新しき世界

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新しき世界

「新しき世界」
原題:新世界 New World
監督:パク・フンジョン
2013年 韓国映画 134分 PG12
キャスト:イ・ジョンジェ
     チェ・ミンシク
     ファン・ジョンミン
     パク・ソンウン

韓国の犯罪組織の会長が事故死し、その後継者と
してジュングとチャンという2人の名前があがる。
チャンと同じ華僑出身の幹部ジャソンはチャンの
弟分であったが、実はもう1つの顔を持っていた。

<お勧め星>☆☆☆☆ もう「ザ・ヤクザ」という
映画です。練りこまれたストーリーはとても面白い。


<ネタバレしています>
監督は「悪魔を見た」(2010)で脚本を務めた
パク・フンジョン。冒頭から、警察のスパイとして
疑われ、拷問を受ける男のシーンが映ります。この男
は暴行を受けたあげく、漏斗でコンクリートをのどに
流し込まれ、ドラム缶に入れられて海にドボン。まさに
手加減のない残酷シーンです。
そしてこの犯罪組織ゴールド・ムーンのソク会長は交通
事故で亡くなり(これも事故じゃないんだけど)後継者
選びとなるのです。
韓国にも、日本の警察同様に暴力団対策チーム的なもの
が存在し「オールド・ボーイ」(2003)の時よりかなり
膨らんだチェ・ミンシク演じるカンがリーダーらしい。
実は出世して本庁の課長なんだけど、こいつがまた悪い
んだなあ。


新しき世界

比べてはいけないけれど、最近よくニュースで見られる
暴力団の事務所へ警察が突入するシーンなどは、どちらが
警察なんだか全然わからないですよね。
そして会長の葬儀のために、上海から戻って来たチョン・チョン
役は「国際市場で逢いましょう」(2014)のファン・ジョンミン。
この人の好さげな優しい雰囲気の男が、実はすごく血の気が
多く、金属バットで側近をなぐり殺すシーンは、彼の心に
潜む残虐性を物語っています。ROLEXに偽物ROLYは笑えたな。


新しき世界

そして彼に「ブラザー」と呼ばれ、絶対的な信頼を置かれて
いるのが、「ハウスメイド」(2010)のイ・ジョンジェ演じる
ジャソンです。この美しいお顔は決して汚れません。
チョンの対抗馬であるイ・ジュングは見るからに蛇のような
ルックスで、こいつは悪い香りがプンプン漂っていて対照的
です。


新しき世界

こういう犯罪組織には必ず警察の潜入スパイがいるんだけれど、
それがなんとジャソンなんです。彼は冒頭の拷問現場にも
いつつ、一方でカンに情報を流し続けるのです。それは10年
にも及び、「これが最後」と言うカンの言葉を信じるうちに
どちらが自分の住む世界かわからなくなってきています。
カンからの連絡係はジャソンの囲碁の先生で、かなりお綺麗
かつナイスバディのお方。でも中盤過ぎ辺りに、チョンが
手配したハッカーによって身元がバレ、無残な死を遂げます。
その時、実は絶対にチョンはジャソンの素性も知っていたはず。
しかし彼はジャソンではない、もう一人の潜入捜査員を殴り
殺すのです。このシーンは、ジャソンの汗とヘラへラ笑う
チョンの顔、そしてドラム缶の中の囲碁の先生が映り、スリル
抜群。

カンは「新世界プロジェクト」と名付けたゴールド・ムーン

捜査計画を立て、対立する会長候補の陣営を疑心暗鬼させる
行動を重ねて行くわけです。
終盤付近のチョンを襲うジュング陣営との攻防は凄まじい。
銃ではなく、牛刀やバットを使って、もう昭和のヤクザ映画
さながらの争いです。エレベーター内でチョンが不死身の
ように戦うシーンは音と真っ赤な血糊で、臨場感あふれる
映像になっています。「豊田商事会長殺人事件」を思い出し
ちゃった。あれはアパートの窓を破って日本刀を持った男が
入っていったんだよね。マスコミが詰めかける中でよくも
あんなことができたもんだ。いや誰かに指示されたんだろう。

話はそれましたが、ジャソンは妻さえ襲われかけ、とはいえ
その妻もカンとの連絡をとっているんだけれど、お腹の子供
を流産してしまうのです。そしてチョンは瀕死の重傷を負って
もう助からないという。
カンはあくまでもジャソンを利用し続け、自分の計画を遂行
しようとするのですが、全てを失ったジャソンのとった行動は
あまりに大胆で、かつ残酷なものでした。
チョンが死ぬ間際に
「新しい世界を生きろ、ブラザー」

