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    • 2023.01.12 Thursday
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    手紙は憶えている

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    JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

     

    手紙は憶えている

     

    「手紙は憶えている」

    原題:Remember

    監督:アトム・エゴヤン

    2015年 カナダ=ドイツ映画 95分

    キャスト:クリストファー・プラマー

         マーティン・ランドー

         ヘンリー・ツェニー

         ディーン・ノリス

         ブルーノ・ガンツ

     

    認知症を患い、妻の死も忘れてしまうゼヴは、

    友人マックスからかつてアウシュビッツ収容所で

    彼らの家族を殺した兵士を捜すことを託される。

    ゼヴは1通の手紙を手にその兵士を捜すたびに出発

    するが...。


    <お勧め星>☆☆☆☆ まさかのラストにしばし放心し、

    そして胸が熱くなりました。


    求めていたのは記憶


    ある程度までは先のストーリーが読めるのですが、

    全く予想だにしなかった展開が登場し、1発の銃声の

    後に暗転。この暗転の中に様々な思いが織り込んであります。
    主役のゼヴを演じるのは「ドラゴン・タトゥーの女」

    (2011)「トレヴィの泉で二度目の恋を」(2014)

    などのクリストファー・プラマー。映画内でのピアノ演奏は

    すべて本人のものだそうで、優しくもあり、もの悲しくも

    あるその音色に引き込まれます。彼が、認知症を患う

    90歳のゼヴの役をおぼつかない足取りや記憶が薄れた時の

    陽気な表情、思い出そうとする時の険しいまなざしなど

    高齢者特有の姿を見事に演じています。

     

    手紙は憶えている
     

    ゼヴは、妻の死すら忘れてしまう認知症であり、同じ施設の

    友人マックスとある約束を交わしていたのです。それは

    妻亡き後、かつてアウシュビッツ収容所で彼らの家族を

    殺したナチスの親衛隊員を捜すこと。それをしたためた手紙は、

    まずゼヴの記憶が薄れた時のために、ゼヴの名前、妻が

    亡くなったことなどから始まり、捕虜の名前を盗みアメリカで

    暮らすオットー・ヴァリッシュことルディ・コランダーを

    名乗る4人の人物の住所が書かれているわけです。
    ルディ・コランダーなどという名前が4人いて、一人ずつ

    ゼヴはその元を訪れます。いったん眠ると記憶がすっかり

    薄れてしまうので、腕に「read letter」と書くわけですよ。

    そうそう、何かを絶対に忘れまいと思ったら、手のひらか

    手の甲にそれを書き留めておくといいです。
    (手を洗って消えちゃったらいけないから、できたら油性

    マジックで)

     

    手紙は憶えている
     

    1人目はドイツ兵だったけれど、アフリカにいたので違う。

    2人目は逆に腕に番号が書かれており、収容者だったことが

    分かります。これも違う。3人目はすでに亡くなっていたの

    ですが、その息子が州警察に勤務しながら、実はナチ信者で

    あるとわかるのです。これがゼヴの腕に番号が彫ってあるのを

    見た途端、豹変するのが怖い。

     

    手紙は憶えている
     

    この差別主義者はアメリカ国内にきっと数多くいるわけで、

    その選民思想は口汚い言葉と共に暴力的な行動を引き起こす

    のです。この変貌ぶりがものすごい。そのように刷り込まれ

    たんだな。
    ゼヴは最初に銃を購入しており、(これもいとも簡単に買える

    から驚くけれど)カナダ入国審査でもパスポートの期限が

    切れていても免許証で入れちゃう。まあ、逆に戻る時は大変

    なんでしょうけど。で、銃をそこで使うんですよ。見事な

    銃さばきは、紙に使い方を書いてもらった程度ではできない

    と気づくべきでした。その時は全く気づきません。
    4人目のルディは、おそらく最初からマックスは最も可能性の

    高い人物を最後に書いたのでしょう。

    (これは後から推測するんですが)「声」でゼヴは思い出すのです。

    「こいつだ」と。
    しかしそこにはさらに違う展開が待っており、認知症ではなく、

    意図的に葬り去っていたはずのゼヴの記憶が呼び起こされます。

    それも4人目のルディとゼヴの子供たちの前で。
    「忘れていた」「思い出せなくなっていた」のではなく、

    「思い出したくなかった」記憶は、あまりに残酷で、それは

    大きな罪悪感を与えるものでした。
    だけど許しちゃいけない。許せない罪もあるはずだから。

     

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