エスコバル 楽園の掟

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JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

 

エスコバル

 

「エスコバル 楽園の掟」

原題:Escobar:Paradise Lost

監督:アンドレア・ディ・ステファノ

2015年 フランス=スペイン=ベルギー=パナマ映画 

119分

キャスト:ベニチオ・デル・トロ

     ジョシュ・ハッチャーソン

     クラウディア・トライサック

     ブラディ・コーベット

     カルロス・バルデム

 

兄弟でコロンビアに移住し、楽園のようなビーチの

そばで働こうと考えたニック。彼は地元の娘マリアと

恋に落ちる。彼女の叔父パブロは慈善事業を手掛け民衆の

支持の厚い人物だったが、裏では麻薬カルテルのボスという

存在であり...。

 

<お勧め星>☆☆☆ 何とも後味の悪い映画ですが、麻薬

組織の恐怖の一面を垣間見ることができます。

 

映画に登場するパブロ・エスコバルは、メデジン・カルテルと

いう巨大なコカイン取引組織のボスでありながら、慈善事業

にも力を入れていたことから、市民の支持が厚かった人物。

彼は1993年にコロンビアの治安警察によって射殺された

もののその経緯やその後の遺体確認まで、本当にどこをとっても

映画になりそうな話ばかりです。

 

〇見どころ

なんといってもパブロ役のベニチオ・デル・トロの凄みのある

演技に尽きます。任侠シリーズで欠かせなかった菅原文太さん、

高倉健さん、松方弘樹さんの雰囲気をそのまま中南米の麻薬王に

すげかえた感じ。

 

エスコバル

 

彼の演技は1980年代のものという人々も多いそうですが、

この世界は今も昔もそれほど変わっていないと思うので、私は

彼の演技が素晴らしいと思う。

一方能天気なカナダ人ニックを演じるのは、「ハンガーゲーム」

シリーズのジョシュ・ハッチャーソン。もうね、全然レベルが

違うんですよ。彼が銃を持ってもとても引き金を引くとは思えない。

 

エスコバル

 

そんな彼が町で美人さんをナンパ。そのマリアの叔父がパブロ

だったことから、ニックの人生が狂ってくるわけです。

 

エスコバル

 

極めて非暴力主義らしい兄ディランと妻アン。いくらビーチが

好きでもジャングルを切り開いてそこで暮らそうとは思わないし、

ましてやハンモックで眠るなんて、虫よけスプレーを一晩で一本

使い切りそうだわ。

ということは置いといて、マリアとのラブラブ生活を楽しむものの、

ニックは次第にパブロの恐ろしさに気づくわけです。その気づき方も

かなり鈍い。気づかせ方も小出しであり、見ている側は、もうそこに

何があるのか、とか、それを言ったらどうなるのか、とかわかって

いるのに、平和ボケしているニックは、パブロというよりマリアの

魅力で、判断力はないに等しかったかも。

危険に気づいたときには、すでに彼の行く末は決定していたわけで、

そこから始まる逃亡シーンはハラハラドキドキすること間違いなし。

隠れている車の後部座席のカバーの穴から彼の眼だけが映り、外の

景色を見せる。警察、軍までパブロの味方という状況下で、ニックは

どうなるのか。最後のシーンはコロンビアに到着した時の兄弟の笑顔

なんだけど、あれはありきたりね。

片手で自分の子供におもちゃを与え、もう一方の手に握った電話の

受話器に向かって殺害の指示をするパブロの姿は、「恐怖」に尽きます。

 

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野蛮なやつら/Savages

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JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

 

野蛮なやつら

 

「野蛮なやつら/Savages」

原題:Savages

監督:オリバー・ストーン

2013年 アメリカ映画 131分 R15+

キャスト:テイラー・キッシュ

     アーロン・テイラー・ジョンソン

     ブレイク・ライブリー

     ジョン・トラボルタ

     ベニチオ・デル・トロ

 

カリフォルニアで高品質な大麻栽培をし、大儲けしている

ベンとチョンと共有の恋人オフィーリア。しかし彼らを

支配下に置こうとするメキシコ麻薬カルテルによって彼女が

誘拐されるのだった...。

 

