ストックホルムでワルツを

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ストックホルムでワルツを

「ストックホルムでワルツを」
原題:Mnonica Z
監督:ベル・フライ
2014年 スウェーデン映画 111分
キャスト:エッダ・マグナソン
     スベリン・グドナソン
     シェル・ベリィクビスト

スウェーデンの田舎町で電話交換手をしている
モニカは、一人娘エヴァ=レナの世話を両親に
任せ、夜はジャズクラブのステージに立っている。
そんな彼女にニューヨークで歌を歌うチャンスが
舞い込むのだが...。

<お勧め星>☆☆☆半 色遣いやファッションが
素敵だし、何よりジャズメロディが心地よいです。


スウェーデンの伝説的な歌手モニカ・ゼタールンド
の半生を描いた作品で、その役を演じている
エッダ・マグナソンは人気のジャズシンガーで、
その味わい深い歌声とともに美しい顔だけでなく
ヌードも披露する体当たり演技を見せています。


ストックホルムでワルツを

また1960年代のファッション、髪型、車、街並み
などが見事に再現されており、どこか郷愁を誘う雰囲気を
漂わせているのです。
スウェーデンのハークウォッシュという田舎町に住む
モニカは、電話交換手をしながら、夜はジャズクラブで
歌を歌うシングルマザー。家には自身の両親がいて、孫で
あるエヴァ=レナの世話をしているんだけれど、モニカ
は特に父とそりが合わないのです。


ストックホルムでワルツを

映画内で幾度となく繰り返される口論の中で、父は
「お前はなぜ木登りで上を目指すんだ。同級生が途中
であきらめても、お前は頂上を目指し、見事に木から
落ちたじゃないか。」
と言い、モニカは
「わたしは上からの景色をみたいのよ。」
と言い返すのです。後半にわかるのですが、実は父も
かつてジャズのトランぺッターであったらしい。結局
夢破れた自分を顧みて、現状に満足することを諭すわけ
です。

モニカに舞い込んだニューヨークでステージに立つ、と
いう話は、浮かれて舞台で歌った彼女の前から客が立ち
去るという現実と、尊敬するジャズシンガーからの酷評
で打ち砕かれるのです。この時代ジャズは黒人の歌で
あり、その歌を聴きに来るのは白人で、まさかモニカの
ような北欧の金髪女性が歌うなどとは思わなかったの
でしょう。それでいて彼らに楽屋はなく、モニカが自分
の楽屋を使って、とまで言っています。またモニカの
あこがれのジャズシンガーに自分の歌を聴いてもらうも
「心で歌いなさい。真似だけでは歌えない。」
と言われるのです。

失意のまま帰国したものの、こんなことにモニカは
負けません。再びスウェーデンでのツアーに参加し、
’スウェーデンの言葉でジャズを歌いたい’
と考えます。バンドのチェリスト、ストゥーレが渡した

ベッペの詩集から曲がスラスラ思いつくあたりは彼女
の天性の才能を感じさせます。ただ酒とたばこが手放せない
姿が多く映され、モニカの歌のレッスンシーンがほぼ
見られないのは少し残念です。

さらにモニカは、自分の目的のために有名な男性を利用
していくのですが、それがことごとく成功し、国内での
トップ歌手に登りつめます。この辺りはあまり好感の
持てる姿ではありません。しかし現実にはこんな世界
なのでしょうね。娘のために豪華な家を買い、派手な
パーティーを開くものの、それは当時の恋人ヴィルゴット
に受け入れられるものではなかったのです。そして
ユーロビジョン・ソング・コンテストにスウェーデン代表
で参加し、自慢の歌を披露したものの、ジャンルが
ふさわしくないということで、なんと零点に終わってしまう。

彼女の挫折は続きます。この辺りはとてもテンポよく
描かれ、ヴィルゴットと別れ、いつもそばにいると思って
いたストゥーレの婚約、新しい恋人の浮気、流産など
彼女は大きな打撃と苦痛を受けるのです。しかし舞台上
では相変わらずモニカを演じ続けます。けれど一旦自宅に
戻るとたった一人で大きな屋敷にいることの孤独に押し
潰されそうになるわけです。何かを得るには何かを犠牲
にしないといけない、と言うけれど、彼女の得たいものは
あまりに大きな犠牲を伴ったのかもしれません。

