ドローン・オブ・ウォー

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JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

 

ドローン・オブ・ウォー

 

「ドローン・オブ・ウォー」

原題:Good Kill

監督:アンドリュー・ニコル

2014年 アメリカ映画 104分 R15+

キャスト:イーサン・ホーク

     ブルース・グリーンウッド

     ゾーイ・クラヴィッツ

     ジャニュアリー・ジョーンズ

     ジェイク・アベル

 

ラスベガスの空軍基地に勤務するイーガン少佐は、

現在は無人機でアフガニスタンを攻撃する任務を

行っている。遠く離れた国を毎日攻撃し、帰宅すると

現実の家庭が待っている生活に、彼は次第に疲弊して

いくのだった。

 

<お勧め星>☆☆☆ 「アメリカン・スナイパー」よりも

ある意味怖い戦争映画です。

 

空軍少佐トーマス・イーガン役はイーサン・ホーク。青年の

雰囲気はいつしか消え、神経質そうなチョイ悪オヤジ感が

漂います。

 

ドローン・オブ・ウォー

 

トーマスは元ダンサーの妻モリーと2人の子供に恵まれ、

庭付きの大きな屋敷を持っており、とても幸せな家庭に

見えるのだけれど、彼は特殊な任務を遂行しているのです。

それは毎日はるか遠くの国アフガニスタン上空3000mを

飛ぶ無人機を操作し、ターゲットを爆撃するというもの。

映画内でも中佐が語る通り、モデルはXboxで、ゲームの世界が

そのまま現実の戦闘に使われているわけです。2人1組で

無人機を操作し、3,2,1で発射。ミサイル到達まで数秒。

 

ドローン・オブ・ウォー

 

爆撃が行われるとその後に立ち上る火柱や土煙、そして遺体が

転がるのです。もちろん何秒かのズレがあるから誤爆もあり、

それは9.11テロ犠牲者のために愛国精神をもって行った

適切な行為の結果と片づけられてしまうのです。これでは

24歳で燃え尽き症候群になり、コカイン中毒になるのも

理解できます。現にイーガンもほぼアルコール依存症なのです。

彼はもう一度戦闘機に乗り、実際に現地へ向かいたいのですが、

それは許されず、また妻からもここで一緒に暮らす安心を求めら

れています。

そしてさらなる過酷な任務がCIAから課せられるのです。

「標的殺人」ではなく「特徴攻撃」、つまり怪しいと判断されたら

攻撃するというもの。映画内の話で知りましたが、ターゲットを

捕まえ刑務所に収容する努力や、そこでの待遇を批判される前に、

殺害してしまう方が、アメリカにとって最も安全な方法であると

いうのです。とても恐ろしいです。世界で最も多くの戦争を行って

きたであろう国の行きつく先なのでしょうか。この作戦は対テロ戦争

であり、場所が戦闘地区であろうとなかろうと、そこに民間人が

いようと考慮しない、「先制的自衛権」を駆使するもので、

「切迫脅威」の前には、何の配慮も不要ということなのです。

 

ドローン・オブ・ウォー

 

この指令を出すのは、実際に操縦しない人物であり、その命令に

従って多くの命が奪われる現場をモニター越しに見続けるイーガンは

疲弊し、妻モリーとも関係が悪化してしまい、酒におぼれます。

肥料を作っている小屋はいずれは爆薬工場になる恐れがある。これは

大量破壊兵器があるといってイラクを攻撃した時と同じ論法です。

病院への誤爆も結局「戦闘員が隠れている恐れがある」ということ

だとはっきりわかりました。

スアレス一等空員が「これはendlessですよね?」と言ったのは

もうみんな知っていることで、中止することは、これまで亡くなった

犠牲者の家族へ説明がつかなくなるということです。愛国者精神、

国の威信、世界での覇権争いに負けることを意味するのです。

こんな国でなくてよかった。負の遺産をこれからの人々に負わせる

国でなくてよかった。ずっとこう思い続けたいですね。

 

 

 

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アフガン・レポート

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JUGEMテーマ:洋画

 

アフガン・レポート

 

「アフガン・レポート」

原題:Kajaki

監督:ポール・ケイティス

2014年 イギリス=ヨルダン映画 109分

キャスト:デビッド・エリオット

     マーク・スタンリー

     スコット・カイル

     ベンジャミン・オマホニー

 

アフガニスタンに駐留するイギリス軍。ある日3人の

兵士が谷へパトロールに出かけると、1人が地雷を踏み

負傷してしまう。救助に向かった仲間は底が地雷原である

と知り、愕然とするのだった。

 

<お勧め星>☆☆☆ 絶望的な状況下での兵士の姿を

リアルに描いています。

 