<お勧め星>☆☆☆ 野蛮な人ばかり出てきますが、ラストは

なんとも美しい映像で終わり。

 

〇見どころ

インテリで非暴力主義者のベン役はわたしの大好きな

アーロン・テイラー・ジョンソン。そして相棒で元軍人チョン役は

「バトルシップ」(2012)のテイラー・キッシュ。この人、

よく言えば野性的な役、悪く言えば単細胞のすぐ手が出るタイプの

役が良く似合います。そして2人が共有する恋人オフィーリア役は

ブレイク・ライブリー。「ロスト・バケーション」(2016)

でのぷりぷりビキニ姿が印象的でした。

 

野蛮なやつら

 

この対照的なタイプのイケメンが恋人で、お金が有り余るほど

あるなら、もう何もいりません、ワタクシ。

ところがどっこいそこに登場する悪徳麻薬取締官デニス役は、

でっぷりしたジョン・トラボルタで、癌を患う妻がいるなんて

設定も消えるほど悪徳で頭が切れるんです。

 

野蛮なやつら

 

しかしながら麻薬カルテルの女ボス、エレナも冷酷であり、さらに

その部下ラド役のベニチオ・デル・トロに至っては、安定の悪い奴。

 

野蛮なやつら

 

こんなメンツで始まったアメリカ&メキシコ野蛮な人選手権。

アメリカ映画なので子供は死にません。その代り、容赦ない

首切り落とし映像や中盤の拷問、銃撃映像、さらにロケット砲やら

中東で使う爆破装置まで出てくるから派手なこと派手なこと。

非暴力主義をどこまでベンが貫けるか...。あらら結構簡単に

できちゃうんだ。ラストの巻き戻し映像はやや余分な気がしましたが、

現代に住む人はみんな野蛮であり、結局原始の状態にいつかは戻ると

いうわかったようなわからないような話でした。

 

●惜しいところ

ちょっと間延びするシーンがあったのと、カルテルにたてついた

割にはベンたちの仲間がカルテル側より優れていたのが上手く

行き過ぎ感が残りました。

 

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クライム・ヒート

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JUGEMテーマ:コメディ映画全般

 

クライム・ヒート

 

「クライム・ヒート」

原題:The Drop

監督:ミヒャエル・R・ロスカム

2014年 アメリカ映画 107分 R15+

キャスト:トム・ハーディ

     ノオミ・ラパス

     ジェームズ・ガンドルフィーニ

     マティアス・スーナールツ

     ジョン・オーティス

 

ブルックリンで叔父の店のバーテンダーをしている

ボブは、その店がマフィアの裏金を預かることも承知

している。ある朝、ゴミ箱に捨てられた犬を拾い、

そこの住人ナディアと知り合った彼は、その犬を飼う

ことになってしまう。

 

<お勧め星>☆☆☆半 トム・ハーディの演技が

素晴らしいです。

 

クライム・ヒート

 

〇見どころ

2013年に亡くなったジェームズ・ガンドルフィーニの

遺作となった映画です。彼が演じるマーヴとトム・ハーディ

演じるボブの微妙な意見の対立が、ストーリーのバック

グラウンドにあり、それが次第に広がっていくのを上手く

描いています。

 

クライム・ヒート

 

ボブが傷ついた子犬を見つけたゴミ箱の家の住人ナディアは

ノオミ・ラパス。その元カレでDV癖のある男エリック役は

マティアス・スーナールツと、移民色の濃い登場人物ばかり。

突然マーヴの店に押し入った2人組の強盗の真相から、

終盤の展開は、まさに静から動への急変であり、すごい!と

思うこと間違いなしです。

 

●惜しいところ

全編に漂う暗い雰囲気は、ブルックリンで蠢く移民を映し

出すのに十分過ぎるほどで、重苦しく息が詰まりそうに

なります。派手なドンパチがないこともその要因かも。

 

クライム・ヒート

 

その分このチェチェン人マフィアが怖いです。

 

クライム・ヒート

 

映画に登場するピットブル犬は、実はかなり獰猛であり、

複数の国で輸入、飼育が禁止されているとのこと。その一方で

飼い主に対して忠誠心と服従心が強く、まるで映画内のボブを

象徴しているかのようでした。

 

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バンクラッシュ

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JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

 

