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    ベイルート

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    JUGEMテーマ:サスペンス映画全般

     

    ベイルート

     

    「ベイルート」

    原題:Beirut

    監督:ブラッド・アンダーソン

    2018年 アメリカ映画 109分

    キャスト:ジョン・ハム

         ロザムンド・パイク

         ディーン・ノリス

         ラリー・パイン

         シェー・ウィガム

     

    1982年、内戦状態のレバノンで、アメリカ

    政府職員が武装組織に拉致される。かつてレバノン

    で妻を失ったメイソンは既に外交官を辞めていたが、

    当時の友人を奪還するため、レバノン行きを指示

    されるのだった。


    <お勧め星>☆☆☆ 中東における国や組織の複雑な

    駆け引きの構図を垣間見ることができます。


    交渉能力


    脚本はボーンシリースのトニー・ギルロイ。後でこの

    ことを知ると、複雑なストーリーや身内の裏切り、交渉

    の姿などが巧みに描かれていることも納得です。
    主役の元外交官メイソン役は「ベイビー・ドライバー」

    (2017)でバディ役を演じたジョン・ハム。セクシー

    な恋人を連れたインテリ風な姿でしたが、今回もやはり

    インテリ風。映画内では、幼少期から交渉術を学ぶ家庭で

    育っていたと話します。家庭内の交渉術=父母間の信頼の話。

    まあそこにも交渉が必要で、一方だけの主張を通すのは

    後々問題が起こる種になるというものです。
    さてのどかで優雅なホーム・パーティーのシーンは1972年

    のレバノン、ベイルート。メイソンは妻ナディアと養子で

    パレスチナ人のカリームと共に要人をもてなしているのです。

    ここでピンとくるのは1972年という年です。この年の

    9月にはミュンヘンオリンピック選手村でパレスチナ武装勢力が、

    イスラエル選手、コーチを11名殺害する「黒い九月事件」

    が起きたその年なのです。この事件は2005年に

    スティーヴン・スピルバーグ監督が「ミュンヘン」として

    映画化しており、事件前後の様子と、これに報復する

    イスラエル諜報組織モサドの作戦が実にリアルな映像で描かれ、

    モサドのそれはそれはすごい情報収集能力と残虐さ

    (これはどこのスパイ組織でもそうなんだろうけど)
    を思い知らされた気がしました。そういえば、ナチの戦犯

    アイヒマンを潜伏先の南米で拉致したのもモサドだったなあ。
    したがってこのパーティーの途中で起きる爆撃事件は

    「黒い九月事件」に関連して起きたものだと想像できるのです。

    とにかくPLO、イスラエル、アメリカ、そしてこの国レバノン

    の立ち位置をしっかり把握していないと話について行けないし、
    それをすることで今再び悲惨な出来事が起こっている中東情勢

    について知るきっかけにもなります。宗教、民族、領土、

    すべてが絡んだ場所での紛争に大国の思惑が絡み合うと、

    本当に収拾がつかないのではないかと絶望的な思いにもなるの

    です。
    カリームは爆撃したメンバーに連れ去られ、(彼の兄は

    「黒い九月事件」によって逮捕されている)妻ナディアを失った

    メイソンは、そのままアメリカへ戻り、10年後、アルコール

    に溺れながら法律事務所で民間企業専門の仲裁を行っている。

    そこへ突然ベイルート行きの話を持ち掛けらるのです。あれほど

    美しかった街並みはことごとく破壊され、10年間の内戦の

    爪痕がそこかしこに残り、要所では民兵が検問をしている。

    遠くで砲撃の音やすぐそばで銃撃音が鳴り響く街。

     

    ベイルート
     

    その中でメイソンに課せられた任務は、武装集団に誘拐された

    アメリカ人2人を連れ戻すこと。このうちの1人は彼の

    友人カルだったため、メイソンが呼ばれたらしい。ここで

    頭が混乱するのですが、メイソンはどこに雇われたのか。

    ロザムンド・パイク演じるサンディやゲインズ、そしてカル

    はCIAのスパイらしい。ルザック大佐は国家安全保障会議(NSC)、

    さらにはウォーレン大使もいて、それぞれの思惑が必ずしも

    一致しないし、相対するのが、イスラエル軍なのか、PLOな

    のか、民兵組織なのか、今一つ理解できません。しかしながら

    話はとてもスリルにあふれており、カリームが成長してすっかり

    武装組織の一員としてふるまっていたり、カルとメイソンの会話が

    暗号を含んでいたりと、その都度はっと思わされることばかり

    なのです。

     

    ベイルート

     

    但し人物相関図はなんとなーくあやふやなままラストに突入。

    「ブリッジ・オブ・スパイ」(2015)のように人質の

    交換シーンは、まさに時間との争いもあり、手に汗を握る

    ものです。しかしこれを見ると、ラストに流される当時の

    レーガン大統領の「中東に平和と安全を」という言葉が

    いかに薄っぺらなものであるのか痛感してしまうのです。
    この作戦は上手くいったと言えるのだろうか。そもそもこの

    状況を作り出したのはなにがきっかけだったのだろうか。

     

     

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