国際市場で逢いましょう

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国際市場で逢いましょう

「国際市場で逢いましょう」
原題:国際市場
監督:ユン・ジェギュン
2014年 韓国映画 127分
キャスト:ファン・ジョンミン
     キム・ユンジン
     オ・ダルス
     チョン・ジニョン
     チャン・ヨンナム

朝鮮戦争で父と妹にはぐれたドクスは、母と弟妹と
共に釜山の叔母の店で生活し始める。彼は父との
約束を守り、家長として長男として家族のために
ひたすら働くのだった。

<お勧め星>☆☆☆☆半 久しぶりに泣きました。そして
激動の時代、信念を持って生きた男の姿に感動します。


主人公ドクス役は「新しい世界」(2014)のファン・ジョンミン。


国際市場で逢いましょう

彼が年老いて(この老けメイクは秀逸)妻ヨンジャに
「実は船長になることが夢だったんだ」
と語るシーンから始まります。映画は、国際市場で
「コップンの店」を営むドクスが、頑なに立ち退きを拒否
する現在の姿と、1950年朝鮮戦争時の少年ドクスが歩む
現在までの激動の姿が交互に描かれていきます。
1950年、ドクスの一家は故郷である興南に侵攻してきた
中国軍から逃れるため、アメリカ軍の船ビクトリー号に
乗り込もうとしているのです。しかし、ドクスがおんぶ
していた妹マクスンは、そのひもが切れ、姿を見失って
しまいます。それを知り父は、マクスンを捜すため、一旦
乗り込んだ船から降りて行くのです。その時
「今から長男として家長として、家族を守れ」
という言葉をドクスに残し、彼はそれをずっと守っていく

わけです。この船に乗り込むシーンも押し寄せる人波が
ものすごい数であり、小舟から船に乗り移る際、幾人もの
人が落ちて行きます。なぜ自国の中を逃げなければならない
のでしょう。そしてそこへは二度と戻ることはできないの
です。
さて、釜山に住む叔母の家「コップンの店」を訪ねると
叔母は感じよく受け入れてくれるのに、亭主は酒飲みの
グータラらしい。でもドクスは子供なりに必死で小金を稼ぐ
のです。そこで知り合うのが、今でも親友であるダルグ。


国際市場で逢いましょう

「ギブ ミー チョコレート!」
これは進駐軍に向かって日本の子供も言っていた言葉ですね。
この後ベトナムでも聞かれます。実はこれらの戦争に全て
関わっていたのがアメリカというのを皮肉っているのかも
しれません。
そして1963年、ソウル大に合格した弟の学資のために、ドイツ
の炭鉱で働くことを決めます。そこには金髪美女を期待する
実は金に困っていないダルグもいて、そこで毎日命を削るような
仕事に明け暮れるのです。


国際市場で逢いましょう

そんなドクスも同じ韓国人の看護学校生ヨンジャと知り合い、
ちょっと心がときめいてしまう。楽しいダンスパーティーの様子
や看護学校の寮長のドイツ人女性に無理やり押し倒されるダルグ
の姿に笑っていると、炭鉱につきものの大事故が起きるのです。
この事故の前ふりとして、ドイツのきれいな景色の中をデートする
ドクスとヨンジャが、別れ際、交互に振り返るのがとても初々しい
ですね。ここは胸がキュンとなります。そして事故が起きます。
そういえば、わたしが幼かった頃、炭鉱事故は頻繁に起きて
いて、そこから無事に逃げ出せた人も犠牲になった人もみんな
真黒だったことを思いだしました。ドクスとダルグは負傷しながら
も何とか救出されます。ここでヨンジャと結ばれると思いきや
なんとドクスのビザが切れて帰国。家族は息子の帰還に大喜び
するわけですよ。

その後再会したヨンジャと晴れて結婚したものの、今度は叔母が
亡くなり、ボンクラ亭主がこの店を売ると言う。その上、妹は
結婚式を派手にしたいと言う。ドクスは再び今度はベトナムへ
出稼ぎに向かうのです。この時もベトナム戦争真っ只中。この国
も同じ民族でありながら、自分の土地を同胞に追われ、攻撃されて
いるのです。ベトコンの仕掛けた爆弾からは何とか無事に逃げた
ものの、アメリカ軍の船に乗り込もうとするベトナム人の子供が
船から落ちてしまうと、ドクスは自ら飛び込んで彼女を救います。
それは明らかにかつて自分が見失ってしまった妹を重ね合わせて
いたのですね。しかしその時彼は足を銃撃されます。韓国軍兵士
の中にいやに目立つ人がいると思ったら、東方神起のユンホでした。