完ぺきに実話を映画化しているので、ハリウッド映画の

ような派手な銃撃シーンはありません。地雷原に足を

踏み入れ負傷してしまった兵士の苦悶の声や姿をリアルに

描きつつ、一向にやってこない救助のヘリや、どんどん

増える負傷者の姿を見ていると、見ている側が絶望感に

とらわれていくのです。

2006年9月5日、アフガニスタン、カジャキダム。

のん気に水浴びをしているイギリス人のすぐそばの水面に

銃撃のような音がします。もう戦闘開始か、と思いきや、

それは現地の少年たちが、魚を捕るために小さな爆弾を

仕掛けているもので、それを知ると、兵士は

「こっちは平和を守りに来ているんだ」と怒鳴るわけです。

もちろん言葉は通じません。この言葉とエンドロールに兵士

たちが獲得した勲章などが映像と共に流されるととても

複雑な気分になるのです。この国の緊張や混乱を招いたのは

全て大国の思惑からではなかったのかと。

さて映画はこのシーンから序盤はとてものんびりとしたムード

で進みます。

 

アフガン・レポート

 

男だらけの集団は、下ネタやf言葉連発。緊張地域が少し離れて

いるせいもあり、彼らはこの高地での活動に飽き飽きしている

わけです。こういう後には必ずなにかデカイことが起きる。

遠くの給油所でタリバンらしき人間が動いている...。

攻撃を受けるのか。いえ、そうではないのです。

兵士3人が西の尾根を目指しパトロールに向かうと、なんと

スチューが地雷を踏み、足を吹き飛ばされてしまいます。そこは

谷であり、無線が上手くつながらないのですが、何とか仲間と

連絡がつき、上にいる兵士が救助に向かうわけです。ちょっと

聞き間違えたかもしれないけれど、すぐ上の仲間とは無線が

つながらず、離れた地区の隊に連絡し、それが仲間に連絡したと

いう感じだと思う。

 

アフガン・レポート

 

その時タリバン側に動きがあり、とりあえず岩陰まで移動しようと

すると、今度は医療器具を背負ったピアスンが地雷を踏む。実は

ここは旧ソ連軍が置いていった地雷原だったと知って、彼らは愕然と

するのです。旧ソ連軍が地雷を残し、今は米英主導の多国籍軍が

この国のタリバンと戦っている。アフガニスタンという国の混迷の

歴史の一端を物語っているようです。それはさておき、兵士たちは

救助ヘリを要請するのですが、それがまたダイレクトに連絡が

つかないため、この地雷原になんとバカでかいチヌークがやって

来ます。そこまで歩いていくうちに、地雷を幾つ踏むかわかってんの?

そのヘリが去っていくときに起こした大振動で、また地雷爆発。

負傷者はどんどん増えていくのです。この映画では傷跡は全てボカシ

になっているので、兵士の悲鳴や汗、表情でその酷さを想像することが

できます。敢えて足を吹き飛ばされた姿なんて見たくないもんね。

見せない方が、その酷さを心に残す気がします。医療班のタグが、

怪我をした親友マークの傍へ行く際、地雷を踏まないために、リュックを

まず飛ばし、平気ならその上に飛び乗って進む、というシーンもスリルの

あるもので、どこに地雷があるのかわからない恐怖をこの目で感じ

取れるのです。さらに差し入れた水が入ったペットボトルの振動で、

また地雷爆発。砂埃の後の悲鳴やボカシの入った兵士の体を見ると、

銃を使わない戦争の恐怖というものを知ります。一向に現れないヘリ。

そこで負傷した兵士の意識を保つために、仲間があれこれ話をする。

そんな地味なシーンが長く続きますが、彼らが助かるのか、最後まで

わからず、やっとヘリが到着し、次々に負傷者が運び込まれると、なぜか

心がほっとするのです。でも彼らの多くはまた戦地に出かけて行ったと

知ると、名誉とか使命とかじゃなくて、「アメリカン・スナイパー」

のような心情に陥っているのではないかとも思ってしまいました。

 

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野火

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JUGEMテーマ:邦画

野火

「野火」
監督:塚本晋也
原作:大岡昇平
2014年 日本映画 87分 PG12
キャスト:塚本晋也
リリー・フランキー
中村達也
森 優作
中村優子

太平洋戦争末期のレイテ島。田村一等兵は肺を
患い、野戦病院へ行かされるが、そこを追い出され
さらに隊からも見捨てられてジャングルを一人で
さまようことになるのだった。

