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- 2023.01.12 Thursday
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JUGEMテーマ:Horror
「RAW 少女のめざめ」
原題:Grave
監督:ジュリア・デュクルノー
2016年 フランス=ベルギー映画 98分 R15+
キャスト:ガランス・マリリエール
エラ・ルンプフ
ラバ・ナイト・ウフェラ
ローラン・リュカ
ベジタリアンのジュスティーヌは、姉アレックスが
通う獣医大学に入学するが、新入生の洗礼式として
うさぎの腎臓を食べることを強要される。そして
その晩から彼女の体に異変が起こるのだった..。
<お勧め星>☆☆☆ ラストの1シーンで全てが理解
でき、そして悲しさも感じる映画です。
家族の愛情表現
ネタバレしているかも
オープニング映像が、最初何かわからなかったんです。
一本道がずっと映され、何かいるのかなと見続けていると、
一台の車がようやく走ってきます。そして同時に人が
一人フラフラと出てきてそれをよけた車は街路樹に激突
するのです。すると倒れていた人がむくりと起き上がり、
その車の方へ向かっていく...。
この意味やこの人物が誰かは映画の中盤以降にわかって
きます。
獣医大学に入学するジュスティーヌはベジタリアンで、
過保護すぎるほどの母親の干渉を受けている模様。父は
穏やかで、ヒステリックな母の言動にも、ただそれを
かばう発言をするのみ。ふむ。
そしてジュスティーヌは、姉アレックスが通う獣医大学に
入学したものの、入寮した晩から手荒い歓迎?を受けるは、
姉は冷たいはで「だって涙が出ちゃう。女の子だもん」的
にしくしく涙を流すのです。
シーツにくるまってまるで赤ちゃんのように泣くんです。
よく見ると、眉毛は整えてないし、腋毛もボーボー、男性と
交際したこともないらしい。つまり「女の子」のまま大学生
になり、神童と呼ばれるほど頭脳明晰だったけれど、他の面
では全く成長していなかったということです。ちょっと疑問
なのはそんなに頭がよかったら他の学問を専攻したらよかった
のに、ということ。なんで獣医なんだろう。
彼女曰く「猿を強姦するのは人間にそれをするのと同じ」
猿=人間と聞くと周りの級友はドン引きするのです。ここも
キーポイントで、猿は人間に最も近い存在であるけれど、
まったく同じなはずはなく、医学部と獣医学部がわかれている
ように、人と獣は区別されているはずなのです。本能のままに
振舞うのは獣であり、それを制御できるのが人間ということ
かしら。
そして洗礼式と称するものでうさぎの生の腎臓を食べることを
強要されます。「あたし、ベジタリアンなの。お姉ちゃん、
知ってるでしょ!」と主張しても全く聞き入れられず、逆に
姉にきつく責め立てられ一応口に入れるものの、そのあとで
リバースしてしまう。
これが始まりの始まりなんですね。その晩からものすごい
痒みに襲われ、まためちゃくちゃかきむしるジュスティーヌ。
あのね、痒いからかくなんて子供なのよ。痒くても我慢すれば
ひどくならないんだから。ほら、一皮も二皮もむけちゃった
じゃないの。そう、この皮がむけたことは、彼女の中で何かの
「目覚め」を象徴しているのです。
うさぎの腎臓→学食でハンバーグ万引き→ケバブばか食い
→冷蔵庫の生肉かぶりつき。この辺りまで来ると、ジュスティーヌ
の本当の姿がわかってきますが、それを見せるのがストーリーの
本筋ではありません。しかし次々にグロテスクな映像が出てくる
ので要注意です。
冷たいと思っていたアレックスは実はとても妹思いなのは、
一緒に立ちションさせたり(これは別にそうでもないな)妹の
ムダ毛処理をしてあげたりする姿から実感するのですが、そこで
ある事件が起きてしまうのです。ジュスティーヌ、最初、ペロと
一なめし、ちょっと噛んでみる。そして遂にはポリポリ食べ
始めてしまう。もう〜、かりんとうじゃないんだからね!
ルームメイトでゲイのアドリアンの優しさにほっこりしていると、
終盤にギョエっとなります。しかしそれもこれも、姉アレックスの
愛情であり、ジュスティーヌの成長を描いた映画であったと気づくと
それをほのめかすシーンがあちこちにあったと感じます。
そしてラストシーン。ジュスティーヌの賢い頭でどう考えていく
のか、人間の大人としての行動は自分自身で見定めていくしかない
ということでしょうか。
そのために姉や両親が自らで例を示したということでしょうか。