バンクラッシュ

 

「バンクラッシュ」

原題:Cien anos de perdon

監督:ダニエル・カルパルソロ

2016年 スペイン=フランス=アルゼンチン映画

98分

キャスト:ルイス・トサル

     ロドリゴ・デ・ラ・セルナ

     ラウール・アレバロ

     ホセ・コロナド

 

大雨のある朝、バレンシア市内の銀行を強盗団が

襲撃する。彼らは地下に掘った穴から逃走しようと

するが、浸水で行く手を阻まれ、さらに貸金庫内に

重大なものが入っていたことで、政府関係者からも

追われる身となってしまう。

 

<お勧め星>☆☆☆半 ひねってあるストーリーと

個々の人間が上手く描かれていて楽しめる映画です。

 

冒頭から大雨のニュースが流れ、それによって

大渋滞する市内の様子が映し出されます。この「大雨」

がキーポイントの映画なんです。

 

 

ネタバレしています

 

 

〇見どころ

リストラリストに乗ったことを怒りまくる女支店長

サンドラは、どうやら他の行員に嫌われているらしい。

 

バンクラッシュ

 

バンクラッシュ

 

また強盗団の1人でガリシアと呼ばれる男役は「プリズン211」

(2009)のルイス・トサル。ウルグアイと呼ばれる男役は

「モーターサイクル・ダイアリーズ」(2014)の

ロドリゴ・デ・ラ・セルナです。ルイス・トサルは眉毛ですぐに

わかっちゃう。この2トップ以外はボケ要員で、特にウルグアイの

弟らしき男は、人質に一目ぼれして、盗んだ金をあげてしまったり、

大事なデータにウィルス感染をさせたりと、本当にアホ。それ以外

にも仲間割れしそうな危機が幾度となく訪れ、なぜか笑えてしまう。

 

バンクラッシュ

 

さらに、貸金庫内に政府のスキャンダル情報が入っていたことで、

警察だけでなく、政府高官やら彼に雇われた元CNI

(スペイン中央情報局)の人物やら軍隊まで登場する始末。銀行の

内外でのてんやわんやぶりは本当に見ものです。

 

●惜しいところ

サンドラがリストラの腹いせと保身のために、ガリシアに情報を

もたらすけれど、それをウルグアイが前もって知っていて、その

ための強盗でもあったとわかるのに、ラストは大団円。彼らの

過去があまりに簡単に描かれ過ぎなのと、他の強盗について誰が

誰かほとんどわからず終わってしまいました。

 

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ハイエナ

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JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

 

ハイエナ

 

「ハイエナ」

原題:Hyena

監督:ジェラルド・ジョンソン

2014年 イギリス映画 112分 R15+

キャスト:ピーター・フェルナンド

     ニール・マスケル

     リチャード・ドーマー

     マイアンナ・バーリング

 

ロンドン市警麻薬捜査班のマイケル達4人は、

押収したドラッグや金を横取りしたり、金と

引き換えに捜査情報を流す汚職警官である。

しかし新たなアルバニア系ギャングが登場し、また

警察内には監察官が目を光らせ始めるのだった。

 

<お勧め星>☆☆☆ 派手なドンパチはありませんが、

まさに非情な世界を描いています。

 

映画内でトルコ系移民ギャングを殺害し、その縄張り

を奪うアルバニア系ギャングの怖さは、メキシコの麻薬

抗争におけるマフィアのそれと寸分も違わないほどです。

 

ハイエナ

 

冒頭クラブに乗り込む4人組の頭に「police」とあることで

彼らが麻薬捜査班のチームだとわかるぐらいで、やっている

ことは暴行、器物損壊、ドラッグや金の強奪など、到底秩序を

守っている人々の行為とは思えません。マイケル、クリス、

キース、マーティンのうち、ボス的存在のマイケルは、独自に

トルコ系ギャングとつるんで、荒稼ぎを計画中...。ところが

そのジェムが、アルバニア人に殺害され、さらに警察署内には

監察官テイラーが登場するし、マイケル1人、チームを変えられ、

かつて裏切った相手デヴィッド警部補の下で動くなんて屈辱を

味わうことになるのです。

 

ハイエナ

 