<お勧め星>☆☆☆ 監督が20年間構想して製作
した意欲が伝わる映画です。ただ万人受けはしない
かもしれません。


70年前、日本人に起きた酷い現実を限りなくリアルに
描き切った映画です。1959年に市川崑監督で映画化
されており、今回は出資者が集まらず自主製作映画に
なったとのこと。今こそこういう映画を見せるべきだと
思うのですが。
フィリピン、レイテ島のジャングルの緑、空の青さ、白い
入道雲がまことに美しいのとは逆に、そこに取り残された
日本兵は、敗戦色の濃い中、ひたすら援軍を待ち、母国へ
戻ることを切望していたのです。しかしそこにはフィリピン
ゲリラだけでなく、アメリカ軍の攻撃もあり、乏しい武器
で戦うのはあまりに過酷な状況だったのは理解できます。
そして日本兵は次々と死体の山化していき、吹き飛ぶ手足
や流れ出す脳漿、そして死体にわく無数の蛆虫がその極限
状態を描いていきます。すみません、蛆だけは見られません。


野火

肺病を患い、隊から野戦病院へ生かされた田村一等兵は、
野戦病院も早々に追い出され、隊に戻ると再び病院へ戻る
の繰り返しの末、ジャングルに一人で放り出されるのです。
生の芋の奪い合いをさもしく感じるのは、物が豊かな現在に
生活しているからで、それこそ草の芽や虫や蛇を食べたと
語る兵士の言葉もしばしば耳にします。しかしそこで、実は
もっと恐ろしいことが行われていたのではないか。それは
想像に難くないのです。
難破した船から救命ボートで漂っていた人物が、最終的には
救助されたものの、実は死んでいった仲間の肉を食べていた、
という事件もかつて耳にしました。
ところでこの映画は、日本兵がいかに「飢餓」に立ち向かった
などというきれいごとではなく、家族を思い「無念の死」を
遂げたということを伝えたいわけでもありません。
彼らがいる場所はフィリピンであり、そこで島民を惨殺しては
食料を奪っていた事実も語られます。


野火

足を怪我したと言って、永松という若い兵士をアゴで使う安田
役はリリー・フランキー。なんて不気味に演じられるのでしょう。

彼の笑顔は優しいだけではなく、その裏に残虐性をも秘めている
と感じられます。あ、「凶悪」のイメージが強すぎたか。
体も顔も汚れきって、軍服や帽子がボロボロになると、人間の
姿を借りた悪魔のように見えてくるのです。いやそれは外見だけ
でなく、ギラギラ黒光りする額からも立ち込めるように、内面
すらも狂わせていくのが戦争なのだと実感します。
ラスト付近に永松が田村に見せる「真っ赤な舌」。狂気に満ちた
人間の姿を見せることで、平和への強い思いが伝わります。






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スターリングラード

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JUGEMテーマ:洋画

スターリングラード

「スターリングラード」
原題:Enemy at the Gates
監督:ジャン=ジャック・アノー
2001年 アメリカ=イギリス=ドイツ
=アイルランド映画 132分
キャスト:ジュード・ロウ
ジョセフ・ファインズ
エド・ハリス
レイチェル・ワイズ
ボブ・ホスキンス
ロン・パールマン

1942年、ソビエトに侵攻したナチスドイツは、
スターリンラードを死守しようとするソビエト軍と
熾烈な戦いを繰り広げる。その中で、ヴァシリという
1人の兵士が見事な狙撃能力を見せ、軍部は彼を
兵士の士気高揚に活用していくのだった。

<お勧め星>☆☆☆ 狙撃手同士の息が詰まるような
駆け引きは見ごたえがありますが、映画的には普通。


スターリンラードは、第二次世界大戦時、ソビエトの
水陸の大補給基地であったため、ナチスドイツはここ
を攻略し、戦況を一挙に逆転しようと大量の軍事力を
送ったわけです。映画の冒頭シーンにあるように、かたや
銃も持たない赤軍兵と戦車、自動小銃など重火器を備え
空からも攻撃を加えるドイツ軍との兵力の差は格段の
ものがあるのです。しかしながら、自らの名前をつけた
この都市をスターリンは意地でも守りたかったため、
史上最大ともいわれる地上戦が180日間にわたって
繰り広げられたわけです。

しかしこの映画はそこは、ただ死体の山と空からの爆撃
シーンなどで描かれるのみで、ソビエト軍の狙撃手
ヴァシリ・ザイツェブとそれに対抗し、ドイツ軍が送り
込んだケーニッヒ少佐の腕の見せ合いが中心です。


スターリングラード

若き日のジュード・ロウ演じるヴァシリと、彼に命を救って
もらい、彼の狙撃能力をこの目で確かめ、兵士の士気高揚に
活用しようと考える政治将校ダニロフと、ドイツ語に長ける
女兵士ターニャとの三角関係も絡めちゃうから、なんとも
いえない内容になっているのも否めません。


スターリングラード

酔いつぶれたソビエト兵士の間で、こっそり愛し合うヴァシリと
ターニャは、ひたすら声を押し殺し、束の間の幸せをかみしめ
ます。しかしダニロフはどうしてもターニャを手にしたかった
のでしょう。実際はものすごく悲酸な状況だったので、こんな
恋愛など考える余裕などなかったと思います。だからここは
蛇足の一言に尽きますね。


