スポンサーサイト
一定期間更新がないため広告を表示しています
- 2023.01.12 Thursday
- -
- -
- -
- -
- by スポンサードリンク
JUGEMテーマ:洋画
「疑惑のチャンピオン」
原題:The Program
監督:スティーブン・フリアーズ
2015年 イギリス=フランス映画 103分
キャスト:ベン・フォスター
クリス・オダウド
ギョーム・カネ
ジェシー・プレモンス
ダスティン・ホフマン
アメリカ人のランスは、癌を克服し、ツール・ド・フランス
7連覇を達成する。しかしそこには、彼のチームに長年
行われたドーピングがあったのだった...。
<お勧め星>☆☆☆半 とてもシリアスな内容で、スポーツを
取り巻く様々な業種の人々への問題点も投げかけています。
そもそも自転車競技になじみがないので、「エース」をゴール
まで安全に、そして世話をしつつ進ませる「アシスト」も含めて
チームであるということを初めて知りました。一応団体競技
なのですが、あくまでも「エース」の勝利が絶対なのです。
〇見どころ
ツール・ド・フランスは23日かけて距離3300km、
高低差2000km以上の中で行われる伝統のある自転車レース。
映画内ではシーンにぴったりの音楽が流れ、気分が高揚します。
ストーリーは、才能がありつつも若年性の癌となり、それを
克服してツール・ド・フランス7連覇を達成していくランスの
姿と、彼の走りに疑問を持ち疑惑を追及し続ける記者ウォルシュの
姿を対比させながら映ります。
自身が克服した癌に苦しむ患者への支援を前面に出されたら、
少々の疑惑など、「英雄」への誹謗中傷に過ぎないと感じさせる
シーンが幾度となく描かれ、スポーツにおける勝利の意味を
考えさせられるものになっています。なんせスポーツ選手は
「金のなる木」であり、勝てば多くのスポンサーがつき、
選手のみならず取り巻く人々が潤うわけです。
スポーツ選手=清廉潔白&夢の象徴
という構図は、一般の人が描いた幻想にすぎず、実際はもっと
ドロドロしていて、もっと修羅場のある世界なのでしょう。
ランスは、最初から疑惑を抱かれていたのに、それを容認
してきた「ツールの深い沈黙」にも大きな罪があるというわけです。
●惜しいところ
ドキュメンタリー調に徹したために、ランスの生い立ちや私生活、
またその後の姿が全く描かれず見る側に放り投げてしまっている
のが惜しいです。
ラスト付近の水に飛び込むシーンと、自転車で坂を上っていく
シーンの映像は、彼が「なんのために生きるのか」を考え始めた
ことの象徴なのかしらね。ママチャリすら上手にこげないわたしに
とっては、あんな細いタイヤの自転車は絶対に乗れないと思う
次第です。