アリスのままで

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アリスのままで

「アリスのままで」
原題:Still Alice
監督:リチャード・グラツァー
   ワッシュ・ウェストモアランド
2014年 アメリカ映画 101分
キャスト:ジュリアン・ムーア
     アレック・ボールドウィン
     クリステン・ステュワート
     ケイト・ボスワース
     ハンター・パリッシュ

大学で言語学を教えるアリスは、医師の夫と息子1人、
娘2人に恵まれ、幸せな暮らしを送っていた。しかし
自分の変調に気づいたアリスが神経医を受診すると
若年性アルツハイマーと診断されてしまう...。

<お勧め星>☆☆☆☆ ジュリアン・ムーアの演技が
素晴らしかった。


幸せそうな家族の集まりの姿から始まります。
「ブルージャスミン」(2013)の時同様に貫禄
たっぷりのアレック・ボールドウィン演じる夫ジョンは
医師であり、妻アリスは高名な言語学者なのです。


アリスのままで

息子トムは医学生、長女アナは法科大に通いつつ、チャーリー
という優しい夫がいます。アナ役は「わらの犬」(2011)
のケイト・ボスワース。


アリスのままで

次女リディアは両親の心配をよそに、進学せず、劇団員を
しているらしい。この役はトワイライトシリーズの
クリステン・ステュワートが演じています。顔を合わせれば
進学を勧める母と衝突ばかりしているのに、実はスカイプ
を通じて一番話をしているのが、このリディアなんです。
自慢の息子や長女は理想通りに育ったけれど、本音で話して
いるのかどうかはちょっと疑問。
自信にあふれ、ファッションやヘアスタイルをばっちり決めて
講演をするアリスが、ある時1つの単語が出なくなるのです。
次はキャンパスをジョギング中に道に迷ってしまう。彼女の
周りの景色がぼんやりとし、そのまま彼女の頭の中を描いて
いるようです。

アリス自身は、更年期障害の症状と思い、軽い気持ちで受診
すると、神経科の医師ベンジャミンは様々な検査を勧めます。
そして下された病名は「若年性アルツハイマー」。それも
アリスのように若い年齢で発症すると進行が極めて速く、さらに
教育水準が高い者ほど症状の悪化が速いと言うのです。この
時のアリスの絶望感はいかばかりかと推測もできません。
アリスの病は家族性のもので、遺伝子を持っていた父から
遺伝したのだという。それは家族をも恐怖に陥れます。
言語学の専門家が、その言葉を失っていくのです。彼女は自らの
病を「恥」と感じ、あるメッセージをPCに録画します。
映画の中盤では、まだ認知機能が働いていたアリスが、同じ
病の人や家族の前で「なくす技が上達している」と笑いを
交えて講演します。その講演のためスカイプを通じて練習して
くれたのはリディアだったのです。


アリスのままで

それがアリスであった最後の姿かもしれません。できることが
少なくなり、時間も日付も忘れ、身なりも髪型も気にしなく
なった時、アリスはついに娘の名前すら間違えてしまいます。
かつて勤務していた老人施設では、アルツハイマー病の高齢者
がたくさん入居していましたが、家族が面会に来て散歩をしても
全く表情が変わりませんでした。家族の心がどんなに苦しいか
この映画見ると少しだけ理解できるような気がします。
そして映画の終盤、かつて自分がPCに入れたメッセージに従おう
と何度も同じ動画を再生するアリスが映ります。たった1つの
言葉さえも一瞬で忘れてしまうのです。

この病は現時点では治療法が見つかっていません。しかし、
この映画を見て思うのは、アリスが家族を深く愛した分だけ、
彼女は大切にされるのだということです。きっと彼女はもっと
進行した状態に陥るのでしょうが、それも含めて愛してくれる
家族がいることが唯一の希望につながっていると思うのです。




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コメント
若年性だけあって進行も早い為、彼女にとってどんどん不可能なことが増えていく現実が受け入れられなくて、恐怖でいっぱいでしょうね。その家族も受け入れ難い彼女の病魔の進行に、戸惑いを感じたでしょう。自分が自分を忘れる・・・その日が来ると分かっての記録集は、後の彼女が見ても果たして分かるか不安です。でも、良い時の記録はやがて良い記憶になることでしょう。監督も病と闘いながら、これが遺作となった様で残念ですね。
  • あちゃ丸
  • 2016/02/12 8:10 PM
あちゃ丸さん。
監督は筋萎縮症を患っていたそうですが、これが遺作になったんですね。あの病気も特効薬はありませんよね。
そういう病にかかった時なにが支えになるか、とても考えさせられる内容でした。
今日できたことが明日はできなくなるかもしれないとい恐怖などれだけ大きなものでしょうか。怖いです。
  • ミス・マープル
  • 2016/02/13 8:50 AM
過剰に美談にするわけでもなければ、過剰にドラマチックな闘病記にするわけでもなく、その病に戸惑い恐怖する知性的な女性の姿をじっくりと見つめた視線と、それを見事なまでに表現しきったジュリアン・ムーアの素晴らしさが際立ってた作品だったなぁと。
たおさん、コメント&ありがとうございます。
見るまでは美談かメロドラマっぽいのかと思って敬遠していましたが、実際に鑑賞してみると、すんなり気持ちが入り込めました。
ジュリアン・ムーアの演技が同じく素晴らしかったと思っています。
  • ミス・マープル
  • 2016/02/13 2:36 PM
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監督 リチャード・グラツァー/ワッシュ・ウェストモアランド 主演 ジュリアン・ムーア 2014年 アメリカ/フランス映画 101分 ドラマ 採点★★★★ 経験や知識がその人となりを形成してると思ってるんですが、てことは“忘れる”ってのはその人の一部を失うとい
  • Subterranean サブタレイニアン
  • 2016/02/13 12:08 PM
瞬間を生きる 公式サイト http://alice-movie.com6月27日公開 原作: アリスのままで (リサ・ジェノヴァ著/キノブックス) 言語学者で、ニューヨークのコロンビア大学の教授アリス
  • 風に吹かれて
  • 2016/02/15 11:08 AM

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