LION/ライオン〜25年目のただいま〜

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JUGEMテーマ:洋画

 

ライオン

 

「LION/ライオン〜25年目のただいま〜」

原題:Lion

監督:ガース・デイビス

2016年 オーストラリア映画 119分

キャスト:デブ・パネル

     ルーニー・マーラー

     ニコール・キッドマン

     デビッド・ウェンハム

 

5歳のサルーは兄の仕事について行き、駅ではぐれて

しまう。彼はストリートチルドレンとなった後に施設に

収容され、幸いなことにオーストラリア人夫妻の養子と

して迎えられる。彼は何不自由なく育ち大学生になるが、
ある時自分がインドで迷子だったことを鮮明に思い出す

のだった。


<お勧め星>☆☆☆☆


自分のルーツ


キャッチコピーは「迷った距離1万キロ、探した時間25年、

道案内はGoogle Earth」。実話ベースの映画ですが、少し

ずつ実際と異なることもあるようで、特に主人公サルーが

生家を探すのに使ったのは、Google Earthだけでなく

facebookもあったそうです。

 

ライオン
 

成人したサルー役は「スラムドッグ$ミリオネア」(2009)

「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」(2013)などの

デブ・パネル。彼の恋人ルーシー役は「キャロル」(2016)

のルーニー・マーラー。

 

ライオン
 

また養母スー役はニコール・キッドマンが演じています。

ニコール・キッドマンの抑えた演技も素晴らしいです。
黄色い蝶の大群に囲まれた5歳のサルーから始まるこの映画

では、時折その蝶が姿を見せ、見終わった後で調べてみると、

彼の守護神のような意味を表しているのだと知りました。

とはいえ、この壮大な家族探しの旅は、幼いサルーが兄グドゥの

仕事に無理やりついて行ったことから始まります。どんなに

力持ちでもどんなに真面目でも、5歳児なんですよ。サルーは

駅で兄とはぐれてしまい、おまけに回送電車ではるか遠い

カルカッタまで向かってしまうのです。人々がひしめき合う駅の

雑踏で、小さなサルーは柱をよじ登り「グドゥ〜」と呼び続けます。

この姿は彼が襲われているものすごく大きな不安を感じ取れる

もので、見つかるはずもない兄の名を呼ぶ声がいつまでも響き渡り、

耳から離れません。

 

 

ライオン
 

かつて実姉が「インドへ旅行したい」と言って突然出かけた

ことがあって、それも初めての海外旅行であり、

「どうしてインドに行きたい?」と尋ねたところ

「ガンジス川でで沐浴をしたい」との答えが返ってきました。
それがこのサルーが迷った時期とちょうど重なります。姉は

沐浴の夢はかなわなかったし、ついでに帰国時に下痢の症状が

あり、検疫で止められ、さらにはその後保健所にも行く羽目に

なったことを思い出しました。
サルーの困難な状況はここで数多く映されます。ストリート

チルドレンとなり、それを捕まえに来た大人に追われ、人身売買

に巻き込まれそうになり、さらには劣悪な環境の施設に収容

されます。サルーは幸いなことに5ヶ月で里親に恵まれたことが、

その後のサルーの人生が大きく変わったと思うのです。そして

オーストラリアへ渡り、何不自由ない家庭の子供として育って

いきます。翌年同じように養子の弟マントッシュを受け入れた

この家庭はマントッシュの問題行動に苦労するわけですが、

それは彼の養子に出されるまでの過酷な生活の積み重ねであっ

たことは想像に難くないのです。
ではなぜサルーは本当の母や兄を探したい欲求にかられたの

でしょうか。それは映像で見られるように、時折浮かぶ故郷の村や

母や兄の姿、そしていくつもの出来事が頭から離れなかったに

他ならないと思うのです。「自分探しの旅」と称して世界を放浪

するバックパッカーがいる中で、自分のルーツを探しに行く者は

ほとんどいないと思う。自分のルーツがオーストラリアになく、

インドにあることはわかっているのに、その過去を探すことは

今の養父母を裏切ることにもなる。サルーの心の葛藤は続きますが、

それでも過去の記憶を取り戻し、これから先の人生を歩みたいと

切望するサルーの気持ちもなんとなくわかる気がするのです。

本当に何となくですが。
インドで施設に収容されている時、サルーは顔写真付きで新聞に

親探しの記事を載せられるのですが、反応はありませんでした。

それはなぜか。彼の母は新聞どころか「文字」が読めなかったのです。
ちなみにインドにおける識字率は1991年当時48.2%に過ぎず、

田舎の村に住む母が文字を読めなかったとしても当然のことなのです。
一方里親であるジョンとスーは決して子供が持てないから養子を

選択したのではなく、「恵まれない子たちを助ける方が意義がある」

という崇高な志を持っていたことを知ると、また感動します。
その経緯も神秘的であり、彼らとサルーの結びつきも運命的なもので

あったのかもしれません。
「闇の子供たち」(2008)ではタイにおける臓器移植を目的と

した幼い子供の人身売買や幼児売買春を描いていましたが、インドに

おけるストリートチルドレンは世界で最も多く、その中から人身売買

で連れ去られる者もかなりの数いるのです。
但しこの映画ではあくまでも自分のルーツを探すことを主に描いており、

それが叶う時には感動するとともに、兄グドゥがなぜ戻らなかったのか

理由を知ると、サルーの脳裏に浮かぶのは兄と2人で線路を飛び跳ねて

遊んだこと、一緒に石を運んだこと、自転車に乗せてもらったことなど

楽しいものばかりであり、彼の記憶の中ではグドゥは永遠にあの時の

まま存在し続けるのだろうと思ってしまいました。

Google Earthと自分の断片的な記憶をつなぎ合わせて目的を達成

したサルー。そしてラストに映画の題名の意味が分かるのです。

住んでいた場所をいくら大人に伝えても伝わらなかったのは、
「ガネストレイ」ではなく「ガネッシュタライ」だったからで、

自らの名前すら「サルー」ではなく「シェルウ」だったと知ると

サルーがいかに幼かったのかを改めて実感します。

 

ライオン
 

シェルウの意味は「ライオン」

 

 

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