スターリングラード

一方ケーニッヒ少佐を演じるエド・ハリスは、眼光が鋭く、
教養もあり、高級なタバコも吸っている貴族の出身という
設定がよく似合います。
スコープを使って相手の動きを映し出すシーンは、
「アメリカンスナイパー」(2014)を思い出させ、さらに
あの映画のメッセージとこの映画のメッセージの厚みの違いを
感じさせました。


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父親たちの星条旗

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JUGEMテーマ:洋画

父親たちの星条旗

「父親たちの星条旗」
原題:Flags of Our Fathers
監督:クリント・イーストウッド
2006年 アメリカ映画 132分
キャスト:ライアン・フィリップ
     ジェシー・ブラッドフォード
     アダム・ビーチ
     ジェイミー・ベル
     バリー・ペッパー
     ポール・ウォーカー

ドクは1945年、衛生兵として硫黄島へ派兵される。
彼を含めた戦友が星条旗を立てる写真は本国で有名と
なり、帰国した彼らは「英雄」としてもてはやされる
のだった。

<お勧め星>☆☆☆半 先に見た「硫黄島からの手紙」
の方が胸にガツンときました。


日本のテレビ枠では、「硫黄島からの手紙」をゴールデン
タイムに放映し、その前の深夜枠でこの映画を流したと
のこと。確かに日本人としては、激戦の地かつ日本軍が
死守しようとした硫黄島については、そこにアメリカ人
の英雄がいたなどとは思いたくないのかもしれません。
絶望的な状況で死闘を繰り広げた擂鉢山に星条旗など立つ
シーンは見たくないでしょう。
撮影は硫黄島に似た黒い土壌や大胆な砲撃シーンが再現
できたアイスランドで行われたそうです。
1945年、日本にとって本土攻撃を少しでも遅らせる
ために硫黄島では、激しい戦いが繰り広げられていました。
そこはアメリカ軍にとっても長距離爆弾の基地に適して
おり、絶対に奪いたい土地でもあったのです。


父親たちの星条旗

もちろん戦力はアメリカ軍が格段上だったのですが、長引く
戦争への厭世観が本国で漂っており、軍備品への費用も
減少していました。ところが硫黄島でAP通信記者ローゼンタール
が撮影した1枚の写真から、その気分が払しょくされるのです。
それは数人のアメリカ兵が硫黄島の擂鉢山へ星条旗を立てている
姿です。擂鉢山に関しては、「硫黄島からの手紙」で幾度も
耳にしました。この写真に関して映画の序盤に、「最初の1枚
がだめでもこれでいいか」と言っていたような気がします。それが
この写真の真実を物語っているのです。


父親たちの星条旗

急遽帰国した3人は、戦時国債販促キャンペーンのために、
あちこちへ行かされ、一躍「英雄」としてたたえられるのです。
衛生兵ドク、伝令員レイニー、ネイティヴ・アメリカンの
アイラは、時折フラッシュバックする戦争の記憶に怯えながら
政治家や富裕層への資金集めパーティーへと参加させられます。
アイラは「アメリカ人」として戦争をし、英雄とされたのに、
それを知っていても差別する白人に苦しめられます。彼は何の
ために戦ったのだろう。
また、冒頭ウィスコンシン州で倒れた老人ドクが、
「イギーはどこだ」
と口走ったのは、そこにどんな記憶が残されていたのか。

実は最初に立てた旗は、大尉の気まぐれで、違うものに交換
されていたのです。そして有名な写真は2回めに旗を立てた時の
ものであり、そこには、亡くなったけれど「英雄」と称えられた
ハンクではなく、ハーロンが映っていたのです。
でもそんな旗のことなど結局はさほど意味は持たないのですよ。
旗を誰が掲げようが、何本目だろうが、兵士は戦争において
コマの1つに過ぎず、その戦争を決めた政治家たちは、最も
安全な場所で、威信と利益のために、次々に指示を出すだけなの
です。
「英雄を作らないと戦はできない」
戦争に大義などないということが実感できる映画です。
追記ですが、ドクが戦地で行方を捜し、洞窟の中で見つけたイギーは
「硫黄島からの手紙」で、突然穴に落ちてきた米兵を、日本兵が
銃剣でめった刺しにするシーンがありました。それがイギーの
ようです。原作本では一生忘れられない姿になっていたことが
書かれています。戦争はこういうものなのですね。


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戦火の中へ

4
JUGEMテーマ:韓国映画全般

戦火の中へ

「戦火の中へ」
原題:71 Into the Fire
監督:イ・ジェハン
2010年 韓国映画 121分 PG12
キャスト:チェ・スンヒョン
     クォン・サンウ
     チャ・スンウォン
     T・O・P

