淵に立つ

4

JUGEMテーマ:邦画

 

淵に立つ

 

「淵に立つ」

監督:深田晃司

2016年 日本=フランス映画 119分

キャスト:浅野忠信

     筒井真理子

     古館寛治

     大賀

     篠川桃音 

 

鈴岡金属を経営する利雄の元に古い知り合いの八坂が

訪ねてくる。勝手に仕事や部屋を提供した夫に不満を持つ

妻章江や戸惑う娘蛍だったが、次第に八坂を受け入れて

いく...。

 

<お勧め星>☆☆☆ よくできた映画だと思いますが、

鑑賞後、心が暗くなること間違いなしです。

 

淵に立つとはどういう意味だ?

 

「淵」というのは「流れの水がよどんで深くなった所」を意味し、

深み、淀みという表現を使うことがあります。

監督は「崖の淵に立ち、人間の心の奥底の暗闇をじっと凝視

するような作品になってほしい」という思いで、この題名を

つけたそうです。と言われても抽象的すぎるので、まず映画を

鑑賞。

ごく普通の親子3人が暮らす家に突然現れた八坂草太郎を

演じるのは浅野忠信。彼は利雄の妻、章江が敬虔なプロテスタント

信者だと知ると、信仰には

1、サル型 子供(信仰する人間)が自分から親(神様)に

しがみつく

2、ネコ型 親(神様)に子供(信仰する人間)が首根っこを

くわえられる

という2つの信者がいると語ります。この辺りで、映画の根底に

ヨーロッパ映画特有の宗教色が盛り込まれているのを感じます。

さらに八坂自身が4つの罪を犯したと語るのです。

1、約束を命よりも大切に守る

2、その価値観は他人も同じ

3、自分は正しいと思い続ける

4、その価値観で人を殺した

そして遺族のために自分は生き続けるのだと言うのです。この時点で

章江は八坂を気に入っており、なぜかウキウキし始めるのが手に

取るようにわかります。オープニングに夫に対し無表情だった彼女が

水を得た魚のように輝き始めるわけです。

 

淵に立つ

 

それは娘蛍も同じであり、オルガンを教えてくれる八坂が大好きに

なっていく。利雄はなぜに無関心なのだろう。そこには彼と

八坂とのつながりが関係しているわけで、丁寧な言葉遣いの八坂が

声を荒げて利雄を罵った時、全てがわかります。また、白いシャツを

脱ぎ、中の真っ赤なTシャツ姿になった八坂は、それが彼の本心で

あることを象徴するような行動をとるわけです。川辺に咲く赤い花。

それが赤いシャツに変わり、赤い血に変わる。それらには全て

つながりがあるわけで、人間の心に潜む「闇」を見させてくれる

きっかけとして使われているような気がしてなりません。

 

淵に立つ

 

そして後半登場する孝司の存在も、その存在自体が罪であり、

彼が介護していた母親に何かしたのではないか?と連想させる

言葉を吐く。「ゆとりですがなにか」で超むかつく新入社員を

演じた大賀の演技も秀逸。

 

淵に立つ

 

川原で4人で寝そべって撮影した写真の並び方が、ラストには

左右の2人の位置と人が変わっている。考えれば考えるほど深みに

はまっていきます。罪を犯していなかったのは誰だったのか。

それは川の中を動かないはずの手足を使って泳いでいく蛍だけ

だったのかもしれません。逆に言うと「生きたい」と思っていた

のは彼女だけだったとも思うのです。

 

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村  人気ブログランキングへ


コメント
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック

カレンダー

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< November 2019 >>

ブログランキング

今日のわんこ

powered by 撮影スタジオ.jp

アマゾン

遊びにきてくれてありがとう!

カウンター

死語レッスン

最新記事

categories

過去の記事

コメントありがとうございます!

トラックバックありがとうございます!

recommend

お友達

ミス・マープルについて

書いた記事数:3070 最後に更新した日:2019/11/14

あの映画を探そう!

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM