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    顔のないヒトラーたち

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    JUGEMテーマ:洋画

    顔のないヒトラーたち

    「顔のないヒトラーたち」
    原題:Im Labyrinth des Schweigens
    監督:ジュリオ・リッチャレッソ
    2014年 ドイツ映画 122分
    キャスト:アレクサンダー・フェーリング
    フリーデリーケ・ベヒト
    アンドレ・マンスキ
    ヨハン・フォン・ビューロー

    若き検事、ラドマンは、検事総長バウアーから、
    アウシュヴィッツ収容所での殺人行為についての
    調査を命じられる。新聞記者グニルカと共に調査を
    進めていくと、そこには隠されたナチスの蛮行の
    数々が浮かび上がってくるのだった。

    <お勧め星>☆☆☆☆ 歴史を正しく伝えていくこと
    の大切さと苦悩が同時に描かれ、様々な思いを抱きます。


    第二次世界大戦の敗戦国ということで、どうしても日本
    を思い浮かべてしまうのです。ドイツにはヒトラーという
    象徴的な指導者が存在し、彼の指示で残虐行為が行われた
    と言われているけれど、それを行った人々は、実はごく
    普通の人間だったわけで、彼らは戦後の1950年代には
    その記録を隠したり、消したりして中には公権力者にも
    なっていました。さらに彼らによって、ナチスの犯罪は
    隠され、小さなものに変えて伝えられていたため、この
    主人公の検事ラドマンは、アウシュヴィッツ収容所は、
    集団生活させられただけのもの、と信じていたのです。


    顔のないヒトラーたち

    そんな彼が検事総長バウアー、新聞記者グニルカと共に
    アウシュヴィッツ裁判を開くまでの苦闘が描かれていきます。
    オープニングは、小学校の教師に煙草の火を借りようとした
    男性が、その教師の異形の指に気づき驚愕するシーンです。
    今では白日の下に晒されているナチスの犯罪も、当時の西ドイツ
    の人々は、知らされていなかったし、知らせようともしなかった
    ため、冒頭の男と共に、新聞記者グニルカが、検察に犯罪者
    の訴追を申し出ても「巣を汚す者」と批判され、追い払われます。
    つまり、ドイツの戦争犯罪は、すでに終わったニュルンベルク裁判
    で裁かれており、これ以上の罪を問うことは、「非国民」扱い
    されるほどの行為で、それは愛すべきドイツをさらに貶めるもの
    と考えられていたのです。


    顔のないヒトラーたち

    それを調査するように命じたのはユダヤ人の検事総長バウアー
    で、なぜ若い検事ラドマンに指揮をとらせたのかは、彼の
    生まれた年に関係してきます。つまり1930年生まれのラドマン
    は絶対にナチス党員ではなかったからなのです。戦後多くの
    ドイツ人が、ナチスであったことを隠し、レジスタンスであった
    と語ったそうですが、あの大きなうねりの中で、どれほどの
    人間がレジスタンスを突き通したことでしょう。


    顔のないヒトラーたち

    新聞記者グニルカの紹介で知り合ったマレーネは、あらら、
    ラドマンが交通違反の罰金を厳しく決定した相手だわ。とほほ。
    この2人の恋を絡め、アウシュヴィッツ収容所で辛うじて生き
    残った人々の証言を聞き取り始めると、そこには、想像を絶する
    ようなおぞましい行為の数々が語られ続けるのです。書記を
    務める女性の表情や、証言者の苦痛に満ちた表情が全てを物語り
    ます。

    そしてその行為を行った人々の元を訪れ、彼らがごく普通の市民
    にすぎないとわかると、戦争の怖さを思い知らされるのです。
    1979年に時効は廃止され、ナチスの徹底廃絶を掲げたことが、
    今日のドイツの信頼へとつながったことは、言うまでもありません。
    しかし、この後に続いた裁判で裁かれたのは、小者ばかりであり、
    アイヒマンはイスラエルのモサドに拘束され、イスラエルで
    まるで見世物のように裁かれました。またラドマンが追っていた
    人体実験を行った罪のメンゲル医師はブラジルで遊泳中に水死。
    「ウソと沈黙は終わり」
    この言葉通り、指示しただけ、またそれに従っただけでは
    済まされない罪は存在し、それはやはり償うべきだと実感します。


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      コメント
      世代が変わると、大きな事件でさえも知る人が少ないのは、風化させたい人が多いからなのでしょうか。被害者にとっては忘れようもない出来事に終わりはなく、後世に伝えたい気持ちでいっぱいかと思います。その反対側にいた加害者はひた隠して、早く忘れたい為、当然妨害行為に出ますよね。ラドマンも調査していくうちに検事として全うするべき仕事だと自覚したのでしょうね。ただ、戦う相手が政府となると完全には解決できないのが歯がゆいですね。
      • あちゃ丸
      • 2016/05/05 7:47 PM
      あちゃ丸さん。
      ラドマン役の俳優さんがかなりイケメンです。
      内容は重いですが、それは忘れるはずのない戦争犯罪を取り扱ったからで、ドイツではこんな風に扱われているのかと初めて知りました。
      ナチスの犯罪は様々な方向から検証しなおされていて、それが二度と同じことを起こさないという決意に変わっていると思います。人間の記憶は風化していきますもんね。
      • ミス・マープル
      • 2016/05/06 4:10 PM
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