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    RAW 少女のめざめ

    4

    JUGEMテーマ:Horror

     

    RAW

     

    「RAW 少女のめざめ」

    原題:Grave

    監督:ジュリア・デュクルノー

    2016年 フランス=ベルギー映画 98分 R15+

    キャスト:ガランス・マリリエール

         エラ・ルンプフ

         ラバ・ナイト・ウフェラ

         ローラン・リュカ

     

    ベジタリアンのジュスティーヌは、姉アレックスが

    通う獣医大学に入学するが、新入生の洗礼式として

    うさぎの腎臓を食べることを強要される。そして

    その晩から彼女の体に異変が起こるのだった..。


    <お勧め星>☆☆☆ ラストの1シーンで全てが理解

    でき、そして悲しさも感じる映画です。


    家族の愛情表現

     

    ネタバレしているかも

     

     

    オープニング映像が、最初何かわからなかったんです。

    一本道がずっと映され、何かいるのかなと見続けていると、

    一台の車がようやく走ってきます。そして同時に人が

    一人フラフラと出てきてそれをよけた車は街路樹に激突

    するのです。すると倒れていた人がむくりと起き上がり、

    その車の方へ向かっていく...。

    この意味やこの人物が誰かは映画の中盤以降にわかって

    きます。
    獣医大学に入学するジュスティーヌはベジタリアンで、

    過保護すぎるほどの母親の干渉を受けている模様。父は

    穏やかで、ヒステリックな母の言動にも、ただそれを

    かばう発言をするのみ。ふむ。
    そしてジュスティーヌは、姉アレックスが通う獣医大学に

    入学したものの、入寮した晩から手荒い歓迎?を受けるは、

    姉は冷たいはで「だって涙が出ちゃう。女の子だもん」的

    にしくしく涙を流すのです。

     

    RAW
     

    シーツにくるまってまるで赤ちゃんのように泣くんです。

    よく見ると、眉毛は整えてないし、腋毛もボーボー、男性と

    交際したこともないらしい。つまり「女の子」のまま大学生

    になり、神童と呼ばれるほど頭脳明晰だったけれど、他の面

    では全く成長していなかったということです。ちょっと疑問

    なのはそんなに頭がよかったら他の学問を専攻したらよかった

    のに、ということ。なんで獣医なんだろう。
    彼女曰く「猿を強姦するのは人間にそれをするのと同じ」

    猿=人間と聞くと周りの級友はドン引きするのです。ここも

    キーポイントで、猿は人間に最も近い存在であるけれど、

    まったく同じなはずはなく、医学部と獣医学部がわかれている

    ように、人と獣は区別されているはずなのです。本能のままに

    振舞うのは獣であり、それを制御できるのが人間ということ

    かしら。
    そして洗礼式と称するものでうさぎの生の腎臓を食べることを

    強要されます。「あたし、ベジタリアンなの。お姉ちゃん、

    知ってるでしょ!」と主張しても全く聞き入れられず、逆に

    姉にきつく責め立てられ一応口に入れるものの、そのあとで

    リバースしてしまう。

     

    RAW
     

    これが始まりの始まりなんですね。その晩からものすごい

    痒みに襲われ、まためちゃくちゃかきむしるジュスティーヌ。

    あのね、痒いからかくなんて子供なのよ。痒くても我慢すれば

    ひどくならないんだから。ほら、一皮も二皮もむけちゃった

    じゃないの。そう、この皮がむけたことは、彼女の中で何かの

    「目覚め」を象徴しているのです。
    うさぎの腎臓→学食でハンバーグ万引き→ケバブばか食い

    →冷蔵庫の生肉かぶりつき。この辺りまで来ると、ジュスティーヌ

    の本当の姿がわかってきますが、それを見せるのがストーリーの

    本筋ではありません。しかし次々にグロテスクな映像が出てくる

    ので要注意です。
    冷たいと思っていたアレックスは実はとても妹思いなのは、

    一緒に立ちションさせたり(これは別にそうでもないな)妹の

    ムダ毛処理をしてあげたりする姿から実感するのですが、そこで

    ある事件が起きてしまうのです。ジュスティーヌ、最初、ペロと

    一なめし、ちょっと噛んでみる。そして遂にはポリポリ食べ

    始めてしまう。もう〜、かりんとうじゃないんだからね!

     

    RAW
     

    ルームメイトでゲイのアドリアンの優しさにほっこりしていると、

    終盤にギョエっとなります。しかしそれもこれも、姉アレックスの

    愛情であり、ジュスティーヌの成長を描いた映画であったと気づくと
    それをほのめかすシーンがあちこちにあったと感じます。
    そしてラストシーン。ジュスティーヌの賢い頭でどう考えていく

    のか、人間の大人としての行動は自分自身で見定めていくしかない

    ということでしょうか。

    そのために姉や両親が自らで例を示したということでしょうか。

     

     

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