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- 2023.01.12 Thursday
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JUGEMテーマ:洋画
「ある天文学者の恋文」
原題:La corrispondenza
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
2016年 イタリア映画 122分
キャスト:ジェレミー・アイアンズ
オルガ・キュリレンコ
シャウナ・マクドナルド
パオロ・カラブレージ
アンナ・サバ
天文学者のエドは教え子のエイミーと深く愛し
合って6年。ある日出張に行っているはずの
エドの訃報を聞いたエイミーは、同時に受け
取った彼からのメールに混乱してしまうのだった。
<お勧め星>☆☆☆半 大人の恋愛。美しい景色と
音楽がうまくマッチしています。
今見えている星はどのくらい前に存在
していたのか
音楽がどこまでも静かで心地よく、主演の
オルガ・キュリレンコの美しさに目を奪われるのですが、
映画内で頻繁に使われるスマホが、マナーモードに
なっておらず、観劇中、講義中、図書館内などありと
あらゆる場所で起きな着信音を鳴らします。またボタンの
タッチ音を消していないのもとても気になります。
(これは普通に文句です)
天文学者のエド役は「リスボンに誘われて」(2012)の
ジェレミー・アイアンズ。初老の紳士という雰囲気で、
星を研究しているせいかとてもロマンチストなのです。
口から発する言葉の1つ1つが深い意味を持ち、それで
いて全く気障に感じられません。逆に超魅力的でもあります。
彼の恋人は大学院生エイミーで、教え子に手をつけちゃった
いけない先生なのでどうやら秘密の仲らしい。イチャイチャ
していても欧米の男女だと様になるのはなぜだろう。これが
日本人で、いいおっさんと若いお姉さんなら、絶対に
怪しまれるにちがいない。間違いない。
いつものように逢瀬を楽しみ、エディンバラに出張したはずの
エドの死が信じられないのは当たり前。だって、さっき彼から
エイミー宛てに動画付きのメールが届いたばかりなのよ。
日付だってほら!
この映画では「犬」「枯葉」を使い、エドの命が消えたことを
象徴しつつ、メール、skype、ビデオレターなど現実的な道具
を用いて、2人のつながりを描いています。ここがとても
対照的な手法だと思います。彼は本当に亡くなったのか、という
疑問が、亡くなったのになぜ、彼女の行動を見越したような
メールや手紙が届くのかというミステリアスな展開へと
変わります。そしてそこには宇宙空間のように広く深い愛情を
もってエイミーに接してきたエドの考え抜いた行動が見えて
くるのです。
但し少し冗長に感じたのは、エイミーがなぜ危険なスタント
(カミカゼと言っていましたが使いたくない)のバイトをして
いる理由で、それが実母との深い溝に起因していたとしても
納得のいくものではありませんでした。
エドに腹を立て、彼との連絡を絶つメールを送信した後の
エイミーの自暴自棄な姿すらもエドは見越してたのがすごい。
「10人のエドがキミを見ている」に表されるような意味の
深い言葉の数々が映画のあちこちに散りばめられ、それを後
から知るという醍醐味も感じます。
もっと早く出会わなかったことともっと長く月日を過ごせなかった
ことが「永遠の命」を得られなかった理由だ、なんて後ろ向き
のエドが語る映像見たら泣かずにいられますか。なぜ後ろ向きか
というと、彼の病が重く、もはや前向きの姿を見せられなかった
んだろうなと思うともっと泣ける。
エドの病が星状細胞腫であり、それは星雲と同じ形であるのも
皮肉な話でした。エドとの人生銀河が崩壊したとしても、エイミー
はまだいくつもの選択肢があるわけで希望のさすラストも気に
入っています。
イタリアの美しい風景、街並みが大人のラブストーリーによく
マッチしていました。