ダマスカス

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JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

 

ダマスカス

出典:IMDb

 

「ダマスカス」

原題:Damascus Time

監督:エイブラハム・ハタミキア

2018年 イラン映画 113分

キャスト:ババク・ハミディアン

     ハジ・ヘジャジファー

     リース・モフティ

     ピエール・ダハー

     カレッド・アルサイド

 

2011年、ISISに包囲されたシリアのパルミラから

難民を避難させるため、イラン人パイロット、アリと

父親ユネスが現地へ向かう。無事に離陸も成功したものの、

難民の中に潜んでいたISIS戦闘員の脅迫によって、彼らの

飛行機はパルミラに引き返すことになるのだった。


<お勧め星>☆☆☆半 ジャケットのようなB級アクション

ではなくまじめに丁寧に作られた映画です。


殉教の意味


ISIS「イスラム国」がシリア内戦の混乱に乗じてシリア、

イラクを2011年に包囲し、世界制覇を目指すことを掲げ、

次々に支配地域を広げたいったことは、毎日のように報道

されるニュース等で何度も見たものです。黒ずくめの戦闘員が

武器を抱え行進していく映像は明らかにISISの宣伝映画に

すぎないと気づくのに結構時間がかかりました。それまでに

外国人にとどまらず、日本人ジャーナリトなどがISISに

拘束され、斬首されたことも記憶に新しいです。その映像が

ネットで全世界に広まり、それはISISへの恐怖心を植え付ける

のに大きな力を持ちました。しかし実際にはかなり演出されて

いて、戦闘員の中に映像関係に詳しい者が存在したことも後に

わかっています。その辺りもこの映画では少しだけ描かれて

いるのです。
まず、この映画はイラン製作であるため、ISISに包囲された

地域の人々に最も早く空から物資を投下したのイランだったと

最初に語られます。欧米視線での映画しか見たことがなかった

ので、この話は初めて耳にしました。その後もISISに対する

視点は当然ながらイランのそれであり、途中援護に来るのが

ロシア軍だったり、そもそもアリたちが飛び立ち戻ってくる

空港がダマスカス空港であること(シリア)にも驚くのです。

欧米視点の映画ならISIS+シリア軍、ロシア軍は敵になるはず

ですよね。ISISに対しては欧米と協調して戦うという話でしたが、

そのつながり方があまりに複雑で何度読んでも理解できません

でした。
ダマスカス空港からISISに包囲されたパルミラに向かい、そこに

いる難民を避難させるため飛行機を操縦するために、ユネスと

アリ父子が向かいます。このユネスは既にパイロットを引退して

いるのですが、あまりに危険な任務であるため、息子を解任し、

自分で行こうとするわけです。このユネスの身の上を聞くと、

イラン・イラク戦争、ボスニア紛争、イラク戦争、レバノン内戦

と常に戦争に参加しており、アリは家での父の存在をほとんど

見たことがなかったらしい。「戦争」が日常に存在する国に

生まれ、常に危険と隣り合わせでいることはどれほどの苦痛を

人間に与えるのでしょうか。それは当人だけでなく、家族へも

大きな影響を及ぼします。
パルミラから無事に難民を避難させ、飛行機が離陸したものの、

その中には囚人や戦闘員(どこかの部族の長らしい)がおり、

その戦闘員が突然襲ってきます。パルミラから離陸するだけ

でも派手な爆発や銃撃シーンがあったのに、それはあくまでも

プロローグにすぎません。

 

ダマスカス
出典:IMDb

 

それでもこの戦闘員は、本当の意味でのISISではないようで、

コーランへの誓いを守ろうとしますが、パルミラで待っていた

本当のISISは非情です。「取引など裏切り」と言い放ちパッと

部族長の首を撥ねるのです。

 

ダマスカス

出典:IMDb

 

コロコロ転がる頭は偽物とわかっていてもきっとこういう行為が

日常茶飯事だったんだろうと思ってしまう。その後は何度も見た

オレンジの囚人服に着替えさせられたヨネスやアリたちが映ります。

ここで少年兵を使い大きななたを持たせて宣伝用の映像を撮影

するのです。少年兵はどこから来たんだろうか。

これを見るとアフリカでの宗教や部族間の争いに利用される

少年兵や、南米で麻薬取引に利用される少年少女を思い浮かべて

しまいます。
「灼熱の魂」(2003)の1+1=1というあり得ない結果を

生み出すことも必ず起きるはずでしょう。

 

ダマスカス
出典:IMDb

 

航空機が火を噴くシーンなどはかなり安っぽく感じますが、

ストーリーはしっかり作られていて、親子の愛情も感じ取れます。

そしてラストには必ずその選択しかないと気づくはずです。
美しかったパルミラ遺跡はいつかは元の姿を取り戻すのでしょうか。

 

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ヘル・フロント 地獄の最前線

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JUGEMテーマ:洋画

 

ヘルフロント

出典:IMDb

 

