ハクソー・リッジ

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JUGEMテーマ:洋画

 

ハクソー・リッジ

 

「ハクソー・リッジ」

原題:Hacksaw Ridge

監督:メル・ギブソン

2016年 アメリカ=オーストラリア映画 

139分 PG12

キャスト:アンドリュー・ガーフィールド

     サム・ワーシントン

     ルーク・ブレイシー

     テリーサ・パーマー

     ヒューゴ・ウィービング

 

 

第二次世界大戦末期、信心深いドスは、武器を

持たない衛生兵として沖縄に到着する。そこで

繰り広げられる熾烈な戦闘の中で、彼は傷ついた

兵士を救うために力の限り行動するが...。


<お勧め星>☆☆☆ よくできた映画ですが、最後

まで違和感が消えませんでした。


もう一人助けさせて


映画の公開前日6月23日が「沖縄慰霊の日」であり、

この映画の宣伝において「沖縄」と明示したものを

ネット以外では目にしなかったのは、もちろん遺族や

被害者への配慮があってのことだそうです。いやそんな

配慮はいらないから、はっきり宣伝して日本人がどう

受け取るか、その反応を見ればよかったと思う。

 

ハクソー・リッジ

 

「ハクソー・リッジ」は沖縄浦添城址跡の南東にある

「前田高地」という150mの断崖絶壁であり、上陸

したアメリカ軍が苦戦を強いられた場所です。そもそも

沖縄戦は、本土決戦の礎として、連合国側から

「アイスバーグ作戦」と名付けられたものであり、

大戦末期の日本軍が死闘を繰り広げた場所なのです。

沖縄に行って青い海を美しいと思い、三線の音色を耳に

しながら泡盛に酔いしれているだけではなく、必ず

南部戦跡に足を運んでほしい。どんな状況だったのか

この目でしっかり見てきてほしい。
さて、映画はこのような日本側の状況は一切描かれず、

前半はデズモンド・ドスという1人の男の生い立ちから

語られます。そこには、彼の父が先の大戦で仲間を失い

酒浸りとなっていること、子供たち、つまりドスとハルに

暴力をふるうこと、また敬虔なキリスト教徒(その中でも

特にセブンス・アドベンチスト派という異端)で、安息日

を厳守することがわかるのです。とはいえドスはちゃっかり

一目ぼれしたドロシーとデートしたりしてなんだか

中途半端に進みます。
そこで急にドスは良心的兵役志願兵として入隊するのです。

理由は「真珠湾攻撃を知って戦うべきだと思ったから」

ここで彼の言う「戦う」の意味がわからない。召集ではなく、

志願であり、入隊すれば銃をもって訓練するに決まっている。

軍隊は戦うために存在するのでしょう?守るためであっても

武器をもって対抗するでしょう?
さらには戦地に向かえばそこには、敵と味方しかおらず、

最終目的は「敵を倒すこと」以外にないと思うのです。
中盤、訓練において武器を持つことを拒否したドスは軍法会議

にかけられ、父の口添えもあって、「武器を持つことの拒否権」

の存在を認められるのですが、仲間から浮いてしまうのは

当たり前なのです。
キミの目的はいったい何なのか?

 

ハクソー・リッジ
 

沖縄におけるすさまじい戦闘とおびただしい犠牲者の姿の中で、

ドスは武器を持たず、衛生兵として、負傷者を救い出すことに

専念します。映画内ではごく短い時間に行われたように思え

ましたが、実際はもっと長い期間の功績だそうで、

そりゃそうだ、と納得。
一応傷ついた日本兵を救うシーンも入れるという配慮もあります。

つまり救える命を救うことが使命と考えたのでしょうか。
彼が75名の兵士の命を救ったことで良心的兵役拒否者として

初めて名誉勲章を獲得したと字幕で流れ、存命時の本人、弟、

上官の言葉も流されますが、どれも心に残りません。
彼が銃を持たなかったにしても、この戦争で散っていった命は、

彼が救った命の1つ1つと全く同じ価値であり、そこまで

想像力を働かせたら、このような映画に満足などできるはずも

ないのです。いや視点が違うと考えるべきか。
もちろんこの映画はよく作られていたと思います。

「神様、もう一人助けさせて」

と自らの危険も顧みず負傷者のもとに向かったドスには、その

時点で神が宿っていたのかもしれませんね。キリスト教徒でない

のでわかりません。

 

ハクソー・リッジ

 

ドスの所属する隊を率いるグローバー大尉役はサム・ワーシントンで、

前よりもイケメンに感じました。

 

 