とジャソンに言います。その「新しい世界」はどちらのこと
なのか。手際のよい殺戮シーンの連続で全てが解けていきます。
ラストのワンシーンは、韓国映画特有の回想シーンで、6年前
チョンとジャソンが楽し気に襲撃をするところでした。あの
頃ジャソンは潜入捜査員だったはずだけれど、チョンとすごく
息があっています。結局彼は自分の生きる道を自分で決めたと
いうことですね。



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コメント
潜入ものといえば「インファナル・アフェア」が有名ですが、それを超えた映画になっている感じですか?韓流映画は登場人物の名前が似ているので、苦手です(^_^;)チェ・ミンシクは貫禄あるので、悪人役が似合いますね。警察官役とはいえ裏のある人にしか見えませんよ。拷問のやり方も古典的ですがかなりヒドイ手口なので、アメリカ映画では見られないと思いました(ハリウッド・リメイク決定はうなずけます)ジャソンも潜入期間が長かったせいで、人生が変わって人格も変わってしまったのでしょうか。警官として、裏社会の人間として・・・どちらを選んだのでしょうか?
  • あちゃ丸
  • 2015/11/10 1:28 PM
あちゃ丸さん。
「インファナル・アフェア」はすごく面白かったですね。ハリウッドでリメイクされたら普通の映画になったけど。この映画も既にハリウッドリメイクが決まっていますよね。多分もっときれいな話になるんだろうなあ。「オールド・ボーイ」なんて雲泥の差の映画になっていましたしね。
ジャソンは自分がどちらで生きるべきか10年の潜入で知ったのだと思いますよ。たとえそれが裏社会であろうとも、人を裏切らない兄弟関係が築けていたからですね。
韓国警察のドロドロ感や
  • ミス・マープル
  • 2015/11/10 1:34 PM
ご覧になりましたか!
この作品、私の昨年公開の1・2位を争う作品でした。
(と言っても2014年は自身のベスト10出せていないのですが。)
この作品の中ではチョン・チョンがキーポイントだと思います。つまり、ジャソンに黒社会に潜入させる足がかりとなったのも、最後の決断をさせたのもチョン・チョンですよね?
又、ファン・ジョンミンが上手いんだ、これが!
こんばんは!
韓国のヤクザ世界も怖い。
なんていうか、役者の演技力に相当目を引き付けられる作品でした。
エレベーターのシーンは凄かった。
今でも頭の中に浮かんできますよ。
見応えがありました。
  • ヒロ之
  • 2015/11/10 9:56 PM
ここなつさん、コメント&TBありがとうございます。
わたしは今年に入って見たのですが、本当に見ごたえのある映画でした。チョン・チョンは兄弟としての義理を裏切らなかったということですよね。へらへらした感じのファン・ジョンミンの金属バット殴打シーンや刃物を振り回すシーンは、すごく怖かったです。優しいルックスだけに演技力のすごさを物語ってていましたね!
  • ミス・マープル
  • 2015/11/11 11:43 AM
ヒロ之さん、コメント&TBありがとうございます。
もうすごく怖い。
昔の東映のヤクザ映画並みに怖い。
エレベーター内での刃物で暴れ回るシーンは、ファン・ジョンミンの演技力に尽きました。
練りこまれたストーリーもよかったです。
  • ミス・マープル
  • 2015/11/11 11:45 AM
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こんなに面白いとは!!観て正解でした。面白く、そしてカッコイイ。残酷で泥臭いのに、何故かスタイリッシュ。腹に染み渡る侠気。「潜入捜査官」の話だから、ありがちな設定は満載だし、まんま「インファナル・アフェア」のパクリか?!というディテール(腕時計のオチ
  • ここなつ映画レビュー
  • 2015/11/10 2:31 PM
NEW WORLD 2013年 韓国 134分 犯罪/ドラマ PG12 劇場公開(2014/02/01) 監督: パク・フンジョン 脚本: パク・フンジョン 出演: イ・ジョンジェ:潜入捜査官イ・ジャソン チェ・ミンシク:ソウル警察カン・ヒョンチョル課長 ファン・ジョンミン:ゴールド
  • 銀幕大帝α
  • 2015/11/10 9:54 PM
本国の韓国をはじめ、映画祭や映画賞で高い評価を獲得したクライムストーリー。犯罪組織に潜入する警察官が、組織のナンバー2と育んだ絆と職務の間で葛藤するさまを映し出していく。メガホンを取るのは、『悪魔を見た』などの脚本も手掛けてきたパク・フンジョン。『10
  • パピとママ映画のblog
  • 2015/11/12 10:26 AM

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