この裏切りとて、どっちもどっちという感じ。その上、

捜査対象は、今度手を組むことに決めたアルバニア人兄弟。

彼らは東欧からの人身売買、売春に加え、麻薬取引まで手を

広げてきたわけで、マイケルはアルバニア人、デヴィッド、

そして自分も得する方法を考案すると、何とデヴィッドは

土壇場で手の平を返すもんだから、アルバニア人にバラバラ

にされてしまうのです。

 

ハイエナ

 

本当にバラバラ。この残酷さと殺伐としたロンドンの景色が、

映画に一切華やかさを与えず、恐怖感のみ残していきます。

アルバニア人ギャングのもとから救い出したアリアナをマイケル

は友人リサに預けるものの、かつてのチームの1人がマイケルの

所在をアルバニア人に売る。アルバニア人もいったん逮捕された

ものの釈放され、マイケルの帰りを待っている...。

さあ、どうなる?あれ?終わちゃった。逃げたらリサとアリアナ

は殺害されるだろうし、突入しようにも援護はない。うーん、

先が知りたかったな。銃規制が厳しいイギリスだけあって、

殺害方法は刃物が多く、銃を使っているのはマイケルじゃん!

 

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黒の魂

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JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

 

黒の魂

 

「黒の魂」

原題:Anime nere

監督:フランチェスコ・ムンズイ

2014年 イタリア=フランス映画 103分

キャスト:マルコ・レオナルディ

     ペッピーノ・マッツオッタ

     ファブリツィオ・フェッラカーネ

     バルボラ・ボブローヴァ

 

イタリアの巨大犯罪組織が拠点を置く小さな町で

ヤギ飼いをしているルチャーノの息子レオは、対立

する組織を威嚇してしまう。彼はミラノで麻薬の

ディーラーをしている伯父ルイジの元へ向かい、彼に

後ろ盾を求めるのだった。

 

<お勧め星>☆☆☆半 地味ながら心にズシリと来る

映画です。

 

<少しネタバレ>

 

映画の舞台となる南イタリア、カンブリア州は、巨大

犯罪組織「ンドランゲタ」が拠点を置いており、様々な

グループが対立と抗争を繰り返している地域だと知るのは、

映画鑑賞後、ネットで検索してからのこと。だから、なぜ

この町の警察が、偏った犯罪捜査をするのか理解できるの

です。つまりこの巨大犯罪組織が市民生活のすべてを牛耳って

いるのですね。オープニングからスペイン語?で会話する人々

と取引をするルイジが映り、彼がこの映画の主人公である

三兄弟の三男で前科持ちの麻薬ディーラーであるとわかります。

 

黒の魂

 

この役のマルコ・レオナルディは、

「フロム・ダスク・ティル・ドーン3」(2001)の主演

だったらしいけれど、全然記憶に残っていません。

そして次男ロッコはその利益を元手にまっとうな商売をしており、

かなり成功を収めているのがわかるのは、ミラノでの豪邸生活

からです。

一方長男ルチャーノは、地元の町でヤギ飼いをし、平穏に暮らして

います。

 

黒の魂

 

彼らの父親は道端で射殺されたというから、それなりの抗争に

巻き込まれていたのでしょう。地域の特色や人物の背景は深く

描かれませんが、彼らの会話を聞いていると、三兄弟の思いや

彼らの家族の関係が薄々わかって来ます。構図で言うと、

平和な生活を求める長男夫妻、金儲けはするが、犯罪とは極力

関わりたくない次男と、夫の家族やその町を敬遠する妻、

バリバリの犯罪者である三男ルイジという感じでしょうか。

しかしルチャーノの息子レオは、組織というものを無視し、

違う組織から麻薬を買うし、ちょっと頭に来たからと言って対立

組織へ威嚇発砲してしまうのです。だいたい日本でもヤクザの

小競り合いは、末端のアホが暴走し、その後始末を上の方でする、

という姿を映画で見たことがあります。本当にそうなんだろうね。

指のない人たくさんいるもんね。

血の気が多く、怖いもの知らずのレオは、伯父のルイジを頼って

ミラノへ行くわけです。ルイジの存在はレオにとって憧れであり、

田舎でヤギなど飼って暮らす父親など、尊敬の対象になりません。

 

黒の魂

 

