スポンサーサイト
一定期間更新がないため広告を表示しています
- 2023.01.12 Thursday
- -
- -
- -
- -
- by スポンサードリンク
JUGEMテーマ:洋画
「ブラックホーク・ダウン」
原題:Black Hawk Down
監督:リドリー・スコット
2001年 アメリカ映画 145分 PG12
キャスト:ジョシュ・ハートネット
ユアン・マクレガー
トム・サイズモア
サム・シェパード
エリック・バナ
内戦下のソマリアへ介入した米軍は、1993年
10月3日、急襲作戦を決行する。30分で終わる
計画だったが、敵の思わぬ逆襲で、ブラックホークは
墜落、兵士は敵陣に取り残されてしまう。
<お勧め星>☆☆☆☆ 極めて臨場感の溢れる映像で
あり、これぞ「戦争」という姿を描いています。
映画のメインシーンは、1993年10月3日の急襲計画と
その作戦の展開を描いていくのですが、時間にすると
それほど長いものではないのに、数か月も続いたかのような
戦闘の連続です。そこに詰め込まれたストーリーは祖国で
無事を祈る家族へのセンチメンタルな感情とか、ソマリア人
への同情などは、ほとんど入っていません。戦地に行ったら、
そして1発でも銃弾が飛んで来たら、政治などどうでもよくなる、
と語った兵士が出てきたように、その場での兵士の生き残りへ
の戦いに次ぐ戦いが映されていくのです。
〇見どころ
序盤に説明らしきシーンで米軍内での指揮系統、デルタフォース
とレンジャー部隊のメンバーが映され、計画実行の時1人の隊員が
ヘリから落下してしまう。そこから始まる泥沼のような戦闘は、
瞬きをする暇もないほどのシーンの連続です。
ギャリソン少佐役のサム・シェパード。
エヴァーズマン二等軍曹役のジョシュ・ハートネット。
サンダートン一等軍曹役のウィリアム・フィクトナー。
銃を構える兵士の目、発射音、空の薬莢の転がる音が次々と
映り、まるで自分が戦場にいるかのように思えるほどです。
敵陣営の真ん中に取り残されたヘリから仲間を救うため、
もう一機ヘリが向かいますが、これも墜落。陸路は民兵によって
激しい攻撃を受け続け米軍兵士は負傷、死亡するものも続出。
その姿は目をそむけたくなるようなものも多いですが、これが
戦争なのです。
●惜しいところ
約24時間の戦闘で米兵は19人死亡。ソマリア人は1000人
以上死亡。この数を最後に字幕で流すけれど、その前にこの戦闘に
加わった兵士が祖国で賞賛されたことが知らされます。1人の
兵士の傷の手当シーンに、あれほどまでに時間を取った割に、
ソマリア人はバンバン殺されていきました。命の重さの描き方が
偏りすぎている気がします。
緊急事態の代替案がなかった米軍と戦闘に慣れている民兵間
では力の差は歴然であり、基地からのテンポのズレた指揮に
イラ立つ兵士の姿も、幾度なく描かれ、現場と机上での計画
との落差を感じることがしばしばでした。
「自ら英雄になろうとする兵士はいない」映画のラストに
1人の兵士が語ります。ここでの「英雄」アメリカ国内から
判断されたものであり、ソマリアでは存在しないはずです。
またアメリカがソマリアから撤退し、国連軍も去った後、
この国はどうなったか。暫定国家ができるまでに10年の歳月が
かかり、その前後も貧困と飢饉、周辺国家からの介入などで
海賊行為やテロ行為を繰り返す人々が続出しているのです。
その問題は別として、戦争映画としてはよくできた内容で、
甘っちょろいきれいごとだらけの作品とは一線を画していることは
確かです。