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- 2023.01.12 Thursday
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JUGEMテーマ:SF映画 一般
出典:IMDb
「ドント・ルック・アップ」
原題:Don't Look Up
監督:アダム・マッケイ
2021年 アメリカ映画 145分 PG12
キャスト:レオナルド・ディカプリオ
ジェニファー・ローレンス
ロブ・モーガン
ジョナ・ヒル
ティモシー・シャラメ
メリル・ストリープ
ケイト・ブランシェット
ミシガン州立大学の教授ミンディは、教え子ケイトが
地球に接近中の大彗星を発見したことに驚愕する。
それはいくら計算しても6か月あまりで地球に到達し、
それによって地球が壊滅するレベルのものなのだ。
それを知らせるべくワシントンに向かった2人に対し、
オグルリープ大統領は中間選挙にしか興味がなくろくに
相手をしてくれない。彼らはマスメディアを使ってその
危険を世間に知らせようとするが、人々の関心は一向に
集まらないのだった。
<お勧め星>☆☆☆半 題材は面白いし豪華キャスト
だけれど、ちょっとふざけすぎという感じ
本当になくなる時に気づく
「何でも持っていたんだな。」
素晴らしく豪華なキャストでそれに加え、映画撮影時、
キャンディを食べていて歯が欠けてしまった
ジェニファー・ローレンスの欠けた歯の部分のCGにかなり
のお金をかけたという(FRONTROWより)Netflixの
太っ腹ぶりがうかがえます。
ストーリーの根本はかなり悲惨で世紀末どころか地球滅亡
の危機を描くはずがそこに登場する人物の私利私欲と
個性的すぎる姿でブラックコメディとなっています。
出典:IMDb
大した功績もないミシガン州立大学教授ミンディは、教え子の
ケイトが新しい彗星を発見したことに大喜びし、これを発表
すれば大学での地位が上がり、質素な家で家族と暮らす生活
から脱することができるなどと考えるし、ケイト張本人は
その彗星が地球に向かっていることに驚き、とにかく正義感
をむき出しにして公表することを求めます。
出典:IMDb
ところが彼らの主張を信じたと思って向かったホワイトハウス
では、オグルリープ大統領に待たされたあげくすっぽかされ
(その理由は自分のスキャンダルのもみ消しに夢中)、付き
添った空軍の中将には無料の菓子と水の金を請求され、翌日
ようやく面会できた大統領は中間選挙への影響しか気にしない
という始末です。この大統領がメリル・ストリープ演じる
金髪女性で、息子ジェイソンを補佐官にし、「静観、精査する」
などと決まり文句を極めてにこやかに発します。
出典:IMDb
じゃあマスコミに流そうとなると、今度は「ザ・デイリー・リップ」
というテレビ番組では、ケイト・ブランシェット演じるブーリー
はやはり金髪で胸を強調した服装で、相方と視聴率優先の報道を
行うのです。つまり視聴者の好きそうなスキャンダル、芸能
ニュースのあとでわずかな時間にその「彗星衝突」について
取り上げるだけ。それもとことんおふざけモードに徹します。
一方「BASH」の創設者ピーター・イッシャーウェルは新しい
スマホ「BASH14.3」の発表会で浮世離れしたプレゼンを行い、
(浮世離れという意味は見たらわかる)「人の気分を察する」
スマホの説明をします。
彼が巨額の富を持っていて大統領の大スポンサーであることが、
また事態をややこしくさせるのです。
とはいえ自身の側近のスキャンダルをもみ消し、中間選挙勝利の
ために大統領は、二人の科学者の主張を信じ、国民に
「緊急メッセージ」を発します。このタイミングまで計算して
いるのを映すとなんだか本当に重要なことと認識しているのか
とても疑問に思えます。また彗星を打ち落とすためにロケット
発射する時は、もう国中お祭り騒ぎなのですよ。発射場所には
露店は出るし、成功すれば花火が大々的に打ち上げられます。
これで彗星は木っ端みじん..。
いえロケットはUターンしてきます。ロン・パールマン演じる
ドラスク指揮官の宇宙からの差別用語連発に驚く暇もありません。