そしてルイジが町を訪れ、事を収めようと画策するわけです。

ルチャーノの嫌うドン・ペッペという組織と手を組もうと考える

ものの、報復を恐れたのか、威嚇なのか、ルイジは射殺されるのです。

これは誰がやったんだろう。警察はなぜかルチャーノの母親の

家を家宅捜索する始末。犯人は分かっているけれど、それを口にしたら、

次のターゲットになるし、力のないものは大人しくしているしかない

という世界が描かれます。本当に女子供は、何も知らされないのよね。

まさしく「ザ・ヤクザ」

この映画では射殺シーンが幾つかありますが、まともに映ることは

なく、マフィア映画のような凄惨なシーンや銃撃戦も見られません。

関係者の慟哭や怒りが全てを表しています。

力のある者になびくのは当然であり、レオは親友ペッペの裏切りに

遭うわけです。血で血を洗う抗争。いやそこまではいかないな。

序盤にルチャーノがヤギを放していた海岸を、ラストは、その時彼の

後ろを歩いていたロザリオだけがヤギと共に歩いていきます。

このシーンで全てがわかるのです。無限のループを断ち切るには

これしかなかったのだと。

 

 

 

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キリング・ゾーイ ディレクターズカット版

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キリング・ゾーイ

 

「キリング・ゾーイ ディレクターズカット版」

原題:Killing Zoe

監督:ロジャー・エイバリー

製作総指揮:クエンティン・タランティーノ

1993年 アメリカ=フランス映画 99分 R15+

キャスト:エリック・ストルツ

     ジュリー・デルピー

     ジャン=コーグ・アングラード

     ゲイリー・ケンプ

 

パリへやってきたアメリカ人ゼッドは、ゾーイという

コールガールを買ったものの、部屋訪れた友人エリック

に連れ出される。実はゼッドは金庫破りの達人であり、

エリックの計画する銀行強盗のメンバーだったのだ。

 

<お勧め星>☆☆☆ 暴力、ドラッグ、血しぶきにあふれた

映画ですが、結構上手くできています。

 

製作総指揮にクエンティン・タランティーノの名前がある

もののウィキによると、エイバリー監督とは旧友のよしみで

名前を貸しただけで、実際にはほとんど製作に携わっていない

とのこと。その後2人は仲違いしているそうです。でも映画の

雰囲気は「レザボア・ドッグズ」(1992)ぽくて、暴力、

ドラッグ、銃撃、血しぶきがこれでもかというほど盛り込まれ

ています。ただ残念なのはストーリーに意外性がなかったこと

でしょうか。

前半はパリへ降り立ったアメリカ人ゼッドがタクシーの運転手

に紹介されたコールガール、ゾーイを部屋に呼び、凝ったカメラ

アングルでの映像でゾーイの表情を映します。

 

キリング・ゾーイ

 

そして突然部屋にやって来た友人エリックによって、彼女は全裸で

放り出されるのです。そこからエリックに連れられて他の仲間と

ひたすら酒とドラッグに明け暮れるシーンが延々と続くのです。

ちなみにこの仲間は最後まで顔と名前がくっつきませんでした。

 

キリング・ゾーイ

 

ここが結構長く、またエリックは、かなりのドラッグ中毒であり、

おまけにエイズに冒されているという。彼の自暴自棄感は、その

表情やキレやすい性格に露骨に表れており、自分の意志がないか

のようなゼッドは、彼に勧められるまま、ゲボを吐こうとドラッグ

をし続けます。ラリった雰囲気を出すため、画面がブレたりする

のはよくある手法ですね。「トレインスポッティング」(1996)

に似ていると思ったら、あの映画の方が後だから、実はこの映画の

影響を受けているのかなとも思ってしまう。

そして遂にぶっつけ本番の銀行強盗開始です。大事なことは

フランス語で話すので、何もわからないゼッドは、金庫室に向かう

ものの、エリックはむやみに人を殺していくのです。

 

キリング・ゾーイ

 