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ダンケルク

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JUGEMテーマ:洋画

 

ダンケルク

 

「ダンケルク」

原題:Dunkrik

監督:クリストファー・ノーラン

2017年 イギリス=アメリカ=フランス=オランダ映画 

106分

キャスト:フィオン・ホワイトヘッド

     トム・グリン=カーニー

     トム・ハーディー

     キリアン・マーフィー

     ハリー・スタイルズ

 

1940年、ドイツ軍は、イギリス、フランス軍をフランス

北部のダンケルクへ追いつめる。イギリス首相チャーチルは、

ダイナモ作戦と称する兵士救出作戦を指示するが...。


<お勧め星>☆☆☆ IMAXで観たらまた感想が違っただろうか。


戦争に英雄など存在しない


映画の予告編が劇場やテレビで幾度となく流され、CGなしの

実写(IMAXカメラ)であると知っていたものの、2D上映の

近場の劇場にて鑑賞。
この映画を見た途端、夏頃Blu-rayにて鑑賞した

「ヒトラーの忘れもの」(2015)を思い出してしまった。

砂浜なんですよ。場所は全く違うし、時期も第二次大戦終結直後の

話なのに、砂浜がその映画と被ってしまう。あの映画では、

一度はナチスドイツ軍に占領支配された地域に、元の住民が戻って

きて、敗戦国となったドイツ軍兵士を捕虜として、砂浜に

埋められた地雷の除去にあたらせるというものでした。

終戦間際に召集されたのは14,5歳の少年がほとんどであり、

その多くが生きて祖国に戻ることができなかったのです。
戦争は勝敗によってその立場が一気に変わり、勝者にまわった途端、

自分たちがされたことと同じく、いやそれ以上のことを敗者に行って

しまう。また戦時下の極限状態では、たとえ同胞であっても、

見捨てたり、裏切ることさえいとわない者も現れてしまうのです。

人間の本質をあぶりだすかのような行為かもしれません。
さて、この映画では、海岸(1週間)、海(1日)、空(1時間)

という3つの視点からそれぞれの場所にいる人たちを描いて行く

のです。兵士などはほとんど名前を呼ばれることがなく、

エンディングクレジットで配役を見ても、名前と顔がくっつくのは

ごくわずか。

 

ダンケルク

 

ダンケルク
 

ドイツ軍に追い詰められたダンケルクの海岸からの救出に来た

艦船に乗った途端に、魚雷やら空からの爆撃やらで、幾度と

なく海に放り出される兵士の姿は、テープを巻き戻しているか

のように思えてしまうほどです。

 

ダンケルク
 

一方民間船の船長は息子とその友達を乗せ、果敢にも兵士の

救助に出港します。この船長についてのみ、長男を既に戦争で

亡くしているという説明がなされるのですが、それが彼の

勇気ある行動につながっていたと考えるのは当たり前のこと

なのです。

 

ダンケルク

 

またイギリス空軍のパイロットはスピットファイアを操縦し、

敵機と交戦。トム・ハーディーはコックピット内で勇気ある

パイロットとして存在感を示します。
ただ戦闘シーンは「プライベート・ライアン」(1998)の

冒頭20分間に繰り広げられたノルマンディー上陸作戦での

凄まじさには程遠く、飛び交う銃弾の音や爆撃機の飛来する音、

何かが近づくことを示す船や桟橋が揺れる音など、ひたすら

「音」でそれを表わし、頭や手が吹き飛び、うめき声をあげる

悲惨な戦場の姿を感じ取ることはできません。それはまるで

戦闘ゲームのように思えて仕方がない。
そしてこの3つのバラバラの時間軸がどのように繋がって

いくのか、結末は分かっているだけにあっという展開はなく、

さらにかなり拍子抜けするシーンに変わってしまう。
第二次世界大戦は、ここからさらに熾烈なものになるわけで、

それを考えると見終わって心が晴れるものではなかったです。

 

 

 

 

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ノーザン・リミット・ライン

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JUGEMテーマ:韓国映画全般

 

ノーザンリミットライン

 

「ノーザン・リミット・ライン 南北海戦」

原題:Northern Limit Line

監督:キム・ハクスル

2015年 韓国映画 130分

キャスト:キム・ムヨル

     イ・ヒョヌ

     チン・グ

2002年、サッカーワールドカップ開催された

韓国で、その同時期に北方限界線の海上で北朝鮮軍が

突然韓国軍に攻撃を仕掛ける。韓国357号に乗船して

いた兵士たちは、必死に抗戦するが...。

 