ラストに再びニューヨークに呼ばれ、観衆の前で自身の
歌をスウェーデン語で歌うと拍手喝さいを浴びます。その
歌を地元では両親がラジオで聴いているのですよ。父は
その歌を聴き初めて涙を見せます。
「挑戦すれば成功できたのに」
とモニカに言われた通り、挑戦すれば成功したかもしれ
なかったけれど、それを今自分の娘が手にしているのです。
ラストはストゥーレとの結婚式の後、どんどん高く上がって
いくモニカが映ります。彼女はまさに今、木の上からの
景色を眺めているのだなと実感するシーンでした。
その後のモニカ・ゼタールンドは、重い脊柱側弯症のため
引退し、車いす生活を強いられた後に、悲劇的な自宅火災で
亡くなっているとのこと。彼女の最高の時期でエンディング
にしたことは、気分の良いまま見終わることができました。





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コメント
夢を実現するためには、どんな手を使ってでも這い上がる所は、女性は強いな・・・と感じました(どの女性でも・・・ではありませんが)仕事と家庭のバランスを両立させるのって難しいですね。特に子供に可哀想な思いをさせてしまうと、気になります。浮き沈みの激しい人生でしたが、父に歌声を聞かせる事で、親孝行できたのかもしれませんね。
  • あちゃ丸
  • 2016/01/26 8:10 PM
あちゃ丸さん、この映画はいいですよ。
わたしは映画のサントラCDを買おうか迷い中です。
モニカはとにかく強いんです。ある仕事で頂点に立とうと思ったらそれぐらいの心の強さがなければ、達成できないのでしょうね。父と娘が最後に和解できたのが、とても感動できるシーンになっています。
  • ミス・マープル
  • 2016/01/27 8:50 AM
モニカの行動力にはホンと見習うべきだと思う所も(笑)
あの父親の言うことに誰もが同意するけれど
最終的には和解した時点で答えが出ましたね。
ちょっと強引に突き進んだモニカということで
成功した時に苦労した時代を家族で懐かしんでいたことでしょうね。

50〜60年代のこの時代ってすごく好きです。
  • ituka
  • 2016/10/02 7:45 PM
itukaさん、こんにちは。
モニカの行動力はあの時代にはなかなか受け入れられるものではなかったでしょうね。本当に50〜60年代の歌って郷愁を感じるいい雰囲気のものが多いですね。モニカが自分の歌を手に入れるのと反比例して私生活で失うものが増えるのが印象的でした。
父と和解できたのはよかったかな。
  • ミス・マープル
  • 2016/10/04 8:24 AM
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母国スウェーデンでは知らぬ人はいないと言われる歌姫、モニカ・ゼタールンドの半生を描いた作品。 文字通り半生で、ビル・エヴァンスと組んで作品を作る辺りで映画は終っている。その意味では、彼女の活躍の初期だけ描いていると言って良いと思います。もっとも、母国
  • 勝手に映画評
  • 2016/01/26 8:33 PM
原題 Monica Z2013年 スウェーデン スウェーデンが生んだ世界的なジャズシンガー、モニカ・ゼダールンドが歌手として頂点を極めるまでの波乱に富む数年間に焦点を当てたサクセス・ストーリー 首都ストックホルムから300km離れた田舎町、ハーグフォッシュで
  • 読書と映画とガーデニング
  • 2016/01/29 8:13 AM
年末に向けて話題作がたくさん過ぎて、なんとなく見逃してしまっていた作品。 ジャズシンガーとして活動中の長島百合子さんが、いいタイミングで誘ってくれたので、一緒に観てきたyo こんなに泣けるいい作品だったとは! 誘ってもらって本当に良かった〜♪
  • ノルウェー暮らし・イン・原宿
  • 2016/01/31 5:05 PM
評価:★★★★【4点】(05) スウェーデンの歌姫モニカ・ゼタールンドを演じた女優見たさに
  • 映画1ヵ月フリーパスポートもらうぞ〜
  • 2016/10/02 3:53 PM

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