チリの闘い

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チリの闘い

 

「チリの闘い」

原題:La batalla de Chile

監督」パトリシオ・グスマン

1975年 チリ=フランス=キュバー映画 263分

 

東西冷戦下の70年代、チリでは社会主義のアジェンダ政権が

民主的選挙で誕生する。しかしアメリカの支援を受けて

数々の妨害工作が行われ、遂には軍事クーデターによって

その政権は崩壊するのだった。

 

<お勧め星>☆☆☆☆ 三部作に分かれており長さも気に

ならない面白さ。

 

歴史はわれわれのもの

 

チリはどこにあるんだろう?名前を聞くことはあっても漠然と

「南米のどこかの国」程度にしか思えません。地図では

この辺りになります。

 

チリの闘い

 

日本から遠いですね。
この映画は全編263分あり、第一部「ブルジョワジーの叛乱」、

第二部「クーデター」、第三部「民衆の力」と分けて描かれた

ドキュメンタリーフィルムの編集なのです。

 

チリの闘い


第一部は大統領宮殿が空爆されるシーンから始まります。

これは1970年に民主的な選挙で選ばれたアジェンデ大統領の

最期であることは一目瞭然です。ここからは人民連合政権

(1970〜73)の末期の困難に満ちた様を映し出していくのです。
1959年のキューバ革命後、南米各地で起こった混乱は、米国への

脅威にほかならないわけで、特にベトナム戦争で敗北しつつあった

時期に誕生したチリのアジェンデ政権は、なんとしても潰したい

存在になっていたのです。
チリ国内の野党にあたるキリスト教民主党など右派は、アメリカの

援助を受け、ありとあらゆる方法で政権への打撃を試みるのです。

労働者の権利でもあるストライキまでも利用する。そして第一部の

終了間際に軍部によるクーデター未遂が起こり、その時の銃弾に

倒れたカメラマンの映像が第二部の冒頭にも使われます。

 

チリの闘い

 

「知らなかったかもしれない」ことが、この映像によって

「実在したことと知ることができた」瞬間です。

そして第二部は冒頭の大統領宮殿破壊の映像で終わります。

その後始まる第三部は、ほとばしるほどのエネルギーを

見せつける民衆の姿が工場で、農場で、街頭で見られるのです。

それはアジェンデ政権がもたらした社会主義国家への道のりを

国民自らの手で作り上げていく姿であり、与えられたものに

従うにではなく、各々が考え行動する姿になっています。

そこにはこの政権下での社会への希望に満ちたものばか

りではなく、激しく討論する姿も見受けられます。
三部作がそれぞれ終了するたびに

「撮影者 ホルヘ・ミューラー・シルバの思い出に」

とクレジットが出ます。購入したパンフレットを読むと、

彼はグスマン監督とともに活動した「三年目」のメンバーの

一人で「左翼革命運動(MIR)」に属していた人で、恋人と

共に軍事政権ピノチェトの秘密警察DINAに捕らえられ

行方不明になったと知ります。
歴史を正しく伝えることの難しさを体感する映画でした。

ぜひともこのフィルムを国外に持ち出すことにどれだけ

困難を極めたか、そしてこのフィルムが存在したことで

「事実」を知ることができたことの意味を考えてほしいと

思います。

 

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