強盗のさなかでもドラッグを打たないと行動できないほどの中毒

だから、もう人間凶器そのもの。

「やたらに撃つなよ」計画と全く違っている展開に気づいていながら、

ゼッドはこう言うだけ。ここで完全に主役はエリックになっています。

人質の口にピストルを突っ込み、引き金を引くシーンでは、音と

飛び散った血しぶき、転がる遺体のみが映るだけですが、それでも

そこで何がどうなったかは想像に難くなく、他のメンバーの銃撃と

共に果てしなくかつ、ひたすら破滅へと向かう暴力シーンが映し

出されるのです。

大体下調べもなく、銀行内部の地図と警備員の配置だけ、確認して

決行なんて無謀極まりない。ドラッグで頭のイカれたエリックの

計画に乗る仲間もアホなんだろうねえ。

実は銀行員の中に、ゾーイがいて、彼女が終盤に思わぬ活躍を見せる

けれど、彼女の存在でゼッドが救われるだろうというのは、そこで

読めてしまうのが残念です。ラストに金塊1つでも持ち出していれば、

ちょっと意外性もあったのになあ。ゼッドとエリックの格闘シーンは

スロー映像で、それもまた凝ったものでした。

 

 

 

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冷たい雨に撃て、約束の銃弾を

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冷たい雨に撃て、約束の銃弾を

 

「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」

原題:Vengeance

監督:ジョニー・トー

2009年 香港=フランス映画 108分 R15+

キャスト:ジョニー・アリディ

     シルビー・テステュー

     アンソニー・ウォン

     ラム・カートン

 

マカオに暮らす娘一家が何者かに襲われ、娘以外全員

殺害されたフランス人の元殺し屋コステロは、現地で

知り合った殺し屋に復讐を依頼するが...。

 

<お勧め星>☆☆☆ 香港ノワールそのものの映画です。

音楽や映像も独特です。

 

ジョニー・トー監督の「ザ・ミッション 非情の掟」

「エグザイル/絆」に続く三部作の完結編だそうですが、

悲しいかな前二作は未見。

冒頭、突然玄関ドア越しに銃撃される夫、そして恐怖に

震える妻と子供2人が映ります。この銃撃の絶妙なタイミング

や撃たれたときの血しぶきの飛び方は独特で、時折スロー映像

も入り込み、この監督の個性を表しています。

そして次のシーンでは、元ワルという雰囲気の漂う白人男性が、

瀕死の重傷を負いつつ助かった娘に会うため病院を訪れるのです。

呼吸器をつけた娘が指で指す文字は「復讐して」。父コステロは

必ず復讐すると誓いますは、なんせ、ここはマカオ。

シャンゼリゼ通りで料理店を営むコステロは、かつては殺し屋

だったけれど、20年ほど前に足を洗っているらしい。復讐相手

はどうやって捜すのか?復讐の方法は?と思っていると、なんと

同じホテルで、それも同じ階で殺し屋三人組とばったり出会う

のです。

 

冷たい雨に撃て、約束の銃弾を

 

この三人組はクワイ(アンソニー・ウォン)、チュウ

(ラム・カートン)、フェイロク(ラム・シュー)で、香港映画

ではおなじみのメンツ。彼らと契約したコステロは、実はかつて

頭に受けた銃弾がまだ頭に残っていて、その後遺症で記憶障害が

起きているというのです。

「支払いを忘れたら教えてくれ」

コステロかっこいいぜい!

 

冷たい雨に撃て、約束の銃弾を

 

でも思いのほか記憶障害が早く進み、犯人捜しに向かった香港で、

三人とはぐれてしまう。だから写真を撮って名前を書いていたのね。

さらには「復讐」することすらも忘れていく。こんな時は、お金を

奪っておさらばすればいいのに、そこは「契約」したから最後まで

仕事をこなす、という極めて男気のある殺し屋なんです。おまけに

復讐する相手の黒幕が、なんと自分たちのボスであるとわかって

しまう。

 

冷たい雨に撃て、約束の銃弾を

 

