にある麻薬を排泄させて、
    それを証拠に立件しようということです。愚鈍だけど、忍耐
    強いレイは、下剤を飲むことはアレルギーがあると言って拒否、
    レントゲンは任意なので強制されず、結局、24時間監視の日々
    を送ることになります。


    ブレイキングゴッド

    暴力的なクロフト役は「マトリックス」などで有名な
    ヒューゴ・ウィーヴィング。そしてスマートなパリス捜査官と
    相棒を組んで、それはひどい尋問も行われます。実話に基づく
    と冒頭に出てきたから、本当はもっとすごかったんだろうね。


    ブレイキングゴッド

    500gもの麻薬を飲み込んだレイは、次第に便意を抑えられなく
    なります。お腹だってぐるぐる鳴っちゃう。この苦悶の表情が
    ものすごく上手なんですよ。本当に我慢しているみたい。終盤
    には唇までかさついています。
    一応弁護人グリフィスなんてか可愛い子も登場しますが、なぜか
    「傲慢な連中に勝ちたい」
    という野心に燃えるだけの人物とわかり、あまり役に立たず。
    そして中盤頃遂に...。
    「トイレに行った」
    とレイが言うので、捜査官が一斉に彼をチェックしますが、肝心の
    麻薬は影も形もありません。ということは、彼が同じことをまた
    繰り返した?げ〜〜〜!!!

    本当に食事をしながら見ちゃダメです。
    しかし最初からわかっていたワルをしのぐ人物も現れ、単純な
    ストーリーは次第に複雑なものに変わっていきます。
    ヨットレースの勝敗とレイの我慢比べが対照的に映り、そうか
    ラストは彼が唯一得意とすることが、生かせたのだと実感。
    モーテルのテレビの映りが悪かったのも納得です。面白かった
    ですよ。





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    パルプ・フィクション

    5

    パルプフィクション

    「パルプ・フィクション」
    原題:Pulp Fiction
    監督:クエンティン・タランティーノ
    1994年 アメリカ映画 154分
    キャスト:ジョン・トラヴォルタ
         サミュエル・L・ジャクソン
         ユマ・サーマン
         ハーヴェイ・カイテル
         ティム・ロス
         ブルース・ウィルス

    あるレストランで1組の男女が強盗について話を
    している。そして突然銃を取り出し、客に銃を突き
    つけるのだ。一方ヴィンセントとジュールスは、麻薬
    を横取りしたフレッドの家に向かい、それを取り返そう
    としている。

    <お勧め星>☆☆☆☆ 1つ1つの話のテンポがいいし、
    状況にそぐわない会話も面白いです。


    「パルプ・フィクション」=くだらない話。
    まさにその通りなのです。何の意味もなく、切れ切れの
    話が映し出されます。映画内では、タランティーノ監督
    愛好のサーフィン・ホットロッドミュージックが流れます。
    これがまたサイケな感じでいいんです。
    ストーリーは時系列がバラバラで、冒頭のレストランシーン
    がラストとつながるという感じ。登場人物の会話がどれも
    コミカルであり、それでいてどこか核心をついているという
    ものばかりです。
    冒頭、パンプキンとハニーバニーがレストランで強盗の話を
    しています。パンプキン役はティム・ロス。
    そしてジョン・トラヴォルタ演じるヴィンセントと
    サミュエル・L・ジャクソン演じるジュールスがボス、ウォレス
    を裏切ったフレッドの元へ向かっています。彼らは、ボスの女の
    足をマッサージしただけで、4階から突き落とされた男の話で
    盛り上がっているのです。


    パルプフィクション

    とてもシリアスなシーンなんだけど、この話をなぜに今、真剣に
    討論する必要があるのか、そもそも討論する価値などない話題
    なのです。
    一方、ボスの女ミア役は、ユマ・サーマン。彼女のお守り役の
    ヴィンセントと踊るダンスはとても上手。かなり太ったトラヴォルタ
    のダンスも一応キレキレ。ところが彼女はコカインとヘロインを
    間違えて吸入し、口から泡を吹いてぶっ倒れるのです。ヴィンセント
    はいつも大事な時にトイレで「大」の方をしている模様。


    パルプフィクション

    トイレシーンは何度も出てくるので回数を数えておけばよかった。
    そして「このことはお互いに秘密ね」と言って別れるのです。
    この「秘密」はミアの彼つまりボス、ウォレスにも起こります。
    まず、ブルース・ウィルス演じるブッチは、ウォレスから
    ボクシングの八百長試合を持ちかけられ、金まで受け取るのです。
    ところがなんとその試合の相手を殴り殺してしまう。彼は会場から
    少々オツムの弱い恋人ファビアの待つモーテルへ向かいます。
    この時のタクシードライバーとの会話もいけてる。
    「さあ、逃げるぞ。あれ?大事な金時計は?」
    一番大事な金時計を忘れてきたファビア。どこまでもバカ。でも
    その金時計の由来もまたものすごくおかしい話なのです。いや、
    本当はすごい価値があるんだけど、それを台無しにする要素が
    加わっているんだなあ。