「ヘル・フロント 地獄の最前線」

原題:Journey's End

監督:ソウル・ディブ

2017年 イギリス映画 108分

キャスト:サム・クラフリン

     エイサ・バターフィールド

     トビー・ジョーンズ

     トム・スターリッジ

     スティーブン・グレアム

 

1918年春、フランス北部でドイツ軍と睨み合う

イギリス軍スタンホープ大尉率いる部隊へローリー少尉

が赴任する。ローリーは旧知のスタンホープとの再会を

喜ぶが、戦場はあまりに過酷なものだった。


<お勧め星>☆☆☆半 戦争の現場での悲惨な状況を若い

将校の視線で描いています。


攻撃計画と夕食の献立


第二次世界大戦前やその戦争中の状況を描いた映画は数多く

見てきましたが、第一世界大戦についての映画はほとんど

見たことがありません。1914年7月28日から

1918年11月11日にかけて連合国(フランス、イギリス、

ロシア、日本、イタリア、アメリカ、ベルギー等)と

中央同盟国(ドイツ、オーストリア=ハンガリー、オスマン等)

が交戦したもので2000万人近い犠牲者を出した戦争です。
1930年映画「西部戦線異常なし」ははるか昔テレビの

ロードショーで見た記憶があり、そこでのリアルな戦場の

描き方にただただ恐怖を覚えただけでした。

「大いなる幻影」(1937)

「武器よさらば」(1957)
「レッド・バロン」(2008)は題名のみ知っているだけで

未見です。
この映画は第一次世界大戦末期、1918年3月のドイツと

膠着状態にあるイギリス軍の姿を描いています。鍋の蓋のような

粗末なヘルメットをかぶり、ぬかるんだ塹壕に隠れている

イギリス兵はいつ侵攻してくるかわからないドイツ軍を

「ただ待っていた」のです。この「待つ」という行為がいかに

人間の心をむしばんでいくか、それはアルコールに溺れた

スタンホープ大尉に始まり、かすかな物音に体を震わす兵士にまで

現れています。夜昼の区別なく緊張を強いられ、帰還命令が

出されることはなく、怪我をして担架に乗った時にようやく

故郷に戻れるという絶望的な状況は、戦争の違う側面を映して

いるようにも思えるのです。

 

ヘルフロント
出典:IMDb

 

そしてそのスタンホープ大尉率いる部隊にラーリー少尉が

志願してやって来ます。ここはセリフでしか語られませんが、

ラーリーは大佐の甥であり、スタンホープは彼の家に仕える

身の上で、彼の姉マーガレットと恋仲だったようなのです。昔は

3人でよく遊んだと語るローリーの言葉を遮っていく

スタンホープは、今の身の上を知られたくないらしい。派手に

戦果をあげて昇進した過去とは違い、今は塹壕にこもり酒浸りで

指示を下すだけの日々を送っているからです。

 

ヘルフロント

出典:IMDb

 

それでも副官のオズボーン中尉が彼を何とか支えていたのですが、

上層部の指示でドイツ軍に急襲をかけ捕虜を連れ去り、侵攻する
情報を聞き出す任務が下されます。それに参加させられるのは

将校2名と兵士10名。急襲するために必要な準備期間より、

その結果の報告をする夕食会の日程が優先されるというあまりに

非情な命令です。
これが戦争なのです。戦地の前線で戦う兵士はコマの1つに過ぎず、

それを現場で指揮する者は、遠く離れた安全な場所で好物を

食べながら作戦を練る上層部の指示に従うしかないのです。
また急襲することは、明らかにドイツ軍の反撃を呼ぶことは間違い

ないのに、援軍、武器の補強はなく、撤退もないと言われる。

つまりここで死ぬことが決定したことにほかなりません。
スタンホープに会いたくて入隊したラーリーも少しずつ現場の

過酷さを実感していき、さらには急襲作戦のメンバーになった

ことで、初めて「戦争」「死」を体感することになります。

作戦は成功したと言えるのでしょう。しかし聞き出せた情報と

失った命が同じ重さであるとはどうしても思えないのです。

 

ヘルフロント
出典:IMDb

 

その後予想通り起こる戦闘風景は、ぬかるんだ塹壕に頭を隠して

いても、銃弾がヒュッヒュッと容赦なく兵士を襲い、爆発が起き、

仲間が次々と倒れていきます。そういえばこの塹壕も、フランス兵の
遺体をそのまま埋めて作り上げたと序盤に語っていたことを

思い出しました。
彼らは何のために戦うのか、領土のため、民族のため、信仰のため、

ひいては自国への愛国心のため。しかしそのどれをとっても

「戦争」を正当化する理由は1つもなく、いとも簡単に口にすべき

言葉ではないと心から思うのです。

 

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ザ・ハント ナチスに狙われた男

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JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

 

ザ・ハント

 

