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    サラエヴォの銃声

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    JUGEMテーマ:洋画

     

    サラエヴォの銃声

     

    「サラエヴォの銃声」

    原題:Smrt u Sarajevu

    監督:ダニス・タノビッチ

    2016年 フランス=ボスニア・ヘルツェゴビナ映画 

    85分

    キャスト:ジャック・ウェバー

         スネジャナ・ビドビッチ

         イスディン・バイロビッチ

         ベドラナ・セクナン

         ムハメド・ハジョビッチ

     

    サラエヴォ事件から100年の記念式典が開催される

    会場のホテルヨーロッパには要人が訪れ始める。

    しかしホテルの従業員は賃金の未払いに対するストライキ

    をその当日に計画していた。


    <お勧め星>☆☆☆ この監督ならではの静かでかつメ

    ッセージ性の強い内容です。


    銃声がもたらしたもの


    監督は「鉄くず拾いの物語」(2013)

    「汚れたミルク/あるセールスマンの告発」(2014)の

    ダニス・タノビッチ。「鉄くず拾いの物語」では、

    実際の出来事を当事者が再現した「ドキュドラマ」方式で、

    ボスニアに暮らし、政府から何の保護も受けていない

    「ロマ族」の一家の暮らしを淡々と描いていました。
    また「汚れたミルク/あるセールスマンの告発」では、

    多国籍企業に立ち向かった勇敢な一人の男性の姿を、

    地味ながら丁寧に映しています。どちらの映画においても

    戦争や社会構造が変化しても何も変わらず、取り残された

    ままの人々の存在を世間に知らしめる役割を果たしている

    気がします。
    そんな監督が製作した「サラエヴォの銃声」は、2014年

    6月28日というサラエヴォ事件から100年経ったことへ

    の記念式典が開催されるホテルでの様子を様々な視点から

    見せていくのです。
    「サラエヴォ事件」・・・第一次世界大戦の引き金になった

    事件として世界史で習いましたよね。

    1914年オーストリアの皇太子夫妻がサラエヴォで暗殺

    された事件です。この背景は習った当時は深く考えず、

    なんせ受験用の世界史用語集の☆5つだから絶対に年号と

    名前と事件の概要を丸暗記する、という程度の勉強であり、

    実は当時はオーストリア=ハンガリー帝国だったこととか、

    サラエヴォが当時はオーストリア=ハンガリー領だったこと、

    またその日がセルビア人にとっては遡ることオスマン帝国の

    時代、セルビア軍が敗北した「コソボの戦い」の日だった

    ことなど深い意味を考えることもなかったのです。
    なので少しこの辺りを調べてから鑑賞した方がいいと読んで、

    ほんの少しだけメモを取って鑑賞すると、映画内で語られる

    いくつかの事件や出来事の意味が、これまたほんの少しだけ

    わかるというもの。西洋の火薬庫と呼ばれたバルカン半島の

    歴史は本当に多くの血が流され物が破壊され、ジェノサイドも

    行われていたことを知ると言葉を失います。

     

    サラエヴォの銃声
     

    映画はこの式典が開かれるホテルの屋上で、サラエヴォ事件

    について歴史学者などにインタビューするレポーターの姿と、

    準備に追われるホテルが実は資金繰りが悪化していて、給与が

    2か月未払いのため従業員がストライキを計画している姿、

    さらにそれを無視してあれこれ手配する支配人オメル、従順な

    フロント係ラミヤなどの姿が混在して映ります。

     

    サラエヴォの銃声

     

    サラエヴォの銃声

     

    屋上ではサラエヴォ事件の真犯人プリンツィプがテロリストか

    否か、またオーストリアの皇太子が犠牲者か占領者かと激しく

    語る学者や若者がいるのに、階下では、とにかくこの式典を

    終了させ、資金を得て銀行への支払いを終えたい支配人、

    コツコツとヒールの音を響かせ颯爽と動き回るラニヤ、要人の

    護衛にあたる男(なぜかドラッグ中毒だし、嫁からの電話に

    イラついている)、労働者の権利を訴える従業員たちなどが

    いるわけで、この相いれない内容がどこで結びつくかと言うと、

    それはやはり「銃声」なのです。しかしその銃声で世界が

    一気に大戦へと向かった100年前とは異なり、これで何かが

    変わったのだろうか。いや何も変わらない。変わるために

    必要なことすら分からなくなっているのではないかという

    事実を突きつけられるのがラストの静寂でした。
    やはりこの監督の映画は素晴らしい。もっと勉強しないといけない。

     

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