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- 2023.01.12 Thursday
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JUGEMテーマ:コメディ映画全般
「神様メール」
原題:Le tout nouvean Testament
監督:ジャコ・バン・ドルマン
2015年 ベルギー=フランス=ルクセンブルグ映画
115分 PG12
キャスト:ブノワ・ホールブールド
カトリーヌ・ドヌーヴ
フランソワ・ダミアン
ヨランド・モロー
ブリュッセルに住む「神」はPCを通して、人々の運命を
弄んでいる。そんな父に反抗した娘エアは、世界中の人に
余命を知らせるメールを送信し、家出を決行するのだった。
<お勧め星>☆☆☆☆ すごく気分が良くなる映画だし、
音楽も美しいです。
冒頭はフザケていると思ったのですが、実はこの父が「神」
であり、「普遍的な不快な法則」などを作ったりして、人々を
苦しめている姿を見ると、この「くそったれ」と思って
しまうこと間違いなし。
〇見どころ
神はJC(イエス・キリスト)の父であり、横暴で気まぐれで
意地悪で邪悪な心を持っているのです。普通想像する神の
真逆ですよね。
この神は毎日PCを駆使して、天災、人災を引き起こし、人を
苦しめ、それを見ては喜んでいるというとんでもない奴。
このシーンは、模型を使うことが多いので、娘エアの妄想かと
思っていたら、まさに真実なのです。母は父の言いなりで野球を
見て刺繡をする日々。さてエアは遂に父に逆らい、人の余命を
告げるメールを一斉送信し、下界へと家出をするのです。世界の
人全員が携帯を持っているわけないなどという、つまらない
ツッコミは考えず、洗濯機から下界へ向かうエアの姿は想像力の
賜物といった感じです。なぜに下界へ行くかというと、
使徒12人から18人に増やせば、新新約聖書ができて、違う
世界にできる...かも?という極めて曖昧な兄のアドバイスから
なのです。いいのか、こんなことで。おまけに増やす6人は
ランダムに選んでいったぞ!
エアが選んだ6人のもとへ向かうための道案内を頼むのは
ホームレスのヴィクトール。
この組み合わせも何とも言えず微笑ましいし、選んだ6人が
何某かの苦痛を抱えているのも悲しいことなのになぜか、切なく
感じないのです。そのあたりのブラックな笑いはとても上手。
左腕のないオーレリー、余命を知り何もしないことに決めた
ジャン=クロード、性的妄想者マルク、死を見るのが好きな
フランソワ、愛のない夫婦生活を確信したマルティーヌ、母親に
よって病気にされてきたウィリーと、誰もみな「神」によって
苦痛を与えられてきたわけで、エアは、彼らと話をし、その人の
持つ曲を教えると、あらら、自分のしたいことをし始めるでは
ありませんか。それは誰に害を与えるわけもなく、自らが望んで
始めることなのです。
マルティーヌ演じるカトリーヌ・ドヌーヴがサーカスのゴリラと
恋に落ちるのは、東山動物園の男前ゴリラを思い出してしまう。
そして6人がそろい、使途が18人になったとき...。
そうそう「神」である父の下界での姿があまりに滑稽で、神父をも
怒らせ、結局ただの身元の分からない男になってしまったのは、
いい気味でございます。それらも含め、ラストの美しいというか
刺繍チックな映像は(なぜかわかりますよね?)世界の人々が幸せな
暮らしを送る夢を見ることができます。それにしても邦題は
なんだろうねえ。ダサいの一言につきますね。