さあ帰ろう、ペダルをこいで

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JUGEMテーマ:洋画
 
さあ帰ろう、ペダルをこいで

「さあ帰ろう、ペダルをこいで」
原題:sevetat e golyam i/spasenie de bne/otnsyakade
監督:ステファン・コマンダレフ
2008年   ブルガリア=ドイツ=ハンガリー=セルビア=スロベニア映画
        105分
キャスト:ミキ・マノイロビッチ
     カルロ・リューベック
     フリスト・ムタフチエフ
     アナ・パパドブル

サシコは父親の運転する車で事故に遭い、両親を亡くし、一人
生き残る。しかし彼は事故前の記憶を全て失い、面会に来た祖父
ダンさえ覚えていない。そんな孫を見て、ダンは記憶を取り戻す旅
と称して自転車旅行に連れ出すのだった。

さあ帰ろう、ペダルをこいで

最近見た映画の中では最も心に残る作品の一つです。
映画の序盤に何やらシリアスな表情の夫婦と陰気な息子の姿が
映ります。彼らは無言で1台の車に乗っているのです。
その前に1975年の一家の姿が映り、主人公サシコの誕生から、
祖父母、両親の紹介がさらっと描かれます。そして突然起きた自動車
事故でサシコだけが生き残るシーンになるのです。ここはいったいどこ
なのか、なぜ両親は憂鬱そうだったのか、それらは、サシコの幼少期、
両親の亡命前後の苦悩、現在の祖父とサシコの様子が、かわるがわる
映るうちに次第に理解できてきます。この描き方も「その先は?」と関心
をひきつけるものであり、全く飽きることがありません。
1975年、ブルガリアの田舎町で生まれたアレクサンダルことサシコは
サイコロ名人の祖父バン・ダンとお菓子作りが得意な祖母、そして落ち着き
のない父ヴァスコ、静かで穏やかな母ヤナの5人でつつましくも幸せに
暮らしていたのです。

さあ帰ろう、ペダルをこいで

ダンのバックギャモンの腕前は超一流で、金は賭けない名誉の戦いを
し続けていました。しかし共産党政権下の1983年、ダンの過去の行為や
娘婿ヴァスコの経歴詐称で、ヴァスコ、ヤナ、サシコはドイツへの亡命を
試みます。
「おじいちゃんと話したい時は、空の雲に話しかけるといい。」
ダンの言葉に頷くサシコ。しかし彼らにはイタリアの難民収容所での過酷な
生活が待っていました。それらも深く掘り下げすぎることなく、見る者に淡々と
訴えていきます。

さあ帰ろう、ペダルをこいで

ブルガリアといえば琴欧州、ヨーグルトぐらいしか知識のなかった私は
この映画で、この国がソ連の衛星国家であった時代の存在を知りました。
それはほんの30年ほど前のことなのです。そして今も決して裕福な国では
ないのです。
そして冒頭の陰気な親子3人は自動車事故に遭い、サシコだけ生き残ります。
ところが彼には事故前の記憶が一切ないのです。そこから面会に来た祖父と
タンデム自転車に乗って記憶を取り戻す旅に出かけることになります。
風力発電の風車が回り、どこまでも広がる真っ青な空、辺り一面緑の草原、
のどかな音楽やダンスと心のなごむものと接するうちに、サシコは記憶を
取り戻していきます。途中で、マリアという女性とも出会い、彼は再生した自分と
心を実感するのです。もちろんダンの後押しもあったのですが。

さあ帰ろう、ペダルをこいで

途中でダンはサシコを置いて列車でブルガリアへ戻っていきます。その後の
サシコのふっきれたような表情は、人生は自分で切り開くものであり、それは
「サイコロの振り方次第」
というダンの言葉をそのまま描いているようでした。
雨上がりの空に浮かぶ虹もうまく使われています。

<マープルの採点>
お勧め星   ☆☆☆☆☆


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明日は花散らしの雨らしい。今日はいい天気。

コメント
久々の5つ☆ですね。5ヵ国合作映画というのもスゴイですが。
サシコは無事に記憶が戻って良かったです。そこまでの道のりは長く辛いものだったかもしれませんが、祖父の協力が彼の家族思いがよく分かります。普通なら車での旅なんでしょうが、自転車でのんびりとゆっくり時間をかけながら思い出の場所を旅するのって、イイですね。記憶と共に新しい自分を手に入れた彼の人生に、希望が見えますね。
「リンカーン秘密の書」観ました。最近はリンカーンが流行りなのか?このタイトルが多い気がします。裏の顔がヴァンパイアハンターという設定がよく分かりませんでしたが、そうなった理由がチョットムリっぽい気もしました。まあCGが多く使われているので、途中で飽きてきた感じもありました。
P・S 隣の庭から牛カエルの声が聞こえてきました。
  • あちゃ丸
  • 2013/04/05 1:35 PM
牛カエルは懐かしい。あれは動きが遅くて、車の前にくると困ったものです...。何気に可愛いですけどね(^_^.)
「リンカーン 秘密の書」はなぜにリンカーンがヴァンパイアハンターなんだろう、と予告編を見ながら思いました。やはり設定に無理がありすぎですよね。「リンカーン」は、おそらく真面目な映画なので、DVDになってから鑑賞するかも、という感じです。
この映画はとにかく景色がきれいなんです。サシコは全然イケメンではないんですが、最後には大好きになる俳優さんですよ。ブルガリアの暗黒時代も垣間見ることができます。東欧は特に旧ソ連時代には過酷な人生を歩んだ人々がたくさんいたのですね。その頃日本はとっくに平和だったのですが。
  • ミス・マープル
  • 2013/04/05 4:54 PM
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