    また金時計を回収して、ほっと一息信号待ちの時、前の横断歩道
    を歩いているのは、例のウォレスじゃん!しかもなぜか2人とも
    殺人鬼のような奴らに監禁されてします。本当に殺人鬼だと思う。
    しかーし...。「このことは他言無用」当たり前か。
    一方、先ほどの麻薬を奪還したヴィンセントとジュールスの車の
    中で、その場から連れてきた黒人の青年がヴィンセントの銃の暴発
    で死んでしまうのです。ありゃりゃ。飛び散る血やら何かやらは
    この後の監督の作品では、もっとリアルになっていきますね。
    この処理のためにジュールスの友人ジミーの元へ向かう2人。ジミー
    役はもちろんタランティーノ。やっぱりキモい。


    パルプフィクション

    何やかやで朝食を食べるためにレストランに立ち寄った2人は、
    ジミーにもらった間抜けファッションなんです。そしてまた
    ヴィンセントはトイレに行く...。
    ジュールスが人殺しをするときに唱える聖書の一節は、後半だけ
    しか正しくないんだって。
    劇中のFuckの数は250を超え、とてもお下品なんですが、やはり
    この監督の映画は面白いです。あとで調べたら、「キル・ビル」で
    使われるタバコや曲が使われるなど、この後の監督の作品と続けて
    見たらいいかも、と思ってしまいました。



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    PARKER パーカー

    4
     
    パーカー

    「PARKER パーカー」
    原題:Parker
    監督:テイラー・ハックフォード
    原作:リチャード・スターク 「悪党パーカー」
    2013年   アメリカ映画   118分   PG12
    キャスト:ジェイソン・ステイサム
         ジェニファー・ロペス
         ニック・ノルティ
         クリフトン・コリンズ・Jr.

    パーカーは、一緒に強盗を働いた仲間から、次の仕事を持ちかけられ、
    その話を断ったことから瀕死の重傷を負わされる。この仕事の分け前を
    回収するために、彼はその仲間を追ってフロリダへ向かうのだった。

    パーカー

    「アナコンダ」から10数年たち、美しかったジェニファー・ロペスがアラフォーの
    バツイチ女性を演じています。映画内で、ジェイソン・ステイサム演じるパーカー
    にボディ・チェック受ける時、彼女の下着はなんと水玉模様...。なんか悲しい。
    でも大きなヒップが魅力的です。

    パーカー

    さてオハイオ州のステートフェアで見事な強盗劇を演じたパーカー一味は
    逃走する車の中で、次の大きなヤマの話をし始めるのです。しかしパーカー
    は首を縦に振りません。そして突然、いっせーの!というタイミングで銃撃戦
    が起こり、傷を負いながらも車から飛び降りるパーカー。血まみれの彼に
    仲間だったハードウィックがとどめの一発を撃ちこみ、池へと蹴り落とすのです。
    あんなに撃たれて車から転がり落ちて、さらに撃たれたんだから死んじゃう。
    しかーし、こんな始めから死んでしまったら話は進みません。不死身のパーカー
    は、たまたま通りかかった農夫の車に救われ、病院で治療を受けるのです。
    サイボーグのように強い彼は、意識を取り戻すと、点滴の針を抜き、病院から
    逃走します。すごい!しかしすごいのはまだ序の口です。

    パーカー

    その後、自分の分け前を回収するため、フロリダ、パームビーチへ渡り(彼らの
    所在地を知るためにハードウィックの兄ボビーを傷めつけています)派手なアクション
    を繰り広げるのです。

    パーカー

    今回、パーカーには残念なことに始めから、クレアという恋人がいます。チェ!
    この人の父ハーリーもやはり強盗を働く人のようで、クレアもその事実を知って
    おり、傷だらけのパーカーの体をチクチク縫合さえできるんです。彼のすごい
    体にはもう傷跡だらけなんですよ。でも死にませーん。クレアはちょっと地味。
    それに引き替え、パームビーチ在住のレスリー役はジェニファー・ロペス。彼女
    の仕事は不動産会社員で、大金持ちに物件を売り、その歩合で生活している
    のです。しかし顧客は若いロジャーズばかり指名し、彼女にはろくに仕事が来ない。
    さらにバツイチのため居候している実母は、めちゃめちゃ口うるさい。ここで
    パーカーとロマンスが生まれそうな予感がするのですが、そういう雰囲気はほとんど
    なく、アクション中心に映画は進みます。テンポがいいので全然ダレません。
    パーカーがフロリダのホテルのバルコニーで敵に手の平をナイフで刺されることで
    自分の命を救うシーンは、痛い、痛い!あんなに刺さったら、絶対に指の神経が
    切れてるわ。でも平気なんです。
    「たかが金だ」
    パーカーが言い捨てるとかっこいいわあ。

    <マープルの採点>
    お勧め星   ☆☆☆☆
    グロ星    ☆☆
    ハラハラ星  ☆☆
    エロエロ星
    ダルダル星



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