- 2023.01.12 Thursday
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「黒いスーツを着た男」
原題:Trois mondes
監督:カトリーヌ・コルシニ
2012年 フランス=モルドバ映画 101分
キャスト:ラファエル・ペルソナーズ
クロチルド・エム
レタ・カティブ
アルタ・ドブロシ
社長令嬢との結婚を10日後に控えたアルは、友人
と酒を飲んで車を運転したあげく、1人の男をはね
てしまう。その場から立ち去る彼の姿を、現場近くに
住むジュリエットがずっと見ていたのだった。
<お勧め星>☆☆☆ どの人物にも感情移入できず、
サスペンスを期待しましたが、結構シリアスな人間
ドラマだったかと。
予告編ではとても魅力的な主人公アル役は、アラン・ドロン
の再来とも言われる(本当かな)ラファエル・ペルソナーズ。
端正なマスクとシャープな体つきは、確かに魅力的です。
しかしもう一つ色気がないんだなあ。彼の婚約者に至っては
こんな感じ。こりゃお金目当てと思われても仕方ない。
冒頭、バカ騒ぎをする3人の男は、ベロンベロンに酔って
車を運転したあげく、1人の男をはねてしまうのです。運転
していたのは、アル。10日後に自ら勤務する自動車販売会社
社長令嬢との結婚を控え、仲間の「おい、逃げろ」という声
の後押しもあって、その場から逃走するのです。その一部始終
を見ていたのが、現場近くのアパートに住むジュリエット。
このジュリエット役のクロチルド・エムも全然魅力的では
ありません。好みの問題かな。
アルは実は身分が低い生まれで、この結婚は逆玉の輿なわけ
です。最近フランス映画をよく見るので気づくのですが、
労働者階級とか中産階級とか、フランス国内では未だに
階級意識が強く残っているようですね。
一方目撃者のジュリエットは、被害者のことが気になって
仕方がないのです。被害者が入院する病院まで調べ、その姿を
その眼で見、彼の妻ヴェラとも親しくなります。なぜにそこまで
固執するのか、それが彼女の良心であったとしても、その後の
展開はまた理解しにくい部分が多いです。
被害者は実はモルドバからの不法滞在者であり、警察に届け
出ることもできない。フランス国内での移民の問題がここでも
浮き彫りになってきます。
また、アルも自らの罪の意識にさいなまれ続け、わざわざ
被害者の病室まで向かうのです。ジュリエットの正義感と
アルの罪悪感が交錯しながら、ストーリーは進み、アルは
罪滅ぼしのために、少しずつ嘘を重ねていくわけです。この
嘘がとても単純なものであり、婚約者やその父である社長への
罪悪感も積み重なっていきます。
結局アルは根っからの悪人にはなれなかったということでしょうか。
ジュリエットとアルがあっという間に深い関係を結ぶのは、
フランスというお国柄かなあ。
ラストの列車の中で物思いにふけるアルの姿は、重い十字架を
一生背負っていくという苦悩に満ちた表情に見受けられました。
- 2023.01.12 Thursday
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- 09:24
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ラファエル・ペルソナが出るってんでワクワクしてた作品。
もっさり社長令嬢との結婚が間近に迫ったアランことアルは、友人達と羽目をはずして飲みにでた帰り、男を轢いてしまう。そのまま逃走したのだが、一部始終を見ていたジュリエットがいた。彼女は事故にあっ
- いやいやえん
- 2014/04/12 8:46 AM