DEMON デーモン
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「DEMON デーモン」
原題:On the Me/Blackway
監督:ダニエル・アルフレッド
2015年 アメリカ映画 91分
キャスト:アンソニー・ホプキンス
ジュリア・スタイルズ
レイ・リオッタ
アレクサンダー・ルドウィグ
実母が亡くなり、実家を相続したリリアンは、
故郷の田舎町で暮らし始める。しかし勤務先の
バーの客に絡まれてから、彼の執拗な嫌がらせを
受けてしまう。彼はブラックウェイと言い、
保安官も恐れる人物だったのだ。
<お勧め星>☆☆☆ 思ったほど悪くない内容です。
ラストも気分がいい。
アメリカの貧しい田舎町に漂う寂寥感や閉塞感は
「ファーナス 訣別の朝」(2013)
「ウィンターズ・ボーン」(2010)「グランド・ジョー」
(2013)など有名な映画以外でも数多く描かれています。
そこに巣食う「悪」は、極めてつながりの強い、小さな
コミュニティーだからこそ、巨大な力を持つわけで、銃、
ドラッグが絡むと、まさに「死」と隣り合わせの恐怖を感じて
しまうのです。
〇見どころ
ヒロイン、リリアン役は「ボーンシリーズ」のニッキーこと
ジュリア・スタイルズ。一目で彼女と気が付く特徴のある
顔立ちです。
そして彼女を執拗に追いまわし、嫌がらせをする超悪い男
ブラックウェイ役は、レイ・リオッタ。もうぴったりなんだから。
日本で言うと時代劇で、登場した途端に「こいつ悪い」と
思ってしまう悪代官のような感じ。
そして保安官すら見捨てたリリアンに唯一助け舟を出すのが、
妻に出て行かれ、娘をドラッグで亡くしたレスター。
いやいやあんたも結構悪人顔だよ。と思うけれど、この映画では
名前が「レクター」ではないので、人を食べませんよ。
(もうー、まぎらわしい名前)レスターの子分のような若者ネイトは、
言葉がもつれるせいか、ホームスクールで、友人もいないみたい。
この勝てそうにないトリオで、ブラックウェイに立ち向かうのです。
ブラックウェイの居所を捜すのも一苦労なら、怖い会計士マードック
の反撃に遭ったりして、危機一髪のシーンは何度も出てきます。
特に終盤の人里離れた森の中での素早い展開はスリルがあります。
●惜しいところ
どれだけブラックウェイが怖いのかと思ったら、結構あっけなかった。
でも片田舎で威張り散らしている輩の実力はあんなもんだろうね。
井の中の蛙そのものです。
ラストに希望に満ちて微笑みあうネイトとリリアンの顔は、ズタボロ
だけれどすごく生き生きしています。それに引き換え、全てに決着を
つけたはずのレスターは、呆けたような顔で、窓から外を見ている
のです。「悪」を駆逐したところで、彼が失ったものは何も戻らない
という喪失感を表すようでした。

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- 2017.01.31 Tuesday
- サスペンス★★★
- 13:34
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- by マープル