なぜ戻ってきたのか。そこにはBASHの宇宙科学者の彗星内部の
解析情報が関わっていたのです。
その間にミンディとケイトは別方向に進みだし?ミンディは
番組のキャスター、ブリーと浮気をするし、ケイトがカメラに
向かって「恐怖」を訴えたことがネット上での嘲りの対象に
なるし、それによって各地で暴動、略奪も起こり始めます。
彗星が衝突する前に世紀末感が漂い過ぎです。
出典:IMDb
そこに登場するのが謎のイケメンスケボー男、ユーリでこの役は
ティモシー・シャラメ。
そして案の定沸き起こる「陰謀論」を打ち消したのは、空に
こうこうと輝く彗星を人々が見つけた時なのです。
まさにtoo late。しかしながらここで世間は二極化します。
Look Up派とDon't Look Up派で、大統領は後者を支持し、集会で
熱く訴え続けます。なんの根拠もなく科学的精査もなく、この
危機は政治利用されてしまうのです。その前にBASHによる新たな
計画からは異論を唱える科学者は排除されているため、支持者は
自分の信じたいものをだけを見て、読んで、支持するという
危険極まりない状況に陥っています。これってこんな脅威で
なくても、今まさに使われている手法と同じですよね。
さてその後どうなるか、彗星を破壊しなければ地球は壊滅的な
被害を被ることを必死で訴えたミンディとケイトの努力は報われる
のか。
ラスト15分の映像は、世界各地の人々の日常、生き物、自然、
そしてミンディ家で普通にディナーを楽しむシーンが次第に
スピードを速くして繰り出されていきます。そしてラストのラストは
あっけにとられますが、あの人がああなったのはちょっと気分が
いい...いやこれは現代人への重大な警鐘だと思わないといけません。
でもちょっとおふざけが過ぎるので、心に響く映画ではありません
でした。
JUGEMテーマ:SF映画 一般
「パッセンジャー」
原題:Passengers
監督:モルテン・ティルドゥム
2016年 アメリカ映画 116分
キャスト:ジェニファー・ローレンス
クリス・プラット
マイケル・シーン
ローレンス・フィッシュバーン
スペース・コロニーを目指すアヴァロン号に乗船
したジムは、あるアクシデントにより、90年早く
目覚めてしまう。彼は船内に同じような人間がいない
か探し始めるが...。
<お勧め星>☆☆☆ SF+ラブストーリー+サスペンス
という感じで、ラブが特に強いかな。
目覚めたのが美男でよかった
監督は
「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」
(2014)のモルテン・ティルドゥム。あの映画は、
予告編では想像できない本編の展開に、良い意味で期待を
裏切ってくれました。今回の「パッセンジャー」では
VFX映像を駆使した宇宙船内や宇宙空間、そして近未来の
日常生活機器まで丁寧に描かれています。さすがセットに
1億1000万ドルかけただけのことはあります。宇宙船の
姿も極めて独特な姿で、その動きすら目を見張ります。
さて、大前提として言いたい、声を大にして言いたいのは、
あと90年冬眠するはずが、流星の衝突で覚醒してしまった
可哀そうな人間が、クリス・プラット演じるイケメンのジムで
よかった。これが崩れると全ておじゃんになってしまいそう..。
5000名の乗客の中でもエコノミークラス扱いの技術者に
すぎないジムは、船内で利用できる食事や施設なども限られて
いるわけで、これって豪華客船のクルーズでも同じかなと
思ってしまう。行ったことないけどそうなんだろうな。
そしてもう一人の乗客オーロラ役をジェニファー・ローレンスが
演じているんですが、彼女はいわゆるファーストクラスなんですよ。
それはさておき、ジェニファー・ローレンスと言えば、
アカデミー賞授賞式でドレスの裾を踏んでずっこけたり、
自撮り写真が流出したりと(あれは見ちゃダメ)いろいろ
お騒がせがあるものの、安定の演技力とハスキーボイス&ふくよかな
体型がとても魅力的なんです。映画内でとてもおかしな水着を
着用して幾度となくプールで泳ぐシーンがあり、あの色っぽさは
何度見ても目が釘付け。あ、クリス・プラットもお尻が
