ブルックリン

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JUGEMテーマ:洋画

 

ブルックリン

 

「ブルックリン」

原題:Brooklyn

監督:ジョン・クローリー

2015年 アイルランド=イギリス=カナダ映画 112分

キャスト:シアーシャ・ローナン

     ジュリー・ウォルターズ

     エモリー・コーエン

     ドーナル・グリーソン

     ジム・ブロードベント

 

1950年代、アイルランドの田舎町に住む内気なエイリシュは

姉の勧めもあり、単身ニューヨークに渡る。慣れない生活に

涙を流す日々を送る彼女は、イタリア系のトニーという恋人が

でき、さらに簿記の資格を取得すると次第に自信に満ちていくの

だった。

 

<お勧め星>☆☆☆☆☆ 今年見た映画ではナンバー1ですね。

50年代のファッションや音楽も素敵だし、脚本も秀逸です。

 

ブルックリンはヨーロッパ系移民が極めて多い街で、そこで

一生懸命勉強して、対岸のマンハッタンなどに飛び出して行く、

そんな街らしいです。

この映画は、地方出身者が見ると極めて共感する部分が多いのです。

そしてそのヒロインの心の動きも含め、登場人物の感情を繊細に

描いています。

ヒロイン、エイリシュ役は「グランド・ブダペスト・ホテル」

(2014)や「ビザンチウム」(2013)でとても美しい少女を

演じたシアーシャ・ローナン。

ニューヨーク生まれながら、3歳からアイルランドで育ったという

ことで、アイルランド訛りの英語は得意。ニューヨークに渡った後、

エイリシュがアメリカ人に指摘されたとき、そういえば発音が

おかしいな、と思う単語がいくつかあったと気づいた程度。とほほ。

脚本は「わたしに会うまでの1600キロ」(2014)の

ニック・ホービィが手掛け、字幕で見ていても、必要最小限の言葉で

人物の胸の内を描いていく秀逸さを感じます。

 

ブルックリン

 

1950年代のアイルランド。閉鎖的な田舎町で、意地悪マダムの

雑貨店の店員をしているエイリシュは、内気で、マダムの意地悪

にもただひたすら耐え、こき使われているのです。彼女には母親と

姉ローズがいて、ローズは、仕事も有能だし、町の人気者。でも

母親を一人にすることはできず、妹エイリシュにアメリカへ行く

ことを勧めるわけです。この田舎町にいたら、一生ここで地味に

暮らし、内に秘めた可能性に気づくことすらない、ということを

身をもって知っていたからでしょう。でも内気なエイリシュは、

船の一人旅では、思い切り船酔いするし、シェアするはずのトイレ

を隣室の女性に奪われてしまう。そこは、旅慣れたお姉さんの助け

もあって、乗り切るけれど、今度はものすごいホームシックに

かかるのです。インターネットどころか、自宅に電話が1台あるか

どうかもおぼつかない時代です。唯一の通信手段は「手紙」。

「最初はなかなか届かないわよ。でもだんだん早くなるの」

同じ寮の先輩が語るのは、郵便のスピードが早くなるのではなく、

自分の生活が充実してくると手紙の存在がそれほど大きくなくなる、

ということですね。

 

ブルックリン

 

故郷への募る思いを紛らわすため、神父の紹介で、大学に通い始め、

さらにトニーというイタリア系移民のBFができると、もう絶好調。

水着姿のシアーシャ・ローナンは、プクプクしていて、この時代の

女性の雰囲気にぴったりです。彼とデートを重ね、簿記の試験にも

合格する頃には、すっかりあか抜けて、あのイモ姉はいずこへ?と

いう雰囲気になります。

ところがそんな時届いた姉ローズの訃報。帰国の前にトニーと極秘

で結婚したものの、久しぶりに戻った故郷アイルランドはなんと

居心地がいいのでしょう。あか抜けた彼女を町の人々は振り返るし、

簿記の試験にも合格しているから、仕事もできる。おまけに以前なら

振り向かれもしなかったお金持ちの御曹司、ジムを紹介されます。

 

ブルックリン

 

同じ海でもニューヨークのビーチは大混雑だったのに、ここでは

貸し切り状態です。私自身地方出身で、学生時代で東京で過ごした

けれど、ある時急に田舎の生活が恋しくなったことがありました。

エイリシュにとって、亡くなった姉を大事に扱ってくれる町、そして

みんなが何かでつながっている町。自分の能力を高く評価してくれる

町は、居心地がいいに違いないのです。

エイリシュはどう選択するのか、わたしは本当にドキドキしました。

意地悪マダムの言葉に

「そのことを忘れていたわ」と答えると、マダムは

「ほう、忘れてしまっていたのかい」と言い、エイリシュは

「こういう町だということを忘れていたのよ」とはっきり答えます。

そうなんですよ。

映画内で、シーンのどこかにいつも緑色のものが映っており、

その色はアイルランドを象徴するものであると強く印象付けられます。

すごくいい映画でした。

 

