桃さんのしあわせ

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JUGEMテーマ:香港映画

桃さんのしあわせ

「桃さんのしあわせ」
原題:桃姐   A Simple Life
監督:アン・ホイ
2011年   香港=中国映画   119分
キャスト:アンディ・ラウ
     ディニー・イップ
     アンソニー・ウォン
     サモ・ハン・キンポー

映画製作の仕事に携わっているロジャーは、彼の家に60年
近く仕えるメイド桃さんに身の回りの世話をしてもらっている。
そんな桃さんがある日も脳卒中で倒れてしまう。施設に入った
桃さんと頻繁に面会するロジャーは、次第に彼女との強い絆
を感じていくのだった。

桃さんのしあわせ

この映画のプロデューサー、ロジャー・リーの実体験をもとに
アン・ホイ監督が製作した作品です。
主演の桃さん役は、わたしは知らなかったのですが、往年の大女優
ディニー・イップという方。

桃さんのしあわせ

そして彼女が仕える梁家の息子ロジャー役は、アンディ・ラウです。彼が
映画の中で書類を読むシーンで、老眼鏡を使っているんです。ちょっとショック。

桃さんのしあわせ

あのアンディが...。
さて梁家に60年近く仕えるメイド桃さんは、食事から洗濯に至る家事全般
から子育てまで全て携わってきたのです。そして今は、映画製作の仕事で
本土と香港を行き来するロジャーの身の回りの世話をしています。彼女が
黙々と買い物をし、黙々と作る料理はどれもおししそう。それをロジャーは
当然のように食べ、ついでにメニューに文句をつける始末です。ロジャーは
桃さんの前では子供のままなのですね。
ところがそんな桃さんが突然脳卒中で倒れてしまうのです。メイドとしての
役割が果たせなくなった彼女は、自らの貯金で払えるような施設への入居
を決めます。その施設の経営者役で、「八仙飯店之人肉饅頭」(1997)の
アンソニー・ウォンが出演しています。すぐにわかるルックスです。
この施設の入居者の姿がまさしくリアルそのもので、国は違えど人間の老いは
同じであり、そこでの家族間のドラマも変わりがないと実感します。ちょっと
気になるのは、認知症の方が入居しているのに、玄関ドアが自由に開閉できる
ことですね。そこは目をつぶるのかな。

桃さんのしあわせ

身寄りがなくても、ロジャーたちが慕ってくれる桃さんは、恵まれている境遇では
あります。しかし桃さんにしてみれば、一生の仕事であったメイドの仕事ができな
くなったことの喪失感はいかばかりかと思います。その思いをロジャーに見せまい
とふるまう桃さんの気丈さは、彼女のプライドでもあるのでしょう。
一方ロジャーも桃さんに頼り切っていた自分に、今さらながらに気づき、彼女が
自分のこれまでの思い出の一部になっていたことを悟るのです。
あの時は...。この時は...。そこにいつもいた桃さん。
施設の中でも様々な人々と次第に打ち解け、梁家の人々からは、温かく接して
もらう。そんな幸せな日々は、これまで経験したことのなかったものでしょう。
しかし、時間は確実に過ぎていくのです。
ラストシーンは、桃さんの幸せだった人生を集約しているようでした。

<マープルの採点>
お勧め星   ☆☆☆☆☆



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いい映画を見ると気分が落ち着くなあ。

コメント
半世紀以上もこの家に仕えてきた桃さんは、この仕事に誇りを持っていたでしょう。雇い主は当たり前の様に、普通の使用人として見てきたと思います。やはり金持ちはそれ位の考えしかできないのかしら?ただ、ロジャーは育ての親の様な存在の桃さんを放ってはおけませんよね。施設の人や桃さんを通して、金持ち目線では気づかなかった事が分かってくるんですね。人とのツナガリは、お金ではかえませんね。そして過ぎた時間も・・・。何か起きてからでは遅いし、後悔したくないので普段から「縦のツナガリ」ではなく「横のツナガリ」を大切にしたいですね。
  • あちゃ丸
  • 2013/05/11 8:05 PM
あちゃ丸さんのおっしゃる通り、桃さんは、メイドとしての誇りがあったのででしょうね。
かつて老人ホームで働いていたので、この映画の施設の老人が、その時の方たちとかぶって見えましたよ。あそこまでリアルに描くのは、日本の映画では無理かもしれません。
桃さんが幸せな人生を送れたのは、仕えた家庭の人達に幸せを与えてきたからでしょうね。「横のツナガリ」は大事です。それにしても老眼鏡のアンディ・ラウって...。かなりショックです。
  • ミス・マープル
  • 2013/05/11 9:08 PM
こんばんは♪
香港の老人介護事情というものも見え隠れしていた本作…確かに、認知症の人もいるのに簡単に開閉出来ちゃう扉って…と今更ながら思いました。うちにも認知症の祖父がいるので、いくらカウンターが入り口近くにあったとしても、危ないですよね
でも香港ではほとんどが国に世話になっているといわれてた通り、家族が外国にいてホームに入ってて安心と思われているのでしょうか。
でもなあ…桃さんが入ってた施設も部屋とはいえ区切られてるだけでしたし、やっぱり日本はそう考えると恵まれてますよね(高いけどっ)

ロジャーとの距離感が絶妙で、お涙頂戴話になっていなかったのは好感をもちました
  • maki
  • 2013/05/21 6:24 PM
makiさん。TBありがとうございます。
国は違えど、老人の介護事情は同じだなあ、と実感しました。以前施設に勤務していた時、
「帰りたい」
と夜になると言い始める認知症の老人が何人もいました。施設によっては相部屋で、カーテン1枚で仕切られているところもありますよね。
お金があれば立派な施設に入れますが、庶民には高嶺の花ですね。
桃さんとロジャーの微妙な距離感が気に入っています。それと桃さんを取り合う、ロジャーと彼の姉の姿も微笑ましかったです。
  • ミス・マープル
  • 2013/05/21 10:19 PM
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アンディ・ラウ主演&製作総指揮のヒューマンドラマ。 日本のごく一般の家庭ではメイドというものがいないから、雇い主家族とメイドの関係性、なんて考えた事もなかったかな。日本でも、一部のお金持ち&上流家庭のお家では、使女の募集なんかはあるみたいですけど
  • いやいやえん
  • 2013/05/21 6:18 PM
映画「桃さんのしあわせ」★★★☆DVD鑑賞 アンディ・ラウ、ディニー・イップ チン・ハイルー、ワン・フーリー イーマン・ラム、アンソニー・ウォン出演 アン・ホイ監督、 119分、20132年10月13日より全国公開 2011年/中国=香港 (原題/原作:桃姐) >→  ★映画
  • soramove
  • 2013/09/02 7:00 AM

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