暗黒街(2015)

4

JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

 

暗黒街

 

「暗黒街」

原題:Suburra

監督:ステファノ・ソッリマ

2015年 フランス=イタリア映画 135分 R15+

キャスト:ピエルフランチェスコ・ファビアーノ

     エリホ・ジェルマーノ

     ジャン=コーグ・アングラード

     グレタ・スカーアーノ

 

2011年、イタリア与党の議員マルグラーディは、

ある再開発法案の成立を目指していた。その法案には、

利権にありつこうとする政治家やマフィア、教会も

絡んでいたが、彼がある事件を起こしたことで、抗争

へと発展していく。


<お勧め星>☆☆☆半 まさに血で血を洗う抗争の中に

人間の際限のない欲望を感じます。


「取引は今度にしな」


監督は「ボーダーライン」(2015)の続編を担当する

ステファノ・ソッリマ。「ボーダーライン」は「灼熱の魂」

(2010)「メッセージ」(2016)

「ブレードランナー2049」(2017)の

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が製作しており、まさに

「善悪の境界線」の曖昧さを緊張感あふれるストーリーで

描いていました。ベニチオ・デル・トロの凄みのある演技に

酔いしれましたねえ。続編ではさらに非情でかつ無慈悲に

なっているらしいです。
さて、この映画の舞台は、2011年のイタリア、ローマ。

「アポカリプスまで7日」と字幕で出る通り、アポカリプス

(黙示→滅亡、終末)までのたった7日の出来事を描いて

いるのに、中身が本当に濃く、事件が次々と目まぐるしく

起こり続けるのです。
序盤は、人物構成が全く分からず、ただ映像を見ている

しかないのですが、始まってすぐに、未成年のコールガールが

ドラッグ中毒死。その場にいた大物政治家マルグラーディと

もう一人のコールガール、ニンニの行動が、彼が成立を目指す

ウォーターフロント計画の1つの法案とどう関係してくるのか。
このマルグラーディが終盤に検察関係者に向かって放つ言葉が
「司法なんて、くそくらえ。」
権力を持つと人間は万能だと勘違いしていくものなのですね。

 

暗黒街

 

その権力がいかにもろい土台であることすら忘れてしまう

らしい。とりあえず登場する人物は悪い奴ばかりです。

時折映り込む夜のローマの限りなく美しく、そこで

繰り広げられる数々の暴力が全く対照的に映し出されて

いきます。

 

暗黒街

 

暗黒街

 

暗黒街

 

昔気質の一匹狼「サムライ」、マフィアの父を持った

アウレリアーノ、ジプシー集団という見ての通りの悪い奴と、

政治家、教会という表向きは人々のために動くはずのメンツ、
その間を右往左往するチンピラなどが、アポカリプスに近づく

につれて、窮地に追い込まれ、死人が出ていきます。
映像がモノクロっぽく、ノワール・アクションの雰囲気を

醸し出し、音楽もシーンにぴったりのものが流されます。

全てが金のために動いていることが人間の醜さをあぶりだし、

見ていてとても気分が悪くなるのですが、多かれ少なかれ

世界はこんな感じなのだろうと思ってしまう。少し気に

なったのは、皆危険な身の上なのに護衛がいなかったり、

いたとしても弱かったり、自宅が無防備すぎること。まあ

それを抜かすと、大変見ごたえのある映画でした。

 

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泣く男

4

JUGEMテーマ:韓国映画全般

 

泣く男

 

「泣く男」

原題:No Tears for the Dead

監督:イ・ジョンボム

2014年 韓国映画 116分 R15+

キャスト:チャン・ドンゴン

     キム・ミニ

     ブライアン・ティー

     キム・ジュンソン

     キム・ヒウォン

 

