スポンサーサイト
一定期間更新がないため広告を表示しています
- 2023.01.12 Thursday
- -
- -
- -
- -
- by スポンサードリンク
JUGEMテーマ:洋画
「ヒトラーの忘れもの」
原題:Unde sandet/Land of Mine
監督:マーチン・ピータ・サンフリト
2015年 デンマーク=ドイツ映画 101分
キャスト:ローラン・モラー
ミケル・ボー・フォルスガー
ルイス・ホフマン
エーミール・ベルトン
オスカー・ベルトン
第二次大戦に敗れたドイツ軍は、デンマークに多くの
兵士を置き去りにする。彼らはデンマーク軍の指揮下で、
ドイツ軍が埋めた地雷撤去作業にあたることになるが...。
<お勧め星>☆☆☆☆ 憎しみの連鎖をいつ断ち切るか、
そこには大きな勇気と行動力が必要だと実感します。
第二次世界大戦後のデンマークには、ナチスドイツが埋めた
地雷が220万超存在し、その除去にあたったのは、埋めた
国かつ敗戦国であるドイツの15から18歳の少年兵が大半
だったそうです。敗戦色の濃かった大戦末期のドイツで
徴兵年齢が引き下げられ、なんの訓練も受けないまま占領地に
到着し、そして敗戦、さらには祖国に見捨てられたことが伺える
映像が冒頭から続きます。
映画内でデンマーク人の農家の女性が、ドイツ軍少年兵を蔑んだ
表情で睨むのは、彼女の夫が戦争被害者であったのか、もしくは
ナチスドイツ占領下の祖国で、ゲシュタポによる情け容赦ない
ユダヤ人狩りを目の当たりにしたのだろうと推測できるのです。
デンマークは、ナチスドイツの攻撃を受けた周辺国とは異なり、
レジスタンス活動は行われたものの、多くがゲルマン民族であると
いうこともあってか、ほとんど戦闘を行うことなく占領地化された
らしい。
○見どころ
ドイツ少年兵に地雷除去を強制するデンマーク軍の大尉たちは、
まるで自分の子どものような少年に暴行をし、暴言を吐きます。
これが戦争なのです。地雷など見たこともない少年もいる中で、
彼らは本物の地雷を使って除去訓練を受けると1人爆死。さらに
11人の少年が連行された浜辺では、45000の地雷を除去
すれば帰国できると、ラスムスン軍曹に言われ、彼らは、一列に
並び這いつくばって棒で地面を指して進みます。このシーンの
緊張感は最後まで途切れません。
彼らが果たして「これが終われば本当に祖国に帰れる」と
思っていたのかわかりませんが、食事を与えられないまま、
作業を続ける顔にはまだ幼さが残るではありませんか。
地雷除去に失敗し、両手を吹き飛ばされたヴィルヘルムが
「ママ、帰りたい」と叫ぶ姿は胸が痛むばかりでした。
それでも作業中に将来の夢を語り合い「ドイツを復興させたい」
と瞳を輝かせる少年の姿が映ります。
●惜しいところ
邦題があまりに甘すぎる。せめて英題の「Land of Mine」で
ないとねえ。このmineが「私のもの」つまり「自分の国」を
さすのか「地雷」をさすのか、おそらくは両方なのでしょうね。
それと必ず何かが起きる前に「この先のこと」を語ります。
これが3度くらいあったかな。死亡フラグが分かりすぎる。
戦争が国単位で行われるのに、個々の被害者と加害者ができ、その
憎しみが晴れることは限りなく難しい。だったらなぜ戦争をする
のかという疑問が生まれるのは当たり前なのです。だからこそ
それを赦す心を持つことこそが、人間のあるべき姿だと思うのです。