見えていたか。あれはどうでもいいかな。このプールシーンでは
後半、突然無重力になり、水から抜けられなくなります。
その時の演技のために長時間にわたって鼻まで水につけることを
し続けたとのこと。迫真の演技です。
そしてあと2人、アンドロイドのアーサーとほぼ終盤に突然現れる
クルーの1人ガスがいるだけで、限られた空間の中での2人の
人間ドラマを堪能するというところでしょうか。
そもそもなぜエコノミークラスのジムとファーストクラスの
オーロラ2人なのか、そして2人がラブから喧嘩シーンに
変わるのはなぜなのか。それを知るとアメリカ国内で反発を
呼んだのも頷けるのです。まさに「murder」ですよね。
ラスト付近の勇敢な行動ですべてがチャラになることや
そもそもあんなに簡単にひび割れたり、故障したりするのか
とも思うけれど、希望のあるラストは好感が持てました。
JUGEMテーマ:SF映画 一般
「ブレードランナー」(1982年版)
原題:Blade Runner
監督:リドリー・スコット
1982年 アメリカ=イギリス映画 116分
キャスト:ハリソン・フォード
ルトガー・ハウアー
ショーン・ヤング
エドワード・ジェームズ・オルモス
ダリル・ハンナ
21世紀に入り、人類は人間に酷似したレプリカントを
製造し、宇宙空間での過酷な労働に使用してきた。その
最新型のうち6体が宇宙植民地を脱走し地球へ侵入する。
デッカードはブレードランナーとしてそれらの処分を
命じられるが..。
<お勧め星>☆☆☆半 独特の世界感にあふれ、見終わった
後に様々なことを考えます。
白い鳩は何を意味するのか
「ブレードランナー 2049」を鑑賞するための第一段階と
してまずこれを見ることにしました。なんせ5つのバージョン
があるため、どれから見たらいいものやらと思っていたら、
「全部見るべき」との助言をいただき、全部見ることに決め
ました。じゃーん!見れるかな。
設定は2019年11月のロスアンゼルス。環境汚染にまみれ、
酸性雨が降り注ぐ、多人種の入り乱れる街であり、言語も
「シティースピーク」という多国籍の言葉が混じったものを
使っているとのこと。但し主要な言葉は英語で話されています。
ストーリーは、「レプリカント」なるアンドロイドのような
人間型ロボット?の進化系ネクサス6が、宇宙植民地から
脱走し、地球へ侵入、それをブレードランナー特捜班である
デッカードが排除していくというもの。あちこちに書いて
あるけれど、そのレプリカントの数がどうも合わないのよね。
「6体逃げた」と言うから「6」とメモしたけれど、チェック
していっても1つ足りない。これについてはあとでいろいろ
論議が起こったのも仕方のないことですね。レプリカントか
否かの判別機やフューチャーカー、スピナー(飛行車)
などが当時予測しえた未来都市感を印象付けます。また
デッカードが使用する武器ブラスターの破壊力も強い。しかし
ながら全編に漂う退廃的な雰囲気は、全てのスピードの遅さと
重なり合って、SF映画と言えどもワクワクした気持ちには
なりません。また主役であるはずのデッカードがなり弱く
(銃がないと全然ダメ)、レプリカントのボス、
ロイ(ルトガー・ハウアー)が凶暴ながらも、悲哀に満ちた
表情とその行動には逆の魅力を感じてしまうのです。レプリカントの
プリス役のダリル・ハンナがまだ売り出し中だった頃でしょうか。
ちょっと驚いたのは映画内で話されている日本語がほぼ正しい
発音だったことです。ここまでこだわりを持っていたのかしらね。
さて次のバージョンも見ないと。
JUGEMテーマ:SF映画 一般
「エクス・マキナ」
原題:Ex Machina
監督:アレックス・ガーランド
2015年 イギリス映画 108分
キャスト:アリシア・ヴィキャンデル
ドーナル・グリーソン
オスカー・アイザック
ソノヤ・ミズノ
プログラマーのケイレブは、社内抽選で社長の
自宅訪問の権利を獲得する。しかし実際は社長ネイサンが
開発中のAIのチューリング・テストをさせられることになる。
<お勧め星>☆☆☆半 アリシア・ヴィキャンデルが可愛い。
そしてまさに現実味を帯びた内容です。