アメリカのアジアン・マフィアの殺し屋ゴンは、

任務中1人の少女を射殺してしまう。心に大きな

傷を負った彼の次の任務は、ソウルに住む投資会社

取締役モギョンを殺害することだったが、彼女が

少女の母親だと知ってしまい...。


<お勧め星>☆☆☆ 派手な銃撃戦とアクションが

楽しめますが、ストーリーには疑問が残ります。


何に疲れているのか


監督は「アジョシ」(2010)のイ・ジョンボム。

あの映画では、今はとってもきれいな女性に成長した

キム・セロンと甘いマスクのウォンビンが共演し、

もうね、とにかくウォンビンがかっこ良くて、さらに

セロンちゃんの名演技に涙を流した覚えがあります。

孤独な少女ソミとこれまた孤独な男テシクの繋がり方が

極めて自然な流れだったことが、感情移入を誘ったと

思っています。
さて、この映画はどうでしょう。冒頭アメリカでの任務で、

華麗に銃を扱うチャン・ドンゴン演じるゴン。

(タンスにゴンかごんぎつねを思い出すのは日本人だけ)

彼が現場となるバーで最初から1人の可愛い少女に目を

向けることが不自然なのです。そもそもバーに少女がいる

のも不自然だけれど、その後彼の幼い頃の状況をなど

映されても、この少女に目を向ける理由が1つも見当たら

ないのです。

 

泣く男
 

そこは「この少女が純真で可愛いから」と考えたとしても、

たまたま任務中に誤射で殺害してしまったその子への罪悪感

が強すぎる気がします。自分にもこのくらいの娘がいる、とか、

この少女が自分の過去の姿とそっくりだというならまだしも、

ただ危険を感じて銃を発射したドアの向こうに少女がいたと

いうもの。さらに次の任務で韓国にいるモギョンという女性を

殺害することになり、その女性が少女の母親だと知ってからの、

モギョンへのゴンの執着が強すぎると感じてしまう。殺し屋で

あれば、血も涙もなく、色恋も捨てて任務を全うするのが筋だ

と思う。ここに絶対に納得できる「理由」が見当たらないので、

ストーリーの根幹が崩れてしまっています。

 

泣く男
 

モギョン役は「お嬢さん」(2016)のキム・ミニ。

あの映画では体当たり演技ですごかったですねえ。モデル

出身だけあって170cmの長身で颯爽と歩く姿はとても

様になっています。でも投資会社の敏腕取締役、認知症の

母親の介護、離婚した夫の元で暮らす娘がいる母親という

設定が盛りだくさん過ぎるのも確かです。特に認知症の母親

の存在は不要でしょう。

 

泣く男
 

そうそうゴンの仲間のチャオズ役のブライアン・ティーは

「ワイルド・スピード TOKYO TRIBE」(2006)の

タカシじゃないですか。あの日本語が上手くない日本人ですよ。

個人的にはチャン・ドンゴンより彼の方がタイプです。

(誰にも聞かれないけれど強調します)
一方映画内で発生する団地での銃撃戦は、棟をはさんですごい

勢いで撃ちまくるし、屋上にはスナイパー登場、ナイフや

ナタでアキレス腱切りするなど迫力満点、血しぶきオンパレード

です。ここは廃墟ではなく実は人々が多く住んでいるはずなのに、

他の住民は一切登場しないし、これだけの騒動があっても

パトカーが一台も来ないのです。すごく不思議。

 

泣く男
 

さらにどこで手に入れたか、ゴンはC4爆弾を爆破させるんです。

ソウルは無法地帯ですか?終盤のビル内での攻防はもう

「すごい」としか言いようがないです。こんなに大騒ぎに

なっているのに当然警官が1人もやって来ません。まあ、

アクション映像を楽しむのであれば、これで良かったし、

チャオズが銃口の向きをすっと外してエレベーターの

開閉ボタンを押すのもかっこよかった。ゴンがあそこまで

する理由がどうしても納得のいくものが見当たらないのが

残念です。

 

 

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エル・クラン

3

JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

 

エル・クラン

 

「エル・クラン」

原題:El Clan

監督:パブロ・トラペロ

2015年 アルゼンチン映画 110分 PG12

キャスト:ギレルモ・フランチェク

     ピーター・ランサーニ

     ジゼル・モッタ

     フランコ・マシニ

     リリー・ポポビッチ

 

1980年代のアルゼンチン。軍事政権下で要人に

あったアルキメデスは、政権交代により職を失い、

誘拐ビジネスに手を染める。彼は仲間と共に、長男

アレックスも仕事を手伝わせていたが...。


<お勧め星>☆☆☆ ジャケットのようなコミカルな

雰囲気は感じません。


見返りを求めずに、正しいことをせよ


アルゼンチンはまたまた地球上の位置が分かりませんね。

南米のこの辺りです。

 