「ザ・ハント ナチスに狙われた男」

原題:Den 12th mand

監督:ハラルド・ズワルト

2017年 ノルウェー映画 135分

キャスト:トーマス・グルスタッド

     ジョナサン・リース=マイヤーズ

     マリー・ブロックス

     ベガール・ホール

 

1943年、イギリス軍に訓練されたノルウェー人

12人が、ノルウェー占領中のドイツ軍への破壊工作

のため、母国への上陸を試みる。しかし寸前でドイツ軍

の攻撃を受け、ただ一人を残して捕まってしまう。逃亡に

成功したヤンは、仲間と合流するためトロムソーへ

向かおうとするが...。


<お勧め星>☆☆☆半 とにかく寒いシーンが多い。

しかしノルウェーという自国のために行動した人々の

姿が気高く映ります。


あなたが生き残ったことに意味がある


北極海の水温はどのくらいだろうと思って調べてみると、

だいたい−2℃程度らしい。映画で幾度となく登場する

あの海水は、それはそれは冷たいわけで、そこに浸かって

いたらあっという間に低体温になってしまうはず。

ちなみにその海水にプカプカ浮かんでいる氷の場合、

塩分は約1%なので、氷から溶けた海水は飲むことが

できるそうです。しかし漂流したとしても渇きよりも冷えで

命を奪われそうな気がしますね。
1940年4月。占領下のノルウェーを拠点とした

ドイツ軍は、極北侵攻を進め、連合軍は苦戦を強いられて

いたのです。ドイツがノルウェーを占領下に置いた大きな

目的は、鉄鉱石の輸出入で友好的な関係にあった

スウェーデンへの航路確保のためであり、映画内で

「中立国スウェーデン」と幾度となく出てくるように、

スウェーデンは武装中立を厳守しつつ、連合国側への配慮から
偽装開戦準備をするという複雑な状況下にあった模様。

1943年、イギリス軍の訓練を受けた12名のノルウェー人が

「マーティン・トッド作戦」のためノルウェー上陸を試みるも

失敗し、ヤンを除く11名がドイツ軍捕虜となります。

1名はその場で射殺。

 

ザ・ハント
 

このシーンは、逃亡中にヤンがうなされながら見る悪夢や

終盤に「なぜ失敗したのか」を遡って回想する時に描かれ、

完全武装したドイツ軍に対し、ポンコツの漁船に乗った

12名がにわか兵であったことが即座にわかります。

作戦遂行のために漁民に扮していたのでしょう。
そして辛うじて逃亡できたヤンは、とにかく凍った海水に

浸かり、冷たい風を受け、雪にまみれ、つららが落ちて

くるような場所を移動し続けるのです。その上ドイツ軍の

銃弾が雨あられのように襲い掛かります。

本当に寒いんですって。
「ノルウェー人にも寝返る者がいる」と語られるように、

スパイをする者もいれば、ナチスに入り、ドイツ軍と一

緒に活動する者もいます。彼らは戦後どうなったんだろう。
しかし大半のノルウェー人は、自国に誇りを持ち、占領された

ことを怒り、「ドイツ軍はオーロラさえ盗むのか」と

自虐的に語るのです。

 

ザ・ハント
 

極限状態に近い過酷な自然環境の中、ヤン以外の捕まった

メンバーの姿とヤンの逃亡風景が映り、捕まったへ側の容赦ない

拷問の光景には思わず目を背けてしまいました。またヤンも

最初に銃弾を足の指に受けそれが化膿し、壊疽を起こして

いるので、自ら銃弾を抜くために指を切り落としていくのです。

ああ、これこそ痛い。
一難去ってまた一難という感じで、ヤンには不運が次々に襲い

掛かります。しかしそこに必ず支援する人々が存在するのです。

 

ザ・ハント

 

積極的に抵抗するのではなく、大人も子供も極めて静かに

それでいて強い意志を持って抵抗を続けると、その目的は必ず

達成できるような思いにもなります。そうであってほしい。
一方のナチスドイツのシュターゲ司令官は必ず反逆者を捕まえて

きた誇りから、執念でヤンを追い続けるのです。ヤンを

スウェーデンまで向かわせたい名も知れないノルウェー人と

シュターゲ司令官。もう手に汗を握る展開なんですよ。

 

ザ・ハント

 

雪原での徒歩の移動から始まり、スキーで滑れば雪崩を起こされ、

ソリで山頂付近に移動すると、受け入れ側との手違いが生じます。

ああ、またしても寒い。
なんて寒い映画なんだろう。まつ毛は凍り、髪の毛に雪がまとわり

つき、唇はがちがちと震え続ける。それはラスト付近まで続き、

ようやく...と思ったら再び雪の中へズボッ!!この辺りの展開は
実話ベースながらフィクションが多く入っているような気もしました。
ヤンがなぜ冒頭に片足だけ靴も靴下もなかったのかを回収する

映像を見ると、その時から彼は不運が続き、その不運の連続と

同時に幸運にも恵まれていたのだと思っています。

 