<お勧め星>☆☆☆ いつ見ても戦争映画は悲しい。

 

映画の60分くらいは、2002年サッカーワールドカップ

開催で盛り上がる韓国国内の様子と、北方限界線の海上で

警備にあたる韓国高速艇の兵士たちの和やかな日常が描かれます。

事実に基づいているから、このメンバーが北側の攻撃を受け

るのはわかっているので、こののどかさが、いつ破られるのか、

緊張の連続です。

 

ノーザンリミットライン

 

〇見どころ

最初に漁船のふりをして拿捕された北朝鮮人が、いかにも漁師に

見えないのに、ワールドカップ開催時には戦闘を避けたい上層部の

指示で、簡単に解放。そして数回の領海侵犯の後に突然韓国側は

攻撃を受けるのです。

 

ノーザンリミットライン

 

実際の戦闘時間と同じく30分間続く砲撃、銃撃、火災の連続は

とにかく悲惨であり、かつすさまじい。「プライベート・ライアン」

の冒頭20分並みにかそれ以上にリアルに描かれています。

 

ノーザンリミットライン

 

前半に357号に乗船している兵士の日常が描かれているだけに、

バタバタ倒れていく姿を見ると、とにかく早く終わってほしいと

思うことしかできません。数多くの演出があるでしょうが、兵士

たちの固いきずなや、職務を全うする姿は勇敢そのものなのです。

 

●惜しいところ

韓国側が製作しているので、美談にしすぎた感があり、韓国軍兵士

の士気を鼓舞するものに思われてしまう。北側の思惑は一切わからず、

(仕方ないけれど)さらに、この壮絶な戦闘を、南北間の衝突という

話で片づけ、大統領はワールドカップの閉会式へ行ってしまう。

その方が異常だと思うけれどな。

 

 

 

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13時間 ベンガジの秘密の兵士

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JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

 

13時間

 

「13時間 ベンガジの兵士」

原題:13 Hours:The Secret Soldiers of Benghazi

監督:マイケル・ベイ

2016年 アメリカ映画 144分

キャスト:ジョン・クラシンスキー

     ジェームズ・バッジ・デール

     デビッド・デンマン

     マックス・マーティーニ

 

2012年9月11日、リビアのアメリカ領事館が

民兵の襲撃受ける。現地のCIA秘密基地から特殊部隊

GRSが救援に向かうが、相手の兵力に圧倒され撤退。

さらにGRSが戻った先のCIA基地まで襲撃されるのだった。

 

<お勧め星>☆☆☆ 映画の大半が戦闘シーンであり、

その迫力はすさまじいです。

 

監督は「トランスフォーマー」シリーズのマイケル・ベイ。

なので、爆発満載の迫力満点映像満載の映画になっています。

ただこれが劇場公開されず、DVDスルーとなったのは、

内容に政治的なメッセージが入っていないにもかかわらず、

それを感じさせてしまう大統領選挙や国際情勢の動きが

あったからかもしれません。

 

〇見どころ

ほぼ全編にわたって繰り広げられる戦闘シーンの迫力は想像

以上です。GRSというCIAに雇われた軍事組織のメンバー6名が、

CIAのエージェントたちを守り続けるため、雨あられと降り注ぐ

弾丸やRPGの発射の中、ひたすら撃って撃って撃ちまくります。

 

13時間

 

カダフィ亡きあと、「平和国家」になったはずのリビアでの混乱を

よそに、なぜかのんびり活動するCIAや、のこのこ訪れるアメリカ大使

の姿がこれから起こるであろう恐ろしく長く感じられる時間を予想させ、

序盤から緊張の連続です。

 

●惜しいところ

事実に基づいているだけあって内容は単調であり、ドンパチの迫力を

もってしても中盤やや飽きます。

 

13時間

 

13時間

 

リビアの独裁政権を倒し、民主的な国にさせるはずが、いまや

ISの拠点化している。そもそも中東という自国と全く関係のない

諸国への介入によって今の世界の混乱が引き起こされたことを

気づいているのでしょうか。リビアで命を落としたリビア人の

家族の悲しむシーンもしっかり伝えており、行く必要なない戦いの

不条理さを痛感せざるを得ません。

 

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ドローン・オブ・ウォー

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JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

 

ドローン・オブ・ウォー

 

「ドローン・オブ・ウォー」

原題:Good Kill

監督:アンドリュー・ニコル

2014年 アメリカ映画 104分 R15+

キャスト:イーサン・ホーク

     ブルース・グリーンウッド

     ゾーイ・クラヴィッツ

     ジャニュアリー・ジョーンズ

     ジェイク・アベル

 

