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    恋人たち

    4

    JUGEMテーマ:邦画

     

    恋人たち

    出典:IMDb

     

    「恋人たち」

    監督:橋口亮輔

    2015年 日本映画 141分 PG12

    キャスト:篠原 篤

         成嶋瞳子

         池田 良

         安藤玉恵

         光石 研

     

    ハンマーで橋を叩いては不具合をチェックする仕事に

    就いているアツシは、3年前愛妻を通り魔によって

    奪われている。彼が犯人家族への訴訟を起こすことを

    勧めていた弁護士四宮は、完璧主義者で同性のパートナー

    と別れたばかり。一方弁当屋にパートに出ている瞳子は、

    自分に無関心の夫と姑がおり、偶然出会った肉卸しの

    男性と関係を持ってしまうのだった。


    <お勧め星>☆☆☆ どこがどん底かわからないけれど、

    自分への些細な共感で、少しだけ上を向けるような気が

    します。


    腹いっぱいになって笑うことはいい


    この映画のどこに恋人たちが登場するんだろう。
    朴訥とした語りから始まるこの映画が、どういう方向を

    向いているのか見極めるのに時間がかかります。

     

    恋人たち

    出典:IMDb

     

    ハンマーで橋を叩いてチェックをしていく男、弁当屋で弁当を

    詰めるパートをしている時に、ひたすらヒステリーを起こして

    いる女。橋を叩くという作業では「耳」が頼りで、大声を出す

    ことなど一切ないのに、弁当屋の女のヒステリーはどこまでも

    続きます。この対照的な映像から、突然アツシの過去が語られる

    のです。彼は3年前通り魔事件によって、最愛の妻を亡くし、

    犯人への憎悪と妻を失ったことへの喪失感から自暴自棄の生活を

    送っています。部屋はいたるところに服が置きっぱなしだし、

    食べ物はカップ麺、そして煙草を吸い、ビールを飲む。彼の

    緩んだ身体が、その不健康な生活を物語るのです。

    突然愛する者を何の理由もなく奪われたあげく、その犯人が

    心神耗弱で措置入院という判決になったとしたら(そういう

    例はいくつもあります)、さらに被害者なのに、事件のせいで

    家族の日常が壊されていく一方だとしたら、どこに怒りを

    ぶつければいいのでしょう。

     

    恋人たち
    出典:IMDb

     

    そのアツシが加害者の家族を相手に訴訟を起こすことを提案した

    5人目の弁護士四宮は、自信満々で、自分中心の生活を送って

    います。こんな人間が被害者に寄り添えるはずもなく、

    あくまでも自分の経歴に傷がつかない案件を扱おうと考えている

    わけです。彼はゲイであり、パートナーと暮らしているものの、

    ある日そのパートナーに去られてしまいます。これは当然

    なんだけれど、四宮の胸にいつもあるのは、同級生の存在で、

    彼がいるから自分というものを保つことができているという

    ことに気づいていません。

     

    恋人たち

    出典:IMDb


    さらに弁当屋にパートで働く瞳子は、頭髪の薄い夫と姑と

    暮らし、二人とも瞳子には無関心なのです。こういう家庭は

    今の日本にそれほどないかもしれませんが、確実に存在

    し続けていますよね。
    この家族の描き方がまことにリアルです。一人息子かな。息子を

    溺愛し、嫁は女中程度にしか思わない姑は、姑に瞳子が冗談を

    言ったことに腹を立て、彼女を平手打ちした息子を見て

    「当たり前だ。父さんが生きていたらこれくらいじゃすまない」

    と言ってのけるんです。こんな男は今の時代絶対に「結婚」と

    いう対象から外れてほしい。その的のはるか彼方に行ってほしい。
    そして瞳子は弁当屋に肉を下ろしていた男と、ひょんなことから

    関係を持つのです。皇室に憧れ、夢見る乙女(見た目は全く違う)

    である瞳子は、その男が自分を変えると思ってしまうんです。
    このようにほとんど交わることのない(瞳子は男二人とは一切

    関わることはない)3人の姿を映しながら、明日は違う日が

    待っていると願う、望む、思う普通の人間が、実は翌日はもっと

    悪い日を迎えてしまうという現実を目にしていきます。
    この映画の中に本当に善人がいるとしたら、アツシの上司の黒田

    でしょうか。黒田の1つ1つの言葉が、立ち上がる術を失って

    いるアツシの上に細い細い糸のようなものをたらし続けます。
    「殺したら話せないじゃん」
    この言葉を受け入れるのに勇気がどれほど必要かわかりませんが、

    受け入れることができたら、少しだけ息苦しさが消えるんだろうな。
    生きていくのには辛いことが多い世の中で、何を拠り所にするか、

    自分の頭でしっかり考え、行動することが必要だと思います。

    怒りや一時の衝動に駆られることでは何の未来ももたらさないと
    感じます。

     

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