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ザ・ウォール

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ザ・ウォール

 

「ザ・ウォール」

原題:The Wall

監督:ダグ・リーマン

2017年 アメリカ映画 90分

キャスト:アーロン・テイラー=ジョンソン

     ジョン・シナ

 

2007年、イラク戦争終結後、復興支援に

向かったアメリカ軍の中で、アイズとマシューズは

何者かによって狙撃されたある村の偵察にあたる。

アメリカ兵の遺体が横たわる村を監視して20時間が

たち、マシューズが安全チェックに向かうとどこからか

飛んできた銃弾を受けてしまう..。


<お勧め星>☆☆☆ とても地味な映画なのですが、

その中に織り込まれたメッセージが強く伝わります。


その壁はかつて学校だった


「ザ・ウォール」という題名を聞くと、どうしたって

思いだすのが「グレートウォール」(2016)です。

マット・デイモン主演で大々的に宣伝したものの見事に

大コケを果たしましたが、監督はチャン・イーモウなん

ですよね。「初恋のきた道」(1999)

「あの子を探して」(1999)はどちらも大好きな映画で、

特に「初恋のきた道」なんて、チャン・ツィイーの

愛くるしさに涙が溢れてしまいました。

 

初恋
 

その監督が怪獣スペクタクルアクション映画を製作するとは

まさか、まさかです。これ以上は言いません。
こちらの壁は文字通り「壁」なんです。とはいえそこは砂漠の

真ん中にあり、数名のアメリカ兵が狙撃されて遺体として

周りに横たわっています。それを20時間も遠くから偵察

しているのが、アーロン・テイラー=ジョンソン演じる

アイズとジョン・シナ演じるマシューズで、砂にまみれ

どっちがどっちかわからない。

登場人物で動いているのはラスト付近をのぞくとこの2人

のみです。極めて地味なんです。マシューズは業を煮やして

安全チェックに向かうと、どこからか狙撃されてしまう。

 

ザ・ウォール

 

そして助けに向かったアイズも脚を撃たれるのです。なぜか

2発撃たれるのには訳があって、水筒と無線機のアンテナを

破壊したかったらしい。そこまでできるのか!いや伝説の

スナイパーをモデルにしているから百発百中でないといけません。

 

ザ・ウォール
 

アイズは命からがら壁の向こうに隠れるわけですよ。すると

無線機から英語が聞こえてきて、それがどうも訛りがあるの

です。そう、狙撃手と同一人物なんですね。それは早々に

わかり、アイズと狙撃手との地味な攻防が始まるわけです。

 

ザ・ウォール

 

会話の端々にイラク戦争への批判が盛り込まれていて、

イラク側からすると、終わった戦争ならなぜ何度もアメリカ軍

が来て民間人をも攻撃するのかと言う。全員がテロリスト

なのかと問う。逆にアイズはなぜテロを起こしたのかと

言いつつ、自分自身が幾度もイラクに来るのは、故郷に

戻りたくないからだと語るわけです。つまり自分のせいで

亡くなった同胞がいて、そのために町には居場所がないと言う。
この壁がかつて学校であり、そこには子供たちが楽しく学び

遊んでいたのに、それを壊したのはアメリカ軍であり、そこに

インフラ整備を行うためにアメリカ軍がやって来るというのは、

やはり不毛な行為としか思えないのです。破壊しておいて

再建する。それで全てが元通りになるはずもない。
ラスト付近にわかる真相を知ると、ここでの出来事は、

今イラクで起きている様々な戦闘行為を例えているのだと

実感するばかりでした。

 

 

 

 

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アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場

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アイ・イン・ザ・スカイ

 

「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」

原題:Eye in the Sky

監督:キャビン・フッド

2015年 アメリカ映画 103分

キャスト:ヘレン・ミレン

     アーロン・ポール

     アラン・リックマン

     バーカッド・アブディ

     ジェレミー・ノーサム

 

イギリス軍のパウエル大佐は、ケニア、ナイロビ

にいるテロリストの捕獲作戦を指揮していた。

しかし彼らのアジトで自爆テロの準備が行われて

いることを知り、無人機によるミサイル発射を

決行しようとするが...。


<お勧め星>☆☆☆半 よくできた映画だし、俳優陣

の演技も素晴らしいです。でも現実はもっと冷酷

だろうと思う。


戦争において正義などない


無人偵察機「空の目」で標的を追い、特定できたら

遠く離れた国から遠隔操作のドローンでのミサイル

発射ボタンを押す。目の前には破壊された光景が広がる。

そんな映画は、イーサン・ホーク主演の

「ドローン・オブ・ウォー」(2014)で描かれて

いました。あの映画では、その無人機のパイロット

(実際に乗っているわけではない)が心を病み、家族を

失っていく様を絶望的に映し、戦地で直接戦うこと

なくして人間の命を奪うことは、直接戦ったことと同じ

意味を持つと訴えていたように思います。

 