ラスベガスの空軍基地に勤務するイーガン少佐は、

現在は無人機でアフガニスタンを攻撃する任務を

行っている。遠く離れた国を毎日攻撃し、帰宅すると

現実の家庭が待っている生活に、彼は次第に疲弊して

いくのだった。

 

<お勧め星>☆☆☆ 「アメリカン・スナイパー」よりも

ある意味怖い戦争映画です。

 

空軍少佐トーマス・イーガン役はイーサン・ホーク。青年の

雰囲気はいつしか消え、神経質そうなチョイ悪オヤジ感が

漂います。

 

ドローン・オブ・ウォー

 

トーマスは元ダンサーの妻モリーと2人の子供に恵まれ、

庭付きの大きな屋敷を持っており、とても幸せな家庭に

見えるのだけれど、彼は特殊な任務を遂行しているのです。

それは毎日はるか遠くの国アフガニスタン上空3000mを

飛ぶ無人機を操作し、ターゲットを爆撃するというもの。

映画内でも中佐が語る通り、モデルはXboxで、ゲームの世界が

そのまま現実の戦闘に使われているわけです。2人1組で

無人機を操作し、3,2,1で発射。ミサイル到達まで数秒。

 

ドローン・オブ・ウォー

 

爆撃が行われるとその後に立ち上る火柱や土煙、そして遺体が

転がるのです。もちろん何秒かのズレがあるから誤爆もあり、

それは9.11テロ犠牲者のために愛国精神をもって行った

適切な行為の結果と片づけられてしまうのです。これでは

24歳で燃え尽き症候群になり、コカイン中毒になるのも

理解できます。現にイーガンもほぼアルコール依存症なのです。

彼はもう一度戦闘機に乗り、実際に現地へ向かいたいのですが、

それは許されず、また妻からもここで一緒に暮らす安心を求めら

れています。

そしてさらなる過酷な任務がCIAから課せられるのです。

「標的殺人」ではなく「特徴攻撃」、つまり怪しいと判断されたら

攻撃するというもの。映画内の話で知りましたが、ターゲットを

捕まえ刑務所に収容する努力や、そこでの待遇を批判される前に、

殺害してしまう方が、アメリカにとって最も安全な方法であると

いうのです。とても恐ろしいです。世界で最も多くの戦争を行って

きたであろう国の行きつく先なのでしょうか。この作戦は対テロ戦争

であり、場所が戦闘地区であろうとなかろうと、そこに民間人が

いようと考慮しない、「先制的自衛権」を駆使するもので、

「切迫脅威」の前には、何の配慮も不要ということなのです。

 

ドローン・オブ・ウォー

 

この指令を出すのは、実際に操縦しない人物であり、その命令に

従って多くの命が奪われる現場をモニター越しに見続けるイーガンは

疲弊し、妻モリーとも関係が悪化してしまい、酒におぼれます。

肥料を作っている小屋はいずれは爆薬工場になる恐れがある。これは

大量破壊兵器があるといってイラクを攻撃した時と同じ論法です。

病院への誤爆も結局「戦闘員が隠れている恐れがある」ということ

だとはっきりわかりました。

スアレス一等空員が「これはendlessですよね?」と言ったのは

もうみんな知っていることで、中止することは、これまで亡くなった

犠牲者の家族へ説明がつかなくなるということです。愛国者精神、

国の威信、世界での覇権争いに負けることを意味するのです。

こんな国でなくてよかった。負の遺産をこれからの人々に負わせる

国でなくてよかった。ずっとこう思い続けたいですね。

 

 

 

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アフガン・レポート

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JUGEMテーマ:洋画

 

アフガン・レポート

 

「アフガン・レポート」

原題:Kajaki

監督:ポール・ケイティス

2014年 イギリス=ヨルダン映画 109分

キャスト:デビッド・エリオット

     マーク・スタンリー

     スコット・カイル

     ベンジャミン・オマホニー

 

アフガニスタンに駐留するイギリス軍。ある日3人の

兵士が谷へパトロールに出かけると、1人が地雷を踏み

負傷してしまう。救助に向かった仲間は底が地雷原である

と知り、愕然とするのだった。

 

<お勧め星>☆☆☆ 絶望的な状況下での兵士の姿を

リアルに描いています。

 