公開中の「ラ・ラ・ランド」でミアたちとキレキレダンスを
披露してくれるソノヤ・ミズノさんがAIキョウコ役で登場。
セリフはないものの見事なフルヌードを見せてくれます。
もちろんダンスも踊りますよ。
〇見どころ
アリシア・ヴィキャンデル演じる最新型AIエヴァの顔の
表情や小さな動き一つ一つが、人間に限りなく近いけれど、
人間ではない何かであることを物語り、彼女の演技が上手いと
感じます。やはりキュートだし、ハスキーな声もいい。さらに
彼女のフルヌードすら見られるというお得な映画。社長ネイサン役は
オスカー・アイザック。そして主役のケイレブ役は
「わたしを離さないで」(2010)などのドーナル・グリーソン。
この人線が細いというか、オタクというか、ちょっと変わった役が
ぴったりなのよね。
謎めいたストーリーから始まり、夢を現実にしていくような展開は
ファンタジーを感じますが、そんなことでは終わりません。
●惜しいところ
やや中だるみがあるのと、ネイサンという人物設定がありきたり
だった気がします。
JUGEMテーマ:SF映画 一般
「オートマタ」
原題:Automata
監督:ガベ・イバニェス
2014年 スペイン=ブルガリア映画 109分
キャスト:アントニオ・バンデラス
ビアギッテ・ヨート・スレンセン
メラニー・グリフィス
ロバート・フォスター
環境破壊が進んだ2044年、人口は激減し、人々は
人型ロボットを社会生活に取り入れている。しかし
1人の警官が破壊したロボットに、違法な改造が
加えられていたことから、ROC社保険部ジャックは、
もぐりの改造屋を探す任務を言い渡される。
<お勧め星>☆☆☆ メッセージ性の強い映画ですが、
それが結構ありきたりなのが残念です。
人型ロボットには2つのプロトコルが組み込まれていて、
1つ目は生命体に危害を与えない。2つ目は自分で自分を
修理、改造しない。この2つの管理を人間が行うことで、
人類を守るためのロボットとして活用されていたのですが、
2つ目が破られたロボットが見つかり、その元凶を
アントニオ・バンデラス演じるジャック・ヴォーガンが
調査するところから始まります。なぜかスキンヘッド。
〇見どころ
ロボットの動きがとてもリアルです。また違法な改造を
行ったとして追われ始めるジャックの砂漠での過酷な状況を
アントニオ・バンデラスが見事に演じ切っています。彼と
風俗型ロボットクリオとのダンスシーンはなぜかドキリと
してしまう。
●惜しいところ
結論が早々にわかっているのに、登場人物がそれに一切
気づかないもどかしさ。それは創造主の傲慢なんだろうか。
それと大気汚染に冒された建物外の空間に映し出される
ホログラムは、近未来をイメージしている割には趣味が悪いです。
「たかが機械」と人間は言い、「たかが凶暴な猿」とロボットが
言い返す。これを聞くと、傲慢になった人間は互いを殺し合い、
そしていつかロボットに世界を奪われていくのだろうと恐怖を
感じました。
JUGEMテーマ:SF映画 一般
「ピクセル」
原題:Pixels
監督:クリス・コロンバス
2015年 アメリカ映画 105分
キャスト:アダム・サンドラー
ケヴィン・ジェームズ
ミシェル・モナハン
ピーター・ディクレイジ
少年時代ビデオゲーム世界大会で2位の腕前だった
サムは、成長した今、電気機器設置の仕事に就いて
いる。しかしグアムの空軍基地襲撃の相手が宇宙人で
あることが疑われ、親友で大統領にチューイに呼ばれる
のだった。
<お勧め星>☆☆☆ 何も考えずに楽しめる映画です。
懐かしのゲーム満載とどこかで読んで鑑賞しましたが、
いかんせん世代のズレもあり、「インベーダーゲーム」と
「ドンキーコング」、そしてチラリと姿を見せるマリオ
しか馴染みがありませんでした。
始まりは1982年夏。近所にゲームセンターがオープンし、
サムはめちゃめちゃそのゲームに強く、親友チューイは
クレーンゲームのみ得意という姿が映ります。
そしてビデオゲーム世界大会に出場したサムは、エディという
鼻持ちならない男に負け2位に終わるのです。まあこのカラクリは
その後バレ、すっきりしますが、この2位に屈辱をずっと持ち
続けて成長していくところがオタクなんです。で、その大会の