アイ・イン・ザ・スカイ
 

アイ・イン・ザ・スカイ

 

アイ・イン・ザ・スカイ

 

この映画では、いわゆる「キル・チェーン」つまり、

パウエル大佐指揮下のイギリス軍の対テロリストチーム、

国家緊急対策委員会、アメリカの空軍基地、アメリカ政府

などが共に標的排除に向かう姿を描いています。実際に

発射ボタンを押すのはネバダ州の空軍基地にいる若い軍人で

あり、男性は学生ローンの返済のために働いている。笑顔で

軽口を叩いていられたのは映画の序盤ののみです。

 

アイ・イン・ザ・スカイ
 

「捕獲作戦」だったはずが、ケニアでの「鳥の目」そして

「虫」により標的の家で自爆テロの準備が進められている

ことがわかると、パウエルはこの後必ず決行される惨劇を

防ぐと共にテロリストを排除する絶好のチャンスと捉える

のです。しかしたまたまその家の前で少女がパンを売り

始めてしまう。この少女を巡って、攻撃することに法的、

政治的に問題がないか各部門での判断が分かれてしまう。

一人の少女を救うか、テロによる犠牲者を防ぐか。命の

価値は同じとはいえ、そこに持ち出されるのは、その

攻撃が世界から非難されないか、民間人の死でテロリストに

「大義」を与えてしまはないかなどという全く異なるレベル

の話なのです。

 

アイ・イン・ザ・スカイ

 

アイ・イン・ザ・スカイ

 

これらが、テロリストのアジトの内部カメラ、「空の目」

から見た少女の姿、そして遠く離れた場所で決定権を話し

合う軍人や政治家を次々に映し、こちらの緊張は高まる

ばかりです。こういう戦争はもうとっくの昔から始められ

ていて、映画になってようやく知るというのも恐ろしいし、

実際はもっと冷酷で、目的のためには手段を選ばず、犠牲

への配慮などみじんもないに等しいのではないかと思って

しまいました。その辺りはナイロビで英米軍のスパイの

ような行為をさせられる現地人の扱い方からも伺えます。
「付随的損害の推測値」なんて、ただの計算上の数に

過ぎないことは誰だってわかるというもので、それは

いくらでも自国の有利な値に変えることもできるのです。
とてもよくできた映画ですが、やはり戦争映画は見終わって

気分が良くないです。そしてこの映画がベンソン中将役の

アラン・リックマンの遺作となってしまったことは本当に

残念です。

 

 

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ハクソー・リッジ

4

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ハクソー・リッジ

 

「ハクソー・リッジ」

原題:Hacksaw Ridge

監督:メル・ギブソン

2016年 アメリカ=オーストラリア映画 

139分 PG12

キャスト:アンドリュー・ガーフィールド

     サム・ワーシントン

     ルーク・ブレイシー

     テリーサ・パーマー

     ヒューゴ・ウィービング

 

 

第二次世界大戦末期、信心深いドスは、武器を

持たない衛生兵として沖縄に到着する。そこで

繰り広げられる熾烈な戦闘の中で、彼は傷ついた

兵士を救うために力の限り行動するが...。


<お勧め星>☆☆☆ よくできた映画ですが、最後

まで違和感が消えませんでした。


もう一人助けさせて


映画の公開前日6月23日が「沖縄慰霊の日」であり、

この映画の宣伝において「沖縄」と明示したものを

ネット以外では目にしなかったのは、もちろん遺族や

被害者への配慮があってのことだそうです。いやそんな

配慮はいらないから、はっきり宣伝して日本人がどう

受け取るか、その反応を見ればよかったと思う。

 

ハクソー・リッジ

 

「ハクソー・リッジ」は沖縄浦添城址跡の南東にある

「前田高地」という150mの断崖絶壁であり、上陸

したアメリカ軍が苦戦を強いられた場所です。そもそも

沖縄戦は、本土決戦の礎として、連合国側から

「アイスバーグ作戦」と名付けられたものであり、

大戦末期の日本軍が死闘を繰り広げた場所なのです。

沖縄に行って青い海を美しいと思い、三線の音色を耳に

しながら泡盛に酔いしれているだけではなく、必ず

南部戦跡に足を運んでほしい。どんな状況だったのか

この目でしっかり見てきてほしい。
さて、映画はこのような日本側の状況は一切描かれず、

前半はデズモンド・ドスという1人の男の生い立ちから

語られます。そこには、彼の父が先の大戦で仲間を失い

酒浸りとなっていること、子供たち、つまりドスとハルに

暴力をふるうこと、また敬虔なキリスト教徒(その中でも

特にセブンス・アドベンチスト派という異端)で、安息日

を厳守することがわかるのです。とはいえドスはちゃっかり

一目ぼれしたドロシーとデートしたりしてなんだか

中途半端に進みます。
そこで急にドスは良心的兵役志願兵として入隊するのです。

理由は「真珠湾攻撃を知って戦うべきだと思ったから」

ここで彼の言う「戦う」の意味がわからない。召集ではなく、

志願であり、入隊すれば銃をもって訓練するに決まっている。

軍隊は戦うために存在するのでしょう?守るためであっても

武器をもって対抗するでしょう?
さらには戦地に向かえばそこには、敵と味方しかおらず、

最終目的は「敵を倒すこと」以外にないと思うのです。
中盤、訓練において武器を持つことを拒否したドスは軍法会議

にかけられ、父の口添えもあって、「武器を持つことの拒否権」

の存在を認められるのですが、仲間から浮いてしまうのは

当たり前なのです。
キミの目的はいったい何なのか?