完ぺきに実話を映画化しているので、ハリウッド映画の

ような派手な銃撃シーンはありません。地雷原に足を

踏み入れ負傷してしまった兵士の苦悶の声や姿をリアルに

描きつつ、一向にやってこない救助のヘリや、どんどん

増える負傷者の姿を見ていると、見ている側が絶望感に

とらわれていくのです。

2006年9月5日、アフガニスタン、カジャキダム。

のん気に水浴びをしているイギリス人のすぐそばの水面に

銃撃のような音がします。もう戦闘開始か、と思いきや、

それは現地の少年たちが、魚を捕るために小さな爆弾を

仕掛けているもので、それを知ると、兵士は

「こっちは平和を守りに来ているんだ」と怒鳴るわけです。

もちろん言葉は通じません。この言葉とエンドロールに兵士

たちが獲得した勲章などが映像と共に流されるととても

複雑な気分になるのです。この国の緊張や混乱を招いたのは

全て大国の思惑からではなかったのかと。

さて映画はこのシーンから序盤はとてものんびりとしたムード

で進みます。

 

アフガン・レポート

 

男だらけの集団は、下ネタやf言葉連発。緊張地域が少し離れて

いるせいもあり、彼らはこの高地での活動に飽き飽きしている

わけです。こういう後には必ずなにかデカイことが起きる。

遠くの給油所でタリバンらしき人間が動いている...。

攻撃を受けるのか。いえ、そうではないのです。

兵士3人が西の尾根を目指しパトロールに向かうと、なんと

スチューが地雷を踏み、足を吹き飛ばされてしまいます。そこは

谷であり、無線が上手くつながらないのですが、何とか仲間と

連絡がつき、上にいる兵士が救助に向かうわけです。ちょっと

聞き間違えたかもしれないけれど、すぐ上の仲間とは無線が

つながらず、離れた地区の隊に連絡し、それが仲間に連絡したと

いう感じだと思う。

 

アフガン・レポート

 

その時タリバン側に動きがあり、とりあえず岩陰まで移動しようと

すると、今度は医療器具を背負ったピアスンが地雷を踏む。実は

ここは旧ソ連軍が置いていった地雷原だったと知って、彼らは愕然と

するのです。旧ソ連軍が地雷を残し、今は米英主導の多国籍軍が

この国のタリバンと戦っている。アフガニスタンという国の混迷の

歴史の一端を物語っているようです。それはさておき、兵士たちは

救助ヘリを要請するのですが、それがまたダイレクトに連絡が

つかないため、この地雷原になんとバカでかいチヌークがやって

来ます。そこまで歩いていくうちに、地雷を幾つ踏むかわかってんの?

そのヘリが去っていくときに起こした大振動で、また地雷爆発。

負傷者はどんどん増えていくのです。この映画では傷跡は全てボカシ

になっているので、兵士の悲鳴や汗、表情でその酷さを想像することが

できます。敢えて足を吹き飛ばされた姿なんて見たくないもんね。

見せない方が、その酷さを心に残す気がします。医療班のタグが、

怪我をした親友マークの傍へ行く際、地雷を踏まないために、リュックを

まず飛ばし、平気ならその上に飛び乗って進む、というシーンもスリルの

あるもので、どこに地雷があるのかわからない恐怖をこの目で感じ

取れるのです。さらに差し入れた水が入ったペットボトルの振動で、

また地雷爆発。砂埃の後の悲鳴やボカシの入った兵士の体を見ると、

銃を使わない戦争の恐怖というものを知ります。一向に現れないヘリ。

そこで負傷した兵士の意識を保つために、仲間があれこれ話をする。

そんな地味なシーンが長く続きますが、彼らが助かるのか、最後まで

わからず、やっとヘリが到着し、次々に負傷者が運び込まれると、なぜか

心がほっとするのです。でも彼らの多くはまた戦地に出かけて行ったと

知ると、名誉とか使命とかじゃなくて、「アメリカン・スナイパー」

のような心情に陥っているのではないかとも思ってしまいました。

 

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野火

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JUGEMテーマ:邦画

野火

「野火」
監督:塚本晋也
原作:大岡昇平
2014年 日本映画 87分 PG12
キャスト:塚本晋也
リリー・フランキー
中村達也
森 優作
中村優子

太平洋戦争末期のレイテ島。田村一等兵は肺を
患い、野戦病院へ行かされるが、そこを追い出され
さらに隊からも見捨てられてジャングルを一人で
さまようことになるのだった。