1950年、朝鮮人民軍は、韓国へ侵攻する。韓国軍の
民力は人民軍に劣り、主要都市は次々と陥落、遂に
学徒義勇軍を投入する。しかしポハンには学徒兵のみ
が残され、そこへ人民軍が近づくのだった。

<お勧め星>☆☆☆ 見終わると戦争の虚しさ、野蛮さ
への怒りだけが残ります。


主役の学徒兵オ・ジャンボブのアップ映像がやけに多い
と思ったら、アイドルグループ、BIGBANGのT・O・P
という方だそうです。グループ名は知っていてもメンバー
は誰ひとりわかりません。映画内では大迫力の戦闘シーン
と共に彼の雄姿が見られます。


戦火の中へ

ストーリーは1950年朝鮮人民軍が、6月25日に突然韓国
へ侵攻し、朝鮮戦争が始まったシーンから進んで行きます。
人民軍は、韓国をアメリカ帝国の傀儡軍と言い、韓国軍は
人民軍をアカの傀儡軍と呼ぶ。背景には第二次世界大戦後
日本統治から解放された朝鮮を、米ソで占領しあった経緯
があるのですが、元々は同じ民族であり、そのまま生き別れに
なっている家族も今なお多く残っているのです。したがって
人民軍が統一国家を目指す、とスローガンを掲げるのも理解
できるし、おそらくは貧しさに困窮する南の人々を救おうと
いう思いがあったはず。事実は別として、統一国家への道は
今や限りなく遠のいてしまっています。

朝鮮戦争では、韓国の民力は人民軍よりはるかに劣勢で、遂に
総力戦を考え、学徒義勇軍が召集されます。映画の前半で
家族に見送られ出陣する彼らと、戦地でけが人と共に撤退する
トラックが交互に映り、戦争というものの悲惨さを思い知らされ
るのです。

このシーンは太平洋戦争時の日本の学徒出陣と重なり、将来
有望であった青年たちが、持ったこともない銃を渡され、敵兵
と戦わなければならなかった状況には胸が痛くなります。
ジャンボブは、第三師団と一緒に戦地に赴くも、目の前で
味方軍がバタバタ倒されていくのを見て、銃に弾一つこめられず
呆然と立ちすくみます。戦争に置いて彼らなどは小さなコマで
しかなかったのです。

その後軍は、洛東江戦線へ移動し、ポハン女子中学校には、71名
の学徒兵のみが配置されます。集合する姿はまるで修学旅行に
でも行くような浮かれた気分のものばかりです。少年院へ行く
はずの不良3人組は
「アカをぶっ殺す」
と息巻きます。他には兄についてきた明らかに幼い少年もいて、
それを見てカン大尉が目を伏せるのと同時にわたしの涙腺崩壊。
キミはきっと死んじゃうんだよ。お母さんのキムチチゲ鍋なんか
二度と食べられないんだよ。来ちゃいけなかったんだよ。
未来にいっぱい夢があったはずの若者が、なぜこんな簡単に命を
奪われなければいけなかったのか。

一方、人民軍にもあどけなく、銃の引き金に指が届かないような
少年兵もいます。しかし戦地では兵士は戦うしかないのです。


戦火の中へ

銃撃、爆撃、炎上シーンは大迫力で、画面いっぱいに悲惨な
光景が次々と繰り出されていきます。
人民軍766部隊の少尉も冷徹ながら、学生には発砲しないという
考えを押し通そうとする。


戦火の中へ

しかし一度始まった戦争は、そんな思いを掻き消します。
戦争なんて少しもかっこよくない。
やっと戻って来た本当の兵士10人と対戦車砲が1つあれば、
この71名が亡くなることはなかったのに、と思うと無念の
気持ちに尽きます。さっきまで隣で笑っていた友人が撃たれ、
その遺体を埋める穴を掘るんだよ。それが戦争なんだよ。


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裏切りの戦場 葬られた誓い

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JUGEMテーマ:洋画

裏切りの戦場

「裏切りの戦場 葬られた誓い」
原題:L'ordre et la morale
監督:マチュー・カンビッツ
2011年 フランス映画 134分
キャスト:マチュー・カンビッツ
     イアベ・ラパカ
     マリック・ジディ
     アレクサンドル・ステイガー
     ダニエル・マルティン

ニューカレドニア島で独立派の暴動が起き、フランス
憲兵30名が人質となる。本国の憲兵隊大尉フィリップ
は人質解放交渉のために現地に向かうが、そこでは既に
陸軍が介入をしていた。