 

ハクソー・リッジ
 

沖縄におけるすさまじい戦闘とおびただしい犠牲者の姿の中で、

ドスは武器を持たず、衛生兵として、負傷者を救い出すことに

専念します。映画内ではごく短い時間に行われたように思え

ましたが、実際はもっと長い期間の功績だそうで、

そりゃそうだ、と納得。
一応傷ついた日本兵を救うシーンも入れるという配慮もあります。

つまり救える命を救うことが使命と考えたのでしょうか。
彼が75名の兵士の命を救ったことで良心的兵役拒否者として

初めて名誉勲章を獲得したと字幕で流れ、存命時の本人、弟、

上官の言葉も流されますが、どれも心に残りません。
彼が銃を持たなかったにしても、この戦争で散っていった命は、

彼が救った命の1つ1つと全く同じ価値であり、そこまで

想像力を働かせたら、このような映画に満足などできるはずも

ないのです。いや視点が違うと考えるべきか。
もちろんこの映画はよく作られていたと思います。

「神様、もう一人助けさせて」

と自らの危険も顧みず負傷者のもとに向かったドスには、その

時点で神が宿っていたのかもしれませんね。キリスト教徒でない

のでわかりません。

 

ハクソー・リッジ

 

ドスの所属する隊を率いるグローバー大尉役はサム・ワーシントンで、

前よりもイケメンに感じました。

 

 

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ダンケルク

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JUGEMテーマ:洋画

 

ダンケルク

 

「ダンケルク」

原題:Dunkrik

監督:クリストファー・ノーラン

2017年 イギリス=アメリカ=フランス=オランダ映画 

106分

キャスト:フィオン・ホワイトヘッド

     トム・グリン=カーニー

     トム・ハーディー

     キリアン・マーフィー

     ハリー・スタイルズ

 

1940年、ドイツ軍は、イギリス、フランス軍をフランス

北部のダンケルクへ追いつめる。イギリス首相チャーチルは、

ダイナモ作戦と称する兵士救出作戦を指示するが...。


<お勧め星>☆☆☆ IMAXで観たらまた感想が違っただろうか。


戦争に英雄など存在しない


映画の予告編が劇場やテレビで幾度となく流され、CGなしの

実写(IMAXカメラ)であると知っていたものの、2D上映の

近場の劇場にて鑑賞。
この映画を見た途端、夏頃Blu-rayにて鑑賞した

「ヒトラーの忘れもの」(2015)を思い出してしまった。

砂浜なんですよ。場所は全く違うし、時期も第二次大戦終結直後の

話なのに、砂浜がその映画と被ってしまう。あの映画では、

一度はナチスドイツ軍に占領支配された地域に、元の住民が戻って

きて、敗戦国となったドイツ軍兵士を捕虜として、砂浜に

埋められた地雷の除去にあたらせるというものでした。

終戦間際に召集されたのは14,5歳の少年がほとんどであり、

その多くが生きて祖国に戻ることができなかったのです。
戦争は勝敗によってその立場が一気に変わり、勝者にまわった途端、

自分たちがされたことと同じく、いやそれ以上のことを敗者に行って

しまう。また戦時下の極限状態では、たとえ同胞であっても、

見捨てたり、裏切ることさえいとわない者も現れてしまうのです。

人間の本質をあぶりだすかのような行為かもしれません。
さて、この映画では、海岸(1週間)、海(1日)、空(1時間)

という3つの視点からそれぞれの場所にいる人たちを描いて行く

のです。兵士などはほとんど名前を呼ばれることがなく、

エンディングクレジットで配役を見ても、名前と顔がくっつくのは

ごくわずか。

 

ダンケルク

 

ダンケルク
 

ドイツ軍に追い詰められたダンケルクの海岸からの救出に来た

艦船に乗った途端に、魚雷やら空からの爆撃やらで、幾度と

なく海に放り出される兵士の姿は、テープを巻き戻しているか

のように思えてしまうほどです。

 

ダンケルク
 

一方民間船の船長は息子とその友達を乗せ、果敢にも兵士の

救助に出港します。この船長についてのみ、長男を既に戦争で

亡くしているという説明がなされるのですが、それが彼の

勇気ある行動につながっていたと考えるのは当たり前のこと

なのです。

 

