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- 2023.01.12 Thursday
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JUGEMテーマ:洋画
「ブラックボード 戦火を生きて」
原題:En mau fais qu'ilte plait
監督:クリスチャン・カリオン
2015年 フランス=ベルギー映画 114分
キャスト:アウグスト・ディール
オリビエ・グルメ
マティルド・セニエ
アリス・イザース
1939年反ナチス主義者のハンスは、息子マックスを
連れ、ドイツからフランスの小さな町に逃げてくる。
ベルギー人と偽り農園で働くハンスはある晩、逮捕
投獄され、ドイツ軍の空襲で脱出できた時には、
マックス達は全て町から消えていた。
<お勧め星>☆☆☆半 美しい音楽と明るい陽射しの中
戦争の不条理さと、人間の正しい在り方を示しています。
〇見どころ
ブラックボード=黒板は、父ハンスが逮捕され、その後
ドイツ軍の侵攻から逃れて南に向かう町民と共に行動する
マックスに、先生スザンヌが、自分の安否と行き先を
書いておくように教えた場所です。
のどかなフランスの田舎町に突然立ち込めるドイツ軍の侵攻。
自分の生まれた場所を捨てる決意がいかほどにつらいか、
明るい映像からは想像できないほどの重いものだったことでしょう。
それでも町民の安全を考え南に向かうと決めた時、人々は
ポールの考えに従います。ポール役は「サンドラの週末」
(2015)などで渋い演技が光るオリビエ・グルメ。
先回りして他の集団がドイツ兵に惨殺されている姿を見つけた
先生スザンヌは、「違う道を行こう」と主張し、子供たちに
自分の方に目を向けさせようとします。その姿がとても健気
なんです。
また中盤、刑務所が空爆を受け、脱出したハンスとイギリス
敗残兵パーシー、そして持っていくワインを選んでいて逃げ
遅れた町民アルベールが、それぞれの言葉で話し、乾杯する姿は
本当に自然であり、戦時下であっても個々の人間のつながりは
切れることはないと実感します。ハンスが英語、ドイツ語、
フランス語すべて流ちょうに話せる要因もあったけれど。
●惜しいところ
終盤はややご都合主義な面も見られましたが、全体的に違和感の
ない映画です。
途中ポールたちが立ち寄った町のフランス人店主は、同胞に
対してすらも、慈悲を示しません。一方ドイツ人であっても
反体制派であれば受け入れるイギリス人、フランス人の寛容さが
対照的に描かれていました。