<お勧め星>☆☆☆半 見終わると心が暗くなります。
のどかなニューカレドニアの現地民が歌う歌が心を癒して
くれるのみです。


私がいつも映画を見た後に参考にさせていただくレビューに
「この映画は民主主義の恐怖を描いている」と実に的確な
表現が書かれていました。「ディクテーター 身元不明で
ニューヨーク」(2012)でも皮肉られていたように
民主主義下で行われる政治家の決断が、時として独裁政権下の
それよりも残酷であることがわかります。
1988年、ニューカレドニア、ウヴェア島で起きた事件を
題材にこの映画は作られました。
冒頭ニューカレドニア人の遺体や負傷者、木に拘束された姿
の中を「交渉は失敗した」と呆然と語るフィリップの様子が
映ります。フィリップはフランス憲兵隊の大尉であり、フランス
国内の警護を行っているのです。


裏切りの戦場

1988年4月22日、フランス領ニューカレドニアのウヴェア島
でカナック族独立派の暴動が起き、現地の憲兵隊員30名が人質に
なります。ニューカレドニアはフランスであり、国内の問題と考えて
フィリップ以下憲兵隊員は現地に向かうのです。しかしそこには
既に陸軍の作戦本部が置かれており、フィリップたちは彼らの指揮下
で動くことになります。
当時フランス本国は左派のミッテラン大統領と右派のシラク首相が
存在するという極めて歪な国政であり、さらに大統領選挙を間近に
控えていたのです。したがって政治家や軍の上層部は、この事件を
選挙に有利に使いたい、それはいち早く解決することだと考えて
いました。

どこまでも広がる青い海と白い砂浜、そしてうっそうと茂る南国の
植物。その中をフィリップたちは軍の指示にしたがって、洞窟に
拘束されている人質の手掛かりを探し続けます。しかし現地の人々は
部族の長老の意見を尊重し、また島の洞窟を神聖な場所と考えています。
そこを土足で踏みにじっていくフランス軍の姿は、あまりにも暴力的
なもの。


裏切りの戦場

現地の状況を知り、あくまでも対話で交渉しようとするフィリップの
意見は、功を急ぐ政治家や軍部に押し切られ、心ならずも「裏切り」
を選択せざるを得なくなるのです。「人質より政治」なのです。
映画内で時折流れるニューカレドニアの現地の人々の歌声は、容赦
ない銃弾に打ち消され、焼き尽くされ、事態は終結します。
将校の任務は「服従」。たとえ命令が自分の考えと正反対であった
としても、それを実行するのが将校なのです。

フランス本国の人々がいかにニューカレドニアの人々を侮蔑的に
考えているか、その歴史をたどると、それは侵略者そのもので
あったことから伺えます。美しい自然とは裏腹な歴史なのです。



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ネイビーシールズ:チーム6

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ネイビーシールズ

「ネイビーシールズ:チーム6」
原題:Code Name:Geronimo/Seal Team Six/
         The Rapid on Osama Bin Ladin
監督:ジョン・ストックウェル
2012年 アメリカ映画 101分 PG12
キャスト:キャム・ギガンデット
     アンソン・マウント
     フレディ・ロドリゲス
     キャスリーン・ロバートソン
     ウィリアム・フィクナー

ビン・ラディン暗殺のため、ネイビーシールズ:チーム6
が極秘作戦を遂行することになる。しかしビン・ラディン
の明確な所在がつかめず、ペンタゴンからの命令がなかなか
発動されないのだった。

<お勧め星>☆☆☆ 映画としては手に汗を握る展開ですが
現在の状況を考えると、かなり複雑な思いになります。


「ゼロ・ダーク・サーティー」(2012)でも描かれた
オサマ・ビン・ラディン暗殺計画「ジェロニモ作戦」を
現場のネイビーシールズ隊員の視点も交えて映していきます。
9.11事件以降、その所在をアメリカが血眼になって捜し
続けたオサマ・ビン・ラディン。死亡説や山岳地帯に身を
潜めているなど様々な情報が飛び交いました。彼1人を捕えた
ところで、状況は全く変わることはないのですが、悲惨な事件
への1つのけじめとしたかったのでしょう。その情報を得る
ために、ポーランドの秘密収容所やCIA情報部のスパイとなった
パキスタン人の姿などが映ります。この情報はものすごいんです。
バージニア州にいながら、パキスタンの状況が手に取るように
わかるんです。

CIA分析官、ホリンズは、その分析能力で、ビン・ラディンの
生存を確信し、パキスタンの街中にいるのではないかと推測
します。


ネイビーシールズ

しかしその推理には裏付けが少なく、同僚は否定し、上層部も
動こうとはしないのです。このホリンズ役の女優さんはいまいち。
彼女の上司ギドリー役は「エリジウム」(2013)の
ウィリアム・フィクナーです。彼の存在感は何気に大きいです。
一方アフガニスタンで自爆テロに遭ったネイビーシールズの隊員
スタナー役は「パンドラム」(2009)のキャム・ギガンデット。
カム・ジガンディとも読むらしい。


