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    散歩する侵略者

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    JUGEMテーマ:邦画

     

    散歩する侵略者

     

    「散歩する侵略者」

    監督:黒沢 清

    2017年 日本映画 129分

    キャスト:長澤まさみ

         松田龍平

         高杉真宙

         恒松祐里

         長谷川博己

         前田敦子

     

    鳴海は失踪して戻ってきた夫真治が全く別人の

    ようにふるまい「地球を侵略に来た宇宙人なんだ」

    と発する言葉に驚く。。一方町では一家惨殺事件が起き、

    それをきっかけに人格がすっかり変わってしまう人々

    が続出するのだった。


    <お勧め星>☆☆☆ 黒沢清監督の映画の中では、一番

    好きな内容かもしれません。


    最も価値のある概念

     

    少しネタバレ


    黒沢清監督の映画とは本当に相性が悪く「ドッペルゲンカー」

    (2003)「LOFT ロフト」(2006)「Seventh Code」

    (2014)と見ましたが、すみません、どれも眠くなり

    ました。映画全体が静かなのと、映像がモノクロームに近い

    ようなものが多く、催眠療法にかかったようになるのです。
    なので今作も期待値0にて鑑賞。確か、昨年のカンヌ国際

    映画祭に出品されていましたよね。前田敦子さんが他の俳優

    さん達と一緒に赤絨毯を歩いていたような覚えがあります。

    しかし、映画内での登場シーンはごくわずかであり、時間に

    して5,6分かなあ。あ、敦ちゃんだ!と思ったら涙を

    一筋こぼして去っていく...。
    内容的には血しぶき満載なはずなのに、冒頭の一家惨殺事件

    以外では、ほとんど血が流れません。銃で撃たれようと、

    車ではねられようと、爆発に遭おうともです。そして題名

    通り静かに侵略されていく町の人々の姿を、この監督らしく

    淡々と描いています。
    宇宙人の侵略物といえばいの一番に上がるのが

    「ボディ・スナッチャー/恐怖の街」(1956)です。

    これは「SF/ボディ・スナッチャー」(1978)、

    「ボディ・スナッチャーズ」(1994)、「インベージョン」

    (2007)と何度もリメイクされるほどの名作であり、

    この中で実際に見たことがあるのは3作目以外すべてですが、
    1作目の不気味な雰囲気が一番ゾクリとしました。さらに侵略?

    挨拶?なのか突然世界のあちこちに出現する宇宙船を描いた

    「メッセージ」(2016)はその目的よりも映画の内容が

    秀逸で、ああそういうことかと理解すると自然と涙が流れて

    しまうものです。登場する宇宙人は姿を見せるものの少しも

    怖くないし、逆にそれへの対応で世界各国の輪が崩れてしまう

    恐怖を体感します。そして最終的には「人生」について深く

    考えさせられる内容になっていました。

     

    散歩する侵略者
     

    しかしこの映画は宇宙人の目的が「地球侵略」と早々に真治の

    口から語られます。真治役の松田龍平が、本当に飄々として

    いて、悪く言うと無表情で、いったい何を考えているのか全然

    わかりません。その彼の浮気をののしり、病院に連れていき、

    訳の分からないことを口走る夫にイラつく妻鳴海役は長澤まさみ。

    二人が全く対照的なのが印象的です。表情豊かで、怒り、焦り、

    嘆き、あきれる、そんな姿を見せ続けた鳴海には、実は心の

    奥底にマグマのように強く燃える「愛情」が隠されていると

    気づくのは、本当に映画の終盤なんです。もう、鈍感で

    すみません。

     

    散歩する侵略者
     

    冒頭の血まみれ女子高生あきら、彼女と同じ能力を持つ天野、

    そして彼らに「ガイド」=信頼できるパートナーとして力を

    貸す、ジャーナリストの桜井の関係と、真治とそのガイドと

    なる鳴海との関係は明らかに本質が異なるのです。信頼できる

    パートナーであっても愛情が存在しない、するはずがない、

    前者と、かつては愛情で結ばれていた(今も?)後者では

    関わり方が異なるのは当然なのでしょう。
    真治が中盤「愛」の概念を集めようとして、教会の牧師のもとへ

    向かうのですが、あまりに大きすぎて概念がまとまらず、

    それを抜き取ることを断念します。

     

    散歩する侵略者

     

    ちなみに抜き取る時は、相手にその概念をしっかり頭の中で

    まとめさせておいて、その額に人差し指を当てると、スルっと

    入手でき、その途端、相手は一筋の涙を流し、倒れこんで

    しまうのです。敦ちゃん、「所有」を抜き取られちゃったよ。
    「愛なんてイメージできるはずないじゃない!」ときつく答える

    鳴海の言葉はまっとうなこと。「仕事」「邪魔」などは

    それぞれの頭ですぐにイメージできても、あまりに大きくて

    漠然としている「愛」は実は最も強い力を持つ存在なのかも

    しれません。これはとてもありきたりだな。でもそれが

    すんなり理解できるのは、愛の概念を受け取った真治が

    「全部違って見える」と言い、抜き取られた鳴海が

    「何も変わらない」と無表情で答えた時です。
    何も変わらないのではなく、何もなくなって抜け殻のように

    なってしまったかもしれませんね。
    あらゆることを一から考え直す「タイミング」はいつだって

    あるし、そうしないと世の中が本当に崩壊していく道をたどる

    のだと思ってしまいます。

     

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      侵略者に対抗できたものは、やはり…
      • 或る日の出来事
      • 2018/08/24 10:45 AM

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