エル・クラン

 

サッチャー首相時代のイギリスとフォークランド紛争が

起きたことくらいしか記憶にありません。2001年には

通算6回目の債務不履行国となり、経済状況が極端に悪化

したようですが、今は安定しているとのこと。こんな話は

日本ではほとんど耳にしません。
そしてこの国は1976年にビデラ将軍による軍事クーデターが起き、

より強固な軍事政権が生まれたものの、例のフォークランド紛争で

見事に失敗。文民統制へと移行しつつあった時代の事件なのです。

なので映画内で幾度となく「時代は変わったんだ」とか

「いやまだあの時代はやって来る」などと口走るのも納得できます。

 

エル・クラン


映画の主人公はアルキメデス・プッチオ一家。アルキメデスは

かつて軍の要職にあったもののその職を失い、富裕層を狙った

誘拐、殺人ビジネスを実行しているのです。彼には教師をする

妻と娘2人、息子3人がいて、直接手伝っているのは、

ラグビーの花形選手で長男のアレックスのみ。

 

エル・クラン

 

犯罪一家を描いた映画は「アニマル・キングダム」(2010)

を思い出すけれど、あれは祖母を頂点にしたものすごく悪い

犯罪者一家なのに一家の結びつきはとても強く、それが冷たい

恐怖として伝わりました。一方このプッチオ一家はというと、

なんかのんびりしているんですよね。ラテンのノリというか、

事件に手を貸すことに罪悪感を覚えるアレックスも結局次も

手伝ってしまうし、自宅の2回に被害者を監禁しているのに、

気づかずに過ごす娘たちもやや不思議。さらにさらに、誘拐方法や

身代金の要求の仕方が毎回ワンパターンで、絶対に警察に

ばれていると思うけれど、それは実力者を知っているから

見過ごされてしまうという当時の混乱した状況を物語ります。

また直接的な描写はあまりないので、残酷さを感じさせないし、

逆になぜにPG12指定かと思ってしまう。WOWOWだからかな。
実際の事件もその内容より、その事件を生み出した当時の政治的な

混乱やこれに全く気付かなかった周囲の人々について注目が

集まったようで、映画内でも毎朝家の前の舗道の落ち葉を掃き、

近所の人とにこやかに挨拶するアルキメデスの姿が幾度となく映ります。

 

エル・クラン


序盤から家族の映像の中に挟み込まれる、アレックスとモニカが

拘束されるシーンや一家のもとへ警官隊が踏み込むシーンを見ると、

結末はうすうすわかるのですが、その多くは字幕で流されると

いうもので、そこは多少なりとも映像で見たかったところ。
父親アルキメデスに反抗できなかったアレックスの姿は非常に

もどかしく、その彼に恩着せがましい発言をする父親への怒りは

あのようになるわけですね。
「見返りを求めずに、正しいことをせよ」
はアルキメデスの書斎に貼られた紙に書かれていたそうで、

彼は出所後弁護士になったというから、お国柄の違いって

凄いなと実感してしまう。犯罪映画としてはそれほど面白く

なかった気がします。

 

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エスコバル 楽園の掟

5

JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

 

エスコバル

 

「エスコバル 楽園の掟」

原題:Escobar:Paradise Lost

監督:アンドレア・ディ・ステファノ

2015年 フランス=スペイン=ベルギー=パナマ映画 

119分

キャスト:ベニチオ・デル・トロ

     ジョシュ・ハッチャーソン

     クラウディア・トライサック

     ブラディ・コーベット

     カルロス・バルデム

 

兄弟でコロンビアに移住し、楽園のようなビーチの

そばで働こうと考えたニック。彼は地元の娘マリアと

恋に落ちる。彼女の叔父パブロは慈善事業を手掛け民衆の

支持の厚い人物だったが、裏では麻薬カルテルのボスという

存在であり...。

 

<お勧め星>☆☆☆ 何とも後味の悪い映画ですが、麻薬

組織の恐怖の一面を垣間見ることができます。

 