香港に渡る前に、クワイの従弟の住む荒野で入手した銃を使って、

一台の自転車に向けて全員が発砲すると、自転車はどこまでも

走り続ける。このシーンは彼らの行く末を描いているようです。

またここにあるゴミを押しつぶして作ったようなキューブを盾に

繰り広げられる三人と何人いるかわからないほどの数のフアンの

手下との銃撃戦は、絶対的に不利な状況下で怪我を負いながら、

震える手で煙草に火をつけ、再び銃撃を開始する三人の最期が

壮絶に描かれます。

乙武氏に似たルックスのフアンには、なかなか弾が当たらないのよ。

ラストはインチキしてフアンであることを隠したことに気づいた

コステロが、追い詰めたフアンに一言。

「Is this your jacket?」そりゃそうだ。ジャケットに空いた銃弾の

穴とフアンの体の銃の跡が一致しているもの。

とどめを刺したコステロは、最後のシーンでは子供たちと笑って

います。クワンたちの子供だと思うんだけど、きっと彼も子供に

戻ってしまったんだろうね。

 

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RULE ルール 無法都市

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JUGEMテーマ:アクション映画全般

ルール

「RULE ルール 無法都市」
原題:Sinners and Saints
監督:ウィリアム・カウフマン
2010年 アメリカ映画 103分
キャスト:ジョニー・ストロング
トム・ベレンジャー
コスタス・マンディロア
ショーン・パトリック・フラナリー

元兵士で、現在ニューオリンズ警察の警察官を
しているショーンは、ある捜査で相棒を失い、
さらに数々の問題行動を上司から注意されている。
そんな時残忍な殺人事件が起き、彼は殺人課のウィル
と共にその捜査を任せられるが...。

<お勧め星>☆☆☆ もうど派手な銃撃戦の連続。
まさに無法都市です。


エンドロール後半に、現在アメリカを代表する銃器や
その装備メーカーがつらつらと出てくる辺りは、マニア
にはたまらない銃が大量に使用されていることを物語り
ます。ピストルにとどまらず、10連発だの30連発だのの
自動小銃も頻繁に登場します。こんな映画を作るのは
アメリカならでは、いやメキシコも南アフリカもあるな。
とりあえず日本では作れません。

主人公のショーン・ライリーは、元特殊部隊の兵士であり、
今はニューオリンズの路上犯罪課の警官をしているのです。
過剰攻撃はすさまじく、冒頭の銃撃戦で、相棒が撃たれると
相手の銃の弾倉が空であると知っていながら至近距離で
バンバン撃ちまくります。これは兵士時代の過酷な経験の
PTSDからかと思うほど。そしてめっちゃ銃の扱いが上手い。
しかしそこには、幼くして白血病で亡くなった息子やそれが
原因で彼の元を去った妻との悲しい記憶が起因している
らしい。


ルール

そんな時新聞記者の一家全員が殺害され、その記者は、油を
かけられ点火→消火器で消火→再び点火という極めて残忍な
方法で殺害された遺体となって発見されます。この遺体は
幾度となく映し出され、さらには、銃撃の時の血しぶきは派手に
飛散するので、この手の映像が苦手な方は要注意。
そしてこの事件を担当するよう上司に言われ、新しい相棒ウィル
を迎えるのです。ウィルは、妻子に恵まれ、信心深い善人。
こちとら、独り身だからもうやりたい放題さ!


ルール

ショーンは撃って撃って撃ちまくります。
さらにその事件にどうやら、昔なじみのコリンが絡んでいると
気づくと、もう暴走アンストッパブル状態。


ルール

一番かっこよかったのは、最初に殺された新聞記者の兄で
麻薬ディーラーのウェドに、瀕死の犯人を引き渡すシーン
です。
「撃てよ、ショーン!」
と言うウィルの言葉に耳を貸さず、倒れた犯人の胸に弾丸を
1つ置き、到着したウェドに目配せします。
「同じ目に遭わせてやる」
ウェドはそう言っていたな。これからあんなことや、こんなこと
をされるのかな。それを知ってとどめを刺さなかったショーン
はかっこいいぜ!でも警官としてどうなんだろうね。
ストーリーは特に心に残りませんが、銃撃戦のお好きな方には
お勧めです。あくまでも映画なんで。




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キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン

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JUGEMテーマ:洋画

キャッチミーイフユーキャン

「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」
原題:Catch Me If You Can
監督:スティーヴン・スピルバーグ
2002年 アメリカ映画 141分
キャスト:レオナルド・ディカプリオ
     トム・ハンクス
     クリストファー・ウォーケン
     マーティン・シーン
     エイミー・アダムス

