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- 2023.01.12 Thursday
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JUGEMテーマ:邦画
「何者」
監督:三浦大輔
原作:朝井リョウ
2016年 日本映画 97分
キャスト:佐藤 健
有村架純
二階堂ふみ
菅田将暉
岡田将生
山田孝之
拓人とルームメイトの光太郎は就活中。同じ
アパートの2階に同級生瑞月の友人が住んでいた
ことから、そこを就活会議場と決め、それぞれ
活動し始めるが...。
<お勧め星>☆☆☆半 映画の方がずっと面白かった。
本音を見せることはかっこ悪いのか。
原作は「桐島、部活やめるってよ!」の朝井リョウの
同名小説で、この作品が映画化されると聞き、本を
読んだものの、何となく後味が悪く、結局WOWOWにて
鑑賞。原作本の方は、文字の数が極端に少なく、Twitterの
文面がずらずら並んでおり、その行間を読み取らないと、
中身がうまく伝わらないという感じがしました。
facebookのメアドからTwitterのアカウントを検索?
そうなんだー。
したがって映像化された時に、個々の表情が目の前で
見られたのでずっと理解しやすかったです。
御山大学で、演劇にのめり込んだ拓人、バンド活動で人気を
博した光太郎はどちらも留年。さらに同級生、瑞月は
海外留学のためやはり留年し、5年生に就活をするわけです。
皆同じリクルートスーツを着込み、同じ髪型、黒いバッグ、
黒い靴..。いつからこうなったんだろう。その異様な姿に
すっかり慣れたもののその中から個性を見出せるのだろうか。
そして瑞月のホームステイ先で知り合った理香と
その同棲相手隆良も登場します。本ではそれぞれの説明が
もう少し詳しくされていたような気がしますが、映画は
終始拓人目線で進みます。エントリーから試験の合否に
至るまでメールで届くという世界に身を置くと、私生活でも
それを常に活用している若者たちは、いつ「本音」を
語るのでしょうか。光太郎のように裏表のない人間もいる
かもしれないけれど、人間関係を潤滑にするために?
周りから浮かないために?「本音」を隠しているうちに、
自分が「何者」であったことすら忘れてしまうのかもしれません。
終盤に判明する拓人と理香の裏の姿を批判し合うシーンは、
まさに背筋がゾッとします。
但し、演劇の置き換えて拓人の心の中、つまり「裏垢」で
語っていたことを描いていく手法は素晴らしく、ラストも
なんとなくすがすがしいものでした。