ネイビーシールズ

彼が久しぶりにバージニア州の自宅に帰ると、なんと妻は浮気
しましたよ的な姿でベッドに寝ています。あ〜、えらいこっちゃ。
少佐は妻を9.11事件で亡くしていたりと少しだけ私生活を
見せてくれますが、不十分な描き方なので、別になくてもいいかな
と思ってしまいます。特にスタナーの妻の浮気相手が同じチームの
チェリーなんて話は余分。タイマンしている場合じゃないって。

そして「海神の槍作戦」つまり「ジェロニモ暗殺作戦」が決定する
のですが、そこからの訓練風景より、ビン・ラディンの隠れている
らしき家に彼がいる証拠をつかむために、あれこれアイデアを練る
ホリンズや現地のパキスタン人の姿は緊迫感があります。
作戦当日のネイビーシールズ:チーム6の動きは、固定カメラ、
監視カメラ、携帯カメラ映像、暗視映像、衛星映像、果ては犬の
頭装着カメラも使って目まぐるしく映り続けます。
「民間人、女、子供は傷つけるな」
その命令が白々しく感じられたのは自分だけでしょうか。
エンドロールで、その後の隊員やスパイ達の状況がわかります。
結局何も変わらず、憎しみやその過激さを増すことになったのは
自らが捲いた種だからですね。利用価値があるときだけ利用する
という手法では、信頼関係は築けないに決まっているのです。



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マイウェイ 12000キロの真実

4
JUGEMテーマ:韓国映画全般

マイウェイ

「マイウェイ 12000キロの真実」
原題:My Way
監督:カン・ジェギュ
2011年   韓国映画   145分   PG12
キャスト:オダギリ・ジョー
     チャン・ドンゴン
     ファン・ビンビン 
     キム・イングォン
     夏八木勲
     山本太郎

1928年、日本占領下の京城で、日本人長谷川と朝鮮人使用人の
息子ジュンシクは、マラソンで良きライバルとなる。しかし、祖父の
暗殺をきっかけに、長谷川は朝鮮人を憎むようになり、2人の仲は
険悪になる。やがて日本軍大佐としてノモンハンへ赴任した長谷川は
日本軍に強制徴用されたジュンシクと再会するのだった。

マイウェイ

韓国映画最大級の製作費25億円を投じただけあって、戦闘シーンは、
大迫力であり、その音と映像、そして大掛かりなエキストラの数とセット
には目を奪われます。尺が145分とやや長めなので、冗長になりがち
ですが、そこはストーリーの面白さで最後までしっかり見ることができました。


マイウェイ

冒頭、1948年7月のロンドンオリンピックのマラソンで、ラスト付近で
急に順位を上げたきたキム・ジュンシクの背中が映ります。背中、という点
が重要。
そしてシーンは変わり、1928年朝鮮、京城(現ソウル)。日本統治下の
朝鮮では、裕福な日本人と貧しい朝鮮人が暮らしており、そこに住む祖父を
訪ねて長谷川辰雄という少年が東京からやって来るのです。その家の使用人
の息子キム・ジュンシクも長谷川同様に足に自信があり、2人は良きライバル
だったのですが、長谷川の祖父が暗殺されてから、キム一家は追い出され、
さらに彼の父は拷問により下半身不随となって戻ってくるのです。この時から
長谷川の朝鮮人への憎しみは異常なほどに強まり、それがその後の戦地に
おける彼の言動、行動へとつながります。

この時代の朝鮮における日本人の横暴な振る舞いが序盤に描かれ、この手の
内容にアレルギーを持つ人のレビューでは酷評されています。しかし、侵略
した地域における侵略者への憎しみはされた側が最もよく知っているわけで
これによって朝鮮経済が活性化したなどというような理由で消去できるもの
ではないのです。
さらにオリンピック選抜マラソンで優勝を取り消されたジュンシクが、仲間
と共に騒いだことで、日本軍人としてノモンハンへ強制徴用されるのです。
つまり朝鮮人でありながら、日本軍の一兵卒として「ノロマな朝鮮人」と
ののしられながら戦争を行うわけです。ここに登場する上官役の山本太郎が
ものすごく上手。本当に嫌な兵士です。

そしてその地へ新しい指揮官としてやってきた大佐が長谷川なのです。長谷川役
のオダギリジョーの髪型に違和感があるのと、大佐はあんな前線に出なかった
のでは?と思ってしまいますが、実話に基づいているとはいえ、フィクション部分
もあると考えて納得します。
ところが戦況の変化により、日本軍はソ連軍の奇襲を受け、壊滅的な被害を受け
るのです。「皇軍に後退などありえない」と逃げようとする味方までも撃ち続ける
長谷川は、もはや狂気に満ちているとしか思えません。しかし、ソ連軍の捕虜に
なると、ソ連軍も同じような行動を取る。


