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- 2023.01.12 Thursday
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JUGEMテーマ:サスペンス映画全般
出典:IMDb
「アメリカン・アニマルズ」
原題:American Animals
監督:バート・レイトン
2018年 アメリカ映画 116分
キャスト:エヴァン・ピーターズ
バリー・コーガン
ブレイク・ジェンナー
ジャリッド・アブラハムソン
ウド・キア
ケンタッキー州の平凡な大学生スペンサーは、友人
ウォーレンと何か刺激のあることを求めていた。
そして2人は大学の図書館にあるスペシャルコレクション
の本を盗み出すことを計画するのだが...。
<お勧め星>☆☆☆ 実話を映像化しているので地味
ながらスリルがあります。
平凡な日々には飽きる
<ネタバレしているかも>
実話を映画化し、さらにそこに当事者やその家族が登場
します。英雄となった人たちならまだしも、犯罪に手を
染め、服役までした人たちがよくぞ登場したと誰もが
思うはずですね。彼らが服役後所在不明になっておらず、
それなりの生活をしている証かもしれません。
映画内では犯罪シーンそのものにはもちろん実物は登場
しません。それに至るまでの個々の胸の内や犯行時の思い
などを、回想する形で本人や家族から語られるのです。
したがってどうしても綺麗ごとを言っているようにも感じて
しまいます。
さらに不思議なのは、各々の話に少しずつズレがあること
です。誰がその言葉を発したか、その時に全員の気持ちが
一致していたか、何を求めて行動にうつしたのかが4人の
口から語られます。但し1部分だけ全員が「沈黙」するの
です。それは言いたくないのか、自分でも理解できないのか。
ケンタッキー州レキシントンで逆さまに映される街並みと
メイクをしていく映像から、通常の向きの映像に変わり、
大学教員や家族のインタビュー映像が流れ、再びメイクを
する様子になります。さあ、今から実行するのか、と思うと
「1年半前」に逆戻りです。
出典:IMDb
大学生になって親の期待を背負っていても、自分が芸術を学ぶ
目的をはっきり言えず、学生クラブで嫌な思いをさせられる
スペンサー役は
「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリット・ディア」
(2017)でめっちゃ不気味なマーティンを演じた
バリー・コーガン。見た目では表情に乏しく、ちょっと気色悪く
感じられます。
そしてスペンサーの悪友ウォーレン役はエヴァン・ピーターズ。
X-MENシリーズのクイック・シルバー役で有名です。ウォーレンは
スポーツ奨学生として大学に入ったものの、周りが運動バカ
ばかりで大学への期待はすっかり消え去っています。
スポーツ奨学生で成功する人たちは一握りで、普通にスポーツ漬け
の学生生活を送り、それを自分なりに楽しめばいいけれど、
そういう学校では楽しさを求めてスポーツをするわけではないので、
確かにつまらなくなるだろうな。高校にスポーツ推薦で入った
子たちで、その部活が続けられず退学した話は幾つも聞いたことが
あります。
2人は、ただバカ騒ぎをするだけの学生生活も送りたくなくて、
結局「何かを起こして特別な人生」に変えたい、つまり一発逆転を
狙うわけです。それがスペンサーの大学の図書館にある
スペシャルコレクション、オーデュポンの「アメリカの鳥類」を
盗み出すこと。
出典:IMDb
価値は1200万ドルだと言います。盗み出す方法の研究に
使われるのが、過去の強盗映画で、その中に「レザボア・ドッグズ」
(1992)が含まれているのはとてもおかしい。だいたいあれは
成功したといえるのでしょうか。でも犯行をする際、一応それぞれに
カラーの名前、
スペンサー=ミスター・グリーン、
ウォーレン=ミスター・イエロー、
後に参加するエリックとチャズにはそれぞれミスター・ブラック、
ミスター・ピンクとつけるのです。でもこれ1回でも使われたかしら。
出典:IMDb
そもそも計画自体がものすごく雑かつ「バカ」丸出しなんです。
老けメイクをして4人が図書館に入っていくから、そこで実行すると
思いますよね。あんなに時間をかけてメイクするシーンを流して
いるのだから、あの扮装は誰にも怪しまれないと思いますよね。
この辺りは映像で確認してください。
出典:IMDb
大学の図書館に老人4人が入っていくことの違和感を考えなかった
アホの姿が、スリル満点で見られます。
この4人の無謀な行為が、つまらない日々を劇的変えるカンフル剤に
なり、自分たちは他の奴らとは違う人生を歩むのだと信じてしまった
ことの悲哀は終盤、本人たちの言葉で語られます。彼らの言葉に
少しだけ重みを感じるのは、痛みを味わったことによるものだけれど、
とても好意的に解釈すると、「若さ」が正しい道に戻すことが
できたともいえると思います。
ただ、ラストの話を聞くと、確かに「ウォーレンの物語」だった
のかもしれないと憶測してしまうのです。
挿入歌はかっこよく、華麗に犯罪が行われるかのように感じてしまう
からちょっと不思議。