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- 2023.01.12 Thursday
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JUGEMテーマ:韓国映画全般
「新感染 ファイナル・エクスプレス」
原題:Train to Busan
監督:ヨン・サンホ
2016年 韓国映画 118分
キャスト:コン・ユ
キム・スアン
チョン・ユミ
マ・ドンソク
チェ・ウシク
別居中の妻の元へ娘スアンを送り届けるため、
ソグは高速鉄道に乗り込む。しかし列車内で奇妙な
姿の女性が介抱をする乗務員を襲い、そして襲われた
乗務員が他の乗客を襲って感染が広がっていく。
ソグはスアンや他の生存者と共に後方の車両に避難
するが...。
<お勧め星>☆☆☆☆ とても丁寧に作られた感染物で、
最後までスリルにあふれ、人間ドラマに感動します。
アロハオエを歌おう
感染物つまりゾンビ映画は、韓国ではほぼお初という
ことで、監督はアニメ映画出身のヨン・サンホ。
アニメ映画では感染物が人気のジャンルだそうで、
遂に実写化されたのかという感じです。
新感染→高速鉄道内での感染パニック...なんとなく
微妙な邦題。
走る列車内でのパニック映画で、はっと思い出したのが、
ポン・ジュノ監督の「スノーピアサー」(2013)
なのですが、あれは近未来の地球でずっと走り続ける
列車の中に暮らす人々の階層社会内の反乱だったと
思い出し、ああ勘違いです。
この映画の良い点は、それぞれのキャラクターが
はっきりしていて、名前を覚えなくても顔だけでどういう
人物かわかるというところ。
ソグ役のコン・ユは今回はファンドマネージャーに就いており、
儲けのためなら他人や家庭を顧みない極めて自己中心的な男
なのです。「トガニ 幼き瞳の告発」(2011)では
あんなに心の優しい教師を演じたのに、こうも違う役を
できるものかと感心します。
それは身重の妻を持つサンファを演じるマ・ドンソクも同じ
ことで、闇金の親分やら汚職警官やら今回のような根は
優しいのにすぐに手が出るような男性もバッチリ。
韓国映画の素晴らしいところは、脇役もしっかり演技ができる
ことと、子役も上手なことですね。スアンを演じる少女も、
笑うととても可愛いく、それが肝心なところで笑うのみ
なのでとてもいいポイントになっています。
さて序盤に列車内の異変に気付いたソグは、席を譲ったり
する心優しいスアンに「自分が大事」などと言い聞かせます。
おそらく仕事で上を目指す者は、この考えでないと生き抜いて
いけないのでしょう。他に身重の妻ソンギョンをいたわる
サンファ、野球チームのメンバー、ヨングクと応援団長ジニ、
バス会社の社長という横柄な男、初老の姉妹、ホームレス風の
男(この人が感染者かと思った)などが、大田駅で止まった
列車から避難しようとすると、待っているはずの軍人も感染
していて、逃げる逃げる。この感染者たちは大変足が速く、
目が白く変わるのが感染の証拠なのです。列車に戻る際の
混乱やトイレに隠れるシーン、列車内を感染者を倒しながら
移動する姿などどれをとってもスリル満点。それでいてよく
あるグロテスクな映像はほとんどないので安心して見られます。
そして絶対に必要な悪い奴はバス会社の社長であり、
パニックに陥ったとき、人間の本性はこうなるのかと
絶望感も味わってしまう。感染したくないから、その可能性が
ある者は排除したい、この論理は理解できるんだけど、「人間」
の持つ良心に鑑みた時どうなんだろう。自分が右に倣えとなる
人物にならないと断言できるだろうか。
日本でも2009年の新型インフルエンザ流行の時に感染源と
疑われた学校の生徒や鶏舎の持ち主はどういう風に扱われたか。
胸に手を当ててよく思い出してほしい。
一方でこの映画ではホームレスらしき男性が終盤に女性と
子供の命を救うのです。彼女たちをないがしろにしたのは
地位も名誉もあるだろう人物。格差社会の中で「善意」を
持つ人物は、その地位とは関係ないとも実感します。
感染パニックと人間ドラマ、そしてそれに高速で走る列車を
加えたスリルと感動にあふれる映画でした。
ただ1点、噛まれてから感染する時間が人によって異なるのが
気になりました。そこは本題ではないのでよしとしよう。
本日鑑賞しました。
率直な意見、面白かった!!
マ・ドンソクのファンなのですが、彼の大活躍に歓喜し、涙しましたよ。
ちゃんと感染者の襲撃意外にも見せ場を設けているてのが良いですよね。
あの最後の娘ちゃんが歌うシーンに胸が熱くなりました。