マイウェイ

さらにナチスドイツがソ連に侵攻してくると、ドイツ軍の捕虜となる。すると
ドイツ軍も同じような行動を取るのです。つまり戦争において1兵士など
駒の1つ以下の存在であり、無能な指揮官の元に配属されれば、彼らは犬死
するしかないわけです。
そんな戦地で長谷川とジュンシクは常に一緒にいるうちに、憎しみから、最初に
出会ったころに抱いた友情を取り戻していきます。
そしてノルマンディで再び出会った2人は、共に生きて帰ろうと考えるのですが
そこへ連合軍が上陸作戦を行います。ここでも絶対に勝てない数を相手に、
撤退しない愚行が繰り返されるのです。


マイウェイ

どこの国がどうとか考えることは簡単ですが、同じ状況になるとおそらくは
皆が同じ行動を取るのだろうなあ、と感じました。
韓国映画ならではのコミカルなシーンも盛り込んで、一気に見ることができました。
蛇足ですが、中盤付近に現れる中国人スナイパー、シュライ役のファン・ビンビン
がきれいです。

<マープルの採点>
お勧め星   ☆☆☆

今日は爽やかな日です。



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ベルリン陥落 1945

5
JUGEMテーマ:洋画

ベルリン陥落

「ベルリン陥落 1945」
原題:anonyma-eine fran in Berlin
監督:マックス・フェーベルベック
2008年   ドイツ=ポーランド映画   131分
キャスト:ニーナ・ホス
     エブゲーニ・スジヒン
     イルム・ヘルマン

1945年4月、ソビエト軍がベルリンを包囲し、ドイツ帝国議事堂を
目指して進軍する。ベルリンに住むドイツ人女性は、軍人の夫の
帰還を待ちながらも、ソビエト軍の蛮行に強く耐えていくことを誓う
のだった。

ベルリン陥落

ジャケットのような攻撃、銃撃シーンはわずかしか見られません。ただ
ひたすらソビエト軍に攻め込まれたベルリン市民、特に女性の姿を
描いています。
主人公の女性ジャーナリストは、映画の中で一度も名前を呼ばれない
のです。それはこの日記を西ドイツで発表した1959年、「ドイツ女性の恥」
として強く非難され、彼女の死後、実名を明かさないということで再出版に
なった経緯があるからでしょうか。
ドイツ軍兵士ゲルトを夫に持つ女性ジャーナリストは、ロシア語が堪能で、
夫が出征した時から、その日のことをこつこつ書き留めていたのです。
ドイツ軍がヨーロッパ各地で行った蛮行は、数えきれないほど映画化されて
いますが、逆にドイツ人としてヒトラーに従ってきたドイツ国民、特に戦後
東西に分断されたベルリン市民の姿を描いた作品はそれほど見たことが
ありません。
1945年4月26日、ソビエト軍がベルリンを包囲し、市内に侵攻し始めます。
彼らの多くは「戦争、終り。女来い。」と言いながら、市内で好き勝手に略奪
破壊行為を行い、女性には暴行を働くのです。故郷を離れ、戦に明けくれた
5年の歳月の終焉が来たことが、彼らをこうさせた要因の1つかもしれません。

ベルリン陥落

いえ、それ以上に戦勝国というものの傲慢さが現れていると思います。さらに
ソビエト軍の一般兵士の多くが、地元では農場で働く労働者階級であり、ベルリン
という大都会と豪華な調度品を持つドイツ人への妬みと、家族を殺された恨みとが
混じり合っていたのでしょう。戦争という愚かな行為が、人間を人間でなくさせる
悪の根源なのです。
主人公の女性は「生き延びるのよ。」と周りの女性たちに声をかけ、自らも高い階級
の男をパトロンにして、彼らからの護衛にさせようと考えます。

ベルリン陥落

このようなシーンがかなり長く続き、少々ダレてきますが、ドキュメンタリー調の
描き方によって、こういう事実が確かに存在したのだ、ということが、まるでその場
にいたかのように思われてきます。そしてこの女性がアンドレイ少佐の庇護下に
置かれ、しばしの平穏な時間を過ごした後、ドイツはヒトラー自殺によって降伏。
さらにこの女性の夫ゲルトが突然帰還、その上女性への不公平な扱いによって
アンドレイはシベリア送りとなるのです。彼女が愛していたのは、その時は明らかに
アンドレイだった。たとえ夫が戻って来ていても、その心は純粋なものだったはず
です。戦敗国の軍人として疲弊した帰還した夫は、彼女の日記を読み「恥知らず」
と言い放ちます。しかし、あの状況下で、女性はどう生きればよかったのか。深く
考えさせられる映画でした。

<マープルの採点>
お勧め星   ☆☆☆



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今日は晴れてきそう。寒さも一休み。


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