黄金のアデーレ 名画の帰還

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黄金のアデーレ

「黄金のアデーレ 名画の帰還」
原題:Woman in Gold
監督:サイモン・カーティス
2015年 アメリカ=イギリス映画 109分
キャスト:ヘレン・ミレン
ライアン・レイノルズ
ダニエル・ブリュール
ケイティ・ホームズ
タチアナ・マズラニ

ロサンゼルス在住のマリアは、かつてオーストリア
で家族と共に裕福に暮らしていた。居間に飾って
あった叔母の肖像画など家財は、ナチスに強奪され、
彼女は夫と共にアメリカに渡り、今日に至るが、彼女
はその肖像画を返還してもらうため、友人の息子で
弁護士のランディに仕事を依頼するのだった。

<お勧め星>☆☆☆半 確かに感動するのですが、
この類の映画は数多くあり、特段優れているとは感じ
ませんでした。


映画の設定では、マリア・アルトマンは82歳とのこと。
御年71歳のヘレン・ミレンは、老けメイクをしたのか
しわが多く見られます。でも「RED」を彷彿とさせる
キリッとした歩きっぷりなので、どう考えても若い。
映画はロサンゼルス在住のマリアが姉ルイーゼを亡くし、
かつての祖国オーストリアで、ナチスによって強奪された
美術品を返還してもらう裁判を起こそうと考え、行動を
起こすのと、まだオーストリアにいた時代、裕福で幸せ
だった一家の楽し気な姿が交互に映ります。この手法が
少しありきたりな感じがするのです。


黄金のアデーレ

とはいえ、独立したものの奨学金の返済さえ滞るほど貧乏な
弁護士ランディ役のライアン・レイノルズが、序盤は、かなり
ヘタレで、マリアが返還を求める絵画の値段を知って、その
金目当てに仕事をしていたのに、オーストリアで、自分の
曽祖父母たちもホロコーストの犠牲者でありつつ、今でも
オーストリアで愛されている作曲家も親戚にいるということで
次第に祖国愛に目覚めていく姿をうまく演じています。
オーストリアで、まだナチスとの関わりを隠ぺいし、公職に
就いていることなどを記事にしている異色の新聞記者
チェルニン役はダニエル・ブリュール。この人の役どころが
あまり重要ではないのよね。もちろん彼がいなかったら、2人は
オーストリア観光をして帰るしかなかったんだけれど。

マリアが返還を求める叔母アデーレの肖像画は、クリムトの
画いたものであり、それは冒頭に金箔を丁寧に貼るシーンで
映し出されていきます。


黄金のアデーレ

この絵はいまやオーストリアの「モナリザ」と呼ばれ、
ベルベデーレ美術館が所蔵しており、この絵の返還を求めるため
には、オーストリア政府を相手に交渉しないといけないわけです。
こんな突拍子もない要求を、まことに嫌らしくあしらうウィーン
の役人や弁護士の姿は、歯ぎしりする思いですが、実は彼らは
過去の行為を恥じ、ホロコーストへのこだわりを払拭したくて
仕方がない。過去の罪を暴くことは、国を貶めることになる
と思う人々なのですね。最近見た「顔のないヒトラーたち」は
ドイツ人のその姿を描いていましたが、ヨーロッパの多くの国で
同じようなことが起きていたと思われます。

しかしマリアのように無事に生き続けられて人々は少なく、
昨日までの隣人たちが、「ユダ公」と彼らを虐げ、収容所に送られ
亡くなっていったのです。その過程を全て知っているマリアは、
オーストリアに入国する気持ちは全く起きなかったのです。
それは国が嫌いだからではない。終盤に彼女の口から
「この国を愛しています」
と発せられます。それは多くのオーストリアの人々も口にして
いました。しかしひとつひとつの絵画、曲、建物などすべてに
多くの人々の愛情が詰まっており、それはただ資産としての価値
では終わらないということを意味しているのです。かつての負の
遺産を隠し、美しいものだけを見ていては、本当の価値観など
生まれるはずもありません。

ヘレン・ミレンの名演技と共に楽しめるは、ランディの妻役の
ケイティ・ホームズで、いつまでたっても童顔で可愛いなあ、と
実感します。


黄金のアデーレ

かつて一家で暮らした建物は、今はある会社のオフィスになって
おり、そこを訪れたマリアが、かつての幸せな生活に思いを
はせるシーンは素晴らしかったです。




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コメント
幸せだった生活が、ナチスによって奪われてしまったものが多すぎますね。母国から迫害されてアメリカ暮らしというのも切ないです。彼女一族にとっては、あくまでも個人の所有物に過ぎないわけですから、返して欲しいのは当然なことだと思います。ただ、ものがあまりにも有名な名画なので、そう簡単には・・・。マリアの人生において、後悔したくないから挑んだのでしょうね。
  • あちゃ丸
  • 2016/06/08 8:21 PM
あちゃ丸さん。
この映画はとても期待して鑑賞しましたが、期待値を上げすぎたかな。
確かに感動するし、マリアの強い意志がオーストリアから自分の所有物を回収するという、ものすごっ行動が成功したと思うのです。
登場人物をもっと丁寧に描けたらよかったかも。
  • ミス・マープル
  • 2016/06/09 6:26 PM
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あの日オーストリアで 公式サイト http://golden.gaga.ne.jp11月27日公開 実話の映画化 監督: サイモン・カーティス  「マリリン 7日間の恋」 1998年、カリフォルニアで
  • 風に吹かれて
  • 2016/06/10 11:59 AM
よかった〜!
  • 或る日の出来事
  • 2016/06/10 9:56 PM

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