デビルズ・ノット

4

デビルズ・ノット

「デビルズ・ノット」
原題:Devil's Knot
監督:アトム・エゴヤン
2013年 アメリカ映画 114分 PG12
キャスト:コリン・ファース
     リース・ウェザースプーン
     デイン・デハーン
     アレッサンドロ・ニボラ
     ブルース・グリーンウッド

1993年、5月、ウエスト・メンフィスで3人の
幼い少年が、靴紐で手足を縛られた惨殺体で発見される。
地元警察は、容疑者として3人の少年を逮捕するが、その
捜査は杜撰であり、疑問を抱いた調査員ロンは、弁護士の
手助けを始めるのだった。

<お勧め星>☆☆☆ ほぼドキュメンタリーに近い映画で
あり、見終わっても全くすっきりしません。


被害者スティーヴィの母パム役のリース・ウェザースプーン
がやけにふくよかだな、と思ったら、撮影当時妊娠中だった
そうで、その体型が逆に田舎町の主婦に似合っていた気が
します。


デビルズ・ノット

「ウェスト・メンフィス3事件」という20年前に起きた
実際の事件を基に作られたサスペンスなのですが、事件そのもの
の真相がいまだに究明されていないこともあって、全編に渡って
モヤモヤ感が漂います。
1993年、5月5日、パムの息子スティーヴィは、新しい自転車
に乗って友人マイケル、クリスと共に「悪魔の巣窟」と呼ばれる
森へと遊びに出かけるのです。


デビルズ・ノット

おじいちゃんに買ってもらったこの自転車を得意げにこぐ姿は
これから起こる恐ろしい出来事を考えると、胸が痛くなります。
彼らはそれきり戻ってこないのです。しかしそれを訴えに行った
警察ではまともに取り合ってくれない。そしてほぼ同時刻、
町のダイナーに血まみれの黒人が入って来た、という通報も
あるのです。
そして警察隊が、濁った水の中に入り、手探りで捜索していると
次々に少年たちが見つかります。それは全裸で、手足を靴紐で
縛られ、遺体には傷をつけられていたものもあったらしい。
ここまでは、スティヴィーの継父テリーやクリスの父J・Mなど
何か胡散臭さの感じられる人々の姿も映り、どのような展開に
なるのか先が見たくてたまりません。しかし、警察が容疑者を
見つけ出す手法がいかに杜撰であったかを、実録映像のように
描き始めるので、どうしても興味が散漫になるのです。


デビルズ・ノット

容疑者とされる16歳から18歳の少年について、警察の捜査に
疑問を持った調査会社の社長ロン・ラックスは、彼らの弁護士の
助手として動き始めます。ロン役はコリン・ファーズ。どこに
いても、どんな姿でも男の色気があるわあ。
キリスト教福音派が住民の大多数を占めるウェスト・メンフィス
では、オカルトとヘビメタが好きで、問題行動を起こしている
ダミアン、ジェイソンはアウトサイダーなのです。狭い田舎で
アウトサイダーとレッテルを張られたことの恐ろしさは日本でも
同じでしょう。警察は、知恵の遅れたジェシーを巧みに誘導し、
3人を「悪魔崇拝」による殺人犯にしたてあげていくのです。


デビルズ・ノット

映画に少しだけ登場するアイスの移動販売をしていたクリス役は
デイン・デハーン。この少年も何は怪しげです。せっかくデイン君
を起用したのに、出番はあまりありません。残念!
先に判決のわかっているような出来レースの裁判風景は、極めて
不快であり、弁護側の提出する証拠がことごとく不採用になるのは
このクソ田舎のクソ判事までもが、「悪魔崇拝」への傾倒を毛嫌い
していたのがよくわかります。

状況証拠のみで犯人に仕立て上げられた3人のその後の様子が、
ラストの字幕で流されます。実際はそちらの方がドラマティックであり、
警察や司法への痛烈な批判になると思うのですが、映像にはなって
おらず残念です。
見立てを決めて、そこから犯人を捜し出していくという手法が冤罪を
招いているのだ、というのを目の当たりにした気がします。


