斬、

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斬、

 

「斬、」

監督:塚本晋也

2018年 日本映画 80分 PG12

キャスト:池松壮亮 

     蒼井優

     中村達也

     前田隆成

     塚本晋也

 

開国に揺れる江戸末期、農村に身を寄せている

浪人、杢之進は隣家の息子、市助に剣術を教えながら、

自ら江戸へ向かう時期を伺っていた。そんな時

浪人澤村が現れ、仲間として江戸行きを勧めるのだが...。


<お勧め星>☆☆☆☆ 80分があっという間に過ぎ、

瞬きするのも惜しいほどでした


二つ星のてんとう虫


圧倒されるのは、塚本監督自身が演じる澤村の殺陣と、

市助に剣術を教えている時の杢之進の動きです。市助を

演じた前田隆生さんは剣道初段であり、それなりに剣術の

腕前があると思うのに、杢之進の腕前とは格段の差が

あるかのように思えてしまう。

冒頭は刀鍛冶のシーン。

真っ赤な鉄を幾度も打って打って光り輝く刀へと変貌します。
そしてどこまでも広がるのどかな田園風景の中で、真剣な

眼差しで木刀を戦わせる杢之進と市助が映りますが、その

真剣さを打ち破るかのような、ゆうの「お昼ご飯だよ」の声。
ただただのどかで開国に揺れる江戸の嵐のような状況とは

無縁のように感じます。この時だけ明るい日差しが差し込み、

人々の顔に笑顔が浮かんでいたようにも思えるのです。
杢之進は浪人の身であり、江戸へ向かうことを決意しているの

ですが、そのゆうと恋仲(もちろん気持ちだけ)であることは

すぐにわかります。映画内で2回ほど二人が交じり合うことを

意味するシーンが映ります。その時の蒼井優さんの表情や

演技に、どうしようもないくらいの色気を感じてしまうのです。

お茶目に笑い、冗談を言い、そして怒り、憎しみをあらわにし、

悲嘆にくれ、絶望する。あらゆる場面において、彼女は

ぴったりの演技を見せ、池松君が「化け物女」と呼んでいた

のも頷けます。
平和だった村に突然現れた浮浪人の集団は、村の人々を不安に

陥れます。漠然とした不安は恐怖に変わるものの、

「目を合わさなければいい」

という杢之進の言葉に、村人は少し安堵し、また杢之進は
浮浪人たちの元へ向かい酒を酌み交わすのです。浮浪人が

悪いことをしていることを知らないはずもないけれど、何も

起きなければ刀を抜く必要もないのです。

いや刀を抜かないのか抜けないのかそれともその両方なのか。
この浮浪人のボス役の中村達也さんがすごくぴったりなんですよ。

もうね、この役にはこの人しかないというくらいに合っています。
ところが村にもう一人澤村という浪人が現れており、彼によって

状況が一変するのです。それは小さなさざ波(果し合い)だった

ものが大きなうねりとなり、その中に平凡な村人がどんどん

飲み込まれていくかのよう。
後半は血みどろシーンの連続で、あの明るかったゆうはもう

存在しません。明るかった村も存在しません。空も曇り空や夜の

ものが大半を占め、土砂降りも起きます。全てがあらがえない

時代の波を表しているかのようです。
無残な殺し合いの結末は人間の愚かさの集結となり、そこには

狂気と絶望しか存在しないような印象を受けました。これは

「野火」を見終わった時と同じ思いで、監督自身が「人を殺す

凶器がたった一本の刀に凝縮され、人間の本能に少しだけ近づく

ことができた」と書いているのに共感を覚えずにはいられません。

 

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