映画に登場するパブロ・エスコバルは、メデジン・カルテルと

いう巨大なコカイン取引組織のボスでありながら、慈善事業

にも力を入れていたことから、市民の支持が厚かった人物。

彼は1993年にコロンビアの治安警察によって射殺された

もののその経緯やその後の遺体確認まで、本当にどこをとっても

映画になりそうな話ばかりです。

 

〇見どころ

なんといってもパブロ役のベニチオ・デル・トロの凄みのある

演技に尽きます。任侠シリーズで欠かせなかった菅原文太さん、

高倉健さん、松方弘樹さんの雰囲気をそのまま中南米の麻薬王に

すげかえた感じ。

 

エスコバル

 

彼の演技は1980年代のものという人々も多いそうですが、

この世界は今も昔もそれほど変わっていないと思うので、私は

彼の演技が素晴らしいと思う。

一方能天気なカナダ人ニックを演じるのは、「ハンガーゲーム」

シリーズのジョシュ・ハッチャーソン。もうね、全然レベルが

違うんですよ。彼が銃を持ってもとても引き金を引くとは思えない。

 

エスコバル

 

そんな彼が町で美人さんをナンパ。そのマリアの叔父がパブロ

だったことから、ニックの人生が狂ってくるわけです。

 

エスコバル

 

極めて非暴力主義らしい兄ディランと妻アン。いくらビーチが

好きでもジャングルを切り開いてそこで暮らそうとは思わないし、

ましてやハンモックで眠るなんて、虫よけスプレーを一晩で一本

使い切りそうだわ。

ということは置いといて、マリアとのラブラブ生活を楽しむものの、

ニックは次第にパブロの恐ろしさに気づくわけです。その気づき方も

かなり鈍い。気づかせ方も小出しであり、見ている側は、もうそこに

何があるのか、とか、それを言ったらどうなるのか、とかわかって

いるのに、平和ボケしているニックは、パブロというよりマリアの

魅力で、判断力はないに等しかったかも。

危険に気づいたときには、すでに彼の行く末は決定していたわけで、

そこから始まる逃亡シーンはハラハラドキドキすること間違いなし。

隠れている車の後部座席のカバーの穴から彼の眼だけが映り、外の

景色を見せる。警察、軍までパブロの味方という状況下で、ニックは

どうなるのか。最後のシーンはコロンビアに到着した時の兄弟の笑顔

なんだけど、あれはありきたりね。

片手で自分の子供におもちゃを与え、もう一方の手に握った電話の

受話器に向かって殺害の指示をするパブロの姿は、「恐怖」に尽きます。

 

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野蛮なやつら/Savages

5

JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

 

野蛮なやつら

 

「野蛮なやつら/Savages」

原題:Savages

監督:オリバー・ストーン

2013年 アメリカ映画 131分 R15+

キャスト:テイラー・キッシュ

     アーロン・テイラー・ジョンソン

     ブレイク・ライブリー

     ジョン・トラボルタ

     ベニチオ・デル・トロ

 

カリフォルニアで高品質な大麻栽培をし、大儲けしている

ベンとチョンと共有の恋人オフィーリア。しかし彼らを

支配下に置こうとするメキシコ麻薬カルテルによって彼女が

誘拐されるのだった...。

 

<お勧め星>☆☆☆ 野蛮な人ばかり出てきますが、ラストは

なんとも美しい映像で終わり。

 

〇見どころ

インテリで非暴力主義者のベン役はわたしの大好きな

アーロン・テイラー・ジョンソン。そして相棒で元軍人チョン役は

「バトルシップ」(2012)のテイラー・キッシュ。この人、

よく言えば野性的な役、悪く言えば単細胞のすぐ手が出るタイプの

役が良く似合います。そして2人が共有する恋人オフィーリア役は

ブレイク・ライブリー。「ロスト・バケーション」(2016)

でのぷりぷりビキニ姿が印象的でした。

 

野蛮なやつら

 

この対照的なタイプのイケメンが恋人で、お金が有り余るほど

あるなら、もう何もいりません、ワタクシ。

ところがどっこいそこに登場する悪徳麻薬取締官デニス役は、

でっぷりしたジョン・トラボルタで、癌を患う妻がいるなんて

設定も消えるほど悪徳で頭が切れるんです。

 

野蛮なやつら

 