  ブログランキング・にほんブログ村へ にほんブログ村 映画ブログへ 人気ブログランキングへ


コメント
こんにちは
初動捜査が肝心とはいいますが、
思い込みがここまで酷いと、
冤罪がおこりうる(実際日本でもあった)典型でしたね
周囲の彼らが犯人だと言う決め付けが気持ち悪かった本作でした
  • maki
  • 2015/07/14 4:46 PM
こういう実話を元にした映画、すごく興味ありますが、盛り上げるために多少変えてしまうこともあるのでしょうね。片田舎の事件だけあって公平な捜査がちゃんと出来ていないという、残念な人間関係が見えるのも、真実からどんどん離れていきますね。
  • あちゃ丸
  • 2015/07/14 8:20 PM
実話を基にしたとはいえ、やっぱ映画だから、もっと盛り上げるために何かかましてほしかったわあ。これは事件に関する関係者が一人もいなくなってからでないと大きなどんでん返しみたいなのを付けられなそうだけど。
  • ふじき78
  • 2015/07/14 10:59 PM
makiさん、コメント&TBありがとうございます。
思い込み=アウトサイダー排斥は冤罪の元だと実感します。
曖昧な状況証拠ばかりなのに、裁判の中で、まるで楽しんでいるかのように証言する少女たちも気持ち悪かったです。
日本でもありそうですよね。
  • ミス・マープル
  • 2015/07/15 4:20 PM
あちゃ丸さん。
実話を元に作ったのなら、もう少し脚色してもいいと思うほど地味な映画でした。
事実を見事に再現しているのでしょうか。
犯人扱いされた3少年も本当の人物ととてもよく似ています。
公平な裁判が望めないような土地柄でした。
  • ミス・マープル
  • 2015/07/15 4:22 PM
ふじき78さん、コメント&TBありがとうございます。
そうそう同じ思いがしました。
既にドキュメンタリーは作られているそうなので、これを改めて映画化する意味があるのかなと少し疑問に思いました。
でもまだ真実を追求しているだけに、彼らのために作られたのかもしれませんね。
  • ミス・マープル
  • 2015/07/15 4:24 PM
なぜこんな魔女裁判が公然と行われたのかっていう、この事件の肝がさっぱり描かれていないんですよねぇ。というか、逆に避けちゃったんじゃないのかってほど、なーんにも触れない。上辺だけを描く意味がイマイチ分からない作品だったなぁと。
たおさん、コメント&TBありがとうございます。
そうなんですよね。なぜに3人の若者が容疑者にされたのかがいまいち伝わらなかったですね。他にもアウトサイダーはいたでしょうしね。
前半の面白さが、途中から消えてしまったのが残念です。
  • ミス・マープル
  • 2015/07/18 9:40 AM
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック
【概略】 ウエスト・メンフィスで児童の猟奇殺人事件が発生。16歳から18歳の3人を逮捕するが、私立探偵のロンは独自で調査を開始する。 サスペンス 悪魔は、だれか。 むごたらしい児童殺人と冤罪(えんざい)としか思えぬ容疑者逮捕で話題となった、ウエスト
  • いやいやえん
  • 2015/07/14 4:47 PM
1993年にアメリカの田舎町で実際に起きた少年を被害者とする猟奇殺人事件“ウエスト・メンフィス3事件”。未だ真相が解明されていないというこの事件を関係者の視点からスリリング ...
  • カノンな日々
  • 2015/07/14 8:56 PM
五つ星評価で【★★きっちり検証したいならドラマにせんでもええ】    物語としてつまらないのが致命的。 と言うか「全米の歴史に残る未解決事件」にもともと期待してはいかん ...
  • ふじき78の死屍累々映画日記
  • 2015/07/14 11:02 PM
今作の監督 エゴヤネンが過去に撮った「スウィート ヒアアフター」は当ブログ的にかなり刺さった映画。 スクールバス事故により、多くの命が凍った湖に沈み、失われる。 この事件を追う弁護士が補償金で稼ごうと街を動くが... たとえ解決に向かったとしても死者は
  • 日々 是 変化ナリ 〜 DAYS OF STRUGGLE 〜
  • 2015/07/15 7:03 AM
監督 アトム・エゴヤン 主演 コリン・ファース 2013年 アメリカ映画 114分 サスペンス 採点★★ 事実の積み重ねがイコール真実になるわけではないんですよねぇ。Aにとって有利な事実の積み重ねと、Bにとって有利な事実の積み重ねが同じ結果を導き出すわけじゃ
  • Subterranean サブタレイニアン
  • 2015/07/18 7:45 AM

カレンダー

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< August 2020 >>

ブログランキング

今日のわんこ

powered by 撮影スタジオ.jp

アマゾン

遊びにきてくれてありがとう!

カウンター

死語レッスン

最新記事

categories

過去の記事

コメントありがとうございます!

トラックバックありがとうございます!

recommend

お友達

ミス・マープルについて

書いた記事数:3191 最後に更新した日:2020/08/08

あの映画を探そう!

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM