WHO AM I ピエロがお前を嘲笑う

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ピエロがお前を嘲笑う

「ピエロがお前を嘲笑う」
原題:Who Am I-No System Is Safe
監督:バラン・ボー・オダー
2014年 ドイツ映画 106分 PG12
キャスト:トム・シリング
     エリアス・ムバレク
     ボータン・ビルケ・メーリング

最重要指名手配ハッカー、ベンヤミンが突然出頭する。
彼は世界的なハッカーの情報を提供することで、証人
保護の対象になることを求めるが、担当のハンネは彼の
証言に疑問を持つのだった。

<お勧め星>☆☆☆半 騙されないように真剣に見て
いましたが、ラストのラストで見事に騙されました。


既にハリウッドリメイクが決まっているのは周知の事実
ですが、ハリウッド映画になったら、お金をかけただけ
のつまらない映画になりそうな嫌な予感がします。
映画は顔に傷跡の残るベンヤミンがユーロポールの捜査官
ハンネ・リンドベルグの尋問を受けるシーンから始まり
ます。


ピエロがお前を嘲笑う

このベンヤミンが、まさにネット依存の青年の典型例で、
自分のペースでずっと話を進めていくわけで、それは
ハンネが聞きたいことにたどり着くまで、かなりの時間を
要していることがわかるのです。なんでもベンヤミンは
父は家を去り、母は自殺して、祖母に育てられたと言う。
そして14歳にして初ハッキングに成功してから、ネットの
世界では望み通りの人間になれることに気づいた模様。
そもそも現実世界では、中学の時遠足のバスに置いてきぼり
にされたという悲しい過去を持つほど、存在感が薄いのです。
彼曰く「透明人間」。
でもスーパーヒーローになりたい彼は、ハッカー界のスーパー
ハッカー、MRXの教えを元に精進?していくわけですよ。
こんなものに精進せず、リアルな生活に精進しようぜ。
MRXの言葉は

ネットの社会に安全はない
ネットの社会に不可能はない
サイバーと現実空間の両方を楽しむ
だそうで、とりあえずベンヤミンは最初の2つはギリクリア
できたものの、3つ目は無理なんですよ。憧れの元同級生マリ
に近づこうと思っても、言葉が1つも出ず、「あなた誰?」
的な態度を取られてしまう。彼女のために大学の試験問題を
盗もうとしたら、あっという間にとっつかまって、50日の
社会奉仕活動に処せられてしまいます。しかしそこで出会った
社交的で口の上手いマックスに誘われ、彼の仲間シュテファン、
バウルと共に、「大胆に人を騙す」という行為を始めたら
まあどんぴしゃでうまく行きまくるのです。この世の春が
訪れたベンヤミンは、この集団を「CLAY」と名付け、MRXに
認められるため次々にハッキングを重ねていきます。


ピエロがお前を嘲笑う

「人は見たいものを見る」と映画内でベンヤミンは語ります。
それは、逆に言うと「見た目」と「印象」は大きく関係していて
それによって、隠されてしまったり、見えなくなってしまうこと
が、多々あるということでもありますね。余談だけれど、前に
PC遠隔操作で逮捕された真犯人が、どうしていつも笑っている
のだろう、と怒っていたら、あれが普通の顔だったのね。真面目
になっても笑っているように見える、堺雅人も同じか。いや、
そこは違うな。

さてCLAYのハッキングはエスカレートしていき、遂には連邦
情報局へ侵入することに成功するのです。そこで仕込んだネタで
ベンヤミンが、MRXの気を引こうとしたら、「フレンズ」という
ロシアのサイバーマフィアの1人が殺されてしまうのです。あらら
CLAYは殺人に関係したことになってしまった。こういう時右往左往
するのが、チキンな心を持つオタクでございます。その辺りは
ベンヤミン役の俳優さんが上手く演じています。
またネット上で相手とやり取りする状況を、地下鉄車内に例えて
描いており、そこにタイピングした文字が現れるというシーンは
よく考えたものです。


ピエロがお前を嘲笑う

ここからの展開は、まさにジェットコースターそのもので、中盤
までのジラしを一気に解消していく感じがします。
ハンネが、多分元夫である同じユーロポールのマルティンの助言
を聞いて、は!と気づいた後は、そうかそうだったのかと思う
けれど、まだまだ仕掛けは続くのです。
マリ役の女優さんがもう少し可愛い子だったら良かったのにね。
音楽もクールでよく合っていました。




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コメント
コンピューターにはめっぽう弱い私には、きっとチンプンカンプンな言葉を並べて尋問されているのでしょうね。脳内は「マトリックス」のようなものの文字が配列されているのかな?そういう頭の切れる彼の話が、果たしてホントなのか信じがたいですね。でも、そのトリックを見抜くために鑑賞者も楽しめますね。「グランド・イリュージョン」みたいな話ですか?あれも騙されましたからね。ラストまで気が抜けませんね。
  • あちゃ丸
  • 2016/01/18 4:29 PM
あちゃ丸さん。
「グランド・イリュージョン」はからくりが実はよくわからなかったんです。この映画はそれに比べるとかなり安直な感じ。そんなものをユーロポールが真面目に相手をすると言うのはちょっと設定に無理があるけれど、ラストのラストまで騙される、というのは事実です。
だけとリアルな世界で生活できない人間がこれからちゃんとやっていけるのかしらん。
  • ミス・マープル
  • 2016/01/18 6:47 PM
ネット上のやりとりを実写させる工夫は面白かったです。
ただ、やはり最終目的がそこかよ!って感じで
尚且つ、マリ姐さんがすべてを台無しにしてしまいましたね(それ言い過ぎです)^^;
ハリウッドリメイクに期待します(笑)
  • ituka
  • 2016/01/18 8:00 PM
itukaさん、コメント&TBありがとうございます。
そうなんですよ。まさか地下鉄の車内をネット上のやり取りの場に実写させるとは思いつきませんでした。顔もわからない閉鎖的な空間を描くのにはぴったりの場でしたね。
やはりマリさん、あなたはどう見ても同級生に見えません。同じくそこだけはハリウッドリメイクに期待します(^-^;
  • ミス・マープル
  • 2016/01/19 8:51 AM
こんにちは!
鑑賞されたんですね。
マープルさんはどういう感想を持たれるかな?と、私は絶賛していただけに期待と不安が半々でしたが、結構楽しまれたようで安心しました。
私の場合、どんでん返し系映画とは知らず(単にタイトル借りです)での鑑賞が良かったのか、おおぅ!てラストは相当に驚きました。
姿を消す為には誰を利用すれば良いのか、これがポイントでしょうね。
TBさせて頂きますね。
  • ヒロ之
  • 2016/01/19 3:31 PM
ヒロ之さんのお勧め通り結構楽しめましたよ。
TBしようと思ったのですがうまく行きませんでした。すみません。
多分この青年は何かを企んでいると思うのですが、あそこまでとは考えつきませんでした。
結局ユーロポールが捜してたのは大物であり、小物はそのチャンスを狙えたということですね。
マリが可愛い子ならもっと星がアップしたんだけどなあ。
  • ミス・マープル
  • 2016/01/20 8:27 AM
若手らしい勢いに任せちゃってる部分もありましたが、好きな映画の影響をそのまま消化してる素直さと、アイディアと工夫の活かされた映像が楽しい作品でしたよねぇ。
たおさん、コメント&TBありがとうございます。
確かに若さで乗り切ってしまったという感じもありますね。
ネット社会を地下鉄の車内に見立てたアイデアは秀逸だったと思います。でも本当はハッキングがあんなに簡単にできるのか信じられないのよね。
  • ミス・マープル
  • 2016/01/29 6:22 PM
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透明人間 公式サイト http://pierrot-movie.com9月12日公開 ハッカーグループ“CLAY(クレイ)”の天才ハッカーで、殺人事件への関与を疑われて国際指名手配されたベンヤミン(ト
  • 風に吹かれて
  • 2016/01/18 3:46 PM
 警察に出頭してきた犯人が語る事件の真相は、真実かそれともでたらめか。「ユージュアル・サスペクツ」を彷彿とさせるサスペンスですが、宣伝で「ラストに騙された」をうたいすぎていて、正直肩すかし感もありました。  作品情報 2014年ドイツ映画 監督:バラン・
  • 映画好きパパの鑑賞日記
  • 2016/01/18 3:56 PM
俺にできるのはコピペぐらいだ 公式サイト。ドイツ映画。原題:Who Am I - Kein System ist sicher、英題:Who Am I - No System Is Safe。バラン・ボー・オダー監督。トム・シリング、エリアス・ムバレ ...
  • 佐藤秀の徒然幻視録
  • 2016/01/18 4:05 PM
ドイツでヒットし、独アカデミー賞にもノミネート されたというハッカーを描いたサイバースリラー 『ピエロがお前を嘲笑う』が公開されましたので 観に行ってきました。 『わたしに会うまでの1600キロ』を観た後、映画館 から映画館に移動し、はしごとなりました。
  • 映画B-ブログ
  • 2016/01/18 7:00 PM
評価:★★★☆【3.5点】(09) 映画ならではのトリックに完璧だまされますなー(いい意味で)
  • 映画1ヵ月フリーパスポートもらうぞ〜
  • 2016/01/18 8:02 PM
WHO AM I - KEIN SYSTEM IST SICHER/WHO AM I 2014年 ドイツ 106分 サスペンス/犯罪 PG12 劇場公開(2015/09/12) 監督: バラン・ボー・オダー 脚本: バラン・ボー・オダー 出演: トム・シリング:ベンヤミン エリアス・ムバレク:マックス ヴォータン・
  • 銀幕大帝α
  • 2016/01/19 3:26 PM
監督 バラン・ボー・オダー 主演 トム・シリング 2014年 ドイツ映画 106分 サスペンス 採点★★★★ 「ホギャー!」と産まれた子供が高校に行き始めるくらいのパソコン歴を持ってるんですけど、未だにパソコンのことはチンプンカンプンな私。何が起こるか分から
  • Subterranean サブタレイニアン
  • 2016/01/29 2:09 PM

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