 

 

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コメント
50年代とはいえ、都会はやはり何もかもが進んでいるし、女性が活躍するにはふさわしい街なんですね。シティーガール(言い方が古いか・・・)に成長した彼女には忘れたい過去がある故郷かもしれませんが、戻ってくると、居心地良さが改めて分かるんでしょうね。
  • あちゃ丸
  • 2016/08/04 7:45 PM
あちゃ丸さん。
この映画はお勧めです。家族でご覧になっても安心の内容です。ああ、1か所ラブシーンがあったかな。でも全然ソフトだから大丈夫。
シティーガール...久しぶりに聞きました(^-^;ナウい女性は、ふと故郷が恋しくなるのかもしれません。
  • ミス・マープル
  • 2016/08/05 9:29 AM
いい映画でしたね!
移民とは、こういうふうだったんだ、というのも、わかって心に残ります。
ボーさん、コメント&TBありがとうございます。
本当にいい映画でした。
エイリシュにとっては二つの国に二つの世界があるようなもので、どちらを選ぶかは彼女次第ということなのがわかります。移民というのはこういう風に生活を始めたのだなあということを実感しました。
  • ミス・マープル
  • 2016/08/07 1:12 PM
アイルランドに一時帰省してから心揺れ動くエイリッシュにハラハラしましたよね(笑)
あの女店主が彼女の目を覚ました感じで
観てる方は意地悪婆さんが最後にイメージアップして何よりでした(笑)
シアーシャちゃんは脱ぐと意外と大きく見えました^^
  • ituka
  • 2016/08/13 5:09 PM
itukaさん、コメント&TBありがとうございます。
同じくハラハラしましたよ。意地悪ばあさんがいたから、どうしてあの町を出たかを再確認したのですよね。
シアーシャちゃんは何気にガタイがでかいと思います。でも可愛い。
評価が分かれる映画のようですが私はとても気に入っています。
  • ミス・マープル
  • 2016/08/13 8:58 PM
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新天地と故郷 公式サイト http://www.foxmovies-jp.com/brooklyn-movie 原作: ブルックリン (コルム・トビーン著/白水社)監督: ジョン・クローリー  「ダブ
  • 風に吹かれて
  • 2016/08/05 11:03 AM
ほんのちょっとしたことで、人の行動は変わる。それを運命、いや、人生というのか。
  • 或る日の出来事
  • 2016/08/06 8:52 AM
評価:★★★★【4点】(11) 第88回アカデミー作品賞にノミネートされた本作の実力は?
  • 映画1ヵ月フリーパスポートもらうぞ〜
  • 2016/08/06 9:50 PM
公式サイト。アイルランド=イギリス=カナダ。原題:Brooklyn。コルム・トビーン原作、ジョン・クローリー監督。シアーシャ・ローナン、ドーナル・グリーソン、エモリー・コーエン、 ...
  • 佐藤秀の徒然幻視録
  • 2016/08/12 9:42 PM
 20世紀半ばのニューヨークを舞台に、アイルランド移民の若い女性の青春を描いた佳作。前半は丁寧に心情をすくっていたのだけど、後半は若干はしょりすぎの感じもありました。    作品情報 2015年アイルランド・イギリス・カナダ映画 監督:ジョン・クローリー 出
  • 映画好きパパの鑑賞日記
  • 2016/08/12 11:03 PM
  ブルックリン(2015)アイルランド/イギリス/カナダ 監督:ジョン・クローリー 脚本:ニック・ホービィ 出演:シアーシャ・ローナン /  ドーナル・グリーソン/ エモリー・コーエン / ジム・ブロードベント/ ジュ
  • アリスのさすらい映画館
  • 2016/08/13 6:47 AM
どうしてこの作品を観ようと思ったんだっけな? あ、アカデミー賞の作品賞ノミネート作品だったからね☆ あれ?どうして☆4つと評価が高いのかしら? ん〜〜〜〜???
  • ノルウェー暮らし・イン・原宿
  • 2016/08/13 11:04 PM
原題 Brooklyn2015年 アイルランド、イギリス、カナダ 1950年代アイルランドの小さな町で母と姉と暮らすエイリシュ(シアーシャ・ローナン)勤めている雑貨店の店主、ミス・ケリーはケチで意地悪でエイリシュたち従業員に小言や嫌味ばかりそんな毎日に未来は
  • 読書と映画とガーデニング
  • 2016/08/14 10:14 AM
『わたしは生きていける』などのシアーシャ・ローナンを主演に迎え、アイルランドからニューヨークに移住した女性の青春の日々を映すドラマ。アイルランドの片田舎から大都会のニューヨークにやって来たヒロインが、戸惑いながらも自らの宿命と愛に身を任せる姿に迫る。
  • パピとママ映画のblog
  • 2016/08/18 4:47 PM

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