国際市場で逢いましょう

この映画では4名ほど、後の韓国経済や芸術の分野で活躍する人が
出てきますが、これには何か意味があるのかしら。
そして今度こそ韓国へ帰国します。家族が極めて強い韓国人の
姿を象徴しているのがドクスなのかもしれませんが、彼がなぜ
「コップンの店」を持ち続けることにこだわったのかを知ると、
自然と涙があふれてきます。それ以前に、ドクスにとって思い
がけない事実の発覚にも泣ける。
「確かにボクらの世代は苦労ばかりだった。こんな苦労をボクらの
子供たちが味わうのでなくて本当によかった」
ドクスのこの言葉の重みをじっくりと考えてほしい。たくさんの
ドクスがいたからこそ、今の平和な時代を送れているのだと思う
から。






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コメント
戦争で家族が離れ離れになってしまうのは、ほんとに辛いですね。この映画の場合、ドクスの責任で妹が行方不明になったことで、父との別れが・・・。かなりのトラウマになったでしょうね。父の為妹の為、そして家族の為にもお店を守り続ける事が、彼なりのつぐないだったのでしょうか。ドクスが戦死せずに帰国できたことが、彼にとって責任を果たした事になったのではないでしょうか。
  • あちゃ丸
  • 2015/11/08 8:04 PM
あちゃ丸さん。
この店を守る意味が終盤にわかるんです。生き別れになった父との約束の場所がここで、ここを離れたら父と会うことができなくなってしまう、ということですね。朝鮮戦争でもベトナム戦争でもどちらも兵士であったわけではないのに、戦いに巻き込まれ心と体に傷を負いつつ、家族のために必死で働いたドクスの思いを知るのは妻のみでしょうね。若い世代はそんな苦労を理解することもないのでしょう。そんな気がしています。
  • ミス・マープル
  • 2015/11/09 8:27 AM
見る前は韓国版「フォレストガンプ」なんて大げさでしょうと思っていましたが、見てちょっと納得の人生記であり、家族の物語でしたね。ファン・ジョンミンはホントいい役者さんです。
  • かのん
  • 2015/11/09 3:48 PM
ありがとうございました。
なんかジーンときましたこの映画。
お父さんに言われた、家を守るのが家長の役目っていう教えを守っているところは本当にジーンときました。
ギブミーチョコレートは私も思いました。
そしてドイツで働いたり、ベトナム戦争にいったり、国としてまずしかったんだろうな〜って思いました。
Nakajiさん、ありがとう。
同じくジーンと来ましたね。自然に涙腺が緩む映画です。
父があの港で何と言ったのか、それが終盤にわかるんですよね。それまではたた、家長として、長男として家族を守るだけなのかと思っていました。
ドイツの炭鉱でのすごい事故や、ベトナムでのゲリラの抵抗など、望んでもいない危険に飛び込んで行ったのですね。朝鮮戦争が終わったばかりの頃は敗戦後の日本と同様に貧しかったのですよね。
  • ミス・マープル
  • 2015/11/09 5:23 PM
かのんさん、コメントありがとう。
本当に見て納得の1人の男の人生でしたね。
そしてそれが波瀾万丈のものでした。ファン・ジョンミンは「新しき世界」とは全然違った人のいい役どころで、どんな役もじょうずに演じますね。
  • ミス・マープル
  • 2015/11/09 5:25 PM
こんにちは。
戦争はどこの国でも同じ...家族がバラバラになるのは本当に悲しいですね。
お父さんとの約束を守り続ける姿に泣けました。
yukarinさん、コメント&TBありがとうございます。
本当にドクスが父との約束を信じ守り続ける姿には心を打たれましたね。戦争は同じ国の中でも殺し合いや離れ離れになることを引き起こす本当に残酷な行為だと思います。
  • ミス・マープル
  • 2015/11/12 3:30 PM
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