オオカミの皮をまとう男

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JUGEMテーマ:洋画

 

オオカミの皮をまとう男

 

「オオカミの皮をまとう男」

原題:Bajo la Piel de Lobo

監督:サム・フェンテス

2018年 スペイン映画 110分

キャスト:マリオ・カサス

     イレータ・エスコラー

     ルス・ディアス

 

スペイン北部の山奥で狩りをして暮らす男が一人。

彼はオオカミの毛皮を町で売って生計をたてていたが、

町民の一人の勧めで嫁をもらうことにするのだった。


<お勧め星>☆☆☆ 孤独な男の心の動きが単調な

生活の中に描かれています。


男が欲しかったもの

 

<ネタバレしてます>


いつの時代の話なのか、現代なのか、少し前なのか、

それが全くわからないようなスペイン北部の山奥で

一人の男が暮らしているのです。山奥といっても山道を

登るだけではなく、岩場をロープで上らないと到達でき

ないようなものすごい場所なのです。多分ここには

アマゾンは配送されないと思う。いやそもそも注文する

手段がないじゃないか。

男は誰かと話をすることもなく、鹿狩りをし、自分で

さばいたその肉や飼っている山羊の乳を食事として摂って

いるわけです。どうしてこんな場所に暮らしているのか、

家族はいないのか、それはまったく語られません。
ただ男の家の裏山に幾つかの墓があることから、かつては

男の親たちもいたと思われるのです。

さて、この男がおそらく数日かけて山を下りていくのは、背中に

何枚も巻き付けたオオカミの皮を町へ売りさばきに行く時で、

この姿は「レヴェナント:蘇えりし者」(2015)の

レオナルド・ディカプリオを彷彿とさせます。よく見ると

顔立ちもレオ様の面影があります。

 

レオ様
 

ookami

 

但し、レオ様が身にまとっていたのは死闘で勝ち取ったグ

リズリーの毛皮だったのに対し、この男はオオカミの毛皮

なので厚みが違う。レオ様のいた場所が酷寒の地だったこと

とも比べてもだいぶ違う。
雨が降る中ガラス越しに外から家の中を映す時、そこで何が

話し合われていたのか全く会話はわかりません。しかしその後

男が女を連れ帰ることで、男が嫁をもらったと理解するのです。

 

オオカミの皮をまとう男

 

嫁をもらって男は何か変わったか?孤独な男が快活になったか?

二人で会話をするのか?そこが全然変わらないのですよ。ただ

今まで一人でしていた畑仕事を二人で行い、獣のように関係を

求める姿が加わったのみでしょうか。そしてどうやら妊娠した

らしい女と雪の日に何かを話し合う二人が、これまたガラス

越しに映ります。ここも内容はわかりません。しかしやはり

その前後の映像ですべてがわかるのです。さらにその妻の

遺体を葬った墓から掘り出し、村まで持っていく男。男の

嘆きは彼が黙々とこさえていた木の揺りかごを思いきり破壊

することでこちらに強く伝わるのです。男は感情を表現するこ

とが限りなく下手なのでしょう。
季節は雪で埋め尽くされた外の景色や裏山に咲く花の光景から

伺えます。病気持ちで妊娠していた未亡人を、村人への体裁を

保つために売りつけた妻の父は、怒る男に差し出すのは下の娘。

こんなことあるのかと思うけれど、男はそれに納得するのです。

じゃあなぜ埋葬した妻を掘り返し、この村人の元へ運んだの

でしょうか。一旦埋葬したのは男が妻に対しての愛情を示した

のであり、それを掘り返し、親の元に運んだのは、だました

村人への怒りの表れだったと理解しています。
そしてまた同じように新しい妻と変わらない生活を開始する

わけです。男の食べ方、行動、単調な生活に新しい妻は嫌悪感を

抱き、そして憎しみへと変わっていくけれど、男はまったく

気づかない。鹿肉にかぶりつく姿が本当に汚いんです。それが

後半はいっそう強調されているように思います。

 

オオカミの皮をまとう男
 

同じように畑仕事をする姿、同じように食事をする姿、妻が

妊娠するとそれなりに優しさを見せる男。この姿は前妻の時と

ほとんど変わらないのですが、変わっているのは、今回の妻

には何も引け目を感じる要素がなく、親の命令に従っただけ

ということ。雪の中逃げ出した妻が罠にかかり、凍死寸前の

ところを救い出した男が彼女を温める姿には、人間としての

優しさを強く感じます。しかし、彼が欲しかった孤独を埋める

「家族」は、金のために我が子を売るような親であっても血縁

には勝てず、結局妻に去られてしまう。朝目覚めた時、もしか

したら隣にいるかも?と思って隣を見る男の姿が悲しかったなあ。

そしてまたしても使われることがなかった木の揺りかごを、

今回は手で撫でるのです。今回は手にすることができたはずの

自分の家族を失った原因は全て男にあると考えたからでしょうか。

それとも妻に毒草を飲まされていたことに気づいたからで

しょうか。そこまで憎まれる理由はなかったはずなのに。

最後に映る男の家が要塞のようで、それがそのまま男の胸の内

を表しているようでした。

 

 

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