<お勧め星>☆☆☆ 監督が20年間構想して製作
した意欲が伝わる映画です。ただ万人受けはしない
かもしれません。


70年前、日本人に起きた酷い現実を限りなくリアルに
描き切った映画です。1959年に市川崑監督で映画化
されており、今回は出資者が集まらず自主製作映画に
なったとのこと。今こそこういう映画を見せるべきだと
思うのですが。
フィリピン、レイテ島のジャングルの緑、空の青さ、白い
入道雲がまことに美しいのとは逆に、そこに取り残された
日本兵は、敗戦色の濃い中、ひたすら援軍を待ち、母国へ
戻ることを切望していたのです。しかしそこにはフィリピン
ゲリラだけでなく、アメリカ軍の攻撃もあり、乏しい武器
で戦うのはあまりに過酷な状況だったのは理解できます。
そして日本兵は次々と死体の山化していき、吹き飛ぶ手足
や流れ出す脳漿、そして死体にわく無数の蛆虫がその極限
状態を描いていきます。すみません、蛆だけは見られません。


野火

肺病を患い、隊から野戦病院へ生かされた田村一等兵は、
野戦病院も早々に追い出され、隊に戻ると再び病院へ戻る
の繰り返しの末、ジャングルに一人で放り出されるのです。
生の芋の奪い合いをさもしく感じるのは、物が豊かな現在に
生活しているからで、それこそ草の芽や虫や蛇を食べたと
語る兵士の言葉もしばしば耳にします。しかしそこで、実は
もっと恐ろしいことが行われていたのではないか。それは
想像に難くないのです。
難破した船から救命ボートで漂っていた人物が、最終的には
救助されたものの、実は死んでいった仲間の肉を食べていた、
という事件もかつて耳にしました。
ところでこの映画は、日本兵がいかに「飢餓」に立ち向かった
などというきれいごとではなく、家族を思い「無念の死」を
遂げたということを伝えたいわけでもありません。
彼らがいる場所はフィリピンであり、そこで島民を惨殺しては
食料を奪っていた事実も語られます。


野火

足を怪我したと言って、永松という若い兵士をアゴで使う安田
役はリリー・フランキー。なんて不気味に演じられるのでしょう。

彼の笑顔は優しいだけではなく、その裏に残虐性をも秘めている
と感じられます。あ、「凶悪」のイメージが強すぎたか。
体も顔も汚れきって、軍服や帽子がボロボロになると、人間の
姿を借りた悪魔のように見えてくるのです。いやそれは外見だけ
でなく、ギラギラ黒光りする額からも立ち込めるように、内面
すらも狂わせていくのが戦争なのだと実感します。
ラスト付近に永松が田村に見せる「真っ赤な舌」。狂気に満ちた
人間の姿を見せることで、平和への強い思いが伝わります。






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スターリングラード

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JUGEMテーマ:洋画

スターリングラード

「スターリングラード」
原題:Enemy at the Gates
監督:ジャン=ジャック・アノー
2001年 アメリカ=イギリス=ドイツ
=アイルランド映画 132分
キャスト:ジュード・ロウ
ジョセフ・ファインズ
エド・ハリス
レイチェル・ワイズ
ボブ・ホスキンス
ロン・パールマン

1942年、ソビエトに侵攻したナチスドイツは、
スターリンラードを死守しようとするソビエト軍と
熾烈な戦いを繰り広げる。その中で、ヴァシリという
1人の兵士が見事な狙撃能力を見せ、軍部は彼を
兵士の士気高揚に活用していくのだった。

<お勧め星>☆☆☆ 狙撃手同士の息が詰まるような
駆け引きは見ごたえがありますが、映画的には普通。


スターリンラードは、第二次世界大戦時、ソビエトの
水陸の大補給基地であったため、ナチスドイツはここ
を攻略し、戦況を一挙に逆転しようと大量の軍事力を
送ったわけです。映画の冒頭シーンにあるように、かたや
銃も持たない赤軍兵と戦車、自動小銃など重火器を備え
空からも攻撃を加えるドイツ軍との兵力の差は格段の
ものがあるのです。しかしながら、自らの名前をつけた
この都市をスターリンは意地でも守りたかったため、
史上最大ともいわれる地上戦が180日間にわたって
繰り広げられたわけです。

しかしこの映画はそこは、ただ死体の山と空からの爆撃
シーンなどで描かれるのみで、ソビエト軍の狙撃手
ヴァシリ・ザイツェブとそれに対抗し、ドイツ軍が送り
込んだケーニッヒ少佐の腕の見せ合いが中心です。


スターリングラード

若き日のジュード・ロウ演じるヴァシリと、彼に命を救って
もらい、彼の狙撃能力をこの目で確かめ、兵士の士気高揚に
活用しようと考える政治将校ダニロフと、ドイツ語に長ける
女兵士ターニャとの三角関係も絡めちゃうから、なんとも
いえない内容になっているのも否めません。


