ジンジャーの朝 さよなら、わたしが愛した世界

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ジンジャーの朝

「ジンジャーの朝 さよなら、わたしが愛した世界」
原題:Ginger&Rosa
監督」サリー・ポッター
2012年 イギリス=カナダ=デンマーク
=クロアチア映画 90分 PG12
キャスト:エル・ファニング
アリス・イングラント
クリスティーナ・ヘンドリックス
アネット・ベニング
アレッサンドロ・ニボラ

1962年、ロンドン。1945年の同じ日に
生まれたジンジャーとローザは、大親友でいつも
一緒に行動している。ジンジャーは父ローランド
の影響もあり、核ミサイル発射の危機に怯えるが、
ローザはローランドに惹かれていくのだった。

<お勧め星>☆☆☆ キューバ危機と友情、家族間
の愛情を繊細に描いた映画です。


オープニング映像は、日本人なら一目でわかるキノコ雲。
つまり1945年の広島への原爆投下の光景です。そして
その日、遠く離れたロンドンで、2人の女性がそれぞれ
娘を出産します。それがジンジャーとローザで、成長した
ジンジャー役は、ダコタ・ファニングの妹エル・ファニング
が演じていて、撮影当時14歳だったそうです。少し上を
向いた鼻と大きな瞳が印象的で、彼女の迫真の演技には
とにかく感服するのです。


ジンジャーの朝

1962年、16歳になったジンジャーとローザは大の親友で
遊びもファッションも同じものを好み、いつも一緒に行動する
のです。少し違うのは、ローザの父がとっくに家を出ており、
ジンジャーには、戦時中投獄経験のあるインテリでハンサムな
父ローランドがいるということ。ローランドは、平和主義者で
かつ既定の概念にとらわれない自由人を自負しています。話は
かなり難しい言葉の羅列であり、なんとなく言いくるめられる
けれど、実際にはただの「自分の自由だけ追求する自己中心的」
な男と思うのは、わたしが年を取っているからかな。


ジンジャーの朝

ローランドの妻、つまりジンジャーの母ナタリー役は、
クリスティーナ・ヘンドリックス。とにかくバストがすごい。
叶姉妹かと思っちゃう。そして映画内では、女性は家事をする
のが大事で、19歳でジンジャーを生んだため、仕事に就いた
ことがない、ごく平凡な主婦を演じています。だから夫には
何か話し合おうと思っても、言葉で言い負かされてしまう。
常に不満を持って家事に専念するしかないようです。

そして1962年のキューバ危機を迎え、世界は核戦争の恐怖
に怯え、核兵器反対集会があちこちで開かれます。ジンジャー
はそのニュースを見たり、聞くにつけ、核で人類が滅びるの
ではないかと、心底恐怖を覚えているのです。


ジンジャーの朝

ジンジャーの叔父の知り合いは活動家であり、一緒にデモに
参加します。
一方ローザは、映画の始めにナタリーが語る通り、勉強の嫌いな
早熟な娘。だからジンジャーに誘われて核兵器反対の集会に参加
しても、あまり興味が沸かないみたい。それよりも「運命の出会い」
とやらを期待しているわけです。
そしてジンジャーの活動を喜ぶローランドに惹かれてしまうローザ。
ローランドを巡って、自分がどれだけローランドを理解しているか
張り合う、ジンジャーとローザの姿を見ると、かつての親友では
なくなっているのに気が付きます。

そして自由人のローランドとローザが関係を持つのを、同じヨット
で寝ているジンジャーは、その音で悟ります。彼女は毛布を頭
からかぶって必死で聞かまいとするのですよ。ローランド、クズだな。
ローザは「真実の愛」を求め、ジンジャーは「世界を救う」という
目標になってしまい、もはや2人は同じ土俵には立てないのです。
その後デモに参加し拘束されたジンジャーは、言葉を一切発しない
のです。

「ヨットで起きた出来事はナタリーには言わないでおこう」
ローランドに言われた通り、彼女は黙っていますが、周りの人々は
ジンジャーの心の傷が何であるか分からないのです。そして遂に
彼女は大粒の涙をこぼしながら、彼女自身一番辛く、心を悩ませて
いる出来事を大声で叫ぶのです。そうなんですよ。核の脅威より
彼女はローランドとローザの関係の方が苦しかったのです。おまけに
ローザは妊娠していると言う。ナタリーはそれを聞き自殺を図ります。
ラストは、1945年にジンジャーとローザが生まれた日、病院に
ベンチに両端に座って待っていた、2人の父の位置に、ジンジャーと
ローランドが座って、ナタリーの回復を待っています。この構図は
とても気に入っています。大きな世界の危機の前に、小さな世界も
危機を迎えていた。大きさが違いすぎる世界だけれど、ジンジャー
にはどちらも同じくらい大事だったのですね。


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コメント
ん?娘の友達と関係を持った父親という事でしょうか?これは世界状況がどんなに混乱していても、そんなことすら頭にない程のショックだったと思います。そしてママまで・・・。自由主義は良くてもやりたい放題の無責任パパなら、家から出てってくれたほうがマシですね。ローザも若気の至りだったと思いますが、相手がマズかったですね。バカ親でもやはり家族だし、ローザは切り捨ててママをサポートして、家族の問題を乗り越えて欲しいと思います。
  • あちゃ丸
  • 2016/05/21 8:36 PM
あちゃ丸さん。
自由を主張し、既製の概念にとらわれないことが、自分のポリシーだとしても、この父はクズですよ。
いずれ時代が変わった時、それに乗り遅れるタイプだな。いつまでもヘルメットをかぶって活動する人々と真逆でありつつ、非暴力の平和主義の自由?それは一人でやってちょうだいね、と言いたいです。
  • ミス・マープル
  • 2016/05/22 2:24 PM
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