しかしながら麻薬カルテルの女ボス、エレナも冷酷であり、さらに

その部下ラド役のベニチオ・デル・トロに至っては、安定の悪い奴。

 

野蛮なやつら

 

こんなメンツで始まったアメリカ&メキシコ野蛮な人選手権。

アメリカ映画なので子供は死にません。その代り、容赦ない

首切り落とし映像や中盤の拷問、銃撃映像、さらにロケット砲やら

中東で使う爆破装置まで出てくるから派手なこと派手なこと。

非暴力主義をどこまでベンが貫けるか...。あらら結構簡単に

できちゃうんだ。ラストの巻き戻し映像はやや余分な気がしましたが、

現代に住む人はみんな野蛮であり、結局原始の状態にいつかは戻ると

いうわかったようなわからないような話でした。

 

●惜しいところ

ちょっと間延びするシーンがあったのと、カルテルにたてついた

割にはベンたちの仲間がカルテル側より優れていたのが上手く

行き過ぎ感が残りました。

 

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クライム・ヒート

4

JUGEMテーマ:コメディ映画全般

 

クライム・ヒート

 

「クライム・ヒート」

原題:The Drop

監督:ミヒャエル・R・ロスカム

2014年 アメリカ映画 107分 R15+

キャスト:トム・ハーディ

     ノオミ・ラパス

     ジェームズ・ガンドルフィーニ

     マティアス・スーナールツ

     ジョン・オーティス

 

ブルックリンで叔父の店のバーテンダーをしている

ボブは、その店がマフィアの裏金を預かることも承知

している。ある朝、ゴミ箱に捨てられた犬を拾い、

そこの住人ナディアと知り合った彼は、その犬を飼う

ことになってしまう。

 

<お勧め星>☆☆☆半 トム・ハーディの演技が

素晴らしいです。

 

クライム・ヒート

 

〇見どころ

2013年に亡くなったジェームズ・ガンドルフィーニの

遺作となった映画です。彼が演じるマーヴとトム・ハーディ

演じるボブの微妙な意見の対立が、ストーリーのバック

グラウンドにあり、それが次第に広がっていくのを上手く

描いています。

 

クライム・ヒート

 

ボブが傷ついた子犬を見つけたゴミ箱の家の住人ナディアは

ノオミ・ラパス。その元カレでDV癖のある男エリック役は

マティアス・スーナールツと、移民色の濃い登場人物ばかり。

突然マーヴの店に押し入った2人組の強盗の真相から、

終盤の展開は、まさに静から動への急変であり、すごい!と

思うこと間違いなしです。

 

●惜しいところ

全編に漂う暗い雰囲気は、ブルックリンで蠢く移民を映し

出すのに十分過ぎるほどで、重苦しく息が詰まりそうに

なります。派手なドンパチがないこともその要因かも。

 

クライム・ヒート

 

その分このチェチェン人マフィアが怖いです。

 

クライム・ヒート

 

映画に登場するピットブル犬は、実はかなり獰猛であり、

複数の国で輸入、飼育が禁止されているとのこと。その一方で

飼い主に対して忠誠心と服従心が強く、まるで映画内のボブを

象徴しているかのようでした。

 

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バンクラッシュ

4

JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

 

バンクラッシュ

 

「バンクラッシュ」

原題:Cien anos de perdon

監督:ダニエル・カルパルソロ

2016年 スペイン=フランス=アルゼンチン映画

98分

キャスト:ルイス・トサル

     ロドリゴ・デ・ラ・セルナ

     ラウール・アレバロ

     ホセ・コロナド

 

大雨のある朝、バレンシア市内の銀行を強盗団が

襲撃する。彼らは地下に掘った穴から逃走しようと

するが、浸水で行く手を阻まれ、さらに貸金庫内に

重大なものが入っていたことで、政府関係者からも

追われる身となってしまう。

 

<お勧め星>☆☆☆半 ひねってあるストーリーと

個々の人間が上手く描かれていて楽しめる映画です。

 

冒頭から大雨のニュースが流れ、それによって

大渋滞する市内の様子が映し出されます。この「大雨」

がキーポイントの映画なんです。

 

 

ネタバレしています

 

 