スターリングラード

酔いつぶれたソビエト兵士の間で、こっそり愛し合うヴァシリと
ターニャは、ひたすら声を押し殺し、束の間の幸せをかみしめ
ます。しかしダニロフはどうしてもターニャを手にしたかった
のでしょう。実際はものすごく悲酸な状況だったので、こんな
恋愛など考える余裕などなかったと思います。だからここは
蛇足の一言に尽きますね。


スターリングラード

一方ケーニッヒ少佐を演じるエド・ハリスは、眼光が鋭く、
教養もあり、高級なタバコも吸っている貴族の出身という
設定がよく似合います。
スコープを使って相手の動きを映し出すシーンは、
「アメリカンスナイパー」(2014)を思い出させ、さらに
あの映画のメッセージとこの映画のメッセージの厚みの違いを
感じさせました。


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父親たちの星条旗

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JUGEMテーマ:洋画

父親たちの星条旗

「父親たちの星条旗」
原題:Flags of Our Fathers
監督:クリント・イーストウッド
2006年 アメリカ映画 132分
キャスト:ライアン・フィリップ
     ジェシー・ブラッドフォード
     アダム・ビーチ
     ジェイミー・ベル
     バリー・ペッパー
     ポール・ウォーカー

ドクは1945年、衛生兵として硫黄島へ派兵される。
彼を含めた戦友が星条旗を立てる写真は本国で有名と
なり、帰国した彼らは「英雄」としてもてはやされる
のだった。

<お勧め星>☆☆☆半 先に見た「硫黄島からの手紙」
の方が胸にガツンときました。


日本のテレビ枠では、「硫黄島からの手紙」をゴールデン
タイムに放映し、その前の深夜枠でこの映画を流したと
のこと。確かに日本人としては、激戦の地かつ日本軍が
死守しようとした硫黄島については、そこにアメリカ人
の英雄がいたなどとは思いたくないのかもしれません。
絶望的な状況で死闘を繰り広げた擂鉢山に星条旗など立つ
シーンは見たくないでしょう。
撮影は硫黄島に似た黒い土壌や大胆な砲撃シーンが再現
できたアイスランドで行われたそうです。
1945年、日本にとって本土攻撃を少しでも遅らせる
ために硫黄島では、激しい戦いが繰り広げられていました。
そこはアメリカ軍にとっても長距離爆弾の基地に適して
おり、絶対に奪いたい土地でもあったのです。


父親たちの星条旗

もちろん戦力はアメリカ軍が格段上だったのですが、長引く
戦争への厭世観が本国で漂っており、軍備品への費用も
減少していました。ところが硫黄島でAP通信記者ローゼンタール
が撮影した1枚の写真から、その気分が払しょくされるのです。
それは数人のアメリカ兵が硫黄島の擂鉢山へ星条旗を立てている
姿です。擂鉢山に関しては、「硫黄島からの手紙」で幾度も
耳にしました。この写真に関して映画の序盤に、「最初の1枚
がだめでもこれでいいか」と言っていたような気がします。それが
この写真の真実を物語っているのです。


父親たちの星条旗

急遽帰国した3人は、戦時国債販促キャンペーンのために、
あちこちへ行かされ、一躍「英雄」としてたたえられるのです。
衛生兵ドク、伝令員レイニー、ネイティヴ・アメリカンの
アイラは、時折フラッシュバックする戦争の記憶に怯えながら
政治家や富裕層への資金集めパーティーへと参加させられます。
アイラは「アメリカ人」として戦争をし、英雄とされたのに、
それを知っていても差別する白人に苦しめられます。彼は何の
ために戦ったのだろう。
また、冒頭ウィスコンシン州で倒れた老人ドクが、
「イギーはどこだ」
と口走ったのは、そこにどんな記憶が残されていたのか。

実は最初に立てた旗は、大尉の気まぐれで、違うものに交換
されていたのです。そして有名な写真は2回めに旗を立てた時の
ものであり、そこには、亡くなったけれど「英雄」と称えられた
ハンクではなく、ハーロンが映っていたのです。
でもそんな旗のことなど結局はさほど意味は持たないのですよ。
旗を誰が掲げようが、何本目だろうが、兵士は戦争において
コマの1つに過ぎず、その戦争を決めた政治家たちは、最も
安全な場所で、威信と利益のために、次々に指示を出すだけなの
です。
「英雄を作らないと戦はできない」
戦争に大義などないということが実感できる映画です。
追記ですが、ドクが戦地で行方を捜し、洞窟の中で見つけたイギーは
「硫黄島からの手紙」で、突然穴に落ちてきた米兵を、日本兵が
銃剣でめった刺しにするシーンがありました。それがイギーの
ようです。原作本では一生忘れられない姿になっていたことが
書かれています。戦争はこういうものなのですね。