様子をビデオで撮影し、NASAから地球外生命体に向けて発射
したことが事件の発端になるなんて誰も思うわけがない。あれは
完全に「地球外生命体がいたらいいなあ」というdreamです。
しかーし30年以上たって、これを挑戦状と受け取った宇宙人が
巨大なキャラクターとなって地球を攻めてくるわけです。
この時あのサムの親友チューイは大統領。ここで驚いちゃう。
おまけにこの大統領ときたら、どうやら英語がまともに読めない
らしい。そういえば日本の首相でも漢字を堂々と読み間違えた
人もいたな。
攻めてきた映像から、どうやら録画したゲーム大会の映像を宇宙人
が入手し、現実化して地球を狙っていると判明。
「ライフは3つ。1つ落としたからあと2つ。3つなくしたら
地球を征服する」
なんてメッセージも届き、大統領は、サムと元ゲームチャンピオン
で今は収監中のエディ、そしてサムにくっついてきたいまだに
オタクで、ゲーム内のキャラクターに恋し続けるラドローがシールズ
とともに対戦するわけです。ミシェル・モナハン演じるヴァイオレット
は、米軍の中佐で、なぜかキモいと思ったサムを次第に認めていく。
この映画でのVFXは素晴らしく、あの二次元ゲームをとてもリアルに
三次元化しています。さっすがハリウッドです。そしてタージマハルは
破壊しても万里の長城は避けるあたりは、昨今のアメリカ大作映画の
特徴ですね。あちこちあり得ないシーンの連続ながら、見ていて飽きる
ことなく、そして見終わるとすっかり忘れてしまう、そんな爽快な?
映画でした。
JUGEMテーマ:SF映画 一般
「インベージョン」
原題:The Invasion
監督:オリヴァー・ヒルシュビーゲル
2007年 アメリカ映画 99分 R15+
キャスト:ニコール・キッドマン
ダニエル・クレイグ
ジェレミー・ノーサム
ジェフリー・ライト
スペースシャトルが爆発し、その残骸に有害物質が
付着していたことから、人々は全く別人に変わっていく。
精神科医のキャロルは、離婚した夫に息子を預けた後、
元夫の変貌に気づき、息子を奪還しようとするのだが...。
<お勧め星>☆☆☆ 忍び寄る恐怖を感じますが、ラスト
はあまりにあっけないです。
4度目のリメイクSFスリラーだそうですが、1作も見て
いません。前半の静かな雰囲気の中の忍び寄る恐怖と、終盤
付近の派手なカーチェイスに違和感を感じていたら、
「ヒトラー/最後の12日間」のオリバー・ヒルシュビーゲル
監督の出来上がりに不満を訴えたワーナー側に対し、追加撮影
しなかった監督に代わり、「Vフォー・ヴェンネッタ」の
ジェームズ・マクティークが担当したとのこと。そこは明確に
違いが分かります。でも映画自体はニコール・キッドマンの
美貌と演技でちゃんとまとまっています。
冒頭「眠ってはダメ」と薬を漁り、炭酸飲料飲みまくるのは
ニコール・キッドマン演じるキャロルで、彼女は精神科医の
シングルマザーで、オリヴァーというすごく可愛い息子がいる
んです。
10年経った今、どんな風に成長しているんだろう。
さてキャロルは何かから逃げてきた模様で、それはスペース
シャトルの爆発から始まるのです。その残骸に内性胞子生物が
付着しており、それに触れると、人間は宇宙人化してしまう
らしいと、CDCの職員カウフマンの姿からわかります。感染
した人たちは極めて平和を望み、世界規模で戦争が無くなっていく、
まるでユートピアのような世界が訪れるのですが、たまたま感染
しない人がいると、「仲間でない」ということで徹底的に排除
していく姿も映ります。これは「欠点や悪」も受け入れるという
人間本来の姿を失っていく怖さを感じます。まあ、スケールが
大きい割には描かれるのが、キャロルの周囲の人々だけという
ご都合主義もあるわけで、ここは突っ込んでしまう。
キャロルの患者で夫のDVに悩まされるウェンディという女性が、
「夫は変わってしまった。愛が感じられない」と訴える話の内容は
特に怖かったです。さて、街の中を見回すと、いつの間にか表情の
ない人々が増えているし、キャロルからすると普通に見える人が
捕まっていきます。
彼女を支えるのは友人以上恋人未満のベンで、まだ若くて
