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    スリーピング・ボイス 沈黙の叫び

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    JUGEMテーマ:洋画

     

    スリーピング・ボイス

     

    「スリーピング・ボイス 沈黙の叫び」

    原題:La voz dor mida

    監督:ベニト・サンブラノ

    2011年 スペイン映画 123分

    キャスト:インマ・クエスタ

         マリア・レオン

         マルク・クロテット

         ダニエル・オルキン

     

    1939年、スペイン内戦終結後、フランコ独裁政権

    へと変わり、敗者となった共和派の人々は次々に投獄

    されていく。マドリードの女性刑務所に姉オルテンシアが

    収監されているペピは、身重の姉を気づかい必死で面会を

    続けるが...。


    <お勧め星>☆☆☆☆ 戦いは憎しみと悲劇を生むばかり。

    その中で女性たちの強い姿を見ることができます。


    希望は持つもの、生きるために。


    スペイン内戦は1936年から1939年まで人民戦線

    (共和派、ソ連、メキシコなどが支援)とフランコ将軍を

    中心とした反乱軍(ナショナリスト派、フランス、ドイツ、

    イタリアなどが支持)の間に起きたもので、結果的に反乱軍が

    勝利をおさめ、フランコ独裁政権が誕生したのです。しかし

    まず内戦時に、反宗教的であった人民戦線軍と古来カトリック、

    キリスト教を支持した反乱軍とでは政治的な信条の違いだけ

    でなく、宗教的にも対立し、身内、友人、隣人までもが

    敵味方に分かれ、双方多くの人々が犠牲になりました。

    その結果、独裁政権誕生後は、共和派の戦闘員のみならず、
    その恋人、妻、知り合いというだけで、国家反逆罪の罪を

    着せられ、激しい弾圧を加えられたのです。これがこの

    映画におけるマドリードの女性刑務所の存在であり、その

    環境の劣悪ぶりだけでなく、不条理な裁判、無慈悲な処刑の

    執行まで描かれます。銃弾の響く音で、幾人処刑されたの

    かわかり、それを聞きながら恐怖に怯える女性たちの姿。
    同じ国民であっても、敵味方に分かれて戦い、さらには

    勝者側が敗者に激しい弾圧を加える構図は、今なお世界の

    あちこちで起きている気がしてなりません。
    この映画は特に「女性」の視線で描かれており、差別や

    偏見を恐れて沈黙していた生き残った女性へのインタビュー

    から書かれた小説を基に、自国で製作するのに6年の月日が

    かかったということです。
    冒頭いかつい女看守が靴音を立てて囚人房へ近づいてきて、

    名前を次々に読み上げます。それが何を意味するのか、

    泣き叫ぶ女性たちを見ると推測できますが、映画ではその後の

    姿も映し続けます。

     

    スリーピング・ボイス
     

    この中の囚人オルテンシアは、夫フェリペが共和派の戦闘員で

    あり、その結果拘束され、他の人々同様に茶番のような裁判を

    受けて死刑を宣告されます。口答えすれば容赦なく平手打ちが

    飛ぶのです。それは神に仕える身の神父、シスターすらも同じで、

    ここまで冷酷になれるのかと驚くばかりです。

     

    スリーピング・ボイス
     

    またオルテンシアは身重であり、故郷から妹ペピがマドリードを

    訪れ、彼女と面会を続けるために、ある家でメイドとして働き

    始めます。しかしその家の主人の一族は軍の幹部で、妻は内戦で

    共和派によって家族を殺されていました。しかしペピも同じ

    内戦で反乱軍によって家族を殺害されています。またこの家の

    主人フェルナンドはどうやら共和派らしく、そのせいで医師免許を

    はく奪され、会計士をしているらしい。誰もみな内戦で身内を

    亡くしたり、職を奪われたりしていた時代なのです。この複雑な

    人間関係の中で、ペピはフェリペの仲間のパウリーノと出会い、

    恋に落ちます。

     

    スリーピング・ボイス

     

    一度目はペピが答えなかった質問も月日が過ぎた後に、逆に

    ペピから「あの質問をして」とせがみます。このシーンが

    何とも言えず、普通なら甘ったるく感じる恋なんだけれど、

    この映画をだらけさせるものではなく、ペピの意志の強さを

    実感するものになっているのです。

    しかしそんな時間はごくわずかで、やはり無事に出産した

    オルテンシアの死刑執行の時期が近づきます。
    「兄さんは仲間とフランスに無事に旅立ったわよ!」
    ペピが必死で涙をこらえながら面会した姉に伝えるシーンでは

    不覚にも涙がこぼれました。ペピ役のマリア・レオンはこの

    映画でゴヤ女優賞を獲得したとのこと。他のシーンも含め納得の

    演技です。
    内戦もその後も起こるべきではなかった。

    これは戦争というものすべてに当てはまることだと思います。

    慈悲深い女看守の姿が印象的でした。

     

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