僕とカミンスキーの旅

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JUGEMテーマ:洋画

 

僕とカミンスキーの旅

 

「僕とカミンスキーの旅」

原題:Ich und Kaminski

監督:ボルフガング・ベッカー

2015年 ベルギー=ドイツ映画 123分 

R15+

キャスト:ダニエル・ブリュール

     イェスパー・クリステンセン

     アミラ・カザール

     ドニ・ラバン

 

マティス最後の弟子で盲目の画家カミンスキーの

伝記を執筆するため、自称美術評論家ゼバスティアンは、

彼の住んでいるスイスの山奥に向かう。しかし

カミンスキーを含め、周囲の人物たちに翻弄されつつ、
なんとか彼の元恋人を訪ねる旅に出発するのだった。


<お勧め星>☆☆☆半 奇想天外なストーリーには

やはり驚かされますが、ラストには心が温かくなります。


何も捨てるものがないなら、それを捨てろ


「グッバイ、レーニン!」(2002)の

ボルフガング・ベッカー監督が同じくダニエル・ブリュール

を主演に製作した映画です。わたしは

「グッバイ、レーニン!」が大好きで、星5つの評価を

つけた記憶があります。
「オスタルギー」東西ドイツ統一後に旧東側出身者の

「昔だってそんなに悪くなかった」という感情を表す言葉を

初めて知ったのがこの映画です。東西ドイツ統一期に

昏睡状態になった母親が、ある時奇跡的に覚醒し、しかし

心臓発作で倒れたことを考慮して、息子が母親のために、

ドイツは分断されたままだと偽ニュース映像を作り続ける

というものでした。この苦労がしばしば水の泡になりかける

のをあの手この手でごまかすのですが、その手法は大笑い

の連続で、だからこそ息子の母親への深い愛情を感じるし、

最後のニュース映像は「多くの人の理想」を語っており、

それを見ると、現実との格差に思わずハッとしてしまうのです。

昔はよかったという思いは、過去の記憶が美しく書き換え

られていることに気づかないことが多いので、要注意。
その期待感を持ちながらこの映画を鑑賞。冒頭から流される

ニュース映像がフェイクであることにいつ気づいたかしら。

 

僕とカミンスキーの旅

 

前半は、自称美術評論家のゼバスティアンが、盲目の

画家カミンスキーの伝記を執筆するため、

「突撃!隣の晩ごはん」もしくは「鶴瓶の家族に乾杯!」の

ようにほぼアポなしで現地に向かい、ぶっつけ本番のような

取材をするのです。そこにはほんわかムードはないですよ。
むしろ胡散臭い、煩わしい、よそ者お断り感でいっぱいです。

徒歩で30分という裏の山を登って汗みどろになっていると、

実はタクシーで家の前まで行ける。嘘ではないんですよ、

宿主のただの意地悪です。

 

僕とカミンスキーの旅

 

カミンスキーの娘ミリアムに冷たくあしらわれても、

図々しくディナーの席に座っていたりするゼバスティアンは、

どんな扱いを受けようとも、とにかく金儲けがしたいという

欲にまみれているのが丸わかりです。この伝記を執筆中に
カミンスキーがぽっくり亡くなれば、本は売れるし、この娘

と結婚し、屋敷も手に入れて...。この妄想が映像として

現れてしまうのです。時々聞こえる心の声も、普通の会話

の声と全く変わらない大きさなんですよ。ああ、こんな風に

言ってしまいたいことってたくさんありますね。この間に

恋人に愛想を尽かされて別れを告げられるし、もうやる

しかないのです。
しかし後半になると、カミンスキーの気をひくために提案した

元恋人テレーゼ話に、彼が飛びつき、なぜかゼバスティアンと

カミンスキーが車で旅を開始することになります。この珍道中には
山あり、谷あり、同乗者あり、追跡者ありと波乱万丈で、

何ならこれを執筆したら面白い小説になるのにと思ってしまう。

そしてようやくたどり着いたテレーゼの家のドアを開けると、

なんとジェラルディン・チャップリン演じるテレーゼが、

それはそれは可愛い姿でちょこんと座っています。

 

僕とカミンスキーの旅

 

ここからはもう笑うしかありません。
映画のラストは、海辺に座ったカミンスキーが次第に絵に

変わり、それは赤い達磨大師のように見えてくるという、

極めて印象深いものになっています。「無功徳」というものを

身をもってゼバスティアンに伝えたのかもしれません。

 

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