17歳のカルテ

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JUGEMテーマ:洋画

17歳のカルテ

「17歳のカルテ」
原題:Girl,Interrupted
監督:ジェームズ・マンゴールド
1999年 アメリカ映画 127分
キャスト:ウィノナ・ライダー
アンジェリーナ・ジョリー 
クレア・デュヴァル
ブリタニー・マーフィ
エリザベス・モス
ジャレッド・レト

自殺未遂を起こしたスザンナは、クレイムアという
精神医療施設に送られる。そこには彼女から見ると
はるかに症状の重い患者がおり、スザンナはすぐに
そこを出られると思っていたのだが...。

<お勧め星>☆☆☆半 10代後半の多感な時期の少女
の心が上手く描かれています。


舞台は1960年代のアメリカで、経済学者の父を持つ
スザンナ・ケイセンは、ウォッカ1瓶とアスピリンを
大量に服用し病院へ搬送されるのです。その姿と共に
彼女の頭の中が映り込み、過去のできごとと現在の状況
が混在している様子がわかります。


17歳のカルテ

通っていたハイスクールでただ一人大学に進学しなかった
こと、教授と関係を持っていたこと、虚栄心の強い両親の
元で育てられたこと...。ウィノナ・ライダー自身が境界性
人格障害を患った体験を持つだけあって、この辺りの繊細な
心の動きをとても上手く演じています。
そして冒頭の事件は「自殺未遂」と判断されて彼女は
クレイムアという精神医療施設に収容されるわけです。現在
なら、もっと症状に応じた治療を受けられるだろうし、隔離
という方法でなく、カウンセリングを受ける通院という方法
も取られるのでしょうが、1960年代にはすべて同じ扱い
だったようです。


17歳のカルテ

ブリタニー・マーフィ演じる拒食症の少女、下剤中毒者デイジー、
同室の空想虚言癖のジョージーナ、そして脱走を繰り返すリサは
若かりしアンジェリーナ・ジョリーです。


17歳のカルテ

当時新人であったアンジーは、この映画でアカデミー賞助演
女優賞を獲得しており、ヒステリックかつ自暴自棄のような
女性の姿を好演。唇が今と同じ形だからすごく印象に残ります。
「わたしは長くいないから」
とスザンナは初日に職員に語りますが、医師から「境界性人格
障がい」と診断され、施設ので生活が長引いていくのです。
薬を飲まないでおく方法を教えるリサ。深夜に婦長に睡眠薬を
飲ませ、その隙に仲間を医師の部屋まで誘導するリサ。何に
おいても彼女は主導権を取りたがるのです。それでもスザンナの
危機を救ったりしてくれるから、彼女はリサのことを信頼し始め
ます。

でもなぜリサが9年もの間ここに閉じ込められているのか、そこに
気づくのは、リサの手引きで施設を脱走し、先に退所していた
デイジーのアパートに向かった時の事件です。リサは退所した
デイジーに極めて辛辣な(たぶん真実)言葉を投げつけるのです。
それによって自殺したデイジーを
「わたしが後押ししてあげたんだよ」
と言い放ち、彼女の金を持って逃げるリサと、救急車を呼び、
泣き崩れるスザンナの対照的な姿が映り、スザンナはこの事件で
自分について真正面から向き合えるようになります。リサは
この施設ではボスだけれど、外の世界では到底生活できる人格
を持っていないと気づいたわけです。

遂に退所がきまったスザンナに対し、その日の晩、リサは彼女の
日記を施設の仲間に読み聞かせます。でもスザンナは負けません。
「あなたは既に死んでいるから、誰も背中を押さないのよ!」
退院の朝、拘束されているリサに優しくマニュキアを塗ってあげる
スザンナの姿が印象的でした。
普通と異常の境界=ボーダーラインはどこにあって、それは誰が
決めるのか。そして完全な人間なんてどこにもいなくて、人は
不完全さと向き合いながら生きていくのではないか、と思える
ラストでした。
黒人看護師のウーピー・ゴールドバークの慈愛に満ちた表情が
印象的です。


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コメント
様々な事情でここに集まった患者は、難しい年頃だし、しかも心の病はそう簡単には治りませんからね。セラピーを受けたからと言って治るものじゃないし、自分の居場所や目的が見つからないと退院できないでしょう。ボス的存在のリサも後押ししてくれる人がいなかったから長くいたのでしょうね。スザンナも、事件がきっかけで何かに気がついて、自分の存在がやっと理解できたのかと思います。
  • あちゃ丸
  • 2016/04/10 2:14 PM
あちゃ丸さん。
この時代は、症状に合わせた治療ではなく、まず隔離病棟に入れたのですね。日本でも心療内科が広まったのはつい最近ですもんね。それまでは精神病院で鍵付きの病棟に入れられた人が多かったと思います。
リサの存在がスザンナに自分についてしっかり考えるきっかけを与えたのは間違いないでしょう。
  • ミス・マープル
  • 2016/04/10 5:13 PM
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スザンナは自殺するすもりではなかった。 何かに苛立ち、何かが不安だった。 それなのに世間体のことしか考えていない両親は精神病院に入るようスザンナに勧める。 そこで“境界性人格障害”と診断された彼女は、エキセントリックな患者リサと出会う…。 ヒューマン
  • 象のロケット
  • 2016/04/25 3:54 PM

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