〇見どころ

リストラリストに乗ったことを怒りまくる女支店長

サンドラは、どうやら他の行員に嫌われているらしい。

 

バンクラッシュ

 

バンクラッシュ

 

また強盗団の1人でガリシアと呼ばれる男役は「プリズン211」

(2009)のルイス・トサル。ウルグアイと呼ばれる男役は

「モーターサイクル・ダイアリーズ」(2014)の

ロドリゴ・デ・ラ・セルナです。ルイス・トサルは眉毛ですぐに

わかっちゃう。この2トップ以外はボケ要員で、特にウルグアイの

弟らしき男は、人質に一目ぼれして、盗んだ金をあげてしまったり、

大事なデータにウィルス感染をさせたりと、本当にアホ。それ以外

にも仲間割れしそうな危機が幾度となく訪れ、なぜか笑えてしまう。

 

バンクラッシュ

 

さらに、貸金庫内に政府のスキャンダル情報が入っていたことで、

警察だけでなく、政府高官やら彼に雇われた元CNI

(スペイン中央情報局)の人物やら軍隊まで登場する始末。銀行の

内外でのてんやわんやぶりは本当に見ものです。

 

●惜しいところ

サンドラがリストラの腹いせと保身のために、ガリシアに情報を

もたらすけれど、それをウルグアイが前もって知っていて、その

ための強盗でもあったとわかるのに、ラストは大団円。彼らの

過去があまりに簡単に描かれ過ぎなのと、他の強盗について誰が

誰かほとんどわからず終わってしまいました。

 

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ハイエナ

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ハイエナ

 

「ハイエナ」

原題:Hyena

監督:ジェラルド・ジョンソン

2014年 イギリス映画 112分 R15+

キャスト:ピーター・フェルナンド

     ニール・マスケル

     リチャード・ドーマー

     マイアンナ・バーリング

 

ロンドン市警麻薬捜査班のマイケル達4人は、

押収したドラッグや金を横取りしたり、金と

引き換えに捜査情報を流す汚職警官である。

しかし新たなアルバニア系ギャングが登場し、また

警察内には監察官が目を光らせ始めるのだった。

 

<お勧め星>☆☆☆ 派手なドンパチはありませんが、

まさに非情な世界を描いています。

 

映画内でトルコ系移民ギャングを殺害し、その縄張り

を奪うアルバニア系ギャングの怖さは、メキシコの麻薬

抗争におけるマフィアのそれと寸分も違わないほどです。

 

ハイエナ

 

冒頭クラブに乗り込む4人組の頭に「police」とあることで

彼らが麻薬捜査班のチームだとわかるぐらいで、やっている

ことは暴行、器物損壊、ドラッグや金の強奪など、到底秩序を

守っている人々の行為とは思えません。マイケル、クリス、

キース、マーティンのうち、ボス的存在のマイケルは、独自に

トルコ系ギャングとつるんで、荒稼ぎを計画中...。ところが

そのジェムが、アルバニア人に殺害され、さらに警察署内には

監察官テイラーが登場するし、マイケル1人、チームを変えられ、

かつて裏切った相手デヴィッド警部補の下で動くなんて屈辱を

味わうことになるのです。

 

ハイエナ

 

この裏切りとて、どっちもどっちという感じ。その上、

捜査対象は、今度手を組むことに決めたアルバニア人兄弟。

彼らは東欧からの人身売買、売春に加え、麻薬取引まで手を

広げてきたわけで、マイケルはアルバニア人、デヴィッド、

そして自分も得する方法を考案すると、何とデヴィッドは

土壇場で手の平を返すもんだから、アルバニア人にバラバラ

にされてしまうのです。

 

ハイエナ

 

本当にバラバラ。この残酷さと殺伐としたロンドンの景色が、

映画に一切華やかさを与えず、恐怖感のみ残していきます。

アルバニア人ギャングのもとから救い出したアリアナをマイケル

は友人リサに預けるものの、かつてのチームの1人がマイケルの

所在をアルバニア人に売る。アルバニア人もいったん逮捕された

ものの釈放され、マイケルの帰りを待っている...。

さあ、どうなる?あれ?終わちゃった。逃げたらリサとアリアナ

は殺害されるだろうし、突入しようにも援護はない。うーん、

先が知りたかったな。銃規制が厳しいイギリスだけあって、

殺害方法は刃物が多く、銃を使っているのはマイケルじゃん!