ダンケルク

 

またイギリス空軍のパイロットはスピットファイアを操縦し、

敵機と交戦。トム・ハーディーはコックピット内で勇気ある

パイロットとして存在感を示します。
ただ戦闘シーンは「プライベート・ライアン」(1998)の

冒頭20分間に繰り広げられたノルマンディー上陸作戦での

凄まじさには程遠く、飛び交う銃弾の音や爆撃機の飛来する音、

何かが近づくことを示す船や桟橋が揺れる音など、ひたすら

「音」でそれを表わし、頭や手が吹き飛び、うめき声をあげる

悲惨な戦場の姿を感じ取ることはできません。それはまるで

戦闘ゲームのように思えて仕方がない。
そしてこの3つのバラバラの時間軸がどのように繋がって

いくのか、結末は分かっているだけにあっという展開はなく、

さらにかなり拍子抜けするシーンに変わってしまう。
第二次世界大戦は、ここからさらに熾烈なものになるわけで、

それを考えると見終わって心が晴れるものではなかったです。

 

 

 

 

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ノーザン・リミット・ライン

5

JUGEMテーマ:韓国映画全般

 

ノーザンリミットライン

 

「ノーザン・リミット・ライン 南北海戦」

原題:Northern Limit Line

監督:キム・ハクスル

2015年 韓国映画 130分

キャスト:キム・ムヨル

     イ・ヒョヌ

     チン・グ

2002年、サッカーワールドカップ開催された

韓国で、その同時期に北方限界線の海上で北朝鮮軍が

突然韓国軍に攻撃を仕掛ける。韓国357号に乗船して

いた兵士たちは、必死に抗戦するが...。

 

<お勧め星>☆☆☆ いつ見ても戦争映画は悲しい。

 

映画の60分くらいは、2002年サッカーワールドカップ

開催で盛り上がる韓国国内の様子と、北方限界線の海上で

警備にあたる韓国高速艇の兵士たちの和やかな日常が描かれます。

事実に基づいているから、このメンバーが北側の攻撃を受け

るのはわかっているので、こののどかさが、いつ破られるのか、

緊張の連続です。

 

ノーザンリミットライン

 

〇見どころ

最初に漁船のふりをして拿捕された北朝鮮人が、いかにも漁師に

見えないのに、ワールドカップ開催時には戦闘を避けたい上層部の

指示で、簡単に解放。そして数回の領海侵犯の後に突然韓国側は

攻撃を受けるのです。

 

ノーザンリミットライン

 

実際の戦闘時間と同じく30分間続く砲撃、銃撃、火災の連続は

とにかく悲惨であり、かつすさまじい。「プライベート・ライアン」

の冒頭20分並みにかそれ以上にリアルに描かれています。

 

ノーザンリミットライン

 

前半に357号に乗船している兵士の日常が描かれているだけに、

バタバタ倒れていく姿を見ると、とにかく早く終わってほしいと

思うことしかできません。数多くの演出があるでしょうが、兵士

たちの固いきずなや、職務を全うする姿は勇敢そのものなのです。

 

●惜しいところ

韓国側が製作しているので、美談にしすぎた感があり、韓国軍兵士

の士気を鼓舞するものに思われてしまう。北側の思惑は一切わからず、

(仕方ないけれど)さらに、この壮絶な戦闘を、南北間の衝突という

話で片づけ、大統領はワールドカップの閉会式へ行ってしまう。

その方が異常だと思うけれどな。

 

 

 

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13時間 ベンガジの秘密の兵士

4

JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

 

13時間

 

「13時間 ベンガジの兵士」

原題:13 Hours:The Secret Soldiers of Benghazi

監督:マイケル・ベイ

2016年 アメリカ映画 144分

キャスト:ジョン・クラシンスキー

     ジェームズ・バッジ・デール

     デビッド・デンマン

     マックス・マーティーニ

 

2012年9月11日、リビアのアメリカ領事館が

民兵の襲撃受ける。現地のCIA秘密基地から特殊部隊

GRSが救援に向かうが、相手の兵力に圧倒され撤退。

さらにGRSが戻った先のCIA基地まで襲撃されるのだった。

 

<お勧め星>☆☆☆ 映画の大半が戦闘シーンであり、

その迫力はすさまじいです。

 

監督は「トランスフォーマー」シリーズのマイケル・ベイ。

なので、爆発満載の迫力満点映像満載の映画になっています。

ただこれが劇場公開されず、DVDスルーとなったのは、

内容に政治的なメッセージが入っていないにもかかわらず、

それを感じさせてしまう大統領選挙や国際情勢の動きが

あったからかもしれません。

 

〇見どころ

ほぼ全編にわたって繰り広げられる戦闘シーンの迫力は想像

以上です。GRSというCIAに雇われた軍事組織のメンバー6名が、

CIAのエージェントたちを守り続けるため、雨あられと降り注ぐ

弾丸やRPGの発射の中、ひたすら撃って撃って撃ちまくります。

 