長髪のダニエル・クレイグ。彼の友人の研究者の助けもあって、
あっという間にこのウィルスの謎が分かり、あっという間にワクチン
も出来上がるというすごい展開になるけれど、元夫の家に預けた
オリヴァー奪還のためなりふり構わず行動するキャロルは、
「母は強し」そのものです。ちなみに、よく分からないんだけど、
感染した人々は、仲間を増やすために、インフルエンザワクチンと
称して集団接種を行ったり、リバース吹きかけ攻撃をしたり、
謎の飲み物を飲まされたりといまいち統一性がありません。
キャロルは、元夫タッカーのゲボをまともに受けてしまいました。
このウィルスは、REM睡眠中のホルモンと結びついて人間の
遺伝子を書き換えるので、それが冒頭のキャロルの「眠ってはダメ」
発言につながります。
終盤のキャロルとオリヴァーが乗った車に、山盛りの人々が
しがみつくのは、ゾンビ映画のよう。この車、衝突しても炎上
しても走り続ける優れものです。ラストはもう一捻りあるかと
思ったら、そのまま終わり、感染した人も、ワクチンを打てば
感染時の記憶は、全て消えて元通りという、あっけないものでした。
じゃあ、キャロルがバンバン撃った人たちはどうなったんだろうね。
謎は残りますが、まあ普通に見られる映画です。
「10 クローバーフィールド・レーン」
原題:10 Cloverfield Lane
監督:ダン・トラクテンバーグ
製作:J・J・エイブラムス
リンジー・ウェバー
2016年 アメリカ映画 104分
キャスト:メアリー・エリザベス・ウィンステッド
ジョン・グッドマン
ジョン・ギャラガー・Jr.
恋人と喧嘩をし車で家を飛び出したミシェルは、突然
事故を起こしてしまう。彼女が目を覚ますと、そこは
見知らぬ場所であり、ハワードと名乗る男が、「襲撃」
から救うために、彼女を地下シェルターに匿ったと
語るのだった。
<お勧め星>☆☆☆ う〜ん。前作と別物として見れば
まあ楽しめるかな。
前半は、地下シェルター内での、そこの持ち主ハワード
とミシェル、もう一人逃げ込んでいるエメットとのやや
単調な生活シーンが流れます。
冒頭は、明らかに監禁ホラー物と勘違いするほど、説明
不足で、ジョン・グッドマン演じるハワードが巨大な体を
揺らしながら、ミシェルを介抱したり、脅したりの繰り返し。
その間に逃げ出そうとあれこれ考えを巡らすミシェルの姿を
見ていると「怪しい?」「怪しくない?」。見る側も混乱
してくるのです。
恋人の喧嘩が原因で、家を飛び出し、車を走らせるミシェル
の元に、恋人ベンから電話がかかるわけです。そんなことに
気を取られているから、案の定事故を起こし、車は崖下へ
くるくる回って落ちていく。これ臨場感あります。そして
目を覚ますと、なぜか点滴を受けながら、足は鎖でつながれ
ている。この曖昧なシーンはこの後もずっと続くので、覚悟
して見ましょう。とりあえず口下手なのか、危機感に満ちて
いるのか、ハワードはただ
「外は襲撃されていて危険」
とだけ言うのです。何の襲撃なのか?外の空気を吸うだけでも
危険なほど汚染されたのか?
この地下シェルターには、もう一人ハワードをよく知っている
というエメットがいて、
「彼の言うことは正しいよ」
なんて言うのです。でも二重扉の外に見える景色は、空が青くて
草も風に揺れています。しかし救いを求めに来た女性は明らかに
何かに感染したような姿を見せ、やっぱり危険なのかとミシェル
納得。ところが日々過ごすうちに、やはりハワードは「怪しい」
とミシェルとエメットは考え、ある計画を思いつくのです。あまり
いい計画とは思えないけれど、毎日3人で、ゲームをしたり、
ビデオを見たり、ジグゾーパズルをする生活など続くはずもありま
せん。しかしその抵抗はことごとく失敗。
「わしはバカじゃない」
じゃあ、何なんだろう。
「クローバーフィールド」と題名にあるから、もちろん「アレ」は
出てくるのよね?それはいつ?はい、待ち焦がれていると、終盤
15分を残す頃に、暗闇の中に蠢いています。
アメリカでは評価が高い映画ですが、個人的には、前作の方が
ずっとおもしろかったな、というのが実感です。地下シェルター
での疑心暗鬼の姿は結構楽しめますが。