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    MASTER/マスター

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    JUGEMテーマ:韓国映画全般

     

    MASTER

     

    「MASTER/マスター」

    原題:Master

    監督:チョ・ウィソク

    2016年 韓国映画 142分

    キャスト:イ・ビョンホン

         カン・ドンウォン

         キム・ウビン

         オ・ダルス

         オム・ジウォン

     

    投資会社会長チンは、一般投資家から多額の金を

    集め、権力者に賄賂を渡しながら勢力を拡大している。

    刑事ジェミョンをチーム長とする捜査班は、チンの

    側近ジャングンを利用し、チンの裏帳簿を入手しよう

    と計画するが...。


    <お勧め星>☆☆☆半 やや長尺ですが、丁寧に作られて

    いて十分楽しめます。


    実話の方がすごい


    この映画は、実在の事件「チョ・ヒパル詐欺事件」を

    モデルにしている、と書かれていますが、その事件を

    全く知らないので少し調べてみました。それは韓国で

    史上最大の金融投資詐欺事件といわれ、一般投資家から

    金を騙し取り、会員を増やしたあげく、4兆ウォン以上

    稼いだ上で、事件が発覚する直前に資産を現金化し、

    中国に逃走したというもの。被害者は4万人以上に上り、

    自殺者も出ていたのに、チョ・ヒパルは中国で病死したと
    発表されるのです。ところが彼の側近がその後、不法滞在

    で逮捕されると、実はチョ・ヒパルは生きており、警察

    内部にも協力者がいたと話したことで、大騒ぎになった

    らしい。ちなみにチョ・ヒパルの生死はいまだに不明なの

    です。

    詐欺事件といえば、日本では高齢者を中心に被害に遭った

    「豊田商事事件」を思い出します。2000億円近くの

    被害額に上ったあげく、逮捕されるという情報が流れた

    その日に、つめかけたマスコミのまさにその前で、

    2人組の男が会長の部屋に押し入り彼を殺害するまでが

    リアルタイムでテレビ画面に映っていました。今思うと、

    「なぜ」という疑問が幾つもわきますね。

     

    MASTER
     

    それはそうと、この映画では、チン会長役のイ・ビョンホン

    のクズっぷりが凄まじいです。マルチまがい商法で富を蓄え、

    まるで宗教の指導者のようにステージ上に現れるシーンは、

    彼のオーラが全開!そしてその中にうさん臭さプンプン、

    金のにおいプンプン。

     

    MASTER
     

    一方彼を追う刑事ジェミョン役は、カン・ドンウォンで、

    あくまでもスマートでかっこいいのです。少しくらい殴られた

    くらいでは、この綺麗な顔は傷つきません。この人もいつかは

    ビョンホン様のように汚れた役が似合うようになるのかしら。

    ジェミョンのチームがチンの側近でハッカーのジャングンを

    丸め込み(半ば脅し)、チンの犯罪の証拠となる帳簿の入手を

    計画するのですが、それが失敗するのも当たり前の展開です。
    詰めが甘かったのか、いや、話がこれで終わってはまったく

    もってつまらない。後半は舞台をフィリピンに移して、チンの

    フィリピン政府を巻き込んでの詐欺話が始まるのです。ちょっと

    規模が大きくなりすぎだし、それなのに休暇を取ったことに

    なっているジェミョンが捜査の指揮に当たるのはあまりに違和感

    ありまくりだけれど、それもこれも「執念」ということで

    終わるのかなあ。国をまたいでの捜査で、その国の警察まで
    動員するのってそんなに簡単じゃないと思うけれど、韓国と

    フィリピンは捜査協力するのが早い段階で行われるらしい。

    (ちょっとここは定かではない)とりあえず、ジェミョンと

    チンの韓国国内での仕事を引き継いだフアン(オ・ダルス)、

    そしてチンの三者の駆け引きに、ジャングンが加わり、

    騙し騙されの連続です。この種明かしが回想シーンとして

    その場で入り込むの、そうか!と納得できます。
    終盤には派手な銃撃戦とワンボックスカーとトラックとの

    カーチェイス、そこでビョンホン様ったら、こんな表情も

    見せてくれます。

     

    MASTER

     

    スターはやはりどんな表情でもできないといけません。いつも
    主役で、例えば原作本があっての映画なのに、原作にない

    主役の素敵さアピール映像はまったく不要。その俳優のための

    映画で秀逸な内容だったためしがない、とわたしは思って

    おります。
    ラストのラストにはイ・ビョンホンとオ・ダルスの小ネタを

    仕込んで合って、これもクスリと笑わせてくれます。

     

    MASTER

     

    愛だの恋だのでノロノロ進むストーリーではなく、そこは

    さっぱりそげ落とされているのも小気味のいい内容でした。

     

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