13時間

 

カダフィ亡きあと、「平和国家」になったはずのリビアでの混乱を

よそに、なぜかのんびり活動するCIAや、のこのこ訪れるアメリカ大使

の姿がこれから起こるであろう恐ろしく長く感じられる時間を予想させ、

序盤から緊張の連続です。

 

●惜しいところ

事実に基づいているだけあって内容は単調であり、ドンパチの迫力を

もってしても中盤やや飽きます。

 

13時間

 

13時間

 

リビアの独裁政権を倒し、民主的な国にさせるはずが、いまや

ISの拠点化している。そもそも中東という自国と全く関係のない

諸国への介入によって今の世界の混乱が引き起こされたことを

気づいているのでしょうか。リビアで命を落としたリビア人の

家族の悲しむシーンもしっかり伝えており、行く必要なない戦いの

不条理さを痛感せざるを得ません。

 

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ドローン・オブ・ウォー

5

JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

 

ドローン・オブ・ウォー

 

「ドローン・オブ・ウォー」

原題:Good Kill

監督:アンドリュー・ニコル

2014年 アメリカ映画 104分 R15+

キャスト:イーサン・ホーク

     ブルース・グリーンウッド

     ゾーイ・クラヴィッツ

     ジャニュアリー・ジョーンズ

     ジェイク・アベル

 

ラスベガスの空軍基地に勤務するイーガン少佐は、

現在は無人機でアフガニスタンを攻撃する任務を

行っている。遠く離れた国を毎日攻撃し、帰宅すると

現実の家庭が待っている生活に、彼は次第に疲弊して

いくのだった。

 

<お勧め星>☆☆☆ 「アメリカン・スナイパー」よりも

ある意味怖い戦争映画です。

 

空軍少佐トーマス・イーガン役はイーサン・ホーク。青年の

雰囲気はいつしか消え、神経質そうなチョイ悪オヤジ感が

漂います。

 

ドローン・オブ・ウォー

 

トーマスは元ダンサーの妻モリーと2人の子供に恵まれ、

庭付きの大きな屋敷を持っており、とても幸せな家庭に

見えるのだけれど、彼は特殊な任務を遂行しているのです。

それは毎日はるか遠くの国アフガニスタン上空3000mを

飛ぶ無人機を操作し、ターゲットを爆撃するというもの。

映画内でも中佐が語る通り、モデルはXboxで、ゲームの世界が

そのまま現実の戦闘に使われているわけです。2人1組で

無人機を操作し、3,2,1で発射。ミサイル到達まで数秒。

 

ドローン・オブ・ウォー

 

爆撃が行われるとその後に立ち上る火柱や土煙、そして遺体が

転がるのです。もちろん何秒かのズレがあるから誤爆もあり、

それは9.11テロ犠牲者のために愛国精神をもって行った

適切な行為の結果と片づけられてしまうのです。これでは

24歳で燃え尽き症候群になり、コカイン中毒になるのも

理解できます。現にイーガンもほぼアルコール依存症なのです。

彼はもう一度戦闘機に乗り、実際に現地へ向かいたいのですが、

それは許されず、また妻からもここで一緒に暮らす安心を求めら

れています。

そしてさらなる過酷な任務がCIAから課せられるのです。

「標的殺人」ではなく「特徴攻撃」、つまり怪しいと判断されたら

攻撃するというもの。映画内の話で知りましたが、ターゲットを

捕まえ刑務所に収容する努力や、そこでの待遇を批判される前に、

殺害してしまう方が、アメリカにとって最も安全な方法であると

いうのです。とても恐ろしいです。世界で最も多くの戦争を行って

きたであろう国の行きつく先なのでしょうか。この作戦は対テロ戦争

であり、場所が戦闘地区であろうとなかろうと、そこに民間人が

いようと考慮しない、「先制的自衛権」を駆使するもので、

「切迫脅威」の前には、何の配慮も不要ということなのです。

 

ドローン・オブ・ウォー

 

この指令を出すのは、実際に操縦しない人物であり、その命令に

従って多くの命が奪われる現場をモニター越しに見続けるイーガンは

疲弊し、妻モリーとも関係が悪化してしまい、酒におぼれます。

肥料を作っている小屋はいずれは爆薬工場になる恐れがある。これは

大量破壊兵器があるといってイラクを攻撃した時と同じ論法です。

病院への誤爆も結局「戦闘員が隠れている恐れがある」ということ

だとはっきりわかりました。

スアレス一等空員が「これはendlessですよね?」と言ったのは

もうみんな知っていることで、中止することは、これまで亡くなった

犠牲者の家族へ説明がつかなくなるということです。愛国者精神、

国の威信、世界での覇権争いに負けることを意味するのです。

こんな国でなくてよかった。負の遺産をこれからの人々に負わせる

国でなくてよかった。ずっとこう思い続けたいですね。

 

 

 

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