 

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黒の魂

4

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黒の魂

 

「黒の魂」

原題:Anime nere

監督:フランチェスコ・ムンズイ

2014年 イタリア=フランス映画 103分

キャスト:マルコ・レオナルディ

     ペッピーノ・マッツオッタ

     ファブリツィオ・フェッラカーネ

     バルボラ・ボブローヴァ

 

イタリアの巨大犯罪組織が拠点を置く小さな町で

ヤギ飼いをしているルチャーノの息子レオは、対立

する組織を威嚇してしまう。彼はミラノで麻薬の

ディーラーをしている伯父ルイジの元へ向かい、彼に

後ろ盾を求めるのだった。

 

<お勧め星>☆☆☆半 地味ながら心にズシリと来る

映画です。

 

<少しネタバレ>

 

映画の舞台となる南イタリア、カンブリア州は、巨大

犯罪組織「ンドランゲタ」が拠点を置いており、様々な

グループが対立と抗争を繰り返している地域だと知るのは、

映画鑑賞後、ネットで検索してからのこと。だから、なぜ

この町の警察が、偏った犯罪捜査をするのか理解できるの

です。つまりこの巨大犯罪組織が市民生活のすべてを牛耳って

いるのですね。オープニングからスペイン語?で会話する人々

と取引をするルイジが映り、彼がこの映画の主人公である

三兄弟の三男で前科持ちの麻薬ディーラーであるとわかります。

 

黒の魂

 

この役のマルコ・レオナルディは、

「フロム・ダスク・ティル・ドーン3」(2001)の主演

だったらしいけれど、全然記憶に残っていません。

そして次男ロッコはその利益を元手にまっとうな商売をしており、

かなり成功を収めているのがわかるのは、ミラノでの豪邸生活

からです。

一方長男ルチャーノは、地元の町でヤギ飼いをし、平穏に暮らして

います。

 

黒の魂

 

彼らの父親は道端で射殺されたというから、それなりの抗争に

巻き込まれていたのでしょう。地域の特色や人物の背景は深く

描かれませんが、彼らの会話を聞いていると、三兄弟の思いや

彼らの家族の関係が薄々わかって来ます。構図で言うと、

平和な生活を求める長男夫妻、金儲けはするが、犯罪とは極力

関わりたくない次男と、夫の家族やその町を敬遠する妻、

バリバリの犯罪者である三男ルイジという感じでしょうか。

しかしルチャーノの息子レオは、組織というものを無視し、

違う組織から麻薬を買うし、ちょっと頭に来たからと言って対立

組織へ威嚇発砲してしまうのです。だいたい日本でもヤクザの

小競り合いは、末端のアホが暴走し、その後始末を上の方でする、

という姿を映画で見たことがあります。本当にそうなんだろうね。

指のない人たくさんいるもんね。

血の気が多く、怖いもの知らずのレオは、伯父のルイジを頼って

ミラノへ行くわけです。ルイジの存在はレオにとって憧れであり、

田舎でヤギなど飼って暮らす父親など、尊敬の対象になりません。

 

黒の魂

 

そしてルイジが町を訪れ、事を収めようと画策するわけです。

ルチャーノの嫌うドン・ペッペという組織と手を組もうと考える

ものの、報復を恐れたのか、威嚇なのか、ルイジは射殺されるのです。

これは誰がやったんだろう。警察はなぜかルチャーノの母親の

家を家宅捜索する始末。犯人は分かっているけれど、それを口にしたら、

次のターゲットになるし、力のないものは大人しくしているしかない

という世界が描かれます。本当に女子供は、何も知らされないのよね。

まさしく「ザ・ヤクザ」

この映画では射殺シーンが幾つかありますが、まともに映ることは

なく、マフィア映画のような凄惨なシーンや銃撃戦も見られません。

関係者の慟哭や怒りが全てを表しています。

力のある者になびくのは当然であり、レオは親友ペッペの裏切りに

遭うわけです。血で血を洗う抗争。いやそこまではいかないな。

序盤にルチャーノがヤギを放していた海岸を、ラストは、その時彼の

後ろを歩いていたロザリオだけがヤギと共に歩いていきます。

このシーンで全てがわかるのです。無限のループを断ち切るには

これしかなかったのだと。

 