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戦火の中へ

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JUGEMテーマ:韓国映画全般

戦火の中へ

「戦火の中へ」
原題:71 Into the Fire
監督:イ・ジェハン
2010年 韓国映画 121分 PG12
キャスト:チェ・スンヒョン
     クォン・サンウ
     チャ・スンウォン
     T・O・P

1950年、朝鮮人民軍は、韓国へ侵攻する。韓国軍の
民力は人民軍に劣り、主要都市は次々と陥落、遂に
学徒義勇軍を投入する。しかしポハンには学徒兵のみ
が残され、そこへ人民軍が近づくのだった。

<お勧め星>☆☆☆ 見終わると戦争の虚しさ、野蛮さ
への怒りだけが残ります。


主役の学徒兵オ・ジャンボブのアップ映像がやけに多い
と思ったら、アイドルグループ、BIGBANGのT・O・P
という方だそうです。グループ名は知っていてもメンバー
は誰ひとりわかりません。映画内では大迫力の戦闘シーン
と共に彼の雄姿が見られます。


戦火の中へ

ストーリーは1950年朝鮮人民軍が、6月25日に突然韓国
へ侵攻し、朝鮮戦争が始まったシーンから進んで行きます。
人民軍は、韓国をアメリカ帝国の傀儡軍と言い、韓国軍は
人民軍をアカの傀儡軍と呼ぶ。背景には第二次世界大戦後
日本統治から解放された朝鮮を、米ソで占領しあった経緯
があるのですが、元々は同じ民族であり、そのまま生き別れに
なっている家族も今なお多く残っているのです。したがって
人民軍が統一国家を目指す、とスローガンを掲げるのも理解
できるし、おそらくは貧しさに困窮する南の人々を救おうと
いう思いがあったはず。事実は別として、統一国家への道は
今や限りなく遠のいてしまっています。

朝鮮戦争では、韓国の民力は人民軍よりはるかに劣勢で、遂に
総力戦を考え、学徒義勇軍が召集されます。映画の前半で
家族に見送られ出陣する彼らと、戦地でけが人と共に撤退する
トラックが交互に映り、戦争というものの悲惨さを思い知らされ
るのです。

このシーンは太平洋戦争時の日本の学徒出陣と重なり、将来
有望であった青年たちが、持ったこともない銃を渡され、敵兵
と戦わなければならなかった状況には胸が痛くなります。
ジャンボブは、第三師団と一緒に戦地に赴くも、目の前で
味方軍がバタバタ倒されていくのを見て、銃に弾一つこめられず
呆然と立ちすくみます。戦争に置いて彼らなどは小さなコマで
しかなかったのです。

その後軍は、洛東江戦線へ移動し、ポハン女子中学校には、71名
の学徒兵のみが配置されます。集合する姿はまるで修学旅行に
でも行くような浮かれた気分のものばかりです。少年院へ行く
はずの不良3人組は
「アカをぶっ殺す」
と息巻きます。他には兄についてきた明らかに幼い少年もいて、
それを見てカン大尉が目を伏せるのと同時にわたしの涙腺崩壊。
キミはきっと死んじゃうんだよ。お母さんのキムチチゲ鍋なんか
二度と食べられないんだよ。来ちゃいけなかったんだよ。
未来にいっぱい夢があったはずの若者が、なぜこんな簡単に命を
奪われなければいけなかったのか。

一方、人民軍にもあどけなく、銃の引き金に指が届かないような
少年兵もいます。しかし戦地では兵士は戦うしかないのです。


戦火の中へ

銃撃、爆撃、炎上シーンは大迫力で、画面いっぱいに悲惨な
光景が次々と繰り出されていきます。
人民軍766部隊の少尉も冷徹ながら、学生には発砲しないという
考えを押し通そうとする。


戦火の中へ

しかし一度始まった戦争は、そんな思いを掻き消します。
戦争なんて少しもかっこよくない。
やっと戻って来た本当の兵士10人と対戦車砲が1つあれば、
この71名が亡くなることはなかったのに、と思うと無念の
気持ちに尽きます。さっきまで隣で笑っていた友人が撃たれ、
その遺体を埋める穴を掘るんだよ。それが戦争なんだよ。


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