1960年代、フランクはパイロット、医師、弁護士と
身分を詐称し、世界各地で小切手偽造事件を起こしていた。
FBI捜査官カールは、そんな彼を徹底的に追うのだが...。

<お勧め星>☆☆☆半 軽快なストーリーとポップなBGM
で楽しく見られます。


最近悪役が板についてきたレオ様が、まだ童顔の残る顔で
悪役をこなしています。悪役といっても誰かを殺したり、
傷めつけるわけではないので、にこりと笑うと憎めない
んだなあ。ただこの映画は、明らかに男性目線の映画であり、
女性はぞんざいに扱われている気がします。多分男たちの
心のつながりを描きたかったのでしょう。
映画は実話に基づいており、その本人が原作本の執筆にも
携わっていたとのこと。今は結婚して3人の子供を持ち、
幸せに暮らしているというから、アメリカって自由でいいな
と実感します。

さて、1963年ニューヨーク州で、クリストファー・ウォーケン
演じるフランク・W・アバグネイルが、ロータリークラブの
会員となる名誉にあずかるパーティーに出席しています。
隣には、妻ポーラ、息子フランクJr.もいて、これが人生の
絶頂期だと感じるのです。家に帰って夫妻でダンスをしていると
妻がカーペットのこぼしたワインのシミが広がっていく...。
この不吉な予兆通り、夫は脱税容疑で家も車も失ってしまう
のです。転校先の高校で代理教師の真似をしてしまうフランクは
既に詐欺師の才能があったのですね。さらに、母ポーラは、父
の親友でロータリークラブの会長と浮気をしている模様。離婚
の話を聞いたフランクは家を飛び出すのです。誕生日にもらった
小切手帳を持って。でもね、当たり前だけど、小切手ってある意味
信用取引だから、何の肩書きもない人物は利用限度枠があるし、
17歳の少年の小切手などすぐに不渡りになってしまいます。
そこでフランクは考えたのですよ。

「きゃー、パイロットさん、サインして!」
などと騒がれているパイロットの制服姿の人々を見て、あれなら
いけると。


キャッチミーイフユーキャン

パイロットの制服を着た途端、信用がアップしたし、女性にも
モテ始める。もちろんコックピット内に搭乗するという無料の
方法で初フライトを体験します。彼は本当は賢いのでしょうね。
パイロットの知識をとことん頭に入れるし、その過程で銀行員
の女性を口説いて小切手についても詳しく情報を得るわけです。
一方彼を追うのがFBI捜査官カール・ハンラティ。トム・ハンクス
がよく似合っています。


キャッチミーイフユーキャン

FBIの中でも地味な職場で、真面目に小切手詐欺を捜査し続けます。
ハリウッドのモーテルでは、見事フランクとご対面するわけですが、
ここはフランクの機転の利いた嘘で逃げられます。もう天性の才能
としか言いようがないな。
ただフランクはまだ未成年であり、父を強く慕っているのです。
それは父に頻繁に手紙や電話で連絡を取るところからも伺えます。
フランクは父と母が復縁できるとずっと思っていたらしい。その
辺りはまだ幼いなと実感。それぞれの心の中、もちろん男性の心
の中が上手く描かれていきます。


キャッチミーイフユーキャン

アトランタでは医師と名乗り、ナースのブレンダといい仲に
なっちゃう。ブレンダ役のエイミー・アダムスの矯正具をつけた
笑顔がお茶目です。


キャッチミーイフユーキャン

でもここでもブレンダはオツムが弱いように描かれます。父は
地元で検事をしており、有力者とわかるとフランクは、今度は
自分は医師であるとともに弁護士でもあると言い始めます。
これは医師であるという嘘がバレ始めたからからなのか、それ
とも本当にブレンダと結婚したくて、彼女の父親に認めてもらい
たかったからなのかわかりません。ただ、この資格だけは本物で
2週間勉強したら合格したんだって、へ〜、簡単なのね。

ラスト付近の飛行機から脱出を図るフランクの姿は、彼が参考
に見ていたスパイ映画007そのものです。映画内では懐かしい
ショーン・コネリーのボンドが見られます。
フランクは今もFBI金融犯罪課で見事な仕事をしているそうで、
やっぱりアメリカって自由だなと実感します。




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