 

 

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キリング・ゾーイ ディレクターズカット版

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JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

 

キリング・ゾーイ

 

「キリング・ゾーイ ディレクターズカット版」

原題:Killing Zoe

監督:ロジャー・エイバリー

製作総指揮:クエンティン・タランティーノ

1993年 アメリカ=フランス映画 99分 R15+

キャスト:エリック・ストルツ

     ジュリー・デルピー

     ジャン=コーグ・アングラード

     ゲイリー・ケンプ

 

パリへやってきたアメリカ人ゼッドは、ゾーイという

コールガールを買ったものの、部屋訪れた友人エリック

に連れ出される。実はゼッドは金庫破りの達人であり、

エリックの計画する銀行強盗のメンバーだったのだ。

 

<お勧め星>☆☆☆ 暴力、ドラッグ、血しぶきにあふれた

映画ですが、結構上手くできています。

 

製作総指揮にクエンティン・タランティーノの名前がある

もののウィキによると、エイバリー監督とは旧友のよしみで

名前を貸しただけで、実際にはほとんど製作に携わっていない

とのこと。その後2人は仲違いしているそうです。でも映画の

雰囲気は「レザボア・ドッグズ」(1992)ぽくて、暴力、

ドラッグ、銃撃、血しぶきがこれでもかというほど盛り込まれ

ています。ただ残念なのはストーリーに意外性がなかったこと

でしょうか。

前半はパリへ降り立ったアメリカ人ゼッドがタクシーの運転手

に紹介されたコールガール、ゾーイを部屋に呼び、凝ったカメラ

アングルでの映像でゾーイの表情を映します。

 

キリング・ゾーイ

 

そして突然部屋にやって来た友人エリックによって、彼女は全裸で

放り出されるのです。そこからエリックに連れられて他の仲間と

ひたすら酒とドラッグに明け暮れるシーンが延々と続くのです。

ちなみにこの仲間は最後まで顔と名前がくっつきませんでした。

 

キリング・ゾーイ

 

ここが結構長く、またエリックは、かなりのドラッグ中毒であり、

おまけにエイズに冒されているという。彼の自暴自棄感は、その

表情やキレやすい性格に露骨に表れており、自分の意志がないか

のようなゼッドは、彼に勧められるまま、ゲボを吐こうとドラッグ

をし続けます。ラリった雰囲気を出すため、画面がブレたりする

のはよくある手法ですね。「トレインスポッティング」(1996)

に似ていると思ったら、あの映画の方が後だから、実はこの映画の

影響を受けているのかなとも思ってしまう。

そして遂にぶっつけ本番の銀行強盗開始です。大事なことは

フランス語で話すので、何もわからないゼッドは、金庫室に向かう

ものの、エリックはむやみに人を殺していくのです。

 

キリング・ゾーイ

 

強盗のさなかでもドラッグを打たないと行動できないほどの中毒

だから、もう人間凶器そのもの。

「やたらに撃つなよ」計画と全く違っている展開に気づいていながら、

ゼッドはこう言うだけ。ここで完全に主役はエリックになっています。

人質の口にピストルを突っ込み、引き金を引くシーンでは、音と

飛び散った血しぶき、転がる遺体のみが映るだけですが、それでも

そこで何がどうなったかは想像に難くなく、他のメンバーの銃撃と

共に果てしなくかつ、ひたすら破滅へと向かう暴力シーンが映し

出されるのです。

大体下調べもなく、銀行内部の地図と警備員の配置だけ、確認して

決行なんて無謀極まりない。ドラッグで頭のイカれたエリックの

計画に乗る仲間もアホなんだろうねえ。

実は銀行員の中に、ゾーイがいて、彼女が終盤に思わぬ活躍を見せる

けれど、彼女の存在でゼッドが救われるだろうというのは、そこで

読めてしまうのが残念です。ラストに金塊1つでも持ち出していれば、

ちょっと意外性もあったのになあ。ゼッドとエリックの格闘シーンは

スロー映像で、それもまた凝ったものでした。

 

 

 

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