はじまりへの旅

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JUGEMテーマ:洋画

 

はじまりへの歌

 

「はじまりへの旅」

原題:Captain Fantastic

監督:マッド・ロス

2016年 アメリカ映画 119分 PG12

キャスト:ビゴ・モーテンセン

     フランク・ランジェラ

     ジョージ・マッケイ

     サマンサ・アイラー

     アナリース・バッソ

 

ベンと子供たち6人は森の中で自給自足の生活を

送っている。しかし病気のため入院していた妻が

自殺し、彼らは葬儀に出席するために街へと出て

いくが...。


<お勧め星>☆☆☆半 何が幸せか深く考えさせ

られる映画です。


理想の敗北は新たな一歩


見終わったときに感じたのは、主人公のベンはいったい

何を悟ったのだろうかということ。それは冒頭から

見せられる森の中で外界との接触をほぼ遮断した一家の

生活、狩猟に始まり、体力作り、そしてひたすら難しい本

を読む。全て父であるベンの設定したルールであり、

(妻も納得していたはず)それらを6人の子供たちが

極めて優秀な頭脳と運動能力をもってこなしていくわけです。

 

はじまりへの歌
 

「うわ〜すごい。こんなこともできじゃうんだ」じゃないのよ。

大体映画内で、ノーム・チョムスキーという人物を口にされた時、

全く知らない人物でさっそく調べてしまいました。彼は現存の

哲学者であり、「現代言語学の父」と評され、ベトナム戦争の

有名な批評家であったとのこと。哲学といえば大学の時、最も

単位がとりやすい講義で、コマ数の足りない学生は講義に

出なくても試験さえ受ければ単位をくれるということでこぞって

とっていました。(私もその一人)おじいちゃん教授が、とっても

小さな声で話す内容は今一つも頭に残っていません。ただ覚えて

いるのは、試験の時、できた学生から退出していいという決まりで、

多くの学生が退出したのですが、最後まで残っていたら

「早く出してください」とその教授に言われたことです。その

穏やかな教授が唯一声を荒立てたのは、違う講義を行う教授が

学生と遊びで付き合っているという話をした時ですね。

ああ、この話は本当だったんだ。そしてこの先生は学生では

なくその教授に対しものすごく腹を立てているんだと肌で感じ

ました。今思うと極めて倫理観の高い方だったのだ、もっと

しっかり講義を聞いておくべきだったと後悔しています。
この映画ではこのチョムスキーを含め、とても難しい事柄を

末の子供まで知っており、それについて自分の考えも述べる

ことができるのです。但しこれには父の思想が大きく関わって

いることも確かで、それが全てじゃないことをいつか知ること

ができるのかと途中で心配になりました。

 

はじまりへの歌
 

ある意味「楽園」であったはずのこの森の一家は、妻レスリー

が精神を病み、そして自殺してしまったことで急変します。

彼女の遺言通りに葬儀を行いたいベンは、子どもを連れて

街に向かうわけです。なぜレスリーが精神を病んだのか、

映画内ではベンの口からでしか理由は語られません。それは

ベン自身もわからなかったんだろうなあ。

 

はじまりへの歌
 

客観的に見るとかなり裕福な家庭の一人娘レスリーが親に

反発し、いわゆるヒッピーのような青年ベンと暮らし始めた

ものの、子どもが生まれた時、自分たちの求める理想を

その子供に押しつけることが正しいのかどうか深く悩んだ

のではないでしょうか。映画内で「任務」と称される万引き

行為は、実社会では明確な犯罪であり、また武器や格闘で

身を守ることが本当に重要なのかは、誰も判断できないと

思うのです。したがって自分たちのルールを守るためには、

一生森で暮らさなければならず、それは「何も知らない」

人生を子どもたちに送らせることを意味するのではないか。
序盤からずっと持ち続けた違和感は、終盤にようやく解消

されます。何でも知っていると思っていたベンが実は

「何も知らなかった」ということに気づくわけです。しかし

彼は間違っていたとは思えない。「現実」だけに生き続ける

よりも「理想」を追求し、その2つをその時々上手に折り合い

をつけて行くことが人間なんじゃないのかなと思っています。

とても難しいことだけれど。

 

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